立山のライチョウを撮る 5月編

Report by 戸塚学 / 2021年5月15日~16日

眠るオスのライチョウ

3日前から先入りして下見兼自身の撮影をしつつ、微妙な天気予報で晴れなのに晴れなかったりの連続で、やきもきしながら室堂ターミナルでツアー当日11時から待つと1名早く到着して宿に荷物を置いてきたというIさんと合流。今回は珍しく皆さん予定通りの時間に合流です。(大体いつもは1~2時間早く来て周囲をうろうろしてるんですよね(笑))

イワツバメの飛翔

明日から天気が崩れる予報でも、この時間では快晴のいい天気なので屋上でイワツバメの飛翔を30分撮影してもらう。12時30分に宿へ向かって歩き出し、到着後はそのまま食事。ここで簡単な撮影スケジュールとライチョウの行動を説明します。食後は荷物を部屋に置き、施設の説明をしてすぐ撮影開始です。宿から出たところで人が集まっているのを確認。ライチョウのペアがいたので早速撮影してもらったのだが、すぐハイマツに潜ってしまったので他のライチョウを探しに行くことに。

ライチョウのペア
ディスプレイ

今年は4月の時点で雪の量は普通だったのに5月、この時期にしては雪が多い!そのせいかいつもはお立ち台と利用する大岩に上がる個体がいない!それが狙いなので困りものだが。そんなお立ち台を説明しながらライチョウを探すがいない。そこで先ほど見つけた場所に戻るとハイマツに潜って休息するメスを見つけ撮影をしてもらっていると、奥にわずかに移動するオスを発見。進行方向で待つとメスも移動をはじめペアでの撮影がしっかり撮ることができ、みなさんの表情にも余裕が(笑)再びハイマツに潜ってしまったので別の場所へ移動です。

ライチョウのペア
ディスプレイ

ここでもライチョウが出てしまった!いい場所だが突然の霧で真っ白!しばらくすると飛んで行ってしまった。ここらあたりで休憩を予定していたが、反対側でもオスが出て他のオスに対して警戒をしているのか、走り回っている。よく見るとメスもいた。そんな姿を撮影してもらっているともう1羽メスがいることが判明。メス2羽のツーショットまで撮ることができた。これはかなり珍しいシーンなのでしっかりとってもらった。その後メス同士のけんかやオスが1羽のメスに対して追い出し行動をはじめた。さて皆さん撮れたかどうかはわからないがいろんなシーンは堪能ができたはず。霧も濃くなったので一旦宿で休憩。

メスの飛翔
2羽のメス

ここで私的には夕日は無理かなと思っていたが、急に霧がはれたので温かい服を準備してもらいライチョウを探しに行くと、これまたすぐにペアが見つかった。光はいいがロープと岳の支柱が邪魔で苦労する。全然動かないので切り上げて夕日のポイントへ移動しました。

夕焼けの大日岳

ここでは三脚でがっちりと夕日の撮影を予定していたのですが、ものすごい強風でとても三脚を立てられない。(突風で三脚が飛ばされてしまう)そこで手持ちでの撮影をしてもらう。天気の変わり目ということもあったのでしょうが、1年でも数回しか見ることができないほどの夕焼けを寒さに耐えながら大興奮で撮影していただきました。おかげで夕食時間にちょっぴり遅刻(笑)。夜は立山側が曇っていたので星の撮影は中止しましたが、その後晴れたようで。皆さんに声をかけようか悩んだのですが、お疲れのようなのでそのままにしました。

 

2日目は朝5時に雨が降っていれば撮影は中止して6時から朝食。雨の降り具合でそのあとの行動を決めるとしてあった。5時、窓の外は雨が本降りなので撮影は中断。6時に皆さん揃って朝食を摂りました。その後、8時に再度喫茶室に集まっていただき今後の行動を話し合いました。

結果、皆さん帰ると行くことで決まったので荷物をまとめ、降りしきる雨の中出発して脱落者もなく、無事室堂ターミナルに到着。そしてここで解散となりました。

 

4月・5月と1泊2泊でのツアーを各1本ずつ行いましたが、やはり詰め込み過ぎな内容になっていたかな?と感じました。標高が高く酸素が薄いので疲れも平地とは違います。今後は2泊3日とお試し1泊2日を織り交ぜてもいいと感じました。

 

ご参加のみなさま、2日目は大雨&強風で雪の上の歩行と大変でしたが、1日目でがっちりとライチョウと夕日は堪能できたと思います。本当にお疲れさまでした。

残照の立山

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員