沖縄・やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2025年8月31日~9月3日

基本的にはヤンバルクイナがよく出る場所で待機をして撮影を楽しみました。夜間撮影は最後までヤンバルクイナもフクロウ類も出ないという状況にドキドキしましたが、リュウキュウオオコノハズクを皮切りに、ヤンバルクイナが樹上での寝姿が見られた後畑のフェンス上に4羽がいる姿まで見られて逆転満塁ホームランとなりました。

1日目 

今回私がドライバーを兼務するにあたり立体駐車場に車を停めなければならず、出発に少々手こずりました。道中はスムーズに移動をして途中コンビニで翌日の朝食を各自購入していただきました。一旦宿にチェックインと荷物を降ろした後すぐに出発です。予定していた場所に他のカメラマンがいたので少し早いのですが水場で待機すると時間通り同じコースでヤンバルクイナが出てくれました。みなさん初ヤンバルクイナなので大興奮でした。その後日没まで待つとペアでの出現があり超ラッキーでした。

川を渡るヤンバルクイナのペア

夕食後は翌日のナイトツアーの準備体操としてライトを使った撮影時のレクチャーをしました。レクチャー後は宿の周辺をちょっぴり探しますが、生き物との出会いはありませんでした。解散後大浴場から部屋に戻るとやたら何かの鳴き声がするのでライトを照らすとリュウキュウコノハズクです!慌ててみなさんにお知らせしようとするも大浴場での入浴中で私以外は見られませんでした・・・残念!

 

2日目

5時15分、星の煌めく中に出発です。ポイントまで山道で約30分かかるので結構大変です。ポイントに着くと夜も明け、薄明るくなった中で車のスライドドア前とリアハッチを上げた前にシートを張り、車内と車外で静かにヤンバルクイナの出るのを待ちます。だいたい5時50分から6時に出るはずと伝えるとほぼ指定した時間通りに出てくれました。エサを探し、食べながらゆっくりと歩いてくれます。

採餌するヤンバルクイナ

ここのポイントは比較的人に慣れているので近い時は3m以内で観察と撮影ができるのです。餌付けはしていないので彼らのペースで採餌と探餌を繰り返しながら移動をします。その後も2度出てくれました。この場所じつはノグチゲラもよく出る場所でこの日も出てくれたのですが・・・茂みの中ばかりで、ほんのちょっぴり姿を撮影できた人もいました。ホントウアカヒゲも囀ってはいますが姿を見せてくれないのが悔しい!アカショウビンも飛んで来て近くでさえずっているが姿は見られず、一旦8時に切り上げて宿に戻り、休憩後に宿のトレッキングコースを廻る事にしました。今年は何やら森が静かでセミがやかましくないのがさみしい。森のトンネルに入るとすぐ、リュウキュウメジロとオキナワシジュウカラが出迎えてくれました。そんな中、何やら茶色っぽいヒタキ?心当たりはホントウアカヒゲではないのでリュウキュウキビタキだと決めつけ(笑)みなさんに撮ってもらいました。あとで調べると結果は超ラッキーなリュウキュウキビタキの幼鳥でした!

リュウキュウキビタキ幼鳥

その後も進みながらオキナワキノボリトカゲ、ヤンバルヤマナメクジ、リュウキュウハグロトンボなどを撮りながら進みます。

オキナワキノボリトカゲ
リュウキュウハグロトンボ(オス)

そして出口近くの茂みからホントウアカヒゲのメスが!ゆっくりと近づきながら彼女の後について撮影を繰り返します。おかげでかなりアップ目に開けた場所でみなさん撮影をすることができました。素晴らしい!

ホントウアカヒゲ(メス)

その後はカメラを持ったまま昼食に向かいます。道の駅近くの田んぼにシギやチドリがいるはずですが・・・いない。いれば食事前と食事後で2回撮影を試みる予定だったのですが食事後は中止にしました。お昼はフードコートで各自好きなお店で好きな物を食べていただきました。その後は宿に戻り約2時間の休憩でお昼寝をしてもらいます。

15時15分に夕方の撮影に出発です。ポイントに着いたらすぐ準備してヤンバルクイナを待つと、これまた時間通りに出てくれましたが、その後があまり出てくれません。

走るヤンバルクイナ

そうこうしているとノグチゲラが出ますが、枝が邪魔で撮れない!悔しい。参加者の方から猛禽類は何がいますか?と聞かれたので、基本ミサゴとリュウキュウツミだけどリュウキュウツミはかなり厳しいね。と話していると前方の木の枝に何かがとまりました。ヒヨドリかな?と思ったがシルエットがなんか不自然?双眼鏡で覗くと・・・リュウキュウツミのオス!真赤な目が熱い!みなさんに伝え、撮ってもらいました。これは超ラッキーでした。

リュウキュウツミ(オス)

その後水場でヤンバルクイナを待ちますが結局出ませんでした。夕食を食べてすぐ夜間撮影に出発です。しかし・・・長い夜だった。いつもなら簡単に見つかるヤンバルクイナが0!折り返し地点から結構進んだ場所まで来ても0!私の焦りもピーク!そんななかでオリイオオコウモリが撮りたいというリクエストがあったので集落の公民館の近くで車から降りて探してみると・・・いた!リュウキュウオオコノハズクです!みなさんを呼び集めて「今からライトにリュウキュウオオコノハズクを入れるから、すぐ撮影をして!」伝えライトアップ。暗闇に浮かぶ茶色の塊、みなさん奇跡のリュウキュウオオコノハズクをゲットできました。

リュウキュウオオコノハズク

その後はオリイオオコウモリも撮影することができました。以前はリュウキュウオオコノハズクが繁殖をしていて比較的簡単に見られる場所でしたが営巣木が折れてからは確率が低かったのですがまさか当たるとは!その後はすぐに樹上で眠るヤンバルクイナを発見撮影することができました。

樹上で眠るヤンバルクイナ

すごいのはこれからで約100m進んだ畑のフェンスにヤンバルクイナが眠っています。これも撮ってもらい「よかったね」と話しているとフエンス上で眠っているヤンバルクイナが次々見つかり合計4羽各50~100m間隔に停まっていました。

フェンスで眠るヤンバルクイナ

私も20年以上ヤンバルクイナに関わっていますが、これは初体験でした。場所が場所だけに初めの1羽以外は撮影せず通過しました。予定よりも1時間早い終了でしたがみなさん大満足をされていました。

 

3日目

この日も5時15分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、まだ暗い中さっそく1羽が出現します。しかしすぐにいなくなってしまいました。ポイントでアカヒゲが出てくれることを期待しましたが、声のみ。その後待ちくたびれていると、ヤンバルクイナは音もなく現れ撮影ができました。しかしあろうことかノグチゲラも同時出現でどちらを狙うかで車内はプチパニックでしたが、結局ノグチゲラが2羽で追いかけっこをしている事と逆光側にとまるので撮影には厳しかった。アカヒゲもさえずっているのですが出てくれないのが悔しい。

ノグチゲラ・オス

8時に切り上げ宿に戻り休憩を入れたのち、この日は沢沿いの遊歩道を歩きながらノグチゲラとアカヒゲを探します。以前ここでノグチゲラが30分毎に食べに来ていたハゼノキは周りの木々に隠されただけでなく、今年は裏年で実が成っていません。その後は川に向って歩きますが、河原に着くとアカヒゲのぐぜりとさえずりが。静かに近づくとオスがいました!振り向くと誰もいません、みなさん川を眺めたり写真を撮ってる!!!何とか声をかけて呼び寄せるも時すでに遅し・・・ブッシュの奥に消えて行った後でした。悔しい。その後は来た道を戻りながら探しますが何もいません、せめてリュウキュウヤマガメは見たかったな。一旦食事に向かいますが、その前に昨日の田んぼへ。車を停めてスライドドアを開けた瞬間、レンガ色の鳥が飛び去ります・・・リュウキュウヨシゴイのオスです・・・やられた。田んぼにはセイタカシギ、ウズラシギ、タカブシギ、ヒバリシギが見えますが遠い。一旦食事に向かいあとからリベンジすることに。しかし食後は鳥たちがもっと遠く、セイタカシギ以外は見つからず断念。ゆっくりしている余裕はないのです、翌日の朝食を買って宿に戻りお昼寝タイムをとらなければ。

15時15分に夕方の部へ出発です。ヤンバルクイナは時間通りに出てくれるのですが、今年は地域のお祭りと旧盆が重なっているため人が多く、そのせいかヤンバルクイナも落ち着かないようですが、合計3回の出現でみなさん余裕をぶっこいた撮影をされていました(笑)

本日、夕食後は何もないのでみなさん、ゆっくりと休んでいただきました。

 

4日目 最終日

この日も星の煌めく5時15分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。道路を通過するペアや鳴き交わすヤンバルクイナの声は響き渡るが出ない!ちょっと心配になって来ると出てきました!驚いたのはずっとエサを探し、食べながらゆっくり移動をしてくれる。なんとなんと10分以上姿を出したままだった。毎回行動が変わるのには驚かされるし、この1回の出現でしっかりと撮れたようでよかった!その後はまた何も出ない時間が過ぎて行く・・・。と参加者から出た!という声と「キョッ!」という声と黒っぽい鳥が目の前の樹に飛び込んできた、ノグチゲラだ!どうして一緒に出るのか!!!もう車内はプチパニック。ほとんど方がノグチゲラにシフトすると何とか枝が被らない場所へ移動してくれたことで撮影ができたと興奮をされていましたが、ヤンバルクイナはまだいます。いるからには撮らねばならない。この時も10分以上私たちの視界にいてくれたのでしっかりと撮影ができました。時計を見ると7時30分。8時までやる予定でしたが最終日で荷物のパッキングもあるので15分早く切り上げる事にしました。さて空港近くの三角池で最終決戦のはずが・・・潮が引きすぎていてクロツラヘラサギは不在。しかし反対の水路側にはアカアシシギ、アオアシシギ、キアシシギ、コチドリ、チュウシャクシギがいたので、それらを撮影して空港に向かい解散となりました。ご参加していただいたみなさまお疲れさまでした!

アカアシシギ(オス)

 

今回もヤンバルクイナとの遭遇&撮影ができただけでなく、リュウキュウツミ、ノグチゲラとオオコノハズクのサービスもありとても良かったのではないかと感じました。アカヒゲはメスでしたが、しっかりと撮れたし、リュウキュウキビタキの幼鳥というレアな撮影もできたので120点と言っていいでしょう!残念だったのがリュウキュウコノハズクしたがそれはまたの機会に!

 

 

撮影できた

ミサゴ・リュウキュウツミ・ヤンバルクイナ・コチドリ・アカアシシギ・アオアシシギ・タカブシギ・イソシギ・セイタカシギ・リュウキュウオオコノハズク・ノグチゲラ・リュウキュウツバメ・リュウキュウヒヨドリ・ホントウアカヒゲ・ヤマガラ・オキナワシジュウカラ・リュウキュウメジロ・オキナワキノボリトカゲ・ヤンバルヤマナメクジ・オリイオオコウモリ

 

見られた&声が聞かれた

リュウキュウヨシゴイ・ダイサギ・クロサギ・アオサギ・バン・ヒバリシギ・チュウシャクシギ・カラスバト・リュウキュウキジバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアカショウビン・カワセミ・リュウキュウコゲラ・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウヒヨドリ・イソヒヨドリ・ウグイス・リュウキュウサンコウチョウ・スズメ・リュウキュウハシブトガラス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル<前編>

Report by 戸塚学 / 2025年6月21日~26日

初日、2日目とあいにくの雨でしたが3日目からは天気にも海況にも恵まれました。とんでもない大当たりはなかった分、予定をしていた生き物たちにも合う事が出来、すべて撮影ができたことは及第点以上だったのではと思います。

1日目 中標津空港~霧多布岬~根室 曇り&濃霧

女満別から使用するジャンボタクシーで中標津空港に向かう途中は晴れていたのですが、だんだん風と雲が広がってきました。中標津空港では先入りをしているご夫婦と合流しました。残りの人たちは飛行機が大幅に遅れての到着となりました。いざ、霧多布を目指しますが、海に向かうに従い霧が濃くなります。・・・まずい、案の定岬は濃い霧に包まれ崖から海を見るのも大変な状況です。この時電話が!落石NCから明日は天候不良で欠航と連絡が入った。最悪を想定しての2本だが、1本でも出てくれれば精神衛生上ありがたい。本来なら海岸線を流しながらタンチョウを探すのですが視界がないのでパス。

宿に30分遅れで到着してすぐに予定をしていた居酒屋で食事です。じつはここ根室でも有名店でとても賑わっていました。もちろん味もボリュームもばっちりです。撮影ができない時は美味しいもので満足します。

2日目 根室 風雨&霧

本来なら同じ宿の予定が初日だけ取れなかったので、歩いて撮影する予定がタクシーで移動です。まずは東梅地区の森の中でクマゲラに期待をしますが霧雨の森の中は暗くて生き物を探すのも一苦労。ミソサザイの大きなさえずりが響き渡るのですが、姿を見つけられません。時々エゾムシクイやセンダイムシクイが囀りますがこちらも見つけてもすばしこくて撮影ができません。時々茂みが「がさり」と動きエゾシカが走り去ると「熊でなくてよかった」と胸をなでおろします。

結局なにも見つけられずトレッキングのみで終了しました。時間がまだあるので春国岱へ向かいますが、なんと木道が通行止め!これで万事休すかと思っていると風連湖の水辺にタンチョウのペアがいたので撮影をしてもらいました。タンチョウよ、ありがとう!

タンチョウ

ホテルに戻り各自朝食を食べてもらいましたが、これが予想以上に良くみなさん満足されていた。さて悩ましいのがこの後です。強風と霧では行く場所がないがホテルにいつまでもいられないので、まずは納沙布岬を目指します。やはり海側は霧に包まれていますが、向かう途中にある原生花園には馬が放牧されているのでそこで撮影をしてもらいます。

ウマ

その間に私は辺りを物色すると、ノビタキ・ベニマシコ・オオジュリン・シマセンニュウがいることがわかり撮影をしてもらいますが・・・遠い。約1時間ほど滞在して納沙布岬に到着。ハイドから観察するもウミウとオオセグロカモメとウミネコのみ。みなさんウミネコとオオセグロカモメの違いを知りたいという事でちょっぴりレクチャー。これよりまぎわらしいカモメ類の解説は無理なので簡単なので助かった(笑)。ヒメウがよくとまっている岩にはヒメウの姿が無くオオセグロカモメが抱卵をしていたので観察と撮影をしてもらいます。

オオセグロカモメ

その後は昼食のため「はなまる」へ。根室では有名な回転寿司で、すでに店内はいっぱい。こういう時は混んでいる店は時間調整ができてありがたい。

美味しいお鮨はあまり状況の良くない日には心をほぐしてくれるのでありがたい。次なる場所は明治公園。行き先を告げるとドライバーさんがびっくり!まさか市街地の公園とは思っていなかったようだが、じつはここコンパクトに鳥を楽しめるのだ。とはいえ時間的には野鳥撮影には厳しいが池にはよくカモメ類が水浴びをしているのでそれに期待すると上空をオジロワシが通過。

オジロワシ

一瞬だったので見られなかった方ががっかりするがいたしかたなし。池の周辺でノビタキ、ベニマシコが出るも遠い。カモメたちが水浴び後に風上に飛ぶので移動してそれを撮ってもらうが、なぜか全員でスタンバイをするとどこかに行ってしまった・・・イケずや!続いて花咲漁港。ここは冬なら必ず海ガモ狙いで行く場所だが、夏場はなぁ・・・。天気が良ければカモメ類の飛翔を練習がてらに撮ってもらうのだが曇っている。オジロワシが4~5個体いるようで飛翔する姿やペアどまりの姿を撮影来た。他に何かいないかなぁと探していると波打ち際の岩から何かが泳ぎ出した。初めはトドのこどもかと思ってみんなを呼び集めるが、1人足りないので探しに行くとようやく見つかった。いる場所に案内をするとすでに遠くまで泳いて行ってしまっていた。「トドのこども」と説明しているとみなさんから「ラッコだよ!」と言われて?どうやら私が参加者を探しに行っている間に背泳ぎで移動している姿からラッコと判明したようだ。

ラッコ

それにしてもここで出会うのは超久しぶりだった。最後は春国岱のネイチャーセンターへ行き時間調整をして宿へ。この日は西の空が若干色づいていたので軽い期待をしていたが、夕食後にまさかまさかの焼けっぷりに驚いた!残念なのはタンチョウとエゾシカ両方ともこの光の中、絡ませることができない事だった!

根室の夕焼け

 

3日目 根室~羅臼 晴れ

昨日の荒天がまるで嘘のような天気。風連湖はまるで鏡のように静まり返っています。しかしちょっぴり心配なことも。5時30分集合して撮影に出ました。外気温は暖かい。そして風がないと言事は奴らが襲って来る予感が?まずはコヨシキリの声を頼りに探しますが、結構遠い。続いてオオジュリン・ベニマシコ・シマセンニュウと出るのですが・・・撮影ができない!

ベニマシコ

その理由は「ヌカカ」の大群に交じった大きめの蚊の猛襲。参加者には彼らが襲って来ることは伝えておいたのですが、その数がハンパない!私が体験した過去最高の数。予定では1時間30分を予定していましたが30分で強制終了。朝食まで部屋待機となりました。朝食後は春国岱を散策予定でしたが、このヌカカ天国では撮影どころではないので一旦道の駅に移動して席決めのじゃんけんですが、ここもあっという間にヌカカに占領されて移動を余儀なくされます。続いてコンビニでも入り口はすでに無数のヌカカに覆われています。

 

ようやく太平洋側の海岸の草地へ来ると冷たい海風のおかげで彼らの攻撃を受けずに済みました。その後落石のクルーズに参加します。波はありませんが昨日までの荒れ模様でうねりがあります。鳥たちはウトウ・ケイマフリ・ハシボソミズナギドリ・ヒメウ・ウミウ・オオセグロカモメが出ますが、やはりうねりがあり撮影は難しい。

ハシボソミズナギドリ

ユルリ・モユルリの間でエトピリカを探しながらラッコやゼニガタアザラシを撮影します。

ラッコ
ゼニガタアザラシ

時折上空をオジロワシも飛びますが、結局エトピリカとの出会いはなかった、残念。

オジロワシ

このクルーズのもう一つも目玉がチシマウガラスの夏羽&繁殖羽。岩の一角で営巣をしているのでそれを観察します。頭にはとさか、目の周りが真っ赤でとても美しい。30年前には超レアな鳥がこうして観察できるのは感無量です。

チシマウガラス
チシマウガラス

下船後は羅臼に向かって移動です。その前に途中にある伊藤牧場でおいしいソフトクリームを堪能。そして尾岱沼ではショウドウツバメのコロニーと飛翔をちょっぴり撮影。

ショウドウツバメ

ゆっくりしたいのだが、夜はシマフクロウの撮影が控えており夕食の時間が早いので致し方がない。サライではまず荷物を部屋に入れ、夕食を食べてすぐ出発。最近は早い時間にシマフクロウが出るのでそれに期待。なんと予定通り20時少し前に鳴き交わした後メスが生簀へ。2尾食べたあと1尾をヒナの元へ運んで行った。オスは少し遅れて現れ、こちらも2尾食べたあと1尾をくわえてヒナの元へ。その後声はするが姿を現さなかったので22時に切り上げて終了となりました。

シマフクロウ

結局この後、午前2時まで出なかったそうで終了時間はばっちりでした。

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 2本目【後編】

Report by 戸塚学 / 2025年4月6日~9日

3日目 高曇り時々晴

昨夜が遅かったので今日はのんびりスタート。9時出発で森に向かいます。今日も各自狙いの鳥の場所で撮影してもらいました。撮影をしない参加者がまだしっかりとアカヒゲを観ていないという事で私は彼女についてアカヒゲを探しました。まったく鳴いてくれず約1時間経つとようやく鳴いてくれたのでそちらで探しますが、なかなかじっとしてくれず苦労をしましたが、ようやく最高な場所でそれも近くでゆっくりとさえずりと羽繕いをしてくれたことでスマホでも撮影ができたと喜んでもらいました。

アカヒゲ
アカヒゲ

その後はまた各自で楽しんでもらう事に。私は休憩室に食事をしに行くと?そこの近くでリュウキュウコノハズクの「ココッコッホ」の鳴き声?さえずりが?昼間鳴くのはこの森では初体験でした。午後はまたアカヒゲやルリカケスを狙っていただきました。14時終了で一部の参加者が田中一村美術館に行きたいとのことで、途中のバス停で降ろし残りのメンバーはホテルに戻りました。

21時30分再びナイトツアーに出発です。1名が体力的に休むという事でその方以外で出発です。途中国道でアマミノクロウサギとアマミヤマシギが出ていてびっくりしました。昨日すでに経験済みなので本日カメラ設定は無しでスタート。スタートしてすぐにのんびりとしたアマミノクロウサギに遭遇!昨日とは打って変わって撮りまくり野郎でした。

アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ

その後は次から次とアマミヤマシギで出まくるので、途中からパスして進みます。

アマミヤマシギ
アマミヤマシギ

突然ガイドさんが「あっ!」といってライトを木の枝にあてるとリュウキュウアオバズクです!私は森の中で鳴き声は聞いたことはありましたが、姿を見るのは初めてです。電線ではないところの姿をみなさんにしっかりと撮ってもらいました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク

さて残るはリュウキュウコノハズクです。声を頼りに探しますがなかなか厳しい。途中にアマミノクロウサギやアマミヤマシギの撮りやすい個体だけをつまみ撮りしながら進み、昨日ケナガネズミのいた木を探しますがやはりそんなに甘くはありません。

アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ

ガードレール下でのんびりしているアマミノクロウサギを狙っているとガードレールの上の枝に飛んできたリュウキュウコノハズクがとまった!さぁどうする上か下かでバタついているうちにリュウキュウコノハズクは飛び去り、アマミノクロウサギも下に消えて行きました。これぞ二兎追うものは一兎も得ず!その後も順調にアマミノクロウサギとアマミヤマシギを撮影しながら下り、少し早いが超充実した時間を過ごし1時にホテルに到着して終了となりました。

リュウキュウコノハズク
リュウキュウコノハズク

4日目 晴れ

今日は9時にタクシーに荷物を積み込み、昼食は買わずに森へ向かいます。森に入ると西遊旅行のガイド梁川さんのGがちょうど出てきました。ここで梁川さんからすごい情報が!オオトラツグミがいてスマホでも撮影ができたと聞き、ポイントを詳しく聞きました。早速今回「どうしてもオオトラツグミが撮りたい」という方とその場所へ。「たぶんここだと思うんだけど」と道が分岐するところに来ると・・・いた!それも目の前。大慌てで撮影をしてもらうと森の奥へ消えて行きました。

オオトラツグミ
オオトラツグミ

しばらくすると他のメンバーも集まってきたのでみんなで待っていると、なんと私たちの後ろから現れたではないか!なんとか全員撮れたので「ワンモアチャンス」にかけるが動きが無いので池の方へ行くと男性が何かを撮っていた。「カケスですか?」と聞くと「オオトラツグミです。その草陰に入りました」と教えてくれたので道を迂回して進行方向に出ると歩道に出てくれました。開けた場所なのでばっちりです。その後も消えた周辺を迂回作戦で臨み、何度もチャンスに勝利しました。まさかあれほど苦労したオオトラツグミがこうも簡単に片付くとはアンビリーバボー!以外にありません。時間は11時30分あと30分で終わりです。みんなで放心状態で駐車場へ戻る途中またしてもズアカアオバトがのんびりサクランボを採餌していてしっかりと撮影ができました。

ズアカアオバト
ズアカアオバト

それにしても信じられない4日間でした。全員笑顔が戻らないまま空港に到着して無事解散終了となりました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。

 

観察できた生き物・聞かれた鳥

オオトラツグミ・アマミヤマガラ・アマミヤマシギ・アマミヒヨドリ・アマミシジュウカラ・アマミヤマガラ・アマミコゲラ・リュウキュウキジバト・サシバ・アカヒゲ・オーストンオオアカゲラ・ルリカケス・リュウキュウサンショウクイ・ズアカアオバト・リュウキュウハシブトガラス・リュウキュウコノハズク・リュウキュウメジロ・クロサギ・コチドリ・シロチドリ・オオメダイチドリ・ムナグロ・セイタカシギ・オジロトウネン・ウズラシギ・タカブシギ・アマミノクロウサギ・ケナガネズミ・アマミトゲネズミ・アマミイシカワガエル・ヒメハブ・シリケンイモリ

 

見られた&声が聴かれた鳥・生き物カラスバト・リュウキュウツバメ・ツバメ・スズメ・ダイサギ・アオサギ・コサギ・イソヒヨドリ・ヒドリガモ・コガモ・ハシビロガモ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 1本目【後編】

Report by 戸塚学 / 2025年4月2日~5日

3日目 晴れ

昨夜が遅かったので9時出発で森へ向かいます。本日も自分が狙いたい鳥のポイントで各自自由に撮影してもらいます。昨日はあれほどいたズアカアオバトがあまり出てこないのは天気のせいか?絶景ポイントでは朝一のサシバが渡ってしまったのか、全然飛ばないがアマツバメの群れは飛び回っているので期待はできる。みなさんそれなりに撮影ができているようでニコニコ顔です。管理棟で昼食を食べているとサシバが渡るので慌ててスタンバイをする。しかしなぜ、スタンバイをすると飛ばなくなる???その後、森の中を歩きながら参加者にアドバイスや質問に答える。この日は早めに切り上げるため駐車場に向かうとサシバが20羽以上川になって飛んで行く・・・しかし高い!ここで切り上げてホテルに向かい、ナイトツアーまでの間休憩にします。

アカヒゲ メス
アカヒゲ メス

21時30分ナイトツアースタートです。昨日はクロウサギ祭りだったのでみなさん「クロウサギはいいから、リュウキュウコノハズクとケナガネズミをお願いします」とリクエスト。

そのせいか?なんとクロウサギが全然出ない!斜面からは「ぴぃー」とあちこちから声がするので、いるはずなのに道路に出てこない・・・これは「クロウサギはもういい」という声が聞こえたか?と車内で笑っていたのですが本当に出ない。リュウキュウコノハズクもあちこちで鳴いているが姿が見つからないのが悔しい!昨日に比べて生き物との出会いがあまりにも少なく困惑するとなんとかアマミヤマシギが出てくれ、電線にとまろうとしてあたふたする姿を撮影できた。

アマミヤマシギ電線とまり
アマミヤマシギ

ダート道に入ると水溜まりがあり車がとまる。ガイドさんが「ほら、ヒメハブ!」とライトを照らすといました。今回初のヒメハブです!今回の参加者が男性ばかりなのでみんな撮影に夢中。女性がいると嫌がるんですけどね(笑)その「キュー」という鳴き声で頭上の枝を照らすとリュウキュウコノハズクのメスがとまっていたのですが、すぐに飛ばれてしまった!残念。結局ケナガネズミもオオトラツグミも声だけで見られずさみしい状態で終点に近づくと道路わきに親子のクロウサギがいてまったく動かなかったのでがっつりと撮ることができました。結局この日クロウサギは10頭見られていたのですが、撮影ができたのはこの2頭の他1頭で計3頭になりました。最後のチャレンジでリュウキュウアオバズクを狙い何とか撮影ができました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク

ペアどまりが撮影できないのがちと悔しかったですね!ホテルに到着したのが1時。やはり生き物との遭遇率が少ないと早く終わってしまう。やはり奄美の醍醐味は夜なので2日間は正解です。

 

4日目曇り時々晴れ

最終日なので今日も自由に撮影してもらう予定でしたが、昨日参加者がルリカケスが巣材を運び込んでいる場所を見つけたというのでそこを観に行く途中に別の巣材運び現場を見つけてしまったのでそこで撮影をすることに。しかし手前の枝が邪魔なのが悔しい。一旦当初の目的の巣へ向かいますがしばらくすると2羽で飛び去ってしまったので、新しく見つけた巣とこの巣と別に狙いたい場所に自由に行ってもらい撮影を楽しんでもらいました。私はブラブラしながら水路でルリカケスか、アカヒゲが水浴びをしないかなと待っていると2羽のルリカケスが池の近くに来て餌を探してゆっくりしてくれたので、参加者たちを呼びに行き何とかみんなで撮影ができました。

ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス

11時45分に出発予定だったので駐車場に向って桜並木を歩くとズアカアオバトがいたので撮影をしてもらい、森を後に今度はシギ・チドリを狙いに海岸へ向かうと結構いろんな種類と数が入っていて撮影を楽しみ、13時に空港で解散となりました。

タカブシギ

タカブシギ

オバシギ
オバシギ
オジロトウネン
オジロトウネン
ムナグロ
ムナグロ
オオメダイチドリ
オオメダイチドリ

オオトラツグミには出会えませんでしたがかなりいい内容だったと思います。みなさまお疲れさまでした!

観察できた生き物・聞かれた鳥
クロサギ・サシバ・コチドリ・メダイチドリ・オオメダイチドリ・ムナグロ・オジロトウネン・コアオアシシギ・アオアシシギ・タカブシギ・イソシギ・ウズラシギ・アマミヤマシギ・セイタカシギ・リュウキュウキジバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・アマミコゲラ・オーストンオオアカゲラ・リュウキュウサンショウクイ・アマミヒヨドリ・アカヒゲ・イソヒヨドリ・シロハラ・ウグイス・アマミヤマガラ・アマミシジュウカラ・リュウキュウメジロ・ルリカケス・ヒドリガモ・オナガガモ・コガモ・アマミノクロウサギ・ケナガネズミ・ヒメハブ・アマミアオガエル

 

見られた&声が聴かれた鳥・生き物
アマツバメ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・カルガモ・オオバン・カラスバト・ヤツガシラ・リュウキュウツバメ・アマツバメ・ノビタキ・オオトラツグミ・セッカ・コムクドリ・ムクドリ・チョウゲンボウ・クマネズミ・アマミイシカワガエル

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の道東を撮る【後編】

Report by 戸塚学 / 2025年2月16日~21日

4日目 

風連湖が結氷していないので、宿前での撮影ができない&バードテーブルにシマエナガも来ないという事で朝食後から港周りです。まずはチシマシギが見られるポイントへ行きますが、ゴマフアザラシが出ただけで見つかりませんでした。それにしてもチシマシギのポイントは遠くて撮影は不可能でしょう。

切り上げて移動を始めると、オオワシとオジロワシが行ったり来たりする海岸があり、ここに車を停めて撮影を始めると雲間から太陽が出て青空バックで撮れました。これはラッキーでした!移動をすると小さな港の奥の池にカワアイサとヨシガモがいたので撮影のためにUターンをすると、見えないところにオジロワシがいて池上空を低く飛ぶと・・・みんな飛ばされてしまった。残念。納沙布岬はハイドが工事中で入れないのでヒメウの集まる岩でヒメウを撮影しました。

ヒメウ
ヒメウ

ここからは海ガモを探して港巡りです。まずは歯舞漁港へ行くと・・・カモが少ない!いつもなら港が凍っていてカモたちがぎゅっと集まっているのですが開放水面なので散らばっています。港の一角にホシハジロの群れを見つけると、ドライバーさんが「オオホシハジロのメスがいる!」と教えてくれましたがみんな首を背に突っ込んで寝ているので顔が見えない!約30分粘りようやく顔を出してくれた時にその姿を確認できました。しかしシノリガモ、クロガモ、ウミアイサは見られたのですが遠くて歯が立ちません。

オオホシハジロ
オオホシハジロ
シノリガモ
シノリガモ
クロガモ
クロガモ

引き続きいつもはコオリガモが90%の確率で近くで撮れる花咲漁港へ行くが・・・ダメだ、数が少ないし遠い。それでもコオリガモは何とかゲット。これは決して成功と呼ぶには悔しい結果だ。

コオリガモ
コオリガモ

この後は屈斜路湖に向かい宿に入る前にオオハクチョウを狙うのですが、強風のため寒い寒い。それでも高い波に立ち向かい波しぶきを上げるオオハクチョウを撮影することができました。

波しぶきを上げるオオハクチョウ
波しぶきを上げるオオハクチョウ

ここから養老牛温泉へ移動。養老牛「湯宿だいいち」は食事も温泉も施設もゴージャスなのですが、インバウンドの人でごった返し。シマフクロウが出れば近いが、場所が狭くて厳しい。参加者のみなさんには自由参加にしてもらい、私は0時まで付き合いましたが出現はありませんでした。結局1名だけ4時まで粘ったようですが、1時に1度出ただけとのことでした。

5日目

朝食前と朝食後に宿の中からエサ台の小鳥を狙ってもらいます。ここでアオシギに期待をしたのですが、残念ながら出現はありませんでした。それでもミヤマカケス、アカゲラ、シメ、カワガラス、シロハラゴジュウカラは撮れたと思います。

ミヤマカケス
ミヤマカケス
カワガラス
カワガラス

その後は走古丹へ向かう途中、別海の1本松にとまるオジロワシのペアを撮ることもできました。走古丹を進むとコクガンの群れがいて飛ぶ姿を撮れました、晴れていたらよかったのに悔しい!先端部でユキホオジロとハギマシコの情報があったので向かうとユキホオジロの群れがいました!しかし近づけず一部の方が何とか飛翔する姿を撮ることができました。

コクガン
コクガン

そのポイント近くにやたらとワシたちが集まっていたので一番近いワシに寄ってもらうとなんと!成鳥と若いオオワシがフレッシュなゴマフアザラシを一心不乱に食べていてしっかりと撮影することができました!こんなシーンは滅多にないので超ラッキーでした。

ゴマフアザラシを食べる成鳥と若いオオワシ
ゴマフアザラシを食べる成鳥と若いオオワシ

戻る途中にもユキホオジロがいましたが近づけずに撮影はできませんでした。野付半島でナラワラを過ぎたあたりで車から異音が・・・パンクをしたのでタイヤ交換をしましたが、夜はは羅臼でシマフクロウの撮影なので、先に進むことを断念してゆっくりと羅臼に向かいました。宿で早めに食事を摂り17時出発でワシの宿の小屋へ向かいますが、ここもすごい人。それでもシマフクロウは18時30分から出てくれ撮影ができました。合計3回出てくれましたが、3回目は車の上の電柱にとまったままで私たちが下を歩いても逃げないのには驚きました。

シマフクロウ
シマフクロウ
シマフクロウ
シマフクロウ

6日目 

流氷は来てませんが5時40分の早朝便で出航します。船は沖には行かず周辺で待機します。これは港の近くだと波の影響が出にくいからです。紅くなる空と絡めて飛翔したり、魚を掴む姿を撮影します。また月も出ていたので月を絡めての撮影ができました。日があがり明るくなると今度は順光側でワシたちの飛翔を撮影してもらいました。また山側の大木にとまる「ワシのなる樹」も撮影してもらいました。

月とオオワシ
月とオオワシ
オジロワシ
オジロワシ
「ワシのなる樹」
「ワシのなる樹」

本来なら流氷の上の姿を狙えるのですが、氷が無いので仕方がない。しかし岸壁に積もった雪の上にワシたちがとまっているので「疑似流氷」撮影を楽しんでもらいます。これのいいところは二階席に上がるとワシたちを目線で撮影ができるところです!

雪の上にワシの群れ
雪の上にワシの群れ

時間になったので港に戻り、宿に戻って朝食です。朝飯前の仕事をしたことと、思った以上にいい撮影ができたことでみなさんおいしく食べられたようです。朝食後はワシの宿も前でカワガラスを撮影しながらヤマセミに期待をしましたがこちらは出ませんでした。港でカモ類が撮れないかと探しますが、やはり数が少ない&遠い!しかし岸壁でワシたちにエサを与えていたことでこちらに向かって来る姿を堪能することができました。

向かってくるオオワシ
向かってくるオオワシ
オオワシ
オオワシ

帰路、中標津町でラーメンを食べてから空港に向かい無事終了となりました。
みなさまご参加ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

撮れた生き物
オオハクチョウ・オオホシハジロ・シノリガモ・クロガモ・コオリガモ・ホオジロガモ・カワアイサ・ヒメウ・アカエリカイツブリ・タンチョウ・マナヅル・オオセグロカモメ・シロカモメ・ワシカモメ・コクガン・オジロワシ・オオワシ・エゾフクロウ・シマフクロウ・コゲラ・アカゲラ・シジュウカラ・ハシブトガラ・モズ・シロハラゴジュウカラ・シマエナガ・カワガラス・セグロセキレイ・ホオジロ・ハギマシコ・ベニマシコ・シメ・ミヤマカケス・キタキツネ・ゴマフアザラシ・エゾシカ

観察できた生き物・聞かれた鳥
ヨシガモ・ヒドリガモ・マガモ・ハシビロガモ・オナガガモ・ホシハジロ・スズガモ・キンクロハジロ・キジバト・ドバト・ウミウ・カワウ・オオバン・ハマシギ・トビ・ノスリ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒガラ・ツグミ・ハイイロチュウヒ・モズ・ホオジロ・カンムリカイツブリ・ミンク

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戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
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冬の道東を撮る【前編】

Report by 戸塚学 / 2025年2月16日~21日

今年の鶴居村はインバウンドでごった返し撮影場所に入れない、気温が下がらず霧氷が付かない、根室では風連湖が結氷せずワシの撮影ができない&シマエナガも来ない、港にはカモが少ないというトリプル難。さらに羅臼では流氷がまだ来ていないというさんざんな状況ではあったものの、それなりに収穫のあった内容になったのではないかと感じました。ただしあまりにも短い期間に内容が盛りだくさんなスケジュールだったため、みなさまかなり疲れたと思われたのが少し残念でした。

1日目 

釧路空港で集合し、すぐに車に乗って夕陽のポイントへ向かいました。空は曇り予報でしたが、若干日の光が届く高曇りで「上手く行けば空が焼けるかも?」と期待をしたがやはりどん曇りになってしまった。現場に着いて小鳥が撮れる場所を見ると人でごった返していて「今日は入れないから、外から撮る分はお金はいらないよ」と言われ、ポイントの外から何とかシマエナガやアカゲラを撮っていると、隣にいた女性から「さっきエゾフクロウが2羽いて撮影ができた!」と聞き、立ち入り禁止だったのでは?と思ったが、ここで待っているのも時間の無駄なので、急遽エゾフクロウの場所へ移動をすることにしました。

シマエナガ
シマエナガ
アカゲラ
アカゲラ

入り口にロープがしてあったのは車両の進入禁止と駐車禁止のロープだった。ここで降ろしてもらい、歩いて撮影に向かいました。すでに外国人のカメラマンがたくさんいたので、その隙間から何とか撮影ができました。何度もツアーで来ているが本当に久しぶりに2羽の姿を撮れたのはラッキーでした。みなさんしっかりと撮影ができ、歩いて駐車場まで戻る途中、木の枝に小鳥?が。双眼鏡で覗くとハギマシコだったので撮影をしてもらいました。ラッキー!

2羽のエゾフクロウ
2羽のエゾフクロウ
ハギマシコ
枝の上にハギマシコ

さて、この天気で夕陽のポイントへ戻っても小鳥も撮れないし夕陽も望めないので伊藤サンクチュアリーに行くと、時間的にインバウンドのお客さんが帰り出していて、空いた場所でゆっくりと撮影をすることができました。運がいいことに雪が降り出し、雪絡めの撮影もすることができました。

2日目

予定では早朝4時30分から音羽橋に撮影に出る予定でしたが、冷え込まず朝陽が出ない予想から中止し、かわりに7時に食事を摂り終わり次第音羽橋へ向かい、給仕場に向かう姿を狙う事に。その前に伊藤サンクチュアリを覗きに行くと・・・すでに撮影ポイントは人でごった返していてどうやっても撮影ができる状況ではない。そのまま音羽橋へ。たぶんここもさっきまでは人でごった返していたに違いないが、全員移動していたので私たち以外は3名!天気は曇りだが、こちらに向って来るタンチョウを撮影することができました。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
こちらに向かってくるタンチョウ

9時過ぎには給仕場に移動をするので、本当なら伊藤サンクチュアリに行く予定でしたが、入れるスペースはなさそうなので鶴見台へ移動しました。今年はここにマナヅルが入っているという事でしたが見当たりません。時期的に求愛ダンスをよくするのでそれを狙ってもらうのですが、ごちゃついたところで撮影に苦労するも2回交尾のシーンを撮影できました。途中マナヅルも飛んできたので撮影をしましたが、近くに来てくれない事とアクションが少ないのが残念でした。

鶴見台
鶴見台
タンチョウの交尾シーン
タンチョウの交尾シーン
マナヅル
マナヅル

ランチをした後、夕陽のポイントへ向かいました。夕陽には時間があるのですが、小鳥を撮影するには仕方がないと判断しました。気合を入れたのですがこの日はガラガラでした。その分、余裕で撮影をすることができましたが、途中からハイタカが出たのかまったく来なくなってしまった!やはり夕陽が狙える天気ではなかったのでこの日も伊藤サンクチュアリへ向かい昨日のような状況を期待しましたが・・・この日はイマイチでした。。

ハシブトガラ
ハシブトガラ

鶴居村では2日間、宿の温泉とおいしい食事を堪能していただきました。

3日目 

この日は晴れたのですが、冷えて霧氷が付くとは思えないので昨日と同じ工程にしました。しかし、タンチョウの動きが昨日とは違っています。どうもこちらに飛んで来てくれません。思うようにはゆきませんね。ヤマセミに期待をしましたが、カワアイサが出ただけでした。その後鶴見台へ移動しますが、こちらも昨日よりも動きが悪く残念な結果でしたが、思わぬサプライズでまさかのベニマシコが撮れたのは意外でした!またホオジロも見ることができました。北海道ではこの時期この2種を見られるのはレア体験です。

ベニマシコ
ベニマシコ

次は根室へ移動です。その前に厚岸でランチをして火散布でカモ類を探しますが・・・パッとしません。オオワシ&オジロワシもいますが、やはり外に出ているので近くでは撮れませんでした。サプライズだったのはゴマフアザラシが出たことぐらい。そして霧多布岬ではラッコを探しますが見つけることができませんでした。根室の宿では夕陽とタンチョウやオオハクチョウを夕食の時間まで撮っていただきました。

オオハクチョウ
オオハクチョウ
タンチョウ
夕陽とタンチョウ

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戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年9月24日~27日

今年は台風が去っても次々と熱帯低気圧ができて、天気予報ではずっと雨予報。雨なのはいいのだが、問題は風。ずっと南風なのでアカハラダカたちが渡れるかが心配でしたが下見で入ってから基本晴れで時々大雨という天気。もちろんお客様が到着しても同じ天気。2日目は風が変わり湿度が下がりさわやかになるとそれまで出なかったアカハラダカが青空に渡る姿に感動です。夜間も不快指数120%のおかげで予定していた鳥たちが出てくれました!

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは田んぼを廻って鳥たちを探します。最初の田んぼでいきなりクロツラヘラサギの成鳥発見。(じつはお客さんが発見)ゆっくり車を近づけ無事Get!引き続き何かいないかと探すとこれまた激近でムラサキサギの成鳥。一旦やり過ごしてUターンで戻りがっつり撮影ができました。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ成鳥Get!

しかしこの後がパッとしない。セイタカシギとツメナガセキレイは履いて捨てるほどいるのに他のシギたちが・・・そしてカンムリワシが見当たらない!林道を探しても見当たらない。折れそうな心を奮い立たせてカンムリワシの幼鳥の見られるポイントへ行くと・・・飛ばれて遠くへ行ってしまった。それでもみなさんに幼鳥を何とか見てもらい撮ってもらいました。

引き続き朝の下見で確認しておいたズグロミゾゴイのポイントへ行くと・・・いない?よく見ると朝になかった木の枝の切られたものが積みあがっている?どうやら視界の悪い伸びた枝が切られていた=日中作業をした=ズグロミゾゴイがビビって奥に行ってしまったようなので予定を切り上げて田んぼを廻るがパッとしない。クロハラアジサシの飛翔を撮ってもらってからホテルへ近くのポイントで白いクロサギを撮ってもらいホテルへ。夜はナイトツアーがあるので集合時間まで休憩をとりました。

飛翔するクロサギ白
飛翔するクロサギ白

7時30分に集合してナイトツアーへ出発です。一般道の電線にリュウキュウアオバズクがとまっているとガイドが言うが止まることができないのでパス。初めはさっぱり鳥たちが見つからず苦戦しましたが、リュウキュウアカショウビンが撮れてからは次々とリュウキュウコノハズク、ズグロミゾゴイが見つかりしっかりと撮影できました。その後移動をした場所でいきなりのオオクイナのオス成鳥Get!ここでもリュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビンも撮れてみなさん大満足でした。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク
リュウキュウアカショウビン
リュウキュウアカショウビン
オオクイナ♂
オオクイナ♂ゲット!

2日目

早朝雷を伴う大雨で大丈夫かな?と思ったが6時30分には上がる。朝7時に出発して、まずはホテル近くの田んぼで朝焼けの水鏡のセイタカシギを撮ってもらい、移動して引き続きズグロミゾゴイを探します。私が一人先に車から降りて探しに行くと幼鳥がいたので撮影してもらいました。残念なのは私が現場についてすぐアカショウビンが飛び去ったこと。撮影後はすぐにアカハラダカのポイントへ移動、途中電柱にとまるカンムリワシがいたのですが時間が無いのでパス。途中昨日まで静かだった森に小鳥の声が聞こえる。渡ってきているようだ!アカハラダカのオスが枝とまりしながらセミを4匹も捕らえて食べてくれたおかげでしっかりと撮影ができた。その後あちこちで群れが湧き上がるが逆光で遠い!それでも時々近くを飛んでくれる個体も撮影ができた。そういえば日差しは強いが、風は乾いて心地いい。ふと気がつくとこちらに向かってたくさんの群れがタカ柱から川になって向かって来てくれたおかげで、みなさん大興奮で撮影を楽しまれていた!

アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカのタカ柱
アカハラダカのタカ柱

田んぼを探してみますが何も見つけれられなかったので「もしかしたら近くの公園に小鳥がいるかも」と寄ってみると芝生の広場にはたくさんのツメナガセキレイがいた。電線にはシマアカモズ、木の枝にはエゾビタキと種類も数も少ないのですがやはり鳥たちが来ていてくれたおかげで良かった。昼食はお弁当にして15時まで休憩にしました。

シマアカモズ
シマアカモズ
エゾビタキ
エゾビタキ

15時からは田んぼを廻りますが・・・シギがいません。林道を走りますが途中アカハラダカの成鳥のとまりを見つけたのですが近すぎて逃げられました・・・悲しいかな今日もカンムリワシに出会えません。再び田んぼを廻るとクロハラアジサシがいたのでとまりと飛翔を撮ってもらいます。

クロハラアジサシ
クロハラアジサシ

時間になったのでズグロミゾゴイを狙いに行きます。今まで幼鳥が1羽だけだと思ていたら2羽もいた!成鳥はちらちら出るが、なかなか撮れないのが悔しい。しかし幼鳥たちのかわいい姿をしっかりと撮ることができたので〇としましょう。最後はホテル近くの田んぼでクロハラアジサシの飛翔を撮って終了となりました。

ズグロミゾゴイ成鳥
ズグロミゾゴイ成鳥
ズグロミゾゴイ幼兄弟
ズグロミゾゴイ幼兄弟

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
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やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2024年9月8日~11日

下見中に熱帯低気圧が発生してツアー期間中すべて雨予報でしたが、不思議と撮影時間には雨が止みヤンバルクイナに関しては昼夜を問わずしっかりと撮影ができてみなさまとても満足をされていました。残念なのは天気のせいか、アカヒゲの出現が極めて少なく結局撮影ができませんでした。ノグチゲラも同様でしたが、最終日の朝ヤンバルクイナを待っているポイントで偶然撮影ができたのはラッキーでした。時間調整用のシギ・チドリのポイントは水が無くなり壊滅状態、干潟は悪天候で行く事ができなかったのは残念でしたが全体的にはメインのヤンバルクイナがしっかりと撮れたことで昨年よりは1日増やしたことで大成功だと言っていいでしょう。

<1日目>

13時に無事みなさん集合されたので、専用車で宿へ向かいました。本来なら喜如嘉へシギ・チドリを狙いに行くのですが今年の喜如嘉は耕作放棄地が目立ち、鳥たちがさっぱりなのでパスしました。宿へ荷物を降ろしてすぐにヤンバルクイナのポイントへ向かいます。30分ほど待っていると出てくれました。時間的に違う場所へすぐ移動して待つ事10分、予想通り川をゆっくり渡る姿を撮影することができました。

川を渡るヤンバルクイナ
川を渡るヤンバルクイナ

宿へ戻りすぐに食事を食べていただき、20時からは夜の撮影レクチャーです。昨年はここでヤンバルクイナとリュウキュウコノハズクが撮れたので期待をしましたが、残念ながら撮影はできませんでしたが撮影の方法は習得していただけたようです。

<2日目>

5時30分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、まだ暗い中さっそく1羽が出現します。しかしすぐにいなくなってしまいました。ポイントでアカヒゲが出てくれることを期待しましたが、声のみ。その後待ちくたびれていると、ヤンバルクイナは音もなく現れ撮影ができました。

ヤンバルクイナ
音もなく現れたヤンバルクイナ

雨風が激しいので一旦宿に戻り建物の庇からヤンバルクイナを待ちますが出ないまま11時になったので町に昼食と明日の朝食の買い出しを出かけました。その時参加者から「天気が悪いのでヤンバルクイナ生態展示館クイナの森」へ行きたいとリクエストが出たので食後はそちらでヤンバルクイナの「クー太」君を見に行きましたが、眠っていてこちらに出てくれません。ようやく出てくれても今度はアクリル板の前でまた寝てしまう(笑)手強い!ほかにも資料展示があるのを見て宿に向かい、休憩に入りましたが風雨がまったく収まる気配がないので夕方と夜を中止にいたしました。

 

<3日目>

5時30分に出発。昨日より早い準備を完了。風が強いのでシートは張らずにそのまま静かに待ちます。シートが無いのでちょっと警戒をしないかと不安を感じましたが、3回ポイントでのんびりする姿を撮影することができました。ダメ元で時間まで川沿いのポイントへ移動しますがヤンバルクイナは出ませんでしたが、みなさんトビハゼやコメツキガニやシオマネキを撮って楽しんでおられました。

雨の止み間を活かして宿に併設されている観察路で生き物を探します。昨年はアカヒゲもノグチゲラもよく出てくれたのですが、この日は風が強いせいか出が悪いです。鳥はさっぱりでしたが、オキナワキノボリトカゲ・シリケンイモリ・ヤンバルヤマナメクジ・リュウキュウアオヘビを観察撮影ができました。11時に食事に向かう途中いつもリュウキュウツバメとツバメがとまっている電線にとまっていれば撮影をする予定でしたが、1羽もいません。風が強すぎたせいでしょう。

リュウキュウアオヘビ
リュウキュウアオヘビ
オキナワキノボリトカゲ
オキナワキノボリトカゲ

食事後は近くの田んぼでセイタカシギとタカブシギを撮った後、夜もあるのでお昼寝タイムです。15時45分にヤンバルクイナを探しに行きますが、今日はいつもと違いなかなかポイントへ出てくれません。それでも17時30分近くに2回出てくれ、道路を渡る姿も確認できました。最後は川へ移動します。すぐに出たので期待をするとすぐに草むらに隠れてしまいました。15分過ぎた時でしょうか1名の方が高速連写で何かを撮っています?他の方もカメラを構えています。私の位置からは何も見えないので車の影に隠れてドライバーさんに「出てる?」と聞くと出てないよの答え。よく見るとレンズはかなりの下?後で聞くとカニを撮っていたようです「騙された!爆」

もう一度いつもの場所へ戻るとすぐにヤンバルクイナが出てくれました。みなさんに場所を小声で伝え、狙ってもらいます。ヤンバルクイナは採餌しながら川の中に移動してあちこち歩き廻った後、水浴びをゆっくりとしてくれました!

川を渡るヤンバルクイナ
川を渡るヤンバルクイナ
水浴びをするヤンバルクイナ
水浴びをするヤンバルクイナ

夕食時間もあるのでヤンバルクイナが草むらに入ると同時に宿へ向かいました。夕食後は20時に夜の生き物探しに出発です。走り出してすぐに1羽のヤンバルクイナを見つけたのですが時間が早い事と近すぎたことで逃げられてしまった。その後はさっぱりでちょっと焦りが出ます。それでもオリイオオコウモリのいるポイントへ向かい撮影をしてもらいました。下見ではここにリュウキュウオオコノハズクがいたので期待をしましたが見つかりません、残念!集落内からはリュウキュウアオバズクの鳴き声が聞こえますが集落内なので探しに行くのはやめました。

リュウキュウオオコノハズク
下見では観察できたリュウキュウオオコノハズク

さて再び移動しながら生き物を探すと森の奥からリュウキュウコノハズクの「コホッコホッ」の鳴き声が!鳴きまねをして近くまで来てくれることを期待しましたが来てくれませんでした。さてここからがえらいことになります。もう眠っているヤンバルクイナだらけ!いた!ここにもいた!と6羽までは確認して撮影をしていましたが、その後は角度が悪い、止まり位置が悪いと撮影をせず移動という贅沢すぎる状況です。ペアのとまりも確認できた時だけは撮影に熱が入りました。その後も3羽ほどは見つけたと思いますが全部で10羽以上発見しました。下見の2日は1羽しか見られなかったのに信じられない夜です。

ヤンバルクイナ!いた!
ヤンバルクイナ!いた!
ペアのヤンバルクイナ
ペアのヤンバルクイナ

*ヤンバルクイナの夜間撮影は10分以内で通常5分を目安にストレスを極力かけないようにしています。その後はフクロウ類の発見はないまま終了となり11時過ぎには宿に戻りました。

 

<4日目>

5時30分に出発してルーティーンで鳥たちを待ちます。ヤンバルクイナはなぜか出ません。ポイントの奥からはノグチゲラやアカヒゲの声は聞こえますが姿は見えず。ヤンバルクイナはその後出てくれましたのでほっと一息。1名の方が「カニが撮りたいから行っていいか?」と言われたのでヤンバルクイナも今までしっかり撮れているのでOKを出しました。彼女が出ていて10分もしたでしょうか?参加者の男性が上にカメラを向けています。そのあたりを見ていると黒い鳥が木の幹にとまっています・・・ノグチゲラです!めっちゃ近いのでみなさんに「ノグチゲラだから撮って!」と伝えました。結構長く出ていてくれみなさん撮れたと喜んでいます。最初に狙っていた方が「これノグチゲラだよね?」とモニターに映っている鳥はイソヒヨドリのメス?どうやら2羽出ていて私はイソヒヨドリに気がついていなかったようで、彼は本命ではないものをずって撮ってしまっていたようでした。

ノグチゲラ
ノグチゲラ
イソヒヨドリ
イソヒヨドリ

その後はシギ・チドリを狙う予定が2か所とも激しい雨風で外に出られそうもないのでそのまま空港に向かい終了となりました。

今回は過去最高というか私もびっくりするくらいのヤンバルクイナとの遭遇&撮影ができただけでなく最後はノグチゲラのサービスもありフクロウ類やアカヒゲは残念でしたが120点の内容だったと思います。


撮れた鳥
ヤンバルクイナ・セイタカシギ・タカブシギ・ノグチゲラ・リュウキュウヒヨドリ・リュウキュウメジロ・リュウキュウコゲラ・リュウキュウシジュウカラ・スズメ・イソヒヨドリ・オキナワキノボリトカゲ・シリケンイモリ・リュウキュウアオヘビ・ヤンバルヤマナメクジ
オリイオオコウモリ

見れた鳥・さえずりが聞けた鳥
ミサゴ・カラスバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・リュウキュウアカショウビン・カワセミ・ツバメ・リュウキュウツバメ・リュウキュウサンショウクイ・ホントウアカヒゲ・ウグイス・リュウキュウハシブトガラス・クマネズミ・リュウキュウヤマガメ

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