奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 2本目【後編】

Report by 戸塚学 / 2025年4月6日~9日

3日目 高曇り時々晴

昨夜が遅かったので今日はのんびりスタート。9時出発で森に向かいます。今日も各自狙いの鳥の場所で撮影してもらいました。撮影をしない参加者がまだしっかりとアカヒゲを観ていないという事で私は彼女についてアカヒゲを探しました。まったく鳴いてくれず約1時間経つとようやく鳴いてくれたのでそちらで探しますが、なかなかじっとしてくれず苦労をしましたが、ようやく最高な場所でそれも近くでゆっくりとさえずりと羽繕いをしてくれたことでスマホでも撮影ができたと喜んでもらいました。

アカヒゲ
アカヒゲ

その後はまた各自で楽しんでもらう事に。私は休憩室に食事をしに行くと?そこの近くでリュウキュウコノハズクの「ココッコッホ」の鳴き声?さえずりが?昼間鳴くのはこの森では初体験でした。午後はまたアカヒゲやルリカケスを狙っていただきました。14時終了で一部の参加者が田中一村美術館に行きたいとのことで、途中のバス停で降ろし残りのメンバーはホテルに戻りました。

21時30分再びナイトツアーに出発です。1名が体力的に休むという事でその方以外で出発です。途中国道でアマミノクロウサギとアマミヤマシギが出ていてびっくりしました。昨日すでに経験済みなので本日カメラ設定は無しでスタート。スタートしてすぐにのんびりとしたアマミノクロウサギに遭遇!昨日とは打って変わって撮りまくり野郎でした。

アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ

その後は次から次とアマミヤマシギで出まくるので、途中からパスして進みます。

アマミヤマシギ
アマミヤマシギ

突然ガイドさんが「あっ!」といってライトを木の枝にあてるとリュウキュウアオバズクです!私は森の中で鳴き声は聞いたことはありましたが、姿を見るのは初めてです。電線ではないところの姿をみなさんにしっかりと撮ってもらいました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク

さて残るはリュウキュウコノハズクです。声を頼りに探しますがなかなか厳しい。途中にアマミノクロウサギやアマミヤマシギの撮りやすい個体だけをつまみ撮りしながら進み、昨日ケナガネズミのいた木を探しますがやはりそんなに甘くはありません。

アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ

ガードレール下でのんびりしているアマミノクロウサギを狙っているとガードレールの上の枝に飛んできたリュウキュウコノハズクがとまった!さぁどうする上か下かでバタついているうちにリュウキュウコノハズクは飛び去り、アマミノクロウサギも下に消えて行きました。これぞ二兎追うものは一兎も得ず!その後も順調にアマミノクロウサギとアマミヤマシギを撮影しながら下り、少し早いが超充実した時間を過ごし1時にホテルに到着して終了となりました。

リュウキュウコノハズク
リュウキュウコノハズク

4日目 晴れ

今日は9時にタクシーに荷物を積み込み、昼食は買わずに森へ向かいます。森に入ると西遊旅行のガイド梁川さんのGがちょうど出てきました。ここで梁川さんからすごい情報が!オオトラツグミがいてスマホでも撮影ができたと聞き、ポイントを詳しく聞きました。早速今回「どうしてもオオトラツグミが撮りたい」という方とその場所へ。「たぶんここだと思うんだけど」と道が分岐するところに来ると・・・いた!それも目の前。大慌てで撮影をしてもらうと森の奥へ消えて行きました。

オオトラツグミ
オオトラツグミ

しばらくすると他のメンバーも集まってきたのでみんなで待っていると、なんと私たちの後ろから現れたではないか!なんとか全員撮れたので「ワンモアチャンス」にかけるが動きが無いので池の方へ行くと男性が何かを撮っていた。「カケスですか?」と聞くと「オオトラツグミです。その草陰に入りました」と教えてくれたので道を迂回して進行方向に出ると歩道に出てくれました。開けた場所なのでばっちりです。その後も消えた周辺を迂回作戦で臨み、何度もチャンスに勝利しました。まさかあれほど苦労したオオトラツグミがこうも簡単に片付くとはアンビリーバボー!以外にありません。時間は11時30分あと30分で終わりです。みんなで放心状態で駐車場へ戻る途中またしてもズアカアオバトがのんびりサクランボを採餌していてしっかりと撮影ができました。

ズアカアオバト
ズアカアオバト

それにしても信じられない4日間でした。全員笑顔が戻らないまま空港に到着して無事解散終了となりました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。

 

観察できた生き物・聞かれた鳥

オオトラツグミ・アマミヤマガラ・アマミヤマシギ・アマミヒヨドリ・アマミシジュウカラ・アマミヤマガラ・アマミコゲラ・リュウキュウキジバト・サシバ・アカヒゲ・オーストンオオアカゲラ・ルリカケス・リュウキュウサンショウクイ・ズアカアオバト・リュウキュウハシブトガラス・リュウキュウコノハズク・リュウキュウメジロ・クロサギ・コチドリ・シロチドリ・オオメダイチドリ・ムナグロ・セイタカシギ・オジロトウネン・ウズラシギ・タカブシギ・アマミノクロウサギ・ケナガネズミ・アマミトゲネズミ・アマミイシカワガエル・ヒメハブ・シリケンイモリ

 

見られた&声が聴かれた鳥・生き物カラスバト・リュウキュウツバメ・ツバメ・スズメ・ダイサギ・アオサギ・コサギ・イソヒヨドリ・ヒドリガモ・コガモ・ハシビロガモ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 1本目【後編】

Report by 戸塚学 / 2025年4月2日~5日

3日目 晴れ

昨夜が遅かったので9時出発で森へ向かいます。本日も自分が狙いたい鳥のポイントで各自自由に撮影してもらいます。昨日はあれほどいたズアカアオバトがあまり出てこないのは天気のせいか?絶景ポイントでは朝一のサシバが渡ってしまったのか、全然飛ばないがアマツバメの群れは飛び回っているので期待はできる。みなさんそれなりに撮影ができているようでニコニコ顔です。管理棟で昼食を食べているとサシバが渡るので慌ててスタンバイをする。しかしなぜ、スタンバイをすると飛ばなくなる???その後、森の中を歩きながら参加者にアドバイスや質問に答える。この日は早めに切り上げるため駐車場に向かうとサシバが20羽以上川になって飛んで行く・・・しかし高い!ここで切り上げてホテルに向かい、ナイトツアーまでの間休憩にします。

アカヒゲ メス
アカヒゲ メス

21時30分ナイトツアースタートです。昨日はクロウサギ祭りだったのでみなさん「クロウサギはいいから、リュウキュウコノハズクとケナガネズミをお願いします」とリクエスト。

そのせいか?なんとクロウサギが全然出ない!斜面からは「ぴぃー」とあちこちから声がするので、いるはずなのに道路に出てこない・・・これは「クロウサギはもういい」という声が聞こえたか?と車内で笑っていたのですが本当に出ない。リュウキュウコノハズクもあちこちで鳴いているが姿が見つからないのが悔しい!昨日に比べて生き物との出会いがあまりにも少なく困惑するとなんとかアマミヤマシギが出てくれ、電線にとまろうとしてあたふたする姿を撮影できた。

アマミヤマシギ電線とまり
アマミヤマシギ

ダート道に入ると水溜まりがあり車がとまる。ガイドさんが「ほら、ヒメハブ!」とライトを照らすといました。今回初のヒメハブです!今回の参加者が男性ばかりなのでみんな撮影に夢中。女性がいると嫌がるんですけどね(笑)その「キュー」という鳴き声で頭上の枝を照らすとリュウキュウコノハズクのメスがとまっていたのですが、すぐに飛ばれてしまった!残念。結局ケナガネズミもオオトラツグミも声だけで見られずさみしい状態で終点に近づくと道路わきに親子のクロウサギがいてまったく動かなかったのでがっつりと撮ることができました。結局この日クロウサギは10頭見られていたのですが、撮影ができたのはこの2頭の他1頭で計3頭になりました。最後のチャレンジでリュウキュウアオバズクを狙い何とか撮影ができました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク

ペアどまりが撮影できないのがちと悔しかったですね!ホテルに到着したのが1時。やはり生き物との遭遇率が少ないと早く終わってしまう。やはり奄美の醍醐味は夜なので2日間は正解です。

 

4日目曇り時々晴れ

最終日なので今日も自由に撮影してもらう予定でしたが、昨日参加者がルリカケスが巣材を運び込んでいる場所を見つけたというのでそこを観に行く途中に別の巣材運び現場を見つけてしまったのでそこで撮影をすることに。しかし手前の枝が邪魔なのが悔しい。一旦当初の目的の巣へ向かいますがしばらくすると2羽で飛び去ってしまったので、新しく見つけた巣とこの巣と別に狙いたい場所に自由に行ってもらい撮影を楽しんでもらいました。私はブラブラしながら水路でルリカケスか、アカヒゲが水浴びをしないかなと待っていると2羽のルリカケスが池の近くに来て餌を探してゆっくりしてくれたので、参加者たちを呼びに行き何とかみんなで撮影ができました。

ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス

11時45分に出発予定だったので駐車場に向って桜並木を歩くとズアカアオバトがいたので撮影をしてもらい、森を後に今度はシギ・チドリを狙いに海岸へ向かうと結構いろんな種類と数が入っていて撮影を楽しみ、13時に空港で解散となりました。

タカブシギ

タカブシギ

オバシギ
オバシギ
オジロトウネン
オジロトウネン
ムナグロ
ムナグロ
オオメダイチドリ
オオメダイチドリ

オオトラツグミには出会えませんでしたがかなりいい内容だったと思います。みなさまお疲れさまでした!

観察できた生き物・聞かれた鳥
クロサギ・サシバ・コチドリ・メダイチドリ・オオメダイチドリ・ムナグロ・オジロトウネン・コアオアシシギ・アオアシシギ・タカブシギ・イソシギ・ウズラシギ・アマミヤマシギ・セイタカシギ・リュウキュウキジバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・アマミコゲラ・オーストンオオアカゲラ・リュウキュウサンショウクイ・アマミヒヨドリ・アカヒゲ・イソヒヨドリ・シロハラ・ウグイス・アマミヤマガラ・アマミシジュウカラ・リュウキュウメジロ・ルリカケス・ヒドリガモ・オナガガモ・コガモ・アマミノクロウサギ・ケナガネズミ・ヒメハブ・アマミアオガエル

 

見られた&声が聴かれた鳥・生き物
アマツバメ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・カルガモ・オオバン・カラスバト・ヤツガシラ・リュウキュウツバメ・アマツバメ・ノビタキ・オオトラツグミ・セッカ・コムクドリ・ムクドリ・チョウゲンボウ・クマネズミ・アマミイシカワガエル

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員