沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【奄美編】

Report by 簗川堅治 / 2024年4月3日~7日

<4日目>
空模様が気になる中、アカヒゲやルリカケス、オーストンオオアカゲラなどを求めて出発しました。現地は時折、小雨が降るあいにくの天候です。まずはオーストンオオアカゲラです。巣作り中のようで、待っていれば見られそうだったので、粘って待った方は撮影ができました。

オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)
オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)

続いてアカヒゲです。複数が間近でさえずってはいるものの、高い所ばかり。苦戦を強いられます。さらにこれまた巣作り中のルリカケスを見て、その後は自由時間とし、各自お目当ての鳥で楽しんでもらいました。

 

昼食後は、またアカヒゲ、オーストンオオアカゲラ、ルリカケスを始め、固有亜種アマミシジュウカラやアマミヤマガラなどにも挑戦しまし、みなさん、それなりの成果があったようです。

 

アカヒゲ(撮影:高橋浩様)
アカヒゲ(撮影:高橋浩様)
ルリカケス(撮影:K.I様)
ルリカケス(撮影:K.I様)

最後はズアカアオバトの出るポイントへ。シマグワを食べに来る複数のズアカアオバトを難なく見ることができました。

 

<5日目>
最終日です。また森へ行き、残された時間を各々過ごしました。

アマミコゲラ(撮影:高橋浩様)
アマミコゲラ(撮影:高橋浩様)
ズアカアオバト(撮影:高橋浩様)
ズアカアオバト(撮影:高橋浩様)

今回のツアー、飛行機の遅延はありましたが、沖縄本島では亜種ホントウアカヒゲを、奄美大島では亜種アカヒゲを見ることができました。参加者のみなさん、5日間にわたり、朝早くから夜遅くまで大変お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2024年4月3日~7日

昨年も行ったツアー第2弾です。アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。

 

<1日目>
沖縄本島からスタート。まずは順調な滑り出しです……と言いたいところでしたが、この日に起きた台湾の地震で沖縄地方に津波警報などが出て、沖縄発着の飛行機が大幅に乱れました!ツアー参加のみなさんも遅れに遅れながらも、那覇に着きました。しかし、無事集合し空港を出発したのは20時過ぎ。この日はホテル入りで終わりました。

 

<2日目>
早朝からアカヒゲ狙いです。ノグチゲラの巣作り、越冬した?ササゴイなどを見ながら、無事アカヒゲの♂♀を見ることができました。

ノグチゲラ(撮影:K.I様)
ノグチゲラ(撮影:K.I様)
ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)
ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)

午後は金武町です。シギチは少なく、お目当てのリュウキュウヨシゴイも出なかったものの、アマサギ、シロハラクイナ、ツバメチドリ、そしてシマキンパラなど沖縄らしい鳥たちを見ることができました。

アマサギ(撮影:K.I様)
アマサギ(撮影:K.I様)
シマキンパラ(撮影:K.I様)
シマキンパラ(撮影:K.I様)

この日の夜は、宿のナイトハイクで樹上で寝る2羽のヤンバルクイナを見られた方々もいました。

ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)
ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)

<3日目>
沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、アカヒゲとヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくるヤンバルクイナは見ることができました。

朝食後は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!三角池にちょっと寄り道し、アオアシシギ、コアオアシシギ、リュウキュウツバメなどを見て、空港で昼食を済ませ、奄美大島へ。しかし、ここでも飛行機問題!使用飛行機の到着が遅れ、結局、奄美大島に着いた頃には探鳥時間がなくなり、すぐに宿入りでした。ついていません。

夕食後はナイトウォッチングです。地元ガイドさんの同行の元、林道を走らせます。霧が立ち込め、なかなか苦戦しながらも結果的にはたくさんのアマミヤマシギ、アマミノクロウサギに出会えました。また、イシカワガエルやヒメハブ、アマミトゲネズミなど、たくさんの奄美の生き物にも出会え、とてもいい夜になりました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

立山のライチョウを撮る 【2024年5月編 】

Report by 戸塚学 / 2024年5月19日~21日


前日に発生した台風1号の影響で天気予報が悪くなってしまい、どうなるかと心配したがそれでも天気が悪い分ライチョウの出現率は高かくてよかった。それでも2日目は外に出て撮影ができる状況ではなかったので1日中待機になりましたが、源泉かけ流しの日本一高い場所にある温泉とおいしい食事、そしてきれいな館内はのんびりするにはぴったりだったと言っていただいた。最終日は予定より早い5時出発で11時まで撮影をした後、イワツバメのポイントで解散しました。最悪な天気も皆さんの持ってる力で何とか切り抜けることができました。

<1日目>

8時になると降り出した雨が強くなる。今回は参加者が3名と少なく、うち1名は先入りして私と同じ宿に宿泊をしたので宿待機をしてもらっている間に2名を室堂ターミナルに迎えに行く。宿へ向かう途中ちょうど雨が小雨になったので急いで移動をしました(ライチョウはいてもパス)。

3名揃ったと同時に雨が強くなってきたのでそのまま宿での待機にしました。11時になると雨が止んだのでライチョウを探します。天気が悪いのでライチョウがたくさん出てくれてまさに日和です。しかしきれいな景色の中でライチョウを撮影できないのが悔しい。今年は足環のないライチョウのオスが多いのでいろんなアクションがあって面白い。4月の時は雪が残っているか心配をしましたが、残っていてくれたこともラッキーでした。

オスのディスプレイ
オスのディスプレイ
お立ち台のオス
お立ち台のオス
カヤクグリ
カヤクグリ

撮影に夢中になりすぎて気がつけば13時を過ぎてしまった!食堂が14時で閉まるので急いでランチへ。ランチ後は急に風が強くなってきたのですが撮影に挑戦しました。しかし15時を過ぎた頃からだんだんその威力が増してきました。宿の前のテラスにいるライチョウを撮影していましたが立っていると吹き飛ばされる突風を受けて、危険を感じるほどです。たぶん瞬間風速は30mを超えていると思い、安全管理上中止をすることにしました。17時を超えると強風に雨が加わり終了としました。


翌日はたぶん撮影はできないという事でおいしい食事とかけ流し温泉を楽しんでいただきました。

美味しい宿の夕食
美味しい宿の夕食

<2日目>

天気予報が悪いのでゆっくりと各自で朝食を摂ってもらい9時からミーティングにしましたが、その前に参加者の1名が「散歩してきます」と雨の中ライチョウを探しに行かれたので帰りを待っていましたが戻ってこないので2名にこの日のスケジュールを伝えると、30分遅れて「ミーティングを忘れてました」と外から戻られました。雨のなのでライチョウは沢山いたが、とても撮影ができる状況じゃない」と言ってました。その後は喫茶でおいしいコーヒーを飲みながらランチまでおしゃべりをして過ごしました。昼食後は特に何もすることがないので各自で温泉や画像チェック、お昼寝を楽しみました。明日は雨が気になるが、予定よりも早い出発をすることにしました。

ランチのチャーシュー丼
ランチのチャーシュー丼

<3日目>

 

5時に出発をする時に風はないのですが、霧雨が降っています。こういう日はライチョウ日和で、あちこちで見つかります。あるペアを撮影していると「ゲゲ~ゴア」とオスが鳴く声が?対岸からこちらに別のオスが近寄って来るとこちらのオスが飛び出し「これは喧嘩になるなと」思うと喧嘩勃発。しかし取っ組み合いにはならず追いかけっこで終わってしまった。

喧嘩するオス
喧嘩するオス
立派な肉冠のオス
立派な肉冠のオス
ライチョウメス
ライチョウメス
みくりが池
みくりが池

一旦食事に戻り、荷物をデポして再び撮影に戻ると天気が一変!どんどん晴れてくる。昨日の大雨で空気中の塵が流されたのでクリアだから日差しがきつく、気温が一気に上がります。こうなるとライチョウたちは動きが無くなります。1羽のオスは犬のように口を開けハァハァとしています。ライチョウには悪いのですが、滅多にないのでこのシーンをしっかり撮ってもらいました。

暑さに耐えるオス
暑さに耐えるオス

11時、荷物を引き上げて室堂ターミナルへ移動します。ここではイワツバメの撮影ができるポイントを伝えましたが2名のご夫婦は「もう帰る」という事で私と一緒のバスで下山して立山駅でお別れいたしました。

ご参加されたみなさま、お疲れさまでした。雄大な山をバックにしたお立ち台のオスライチョウの撮影ができなかったのが心残りですが、またの機会にという事でありがとうございました。


撮影できた鳥・生き物
ライチョウ・カヤクグリ
見られた鳥・生き物
ハシブトガラス・トビ・イワツバメ
声が聞かれた鳥
ウソ・メボソムシクイ・ウグイス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

渡りの本流!韓国・春の離島【2024年5月 後編】

Report by 戸塚学 / 2024年5月1日~5日

 

3日目 晴れ

5時40分日の出と同時にスタートです。ところが・・・静かです。歩き出すと果樹畑にチュウサギとゴイサギが地面に嘴を突っ込みデカいミミズを引っ張り出して食べています。特にゴイサギはズグロミゾゴイに見えて仕方ない。チュウサギも負けじとミミズを引っ張り出していました。昨日あれほどいたムシクイ類がほとんどいない・・・抜けた予感がする。

ゴイサギ
ゴイサギ

しかし私たちの頭上をツバメ・コシアカツバメ・ショウドウツバメが乱舞しているという事はこの上に虫がたくさんいるのだろう。ホオジロ類は陽が上がり、明るくなると今までどこにいたのか、わらわらと地面と木の枝を行ったり来たりしています。8時に一旦食事に戻りました。食後は再び探しますが、午前中はパッとしません。早く鳥たちに来てもらいたいのですが、こればかりは仕方ありません。それでもカラアカハラのさえずる姿やオウチュウやコウライウグイスが飛んでいるのは確認できました。

カラアカハラ
カラアカハラ
オウチュウ
オウチュウ
 

ハイタカが飛び回っているのも鳥たちを隠す要因の一つになっているのかもしれない。昼食後はいったん休憩をしました。

ハイタカ
ハイタカ

14時再び鳥たちを探します。今回は2手に分かれて「待つ組」と「探査組」に分かれます。私は五百澤氏の「探査組」に同行しました。昨日水浴びでにぎやかだった水路はマヒワが来るぐらいでさっぱりでした。上空を2羽のハヤブサが喧嘩しながら飛んで行きます。

ハヤブサ
ハヤブサ

山の中の木道を進み広くなったデッキでしばし定点をすると、奥の樹上にとまるコウライウグイスのオス!交代で隙間からみんなで撮影をすることができました!

コウライウグイス
コウライウグイス

その後も鳥を探しながら移動をしますが、コイカルの声が響き渡り、時々ヒレンジャクも姿を確認できましたがパッとしないまま下山をすると・・・黒いスリムな鳥が?オウチュウです!しかし電線ばかりでいいところにとまってくれず飛び去られてしまった。下に来てみると今まで見なかった韓国のBWやカメラマンがたくさんいます。先ほど到着した船で来たようです。最近は韓国でも人口が増えていることを実感します。魚醤ポイントの近くまで来ると「待つ組」の二人が「韓国のカメラマンがエサを撒いたようで、さっきマミジロキビタキが撮れたの!」と興奮して教えてくれたのでそのポイントで待っていると、韓国の人たちも集まりかなりの人のフェンスが出来上がっています。これはもう無理かなと思って移動をすると小さな水たまりのところに若い韓国カメラマンがいて、なんと日本語でカメラのモニターに映し出された写真を見せ「これなんですか?」と聞いてきました。それはシマアオジのオス成鳥!それもドアップアップで撮っている!水場に来ていたところを撮ったとの事。探すと近くの木の枝にいたので何とか撮影をすることができました。しかしその後、草の中に入ってしまい姿が見えなくなってしまいました。

シマアオジ
シマアオジ

出てくるのを待っていると散歩のおじさんが歩いて来ると草むらから飛び出して魚醤ポイント方向に行ってしまった。見つかればいいなと歩いて行き魚醬ポイントで待っていると急に人が動き出した?イワミセキレイが出たのです。それをみんなで撮影することもできました。午前中は鳥たちが少なかったのですが、午後から結構な数と種類が補給されたようです。夕食は朴さんがオーダーをしてくれたサムギョプサルで祝杯を上げました。

イワミセキレイ
イワミセキレイ

 

4日目 晴れ

今日も5時40分からスタートです。昨日と違い外に出るとカラアカハラのさえずりの他にも鳥たちのさえずりが聞こえてきます。とはいえやはり鳥たちの姿があまり見当たりません。しかし日が昇り明るくなるとホオジロ類がわらわらと出現します。彼らは寝坊助なのかもしれない(笑)ムシクイ類はいますが光が悪いので撮影が難しい。昨日シマアオジが出た場所を見渡すと電線にとまったシマアオジを五百澤氏が発見!みんなで撮影をしますがすぐに飛び去ってしまった。とまっているであろうポイントを探しますが見つかりません。ここで各自好きなポイントへ移動しました。私はシマアオジが戻って来そうな気がいたので同じ場所で待っていると、何かが近くの枝にとまった。双眼鏡で見ると若いシマアオジだ!数枚撮影してふと周りを見渡すと誰もいない!「お~い、西遊チーム!」と呼ぶとみなさん集まってきたと同時に飛ばれてしまった!シマアオジがいたことを伝えてから魚醤ポイントへ移動を始めると朴さんから「シマノジコのオスが出ている」という情報が!!!カメラマンの塊の中に入るといた、きれいなオスです。よほど腹が減っているのか人間なんて気にせず餌をついばんでいます。時計を見ると朝食時間ですが、これは遅れても撮らねばならないのでしっかりと撮影をしてもらいました。やはり昨日の午後から鳥たちが入ってきたようです。そんな中、白っぽい鳥が飛んで行く姿を見て「どこかで見たような?」と考えていると韓国BWが大騒ぎし出した。私がチラ見したのはケリだったようで韓国では超レア物だったようです。

シマノジコ
シマノジコ

朝食はみなさんゆっくり食べる間もなく、食後はすぐに出発です。シマアオジもシマノジコもまだいて、撮影ができるのでこの日は島での3日間の総集編のような感じです。五百澤氏が「シベリアムクドリが出た!」といって探しに行くとさすがです、きっちり見つけてくれました。相当お疲れのようで時々眠っていたおかげでしっかりと全員撮影ができました。

シベリアムクドリ
シベリアムクドリ

みなさん満足のまま昼食を食べに戻りました。昼食は島で獲れた天然のアワビのおかゆに舌鼓。その後は荷物をまとめてもらい、船に乗るまでの1時間弱を各自での最後の悪あがき撮影をしてもらいます。持っている一部の方はシマノジコやシロハラホオジロを撮れたと喜んでいました!さて船着き場に行くとどこにこれだけ人がいたの?という人でごった返しています。明日から天気が崩れて3日ほど船が出ない危険性があるからでしょう。本土に上陸するともう1台の車が渋滞で30分遅れるという事で、港で待つ事になりましたが仁川に戻る時は逆方向なので渋滞に巻き込まれないため途中のSAで食事を食べて無事ホテルに戻ることができました。

 

5日目 最終日 雨

天気予報通り朝から雨です。予定よりもゆっくりと出発してクロツラヘラサギの繁殖する人工島に向かいました。ここには観察用のハイドがあるのでそこからの観察をしますが、雨と霧で視界が悪い。それでもたくさんのコアジサシが飛び回っています。繁殖しているクロツラヘラサギやモンゴルセグロカモメのヒナも確認できました。その後はロッテマートへお買い物に行き、関西空港組はここで先発、帰国となりました。成田組はもう少し時間があるので食事をしてから帰国の途に就きました。

 

本来は鉄板の「鳥たちが降る」シーズンだったはずですが、今年は渡りが少し早かったようでこればかりは申し訳ないですが私たちの力ではなんともなりません。でもそれなりにみなさんかなり楽しめたのではと思いました。撮影をメインにしている企画なので今回はちょっと悔しかったこととして、天気が良すぎて「陽炎」の影響がそこそこあったことです。来年は4月末からずらすことができれば行いたいと思います。

ご参加いただいたみなさまお疲れさまでした&そしてありがとうございました。

 

 

【撮れた鳥・主な見られた鳥・聞かれた鳥

ツクシガモ・ヨシガモ・オカヨシガモ・マガモ・カルガモ・ハシビロガモ・オナガガモ・コガモ・ホシハジロ・キンクロハジロ・スズガモ・コウライキジ・カイツブリ・カワウ・ウミウ・アオサギダイサギチュウサギコサギアマサギゴイサギクロツラヘラサギ

ツミ・ハイタカバンオオバンセイタカシギミヤコドリ・ダイゼン・ケリ・メダイチドリコチドリソリハシシギイソシギキアシシギ・ツルシギ・アオアシシギコアオアシシギタカブシギアカアシシギチュウシャクシギホウロクシギダイシャクシギオグロシギオオソリハシシギキョウジョシギオバシギコオバシギウズラシギヒバリシギトウネンハマシギ・コシギ・ハリオシギズグロカモメ・ユリカモメ・ウミネコモンゴルセグロカモメコアジサシ・ドバト・キジバト・コノハズク・アマツバメ・ブッポウソウ・アリスイ・アカゲラ・ヤマゲラ・チゴハヤブサハヤブサモズコウライウグイスオオチュウカササギ・オナガ・ハシブトガラス・ショウドウツバメ・ツバメコシアカツバメ・ハシブトガラ・シジュウカラシロガシラ・ヒヨドリ・ウグイス・チョウセンウグイスムジセッカキマユムシクイアムールムシクイセンダイムシクイカラフトムシクイダルマエナガ・メジロ・オジロビタキ・ジョウビタキ・イソヒヨドリ・カラアカハラ・クロツグミ・シロハラ・シベリアムクドリ・ギンムクドリ・ムクドリイワミセキレイキマユツメナガセキレイマミジロツメナガセキレイキセキレイタイワンハクセキレイマミジロタヒバリノビタキオオルリ・キビタキ・マミジロキビタキ・ムギマキ・コサメビタキツツドリビンズイムネアカタヒバリ・ヒレンジャク・シロハラホオジロ・ホオアカ・コホオアカヤマホオジロ・シマアオジシマノジコノジコシベリアアオジアトリ・カワラヒワ・コイカルマヒワ・シメ・スズメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

渡りの本流!韓国・春の離島【2024年5月 前編】

Report by 戸塚学 / 2024年5月1日~5日

昨年は残念ながら島に渡ることができずに辛い思いをしましたが今回は天気も潮周りも良く無事に渡ることができました。しかし渡った初日は鳥たちが抜けてしまったようで数も種類も少なく同行の五百澤氏が焦るほどでした。翌日からは徐々に鳥たちが増えはじめみなさん撮影を楽しめているようでした。3日目の午後からは状況が変わり、2日目の午後から島に入り出したおかげで鳥たちの数も種類も増えたおかげで、シマアオジ・シマノジコ・シベリアムクドリなどみなさんが撮りたかった鳥が撮れて良かった。最終日は朝から雨になりましたが1ヵ所ハイドのある観察地を廻り、お買い物をして関西空港組は先発で帰国の途に就き、成田組は食事をして帰国しました。

 

1日目 晴れ

GWの中日のせいなのか?空港は混んでおらず、関西組、関東組も無事お昼前に仁川空港に集合できましたのでそのままクロツラヘラサギや、シギ・チドリが見られる水郷公園に移動します。しかし今年はシギやチドリが見当たりません。タカブシギ1羽とカルガモ・バン・サギ類しか見当たりません・・・。そんな時です、鳥たちを必死に探している私たちの上空をクロツラヘラサギたちが飛んで行きました。降りた場所を確認してそちらに近づきますが、やはり人数が多いせいか?オーラが出まくりなせいか?また飛ばれてしまいました、残念。今度は少し離れたところで静かに待っていると、どんどんこちらに近づきます。おかげでちょうどよい近さで撮影ができました。おまけに水浴びするところまでしっかり撮れた!やはりきれいなロケーションで夏羽の姿を撮れたのは良かった。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ

引き続きワシミミズクのポイントまで移動しますが、探せど、探せど見つかりません。その姿を見た近所の人が「夜は良く鳴いてるぞ」と教えてくれたという事は、ここはまだ使っているのは間違いないが、タイムアップで切り上げることに・・・1月はいたのに残念です。最後の最後で干潟に寄り短時間ですが水鳥を堪能しました。オグロシギやオオソリハシシギ・コオバシギが夕陽の赤い光に照らされると赤い身体の色が強調され美しかった。ホテルに入る前にホテル近くの食堂で朴さんおすすめのサムゲタンを食べて満足な1日となりました。

シギの群れ
シギの群れ

 

2日目 晴れ

朝食前に希望者だけでホテル周辺で鳥を探しますが、カササギとツバメぐらいしか目に着きません。島に渡る船がお昼なのでそれまでの時間を有効に使うため渡り鳥たちが良く立ち寄るポイントへ移動しますが、思わぬ事態に!いつも鳥を見ている場所にフェンスがしてあり、リゾートホテルを建設中だった。そればかりかポイントでは鳥たちの声すらしない・・・!しかしダルマエナガの声はするので、探すと5~6羽の群れがいて何とか撮影をすることができました。

ダルマエナガ
ダルマエナガ

カササギもいますが、手強いです。ダルマエナガは何とか撮影ができたので、急いで港に戻り手続きを済ませ船に乗りますが・・・?聞いた話と違う。普通の旅客船のはずが・・・まるで揚陸艦!港のスロープに着けてそのまま車も人も乗り込むタイプで、客室は狭く雑魚寝状態。しかしこれ以外の選択肢が無いので仕方がないと諦める。船室で朴さんが買ってきてくれたキンパ(韓国の海苔巻き)を食べるとこれが美味い!以前食べたものとは大違いでこのキンパなら毎回でもいいと感じました。移動中は波もなく穏やかな2時間40分の船旅で無事「鳥たちが降る島」に到着しました。まずは分宿なので各自の宿に荷物を置いて出発します。

五百澤氏の案内で各ポイントを巡りますが、早々に木の枝の葉越しにムシクイたちがざわめきますが、私には何がどれなのかさっぱりちんぷんかんぷんです。五百澤氏がみなさんに詳しく解説をしてくれる。やはり「歩く野鳥図鑑」と呼ばれるだけあって心強い。

キマユムシクイ
キマユムシクイ

その後も鳥たちを探すがあまり種類も数も見られず、ふと五百澤氏を見るとぐったりしている?どうやら鳥たちが抜けてしまっていたようで彼は悪くないのに責任感にさいなまされていたようです。それでもキマユホオジロ・コホオアカ・シロハラホオジロはいたるところで私たちを歓迎してくれました。

キマユホオジロ
キマユホオジロ
コホオアカ
コホオアカ
シロハラホオジロ
シロハラホオジロ

小さな水路は鳥たちの水浴び場所になっているようで、アトリ、マヒワ、オオルリが来ていました。

オオルリ
オオルリ

ハリオシギとコシギがいたのですが撮影はできませんでした。数が多いと言えば、コイカルが多くてきれいなオスの夏羽の特徴の嘴の付け根のコバルトブルーはしっかりと確認できました。

コイカル
コイカル

最後は魚醤タンク周辺で鼻が曲がりそうな臭いの中でイワミセキレイ・ツメナガセキレイ・タイワンハクセキレイ・コサメビタキを撮影して終了することに。帰り道でオジロビタキが出たのですが、しっかりと食事と休息ができていたせいか?元気に飛び回り、私たちを尻目に消えてしまいました。悔しいラストです。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ
タイワンハクセキレイ
タイワンハクセキレイ
コサメビタキ
コサメビタキ

 

立山のライチョウを撮る 【2024年4月編】

Report by 戸塚学 / 2024年4月22日~24日

今年は2月の気温が高く、3月の気温が低いという変な気候だったこともあり雪がどうなっているかが心配だった。感じとしては2週間ほど季節が進んだ感じで雪も緩く歩くのに苦労をすることになったが、ストックを携行していただいたおかげで事故やけがは防げたと思う。ライチョウの動きは気温のせいか非常に活発で喧嘩や飛ぶ姿を撮ることができみなさん大変満足をされていました。天気も初日のスタート時が霧になったほかは、比較的良い方に転びラッキーだった。最終日は1日雨の予報で、時々かなり激しく降るため7時に終了をしましたが、前日までにしっかりと撮影ができたことでみなさんからのクレームもありませんでした。

<1日目>

いつもは1~2日先入りして自分の取材をしてライチョウたちの動きを掌握しておくのですが、今年はスケジュールの関係で当日現場に入ることにしましたが、とんでもない状況に焦りました。10時に到着しましたが、乗れる時間が13時40分!室堂ターミナル到着が14時50分とギリギリで到着。おまけにターミナルは外人で溢れかえっています。これは想像以上の状況でした。すぐにカメラを出していただき、宿に向かう途中にライチョウが出れば撮ってもらうようにします。宿の少し前のハイマツ帯にカメラマンが3人ほどいたので「ライチョウがいるな」とわかったので霧の中メスの撮影をしてもらいます。あまりいい状況ではないのですが、初めて見る白いライチョウを撮りたいという想いをむげにはできません。

宿に入って館内の案内を済ませたあと、不要な荷物を部屋に置いてもらいすぐに撮影に出ます。宿の前にいたオスを狙っていると別のオスが飛んで来ていきなり追いかけっこが始まりました。それらを撮ってもらっていると取っ組み合いのけんかに発展!まさかこの時期にここまで激しい喧嘩をするとはびっくりです。

ライチョウの喧嘩
ライチョウの喧嘩

みなさんに撮影ができたか聞くと「しっかり撮れた!」との反応にほっとしました。その後もオスの撮影を楽しみました。一旦夕食を食べたのち、すぐに撮影に戻り日没まで撮影を楽しみました。夜は残念ながら霧が出てしまったので夜の撮影は中止になりました。

休息するライチョウ
休息するライチョウ

<2日目>

朝は5時30分からスタートです。天気は曇りですが、その分ライチョウたちの動きが良く朝飯前のひと撮影を楽しんでいただきました。7時過ぎに各自で朝食をとってもらい、9時から再びライチョウを探します。宿の前ばかりではつまらないので少し離れた場所へ行く事にします。途中の見晴らしがいい場所でみなさんに待機していただき、私だけがライチョウを探しに行きます。ライチョウがいればストックを大きく振る、いなければ戻るという事を伝えました。いつもライチョウが縄張りを持っているハイマツ帯に近づくとオスが鳴きながら飛び立ち、対岸のハイマツ帯に飛んだのを確認。落ち着いていたのでストックを振ってみなさんに合図を送りました。それを確認したようでこちらに向かって歩いて来るのが確認できました。

ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔

私はライチョウのとまっている場所へ向かい「さて、何処から撮影するのがいいかな?」と考えていると?何かがライチョウの奥を移動します。黒い小さなものと白いもの?が一瞬見えました。それらを見ていると白いものと黒いものが同一のものだとわかりました。それは「オコジョ」です!以前見た時はこの時期には茶色の夏毛だったのでまさか白い姿を見られるとは驚きです!みなさんの到着を待ちオコジョの出現を伝えました。とはいえ目の前に白いライチョウがいるのでオコジョも気になりますが、ライチョウも気になるという事っでみなさんは撮影をしていただき私はオコジョを探しましたがとうとう出ることはありませんでした。

 

もう1羽のオスが現れ飛んで行ってしまったのですが、向かいのハイマツ帯の中にメスを見つけたのでそれを撮ってもらいます。みなさんが撮影をしている間に私は別のライチョウを探しに行きますが・・・いなかったのでみなさんの元に戻り一緒にメスのお立ち台撮影をしました。

ライチョウお立ち台
ライチョウお立ち台

途中にカヤクグリの撮影をしていると上空をアマツバメとイワツバメが飛んで行きます。また移動をすることにします。昨日夕方ライチョウがいた場所へ探しに行きますが、ライチョウは見当たりませんがイワヒバリが飛んできたのでしっかりと撮影をしてもらいました。やはり雪が少なく植生が出ている場所が多いせいか、もうイワヒバリが出るとは!その後もウソの鳴き声と飛んで行く姿を確認しました。

イワヒバリをみつけた!
イワヒバリをみつけた!

少し早いですがみなさん結構疲れているので休憩と食事にしました。15時に宿を出てライチョウを探しますが、陽が出ているせいかライチョウの動きが良くありません。それでも16時30分を過ぎるころから急に動きが活発になり追いかけっこを3~4羽でやっていたりします。夕食時間ギリギリまで撮影を楽しみました。おいしい食事をゆっくりと楽しみたいのですが、やたらと元気なライチョウが出まくるし、天気も良く夕陽や夕焼けと絡んだライチョウの撮影が控えているのでそんなことを言ってる場合ではありません!

鳴くライチョウ
鳴くライチョウ

食事後はライチョウの群れや、夕陽と絡んだ撮影まで楽しむことができました!さてここで終わりではありません!20時に満月に近い月が立山の尾根から上がっているので、夜間撮影です。露出やフレーミングを変えながら月光に照らされる風景を撮影してもらいました。明日は雨予報なのでちょっとオーバー目なスケジュールになりましたがみなさん満足をされていたようです。

ライチョウと夕焼け
ライチョウと夕焼け
月夜の風景を撮影
月夜の風景を撮影

<3日目>

天気予報は雨ですが、ここは標高2400m。雪になる可能性も捨てられません。そこで6時に集合していただき雪なら食事を摂ってそのまま撮影に出ることに。雨ならば7時で終了という事にしていました。5時に目が覚めてしまったので、外に出るとしっかりと雨が降っている。気温も高くこれは絶対雪にはならないと判断したので、そそくさと温泉に入りに行きました。6時に集合してみなさんに食事後7時に終了することを伝えました。帰りの便が10時を過ぎるとインバウンド団体で込み合いターミナルで待たされる危険性もあるので、延泊の方と夜行バスで帰られる方を残して雨が小降りになった時を狙って帰っていただきました。最終日は残念でしたが、私も経験をしたことのない4月のツアーになりました。今まではこの時期のんびり、まったりとする姿がほとんどでしたのである意味ラッキーだっと思います。

まったりライチョウ
まったりライチョウ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・イワヒバリ
観られた鳥や獣
イワツバメ・アマツバメ・ウソ・白いオコジョ・ハシブトガラス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

みちのく山形 鷹狩り実演と早春の猛禽類

Report by 簗川堅治 / 2024年3月16日~17日

1日目

天童市には日本でただ一人、イヌワシとクマカタを使って鷹狩りをする松原英俊さんがいます。その松原さんの鷹狩り実演を見る機会を作りました。それに毎年、春の彼岸の頃は、山形市周辺はチョウゲンボウの交尾の最盛期です。そして、まだ田んぼには雪が所々残っていて、そこには北上中のハクチョウ類がたくさんやって来ます。そんなシーンを見るべく企画したツアー。しかし、全国的な暖冬でチョウゲンボウは早々と繁殖を開始、ハクチョウ類も早く北上してほとんどいなくなった中でのツアースタートとなりました。

 

まずはコハクチョウを見に行きました。わずかな場所に200羽以上のコハクチョウがしきりに餌をついばんでいます。嘴についた泥が乾いて、嘴の模様も全然わからないほどです。雪が積もった遠くの山々をバックに飛ぶきれいな光景と見ることができました。

コハクチョウの群れ
コハクチョウの群れ

続いて、クマタカの定点観察です。晴れて風もあり、好条件でしたが、結局現れず。トイレ休憩後、本日のメイン、鷹狩り実演見学です。今回はハリスホークを使っての実演です。まずは放たれた鷹を腕に止まらせる実演です。50m以上離れた場所から、鷹匠さんが鷹を呼ぶと鷹は鷹匠さんの腕めがけ、一直線に飛んでスーッと腕に止まりました。何度か、繰り返しましたが、どれも無事成功。最後は実際に獲物を襲うシーンを見学。離れた鷹は、あっという間に獲物を捕り、生きる糧となる獲物を貪り始めました。獲物がまだ生きている中、食べていきました。残酷さ、生命の尊さ、儚さ、自然の厳しさを垣間見る瞬間です。

鷹匠と鷹
鷹匠と鷹

獲物をしとめた鷹
獲物をしとめた鷹

最後は鷹匠さんの面白おかしい体験談などを聞き、この日を終えました。

 

2日目

まずはケヤキの樹洞で繁殖するチョウゲンボウです。しかし、暖冬ですでに交尾は終わっていて、♀は抱卵中2羽の♂を見るだけとなりました。

周囲を見張るチョウゲンボウ
周囲を見張るチョウゲンボウ

残念!続いて、最上川の河川敷でアオサギのコロニーやキジを見て、昨日見たコハクチョウの場所へ。マガンやヒシクイが混じることがあるのでチェックしましたが、混じっていませんでした。さらに移動し、この時期、地元では珍しいアオアシシギ情報があったので現場に行くも見当たらず、イカルチドリ、セグロセキレイなどを見て、次へ向かいました。

河原にたたずむイカルチドリ
河原にたたずむイカルチドリ

つい最近、ヒレンジャク、キレンジャクが出た場所へ行くと、ヒレンジャクは声のみ、夏羽になりつつあるカシラダカもいましたが、営巣中のノスリが警戒したので、そそくさとその場をあとにしました。最後はクマタカです。昨日の分を取り返すように、♂、♀、そして幼鳥がやや遠いものの飛んでくれ、悠々と飛び続ける姿を全員で見ることができました。

舞うクマタカ
舞うクマタカ

想像以上の暖冬で、鳥たちの繁殖も早くなり、予定していたシーンには出会えませんでしたが、鷹狩り実演や大空を舞うクマタカなど、猛禽類のたくましさ、生き様を垣間見たツアーとなりました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

冬の九州縦断 越冬珍鳥を求めて【後編】

Report by 簗川堅治 / 2024年1月23日~27日

 

<3日目>

朝食前にツルのねぐら立ち観察です。曇り空の中、次々とツルたちが餌場に飛び立っていきます。

今度はミヤマガラスの大群がやってきて、けっこうな数のコクマルガラスが混じっていて、シロマルも数羽確認できました。

ミヤマカケスとコクマルガラス 撮影:浅井様

ホテルへ戻る途中にソデグロヅルを少し見ていきました。

朝食後は、急きょコース変更した諫早に向かうために熊本からフェリーに乗りました。雲仙普賢岳を見ながら、たくさんのユリカモメと戯れ、長崎へ着きました。

諫早干拓到着です。狙いはまずはオオカラモズ。結果的には、色々な所に止まったり、ホバリングしたりするオオカラモズを全員が見ることができました。

オオカラモズ 撮影:浅井様

次は難関のあの鳥。タヒバリを1羽1羽チェックです。しかし、見つけることはできませんでした。諫早を離れる間際に藪藪のなかにいるトラフズクや湾に浮かぶたくさんのトモエガモを見ました。

<4日目>

東よか干潟からスタートです。思ったより潮が満ちてこず、鳥が遠くてイマイチでしたが、ここはいつも格別な場所で素晴らしい光景です。ソリハシセイタカシギなどを見て、次の場所へ移動途中、カササギの巣作りを観察しました。

ソリハシセイタカシギ 撮影:高橋様

今度は珍鳥オオノスリ狙いです。一旦、付近を探したものの見当たらず、ポイントで定点観察です。目の前の草地にはジョウビタキ、ホオジロ、ホオアカ、そしてシベリアジュリンが度々現れ楽しめました。

シベリアジュリン 撮影:高橋様

ハイイロチュウヒ、チョウゲンボウ、そしてコチョウゲンボウも現れました。しかし、肝心のオオノスリが出ません。一旦、運転手さんおすすめのラーメン屋に昼食を食べに行き、再びオオノスリ待ちです。すると今度は遠くに怪しい鳥影。ミサゴに追われるオオノスリ発見!しかし、ものすごく遠い!でも、翼と尾の上面が見え、オオノスリの特徴がわかりました。その後は結局、近くには現れず、この日は終了です。

<5日目>

まずはノスリの一亜種、カラノスリに挑戦です。しかし、探せど探せど、見つかりません。次はオオノスリ。こちらはあっさりと見れました

オオノスリ 撮影:K.S様

飛ぶと翼の白斑と白い尾羽がはっきりと確認できます。

最後の場所に移動中に、これまた運転手さんおすすめのラーメン屋でお腹を満たしました。途中、ツクシガモなどを見ながら、最後の場所でもお目当てのカラノスリは現れず、文字通り“カラ”振りに終わりましたが、またの機会です

ツクシガモ 撮影:K.S様

珍鳥狙いに特化した5日間。特に1、2日目は、九州にしては異例の寒さで貴重な体験をしました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!