初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル<後編>

Report by 戸塚学 / 2025年6月21日~26日


4日目 羅臼 晴れ 

熊の船の船長からどうしても午後にしてほしいと要請があり、午前はゴジラ岩観光でシャチクルーズになりました。この日はシャチたちが同じ場所に集まり、他にばらけていないためすべての船がこのシャチの大集団の周りに集まりました。

シャチ
シャチ

シャチの軍団にウォッチング船の軍団が群がる形でしたが、天気も良く波穏やかでスパイホップをする個体が何頭も確認ができ撮影もしっかりできたと思います。残念なのはジャンプが無かったこと。

 

下船後はトイレに行き、そのままコンビニで買い物です。そして相泊港で待機して30分早いクマクルーズスタートとなりました。今年はクマたちがあまり海岸に出てこないという状況が続いておりちょっと心配しましたが、無事1頭のクマを船長が見つけてくれて撮影をすることができました。

ヒグマ

浜辺に腹ばいになって何かを食べています。アザラシか?と思いましたが海藻を掘り返しヨコエビなどを食べているようでした。歩く姿も撮影できましたが、他社の船が来たので岬先端部へ移動します。しかしここにはクマの姿はありません。帰路にもう一度先ほどのクマがいたあたりに戻りましたが山へ戻ってしまったようでした。途中カモメがたくさんとまっている場所にミツユビカモメはいないか探しますが見つかりません。それでもようやく成鳥で夏羽の特徴が残るヒメウがいたので船長にゆっくりと寄せてもらい美しい姿を撮影できました。

ヒメウ

下船後は昨日の動きから少し余裕をもって夕食を食べてからシマフクロウに挑戦です。この日も20時少し前、鳴き交わしの後メスが現れました。メスが去った後オスも来たのですが、生簀の奥にとまりその後横の木の枝にとまりますが、この木にライトが届かず暗い。生簀に降りるのを今か今かと待っていると・・・ぷぃっと海側へ飛び去りました。その後は姿を現さなかったので22時に終了です。昨年までは「出れば23時、出なければ24時まで粘る」と伝えていましたが私もジジィになったので1時間短縮させてもらう事にしました。(笑)

 

5日目 羅臼~斜里 晴れ

本日は滅多にないほどの凪の日。こういう日を油凪という。とにかく港で出航を待つ間の暑いこと暑い事。出航すると昨日と打って変わってシャチたちの大きな群れは見当たらない。しかしオス3頭、メス1頭がのんびりと泳いでいるので各社個々にターゲットを決めてシャチを狙います。私たちは愛想のいいオスを狙いましたが、他にも3頭いて順光の知床連山バックだと遠いけれども絵になるカットが狙えるし、逆光気味だが近い個体も狙えるのでどれを狙うかでみなさん右往左往(笑)。

シャチ
シャチと知床連山

とにかく波が無いので逆にカメラのAFがどこにピントを合わせていいのか迷ってしまうのは誤算だった。波もうねりもない、シャチがゆっくりだと船もゆっくりになるためもう船上は暑い!私も途中でレインウェアを上下脱いでしまった(笑)さすがに動きがないシャチばかり狙ってもいられないので沖の方へ移動しながらイシイルカを探します。このイルカ配色がシャチと似ているので初めての方はシャチと間違えるがほとんど姿を外に出すことが無く、なおかつ水しぶきだけを残して移動するため動画での撮影は可能だが静止画は極めて難しい。しかしあまりにも波が無いせいかこの時は背びれを出してゆっくりと泳いでくれてラッキーでした。

イシイルカ

さてまったりとした後はまた慌ただしくなります。下船後トイレに行きコンビニでお弁当を買い込みそのまま知床峠へ。狙いはギンザンマシコ。下見で確認した場所で待ちますが出ない。それでもアオジ、ウソ、ウグイス、ノビタキ!(私は初めてここで見た!)アマツバメ、声はルリビタキ、カッコウ、ツツドリが聞かれたが本命が出てこない。風があり、標高が高いこともあり涼しくも感じるが、炎天下なのでまさに修行だ。15分早めに切り上げようかなと思っていた時にメスのギンザンマシコが出てくれて撮影をすることができた!アンビリーバボーでした。

ギンザンマシコ

結局10分延長になってしまった。そのあとは斜里のホテルに移動して終了となりました。

 

26日 斜里~浜小清水~女満別 晴れ

朝は朝食の関係で8時に出発にしました。実際問題、草原の小鳥は夜明けから8時までが勝負なのでどうしても朝食時間がネックになるし、ドライバーさんの拘束時間の関係もあるのが悩ましい。まず小清水原生花園は国道を挟んで2か所になるので湯沸湖の木道側の説明をしたのち海側の説明をします。あとは個々に好きな場所で撮影をしてもらいます。小鳥は人数が多いと警戒をして寄ってこないためこれが最善の方法となります。今回スケジュールの関係で小鳥をほとんど狙う事ができず悩ましかったが、ここではコヨシキリ、ノビタキ、ホオアカ、オオジュリン、シマセンニュウなどを撮影ができたと思います。

コヨシキリ

高台へ涼みに出るとアオサギの群れに大きな白い鳥?タンチョウのペアです。

タンチョウ

しかし足元に茶色の塊?キタキツネが絡んでいるのかと思ったらヒナが1羽親鳥の間にいました。辺りを見回すと近くにいた一人を呼び撮影してもらいます。その姿を確認してみなさんが集まってきましたが親子はどんどん草丈が深い中に消えて行きます・・・結局最後の方には確認させてあげることができなかったのが悔しい。次が最後の場所となる空港近くの女満別湖畔キャンプ場。ここはキツツキ類がよく見られ、運が良ければクマゲラが出るかもというギャンブル性が対場所です。しかしすでに時間的には生き物が出ない時間。それでも予想外のエゾリスが出てくれました。エゾリスも暑いのでしょう、最後は木陰の木の枝に腹ばいになって休憩していました。

エゾリス

他にはベニマシコが撮れたことと、オシドリのヒナを見られたこと。

ベニマシコ

とにかくこの日は暑く北見が33度なのでここでも30度を超えていたはず!そして時間通りに空港へみなさまをお連れして無事解散となりました。

ご参加いただいたみなさまお疲れさまでした、そしてありがとうございました。

 

撮影できた生き物
スズガモ・シノリガモ・フルマカモメ・ハシボソミズナギドリ・ウミウ・ヒメウ・チシマウガラス・アオサギ・タンチョウ・アマツバメ・ウミネコ・オオセグロカモメ・ウトウ・ケイマフリ・オジロワシ・シマフクロウ・シマセンニュウ・コヨシキリ・コムクドリ・カワガラス・ノビタキ・ハクセキレイ・ベニマシコ・ウソ・ホオアカ・アオジ・オオジュリン・エゾシカ・キタキツネ・ラッコ・ゼニガタアザラシ・シャチ・イシイルカ・エゾリス・エゾヒグマ

見られた&声が聴かれた鳥
マガモ・キジバト・ドバト・アオバト・カワウ・カワウ・カッコウ・ツツドリ・オオジシギ・トビ・カワセミ・チゴハヤブサ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒガラ・シジュウカラ・ヒバリ・ウグイス・エゾムシクイ・ヒヨドリ・マキノセンニュウ・エゾセンニュウ・スズメ・ハクセキレイ・ミソサザイ・ムクドリ・ルリビタキ・キビタキ・スズメ・ウソ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル<前編>

Report by 戸塚学 / 2025年6月21日~26日

初日、2日目とあいにくの雨でしたが3日目からは天気にも海況にも恵まれました。とんでもない大当たりはなかった分、予定をしていた生き物たちにも合う事が出来、すべて撮影ができたことは及第点以上だったのではと思います。

1日目 中標津空港~霧多布岬~根室 曇り&濃霧

女満別から使用するジャンボタクシーで中標津空港に向かう途中は晴れていたのですが、だんだん風と雲が広がってきました。中標津空港では先入りをしているご夫婦と合流しました。残りの人たちは飛行機が大幅に遅れての到着となりました。いざ、霧多布を目指しますが、海に向かうに従い霧が濃くなります。・・・まずい、案の定岬は濃い霧に包まれ崖から海を見るのも大変な状況です。この時電話が!落石NCから明日は天候不良で欠航と連絡が入った。最悪を想定しての2本だが、1本でも出てくれれば精神衛生上ありがたい。本来なら海岸線を流しながらタンチョウを探すのですが視界がないのでパス。

宿に30分遅れで到着してすぐに予定をしていた居酒屋で食事です。じつはここ根室でも有名店でとても賑わっていました。もちろん味もボリュームもばっちりです。撮影ができない時は美味しいもので満足します。

2日目 根室 風雨&霧

本来なら同じ宿の予定が初日だけ取れなかったので、歩いて撮影する予定がタクシーで移動です。まずは東梅地区の森の中でクマゲラに期待をしますが霧雨の森の中は暗くて生き物を探すのも一苦労。ミソサザイの大きなさえずりが響き渡るのですが、姿を見つけられません。時々エゾムシクイやセンダイムシクイが囀りますがこちらも見つけてもすばしこくて撮影ができません。時々茂みが「がさり」と動きエゾシカが走り去ると「熊でなくてよかった」と胸をなでおろします。

結局なにも見つけられずトレッキングのみで終了しました。時間がまだあるので春国岱へ向かいますが、なんと木道が通行止め!これで万事休すかと思っていると風連湖の水辺にタンチョウのペアがいたので撮影をしてもらいました。タンチョウよ、ありがとう!

タンチョウ

ホテルに戻り各自朝食を食べてもらいましたが、これが予想以上に良くみなさん満足されていた。さて悩ましいのがこの後です。強風と霧では行く場所がないがホテルにいつまでもいられないので、まずは納沙布岬を目指します。やはり海側は霧に包まれていますが、向かう途中にある原生花園には馬が放牧されているのでそこで撮影をしてもらいます。

ウマ

その間に私は辺りを物色すると、ノビタキ・ベニマシコ・オオジュリン・シマセンニュウがいることがわかり撮影をしてもらいますが・・・遠い。約1時間ほど滞在して納沙布岬に到着。ハイドから観察するもウミウとオオセグロカモメとウミネコのみ。みなさんウミネコとオオセグロカモメの違いを知りたいという事でちょっぴりレクチャー。これよりまぎわらしいカモメ類の解説は無理なので簡単なので助かった(笑)。ヒメウがよくとまっている岩にはヒメウの姿が無くオオセグロカモメが抱卵をしていたので観察と撮影をしてもらいます。

オオセグロカモメ

その後は昼食のため「はなまる」へ。根室では有名な回転寿司で、すでに店内はいっぱい。こういう時は混んでいる店は時間調整ができてありがたい。

美味しいお鮨はあまり状況の良くない日には心をほぐしてくれるのでありがたい。次なる場所は明治公園。行き先を告げるとドライバーさんがびっくり!まさか市街地の公園とは思っていなかったようだが、じつはここコンパクトに鳥を楽しめるのだ。とはいえ時間的には野鳥撮影には厳しいが池にはよくカモメ類が水浴びをしているのでそれに期待すると上空をオジロワシが通過。

オジロワシ

一瞬だったので見られなかった方ががっかりするがいたしかたなし。池の周辺でノビタキ、ベニマシコが出るも遠い。カモメたちが水浴び後に風上に飛ぶので移動してそれを撮ってもらうが、なぜか全員でスタンバイをするとどこかに行ってしまった・・・イケずや!続いて花咲漁港。ここは冬なら必ず海ガモ狙いで行く場所だが、夏場はなぁ・・・。天気が良ければカモメ類の飛翔を練習がてらに撮ってもらうのだが曇っている。オジロワシが4~5個体いるようで飛翔する姿やペアどまりの姿を撮影来た。他に何かいないかなぁと探していると波打ち際の岩から何かが泳ぎ出した。初めはトドのこどもかと思ってみんなを呼び集めるが、1人足りないので探しに行くとようやく見つかった。いる場所に案内をするとすでに遠くまで泳いて行ってしまっていた。「トドのこども」と説明しているとみなさんから「ラッコだよ!」と言われて?どうやら私が参加者を探しに行っている間に背泳ぎで移動している姿からラッコと判明したようだ。

ラッコ

それにしてもここで出会うのは超久しぶりだった。最後は春国岱のネイチャーセンターへ行き時間調整をして宿へ。この日は西の空が若干色づいていたので軽い期待をしていたが、夕食後にまさかまさかの焼けっぷりに驚いた!残念なのはタンチョウとエゾシカ両方ともこの光の中、絡ませることができない事だった!

根室の夕焼け

 

3日目 根室~羅臼 晴れ

昨日の荒天がまるで嘘のような天気。風連湖はまるで鏡のように静まり返っています。しかしちょっぴり心配なことも。5時30分集合して撮影に出ました。外気温は暖かい。そして風がないと言事は奴らが襲って来る予感が?まずはコヨシキリの声を頼りに探しますが、結構遠い。続いてオオジュリン・ベニマシコ・シマセンニュウと出るのですが・・・撮影ができない!

ベニマシコ

その理由は「ヌカカ」の大群に交じった大きめの蚊の猛襲。参加者には彼らが襲って来ることは伝えておいたのですが、その数がハンパない!私が体験した過去最高の数。予定では1時間30分を予定していましたが30分で強制終了。朝食まで部屋待機となりました。朝食後は春国岱を散策予定でしたが、このヌカカ天国では撮影どころではないので一旦道の駅に移動して席決めのじゃんけんですが、ここもあっという間にヌカカに占領されて移動を余儀なくされます。続いてコンビニでも入り口はすでに無数のヌカカに覆われています。

 

ようやく太平洋側の海岸の草地へ来ると冷たい海風のおかげで彼らの攻撃を受けずに済みました。その後落石のクルーズに参加します。波はありませんが昨日までの荒れ模様でうねりがあります。鳥たちはウトウ・ケイマフリ・ハシボソミズナギドリ・ヒメウ・ウミウ・オオセグロカモメが出ますが、やはりうねりがあり撮影は難しい。

ハシボソミズナギドリ

ユルリ・モユルリの間でエトピリカを探しながらラッコやゼニガタアザラシを撮影します。

ラッコ
ゼニガタアザラシ

時折上空をオジロワシも飛びますが、結局エトピリカとの出会いはなかった、残念。

オジロワシ

このクルーズのもう一つも目玉がチシマウガラスの夏羽&繁殖羽。岩の一角で営巣をしているのでそれを観察します。頭にはとさか、目の周りが真っ赤でとても美しい。30年前には超レアな鳥がこうして観察できるのは感無量です。

チシマウガラス
チシマウガラス

下船後は羅臼に向かって移動です。その前に途中にある伊藤牧場でおいしいソフトクリームを堪能。そして尾岱沼ではショウドウツバメのコロニーと飛翔をちょっぴり撮影。

ショウドウツバメ

ゆっくりしたいのだが、夜はシマフクロウの撮影が控えており夕食の時間が早いので致し方がない。サライではまず荷物を部屋に入れ、夕食を食べてすぐ出発。最近は早い時間にシマフクロウが出るのでそれに期待。なんと予定通り20時少し前に鳴き交わした後メスが生簀へ。2尾食べたあと1尾をヒナの元へ運んで行った。オスは少し遅れて現れ、こちらも2尾食べたあと1尾をくわえてヒナの元へ。その後声はするが姿を現さなかったので22時に切り上げて終了となりました。

シマフクロウ

結局この後、午前2時まで出なかったそうで終了時間はばっちりでした。

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の道東を撮る【前編】

Report by 戸塚学 / 2025年2月16日~21日

今年の鶴居村はインバウンドでごった返し撮影場所に入れない、気温が下がらず霧氷が付かない、根室では風連湖が結氷せずワシの撮影ができない&シマエナガも来ない、港にはカモが少ないというトリプル難。さらに羅臼では流氷がまだ来ていないというさんざんな状況ではあったものの、それなりに収穫のあった内容になったのではないかと感じました。ただしあまりにも短い期間に内容が盛りだくさんなスケジュールだったため、みなさまかなり疲れたと思われたのが少し残念でした。

1日目 

釧路空港で集合し、すぐに車に乗って夕陽のポイントへ向かいました。空は曇り予報でしたが、若干日の光が届く高曇りで「上手く行けば空が焼けるかも?」と期待をしたがやはりどん曇りになってしまった。現場に着いて小鳥が撮れる場所を見ると人でごった返していて「今日は入れないから、外から撮る分はお金はいらないよ」と言われ、ポイントの外から何とかシマエナガやアカゲラを撮っていると、隣にいた女性から「さっきエゾフクロウが2羽いて撮影ができた!」と聞き、立ち入り禁止だったのでは?と思ったが、ここで待っているのも時間の無駄なので、急遽エゾフクロウの場所へ移動をすることにしました。

シマエナガ
シマエナガ
アカゲラ
アカゲラ

入り口にロープがしてあったのは車両の進入禁止と駐車禁止のロープだった。ここで降ろしてもらい、歩いて撮影に向かいました。すでに外国人のカメラマンがたくさんいたので、その隙間から何とか撮影ができました。何度もツアーで来ているが本当に久しぶりに2羽の姿を撮れたのはラッキーでした。みなさんしっかりと撮影ができ、歩いて駐車場まで戻る途中、木の枝に小鳥?が。双眼鏡で覗くとハギマシコだったので撮影をしてもらいました。ラッキー!

2羽のエゾフクロウ
2羽のエゾフクロウ
ハギマシコ
枝の上にハギマシコ

さて、この天気で夕陽のポイントへ戻っても小鳥も撮れないし夕陽も望めないので伊藤サンクチュアリーに行くと、時間的にインバウンドのお客さんが帰り出していて、空いた場所でゆっくりと撮影をすることができました。運がいいことに雪が降り出し、雪絡めの撮影もすることができました。

2日目

予定では早朝4時30分から音羽橋に撮影に出る予定でしたが、冷え込まず朝陽が出ない予想から中止し、かわりに7時に食事を摂り終わり次第音羽橋へ向かい、給仕場に向かう姿を狙う事に。その前に伊藤サンクチュアリを覗きに行くと・・・すでに撮影ポイントは人でごった返していてどうやっても撮影ができる状況ではない。そのまま音羽橋へ。たぶんここもさっきまでは人でごった返していたに違いないが、全員移動していたので私たち以外は3名!天気は曇りだが、こちらに向って来るタンチョウを撮影することができました。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
こちらに向かってくるタンチョウ

9時過ぎには給仕場に移動をするので、本当なら伊藤サンクチュアリに行く予定でしたが、入れるスペースはなさそうなので鶴見台へ移動しました。今年はここにマナヅルが入っているという事でしたが見当たりません。時期的に求愛ダンスをよくするのでそれを狙ってもらうのですが、ごちゃついたところで撮影に苦労するも2回交尾のシーンを撮影できました。途中マナヅルも飛んできたので撮影をしましたが、近くに来てくれない事とアクションが少ないのが残念でした。

鶴見台
鶴見台
タンチョウの交尾シーン
タンチョウの交尾シーン
マナヅル
マナヅル

ランチをした後、夕陽のポイントへ向かいました。夕陽には時間があるのですが、小鳥を撮影するには仕方がないと判断しました。気合を入れたのですがこの日はガラガラでした。その分、余裕で撮影をすることができましたが、途中からハイタカが出たのかまったく来なくなってしまった!やはり夕陽が狙える天気ではなかったのでこの日も伊藤サンクチュアリへ向かい昨日のような状況を期待しましたが・・・この日はイマイチでした。。

ハシブトガラ
ハシブトガラ

鶴居村では2日間、宿の温泉とおいしい食事を堪能していただきました。

3日目 

この日は晴れたのですが、冷えて霧氷が付くとは思えないので昨日と同じ工程にしました。しかし、タンチョウの動きが昨日とは違っています。どうもこちらに飛んで来てくれません。思うようにはゆきませんね。ヤマセミに期待をしましたが、カワアイサが出ただけでした。その後鶴見台へ移動しますが、こちらも昨日よりも動きが悪く残念な結果でしたが、思わぬサプライズでまさかのベニマシコが撮れたのは意外でした!またホオジロも見ることができました。北海道ではこの時期この2種を見られるのはレア体験です。

ベニマシコ
ベニマシコ

次は根室へ移動です。その前に厚岸でランチをして火散布でカモ類を探しますが・・・パッとしません。オオワシ&オジロワシもいますが、やはり外に出ているので近くでは撮れませんでした。サプライズだったのはゴマフアザラシが出たことぐらい。そして霧多布岬ではラッコを探しますが見つけることができませんでした。根室の宿では夕陽とタンチョウやオオハクチョウを夕食の時間まで撮っていただきました。

オオハクチョウ
オオハクチョウ
タンチョウ
夕陽とタンチョウ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年6月17日~22日

前半の根室地域では奇跡的な晴れが続き、後半も雨の予報が曇りになり結果的には1日中雨待機をすることなく、ほぼ予定通りに進めることができました。今年はシャチがものすごい当たり年で、2日ともたくさんの群れに当たり観察と撮影を楽しみました。昨年は繁殖をしていなかったシマフクロウも今年は繁殖をしてくれたおかげで2日とも観察と撮影ができました。

アマツバメ

 

初日 

中標津空港で飛行機の到着を待っていると突然の大雨が!すぐ止んではまた降るを数回繰り返しちょっぴり不安になる。時間通りみなさんが到着したので専用車に乗って霧多布岬を目指すと?どんどん空が明るくなり、到着をするとすでに青空が広がっています。下見の時はラッコたちが遠くて心配をしましたが、(以前ドローンで追いかけまわした輩がいて近くに来なくなってしまったとのことだった。)この日は南風が強かったせいもありラッコたちが崖下にいてくれて助かりました。子供も俯瞰なのでしっかりと確認できるし、撮影もできました!

ラッコ
オオセグロカモメ

根室の宿に向かう道中はタンチョウが見られる海岸沿いの牧場を流しながら探しますが、遠くに白い点で見られるペア以外には見つけることができませんでした、残念。宿に着いて周辺でオジロワシやタンチョウを探しますが見当たりません。それよりも困ったことが発生!あれほど霧多布岬では強風だったのにここは無風で温かい・・・となるとヌカカが大量にまとわりつきます。参加者のみなさんにはとにかく肌の露出を控えてもらうようにお願いしました。食後は美しい夕陽が沈むのを食堂の窓から眺めて終了となりました。そう、ヌカカがすごくて外に出られなかったのです。

 

2日目 

予定では有志だけで早朝5時から撮影を予定していましたが、宿のオーナーから「最近宿の近くにクマが出るから気をつけてね。」と言われたので急遽1時間遅くして6時からにしました。結構風が強く、今日のクルーズは中止にならないかを心配しながらの撮影になりました。電話がかかって来なければ催行なので胸の携帯が気になって仕方ありません。そんな私の思いと裏腹に意外と小鳥たちの出が良く、ノビタキ・カッコウ・ツツドリ・シマセンニュウ・コヨシキリが出てくれます。

ノビタキのペア

 

声はすれども姿の見えないエゾセンニュウとマキノセンニュウは相変わらず腹立たしい存在です。一つ悔しかったのがベニマシコのペアが出たのですが場所が悪い&遠かった!みなさんにはもっと近くで、もっとしっかり見ていただきたかったのだ。7時に食事をして8時45分の出発時間まで自由行動にしました。宿前でオジロワシのペアが近くを飛んでくれたり、エゾシカが風連湖を渡る姿も撮影ができました。

ベニマシコ
オジロワシ
エゾシカ

ドキドキだった落石クルーズは、風は強めですが予定通り満載での出航となりました。しかし波というか、うねりが結構あり撮影には厳しい状況です。できるだけ1/2000秒以上、AFフレームは中央+面で捉えるものに設定をしてもらいます。また波と波の間に鳥が入ってしまったら一旦AFを止めて再び姿が見えた時にAFでピントを合せて高速連写をするように伝えました。またシャッターを切る前から記録をできる機能があるカメラはその設定にしてもらいました。出航してすぐにウトウが出ますが、すぐ潜る!のが腹立たしい、もう少し波が穏やかならしっかりと撮れるのにとストレスが溜まります。

島に近づくとウトウと入れ替わるようにケイマフリが増えて来ます。波に翻弄されながらもみなさん必死に撮影します。赤い足が特徴なので飛び立つ時海面を走る姿を狙って~!叫ぶのが精いっぱい。あとはみなさんの腕に期待です。

ウトウ
ケイマフリ

 

そして後ろ姿で気がつかなかったが、波の上にぷかぷかと漂っている鳥がいた。ウトウとばかり思いこんでいたら・・・近づくとエトピリカの若鳥とわかり船上は大興奮!ミラーレス機ばかりなので音はしないのですが、みなさん相当シャッターを切ってるはずです。(笑)

エトピリカの若鳥

その後はエトピリカがよく見られるポイントで待っていますが見当たりません。そんな時遠くに白い物体が?双眼鏡で見ると見えない?揺れる船上でその周辺を双眼鏡でガン見していると再び波の上に白い物体!間違いなくエトピリカの成鳥です。船を向けようとすると飛び立ち、周囲を飛び回った後に着水しました。すぐにでも行きたい気持ちを抑えて、少し時間を置いてから向かうと、かなり近くまで寄ることができました。もう船上は静かなる炎が立ち上っているのが見えるくらいです(笑)

エトピリカ飛び立ち

そろそろみなさん十分撮影ができたでしょうと船長が船を方向転換させようとした時です。向こうから近づいてくれたのか?それとも引き波で寄せられたのか?かなり近くでまで寄ってきます。最後は水面を走り飛び立つところまで撮れました。いやぁ~良かった!その後はラッコの群れとアザラシを観察して、もう一つの目玉のチシマウガラスの繁殖場所へ。こちらは繁殖に影響が出るといけないので短時間だけでしたが、しっかりと撮影することができました!

ラッコ
チシマウガラス

下船後は食事に向かいましたが、意外にも私たちが来る前にお客さんが多く入ってしまったせいで注文から料理が出て来るまでに時間がかかってしまった。これは想定外でした。料理はおいしかったのですが、後のスケジュールを考えるとちょっとドキドキ。そのくせここは絶品のソフトクリームがあるのでそれは外せない。みなさんにも勧めると全員購入してしっかりと濃厚な味を堪能されていました。予定していた1ヵ所は下見ではあまり良くなかったので、時間をかけるのはどうかと考えパスしました。移動途中に途中タンチョウのペアがいい場所にいたので車から降りてしっかりと撮影してもらいました。

タンチョウのペア

野付半島に入る前にショウドウツバメのコロニーを見られるポイントで30分だけ撮影をしてもらいました。野付半島に入りますが時間的に小鳥はあまり姿が見られません。大型の生き物を探すことにします。野付半島のナラワラ近くでキタキツネの親子がいたので狙いましたが、手前の草が邪魔で難しい!時間も押してきたので先端部分に向けタンチョウを探しますが見当たりません・・・仕方がないのでエゾシカの群れを探しますが・・・これまた大きな群れが見当たらない。ふと海上方面から大きな鳥の群れが飛んできた?なんと7羽のタンチョウが私たちのいる場所の奥に降り立ちました。距離もあるので車から降りてセンダイハギの黄色のお花が入る場所へ移動して撮影をしてもらいました。そこから双眼鏡で見回してもやはりエゾシカの群れが確認できなかったため引き返すことにしました。途中コムクドリが水浴びや水飲みをするポイントで待つ事にしたのですが、電線にとまっていたコムクドリが水を飲まずに電線から林の中に消えて行ってしまった。ねぐら入りのようです。こうなったらもう一度キタキツネの親子のリベンジです。しかしなかなかいいシーンを撮ることができず終了となりました。

 

3日目 

5時にコンビニで朝食を買って野付半島へ向かいます。今回のメインは草原性の小鳥たち。下見では出まくりで簡単に撮れたコヨシキリが遠い!シマセンニュウとノビタキはしっかりと撮影もできた。カッコウは、声はすれども姿は見えず、こちらは残念。やはり早朝は定点をすると撮影がしやすい。

シマセンニュウ

その後、移動をしてキタキツネポイントに行きますが見つけられませんので先に向かいます。ナラワラに霧が出ているとアオサギがいるだけでも雰囲気のある写真が撮れるのに・・・見当たりません、残念。コムクドリの水場はやはり今年も漁師さんが網を洗うためにポンプ車を入れていて撮影ができなくなっていた、これまた残念。昨日タンチョウが7羽いた場所は1羽だけ。いつもはこの周辺のセンダイハギのお花畑にたむろしているエゾシカたちがいない。エゾシカたちを探しながら先端方向(竜神岬灯台)をゆっくりと生き物を探しながら進めると、エゾシカの親子がいたので車内から撮影をしてもらう。十分撮影ができたようなので竜神埼灯台の駐車場へ車を停める。ここのトイレが生きていればいいなぁと思って扉を開けると使えるようなのでトイレ休憩にしました。ここからは遊歩道を歩いて撮影です。まずここで見てもらいたかったのは10年以上使っていると思われるオジロワシの巣です。かなり遠いのにその存在感はハンパない!

その後少しずつ移動を繰り返しながら定点をすることにしました。タンチョウのペアやアオサギの群れを撮影しているとシマセンニュウ・ノビタキ・オオジュリン・オオジシギ・シマセンニュウも撮影できました。

エゾセンニュウ

移動をしてきたエゾシカの群れを撮っているとカッコウが3羽で喧嘩をしているのか?飛び回ってくれたおかげで飛翔姿を撮影することができました。その後はネイチャーセンターで30分休憩したのち生き物探しをして撮影を楽しみ、11時にコンビニでお弁当を買って尾岱沼へ向かいます。時間が早いので昨日のリベンジを兼ねてショウドウツバメを狙っていると?何かムシクイがいる?どうやら近くで巣を造っているようでヒナにエサをせっせと運んでいます。エゾムシクイかなぁと悩んでいる時にさえずってくれて一件落着。その後は案内所で各自お弁当を食べていただき13時からのクルーズを開始します。過去2回波が高くて中止になっていたため私自身も初体験です。期待はアビ類とカマイルカです。しかし天気はいいのですが、生き物が出ない。外洋に近づくとウトウやハシボソミズナギドリがちらほら出るくらい。どうにかこうにかミツユビカモメが飛翔しているのを見つけ撮影ができました。しかし外洋に出ても生き物が全然見つかりません。国後島近くまで(国境線)行きますが・・・ダメです。最後は野付半島に船をつけてお散歩時間を作ってくれましたが・・・。港に戻る時にようやく1頭のゴマフアザラシが出てくれたのが慰めか・・・。その後は羅臼を目指します。

ゴマフアザラシ

17時30分に食事をはじめ、19時にシマフクロウの撮影に出ます。参加者の2名は「今日はゆっくりしたい」という事でこの日は私を含め4名で現場に向かいました。20時過ぎにオスが鳴き出し期待が高まると30分後メスが来て3尾魚を食べてからヒナに与えるため1尾をくわえて飛び去りました。まだオスが来ていないので待っていると・・・来てくれたのですが、暗い場所に降りてオショロコマを捕らえると足に持って行ってしまいました。約30分後再びオスが来たのですがこれまた暗い場所でオショロコマを獲って飛び去ってしまいました。「参加者から撮れたから終わっていいよ」と言われたので1時間早い22時に終了となりました。

シマフクロウのメス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2024年6月14日~19日

1日目

14時半頃に中標津空港で集合しツアースタートです。初日は最初に野付半島へ行きました。野付半島まで行く道中ではすぐにタンチョウを発見!

タンチョウ
タンチョウ

その後は野付半島に入りすぐに綺麗なベニマシコを撮影。そして近距離でオジロワシが見られました。

オジロワシ
オジロワシ

野付半島の奥ではこの時期では珍しいまだツノを落とさず付けているエゾジカのオスを発見。センダイハギとのコラボレーションが美しかったです。あっという間に時間はタイムアップ。

エゾジカ
エゾジカ

夕食後はシマフクロウを狙います。出ないなーと待っているとタイムアップギリギリにメスが登場!良かったです!

シマフクロウ
シマフクロウ

2日目

翌日はシャチクルーズからスタートです。霧に包まれていましたが出て数分でシャチの群れに囲まれました。その後終始シャチを観察し、目の前に出たりと色々楽しませてくれました。

シャチ
シャチ

午後はウトロと知床峠の頂でギンザンマシコ探し。ウトロではクマゲラに出会えました。近距離で見ることは難しく、今回は本当にラッキーでした。そして頂上に行くとすぐに本命のギンザンマシコが!数度見ると今度は後ろから声が?なんと目の前!みなさん持っていますね!

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

3日目

早朝からギンザンマシコを探しに峠へ出発しましたが濃霧で何も見えず。早々に旭岳に賭け撤退。朝食後、ここからはバードウォッチャーのドライバー、佐藤さんと共に紋別方面へと出発です。風の強いオホーツクではアマツバメやノビタキ、ベニマシコなどを狙いながら観察していきますが、とにかく暑い。この時期では珍しい28℃まで気温が上がり、私と鳥たちはバテ気味。少し出が悪かったですが、ホオアカなども囀る姿を見せてくれました。色々と観察をしているとあっという間に時間は過ぎ、後半は少し巻き気味で宿にチェックインです。明日が草原性の小鳥観察の本番。楽しみましょう!

アマツバメ
アマツバメ

ホオアカ
ホオアカ

 

4日目

早朝シブノツナイ湖でバードウォッチングです。早朝は観察最難関のエゾセンニュウが霧の中ちらっと見えました。

エゾセンニュウ
エゾセンニュウ

午後はオムサロ原生花園に行きました。オムサロでは、ノゴマやノビタキが見られるも鳥の姿が少なく、日暮れは再度コムケ湖方面へ。この時期ならではのワタスゲや偶然出会ったミヤコドリを見ながら再度シブノツナイ湖へ。ツメナガセキレイがずっと長時間観察させてくれたりといい天気の中楽しませてくれました。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ

5日目

シブノツナイ湖からスタートです。早朝鳥を探すと、全員には姿を見せることができませんでしたが、マキノセンニュウの姿も!他にもアオバトやウグイスなど、さまざまな小鳥に会えました。

マキノセンニュウ
マキノセンニュウ

アオバト
アオバト

そして再度ギンザンマシコチャンスを手にするべく、一路北海道の最高峰・旭岳へ。到着後、展望台でずっと探すと、遠くにギンザンマシコの姿が!一度潜ったところで全員集合。もう一度出てくれーと思っているとさっきよりも近いところで出てくれました。他にもカヤクグリが出てくれましたが、雷雲が近づいており、危険と判断し下山。下山後は日本で最も遅い桜も見ることができました。

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

6日目

最終日もギリギリまでギンザンマシコを見るために旭岳に向かいます。

北海道の最高峰・旭岳へ
北海道の最高峰・旭岳へ

到着した時から天気は昨日と変わり山頂が見えます。これは見えるかも。と期待しましたが、待てど暮らせど姿は見えず。途中ルリビタキやカヤクグリは姿を見せてくれましたがギンザンマシコは姿を見せてはくれませんでした。

カヤクグリ
カヤクグリ

それでも今回6日間で合計63種を観察し、本当に多くのこの時期らしい鳥を観察することができました。この翌週には鳥はぱったりと姿を消し、子育てに奮闘していたので最高のタイミングでした。

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

<3日目>

この日も天気がいいので5時30分出発です。道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いているのが確認できたのでちょっぴり期待をします。晴れているので日の出時間からしばらく一番気温が下がるのでみなさん我慢大会ですが目の前の光景を目の当たりにすれば撮らざるをえない!日が昇り和田さんが8時過ぎに迎えに来てくれたのですが、あまりにいいシーンが続いたので少し待ってもらいました。ダイヤモンドダストがちょっぴり出ましたが撮影にはちょっぴり厳しいので目でいただき記憶に焼き付けていただきました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

昨日に続き元気いっぱいな方たちは朝食後にエゾリスを狙いに行きますがなかなか難しいようです。タンチョウサンクチュアリーはよく冷えたこともあり葦の穂に霧氷が輝きとてもきれいでした。ただし昨日に比べて動きが少なくちょっと暇でした。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ

この日は一旦ホテルに戻り温かいランチを食べてリフレッシュ!しかし午後もあまり動きが無いので、30分早く夕陽のポイントへ移動しました。これが当たり!到着早々青空を飛翔する姿を撮影できました。しかし夕陽絡めの飛翔はこの日も厳しい結果になりましたが、夕焼け空をバックに歩くタンチョウが撮れたのはラッキーでした。

タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔

<4日目>

最終日も5時30分出発です。この日は道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いていないので「まぁ仕方ないな」と諦めながら現場に到着後すぐにスタンバイしますが、予想に反して寒い。明るくなるとみるみる木々の枝が白く霧氷を纏ってゆきます。夜明け前から一気に気温が下がり、気嵐も立ち上り朝陽を受けて輝きます。その分気温は下がりたぶんマイナス18度くらいです。ベストは-15~20度なのでちょうどいい!!!もう刻々と変わりゆく光と影の世界に歩くタンチョウたちを絡めて撮影を楽しんでもらいました。和田さんが迎えに来た時です。なんとすごい勢いでダイヤモンドダストが輝いています。ファインダーを覗くとしっかりと撮れる状況だったのでみなさんに説明をしてしっかりと撮影をしていただきました。なんともすごい朝になりました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダスト

ホテルで朝食を食べたあとは荷物を片付けていただきホテルの廊下にデポしてもらいタンチョウサンクチュアリーに行きます。泣いても笑っても2時間30分なのでしっかり楽しんでもらいます。12時に送迎用タクシーが来たので、ホテルに戻り荷物を積み込みます。この時ドライバーさんに鶴見台で10~15分時間をもらえないかと相談するとOKが出たので短時間ですが、ここでカナダヅルを狙います。思った以上に近くにいてしっかり撮影ができたのでそのまま空港に戻りました。それにしても最後の最後までこのツアーは引き当てっぱなしです。

タンチョウ
タンチョウ
カナダヅル
カナダヅル

参加していただいたみなさまありがとうございました、そしてお疲れさまでした!


撮れた鳥&哺乳類

オジロワシ・ノスリ・タンチョウ・マナヅル・カナダヅル・オオハクチョウ・エゾフクロウ・アカゲラ・ミヤマカケス・シジュウカラ・ヒガラ・ハシブトガラ・シマエナガ・シロハラゴジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2023年6月15日~17日

1日目

初日は中標津空港から出発です。この日は野付半島に向かい、野鳥を探していきます。野付半島に入り、少し走ると右手にタンチョウのペアが。車を停め観察すると、足元には雛の姿も確認できます。しかし足元の草丈が高く、なかなかしっかりとは姿が見えず。少し粘ってやっと顔を見ることができました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

その後走っていくとなかなか野鳥には会えず。ノビタキなどはいますが警戒心が強く、容易に観察させてくれません。野付半島突端部まで探しに行くと、草原をひらひらと飛ぶ猛禽が。チュウヒです。追いかけながら観察と撮影を試みましたが、探餌しながら風に乗るチュウヒは早い。車で先を越しては止まりを繰り返し、なんとか数回だけ観察ができました。遠いですがエゾシカと一緒にいる風景は野付らしい光景です。

チュウヒ
エゾシカとチュウヒ

2日目

午前中は観光船に乗り、海鳥やシャチを探していきます。天気が悪く、視界が確保できないなか探していきます。途中フルマカモメが船の真横を並走し遊んでくれました。きっと千島列島で繁殖している個体がここまで餌を取りに来ているのでしょう。

フルマカモメ
フルマカモメ

しばらくすると他船からシャチ発見の一報が。私達も同じ方向へ向け船を走らせます。遠くに目を凝らすとシャチの背びれを確認です!複数の群れがいるようですが、どれも臆病な群れのようでものすごいスピードで泳いでいっています。

シャチ
シャチ

他船が一つの群れを追いかけていると、別な群れが奇跡的にこちら側へ来てくれました。短い時間でしたが、しっかりとシャチの親子連れも観察することができました。

シャチ
シャチ

天候と時間によりタイムアップ。そろそろ港へ戻りましょうとゆっくり戻っていると、数は少ないですがハシボソミズナギドリも観察できました。ギリギリまで船長も粘ってくれ、なんとこの日は予定を30分オーバーしてのサービス運航。船長ありがとうございました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ

午後は知床峠へギンザンマシコを探しに行きましたが残念ながら声も姿も見られず。明日以降に期待です。

3日目

3日目は早朝から知床峠でギンザンマシコ探しです。峠ではアマツバメが気持ちよさそうに飛び交っています。双眼鏡でじっくりギンザンマシコを探しますが、残念ながら今日も見られず。旭岳で見られることに望みをかけ、一路オホーツク海側へと向かいます。途中立ち寄った小清水原生花園ではエゾセンニュウが大きな声でジョッピンカケタカ!と鳴いていますが姿を見ることはできず。その反対側でチーチヨチヨと鳴きながらハマナスの枯れ木に擬態するシマセンニュウを全員で探しながら観察しました。

シマセンニュウ
シマセンニュウ

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!