秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

今回から2回に分けて、西遊旅行のツアーで訪れることができる巨樹のいくつかをご紹介します。

 

巨樹の一般的な定義とは地上1.3mの高さでの幹周りが3.0m以上のもののことを指し、全国には報告されているだけでも68,000本以上あります。巨樹はご神木やご神体としてあがめられ、多くの地域の伝説・伝承として語り継がれてきました。何百年も、ときには何千年も風雪に耐えて生き抜いてきた巨樹・巨木たち。太くたくましい主幹を天に向かって伸ばす巨人たちに対面した時の感動は忘れられない思い出となるでしょう。

 

まず今回は四国・九州・沖縄地方です。

 

下柏の大柏(しもがしわのたいはく)

愛媛県の四国中央市の市街地にあり、樹高15m、根周り14.3m、幹周り8.34mで、樹齢は1200年と伝えられます。主幹の東側に空洞があり、天明年間(1780年代)に地蔵菩薩が安置され、それ以後信仰の対象となっています。

 

杉の大杉

高知県中部の大豊町にあり、我が国最大の杉と言われ、国の特別天然記念物に指定されている大杉です。樹高68m、幹周り15.0m、樹齢は3000年です。縄文杉(幹回り16.1m)が発見されるまでは日本最大の杉であろうとされていました。

 

加茂の大クス

徳島県の吉野川沿い、みよし町にある国指定特別天然記念物で、樹高26m、幹周り16.7m、樹齢は1000年あまり。東西南北に広がった丸い樹冠はクスノキの巨樹の見本のようで、この美しい樹形が特別天然記念物に選ばれた理由のひとつといいます。

 

宝生院のシンパク

国指定特別天然記念物のシンパク(イブキあるいはビャクシンと同じイブキ科)の巨木で、小豆島の土庄港近くにあります。樹齢1500年といわれ、応神天皇が植えたという伝説もあります。地上1mから分かれた幹がくねったように力強く伸び、東西南北に大きく広げた枝も大変立派です。

 

▼関連ツアー① 下柏の大柏、杉の大杉、加茂の大クス、宝生院のシンパクを訪ねるコースはこちら↓

ディスカバー四国・中国 まだ見ぬ大地の風景【前編・後編】
7/18(日)発、9/19(日)発が催行間近!

 

柞原八幡宮のクス

大分市の郊外に豊後国一宮として知られる柞原八幡宮があり、境内へ上る石段の途中にそびえるのがこのクスノキです。樹齢は3000年ともされ、ご神木として祀られています。大きな空洞ができており、一度に数十人が入るほどの広さといいます。

 

 

大杵社の大杉(おおごしゃのおおすぎ)

湯布院の町の南部、神社の境内にある大分県内最大の杉で、樹齢は1000年です。これまで2度の火災にあっていますが、この時の煤が幹の腐食をくい止める役割をし、また元気に新芽を出すようになったそうです。

 

▼関連ツアー② 柞原八幡宮のクス、大杵社の大杉を訪ねるコースはこちら↓

改訂版・姫島にも泊まる大分周遊 6日間
アサギマダラ飛来時期、紅葉のベストシーズンに合わせた時期限定です!

 

蒲生の大クス

鹿児島県の姶良市の蒲生八幡神社にあり、全樹種含めて日本最大の幹周り(24.2m)を持つ巨樹として知られます。国指定特別天然記念物で、33mという発達した根回りがその重量感を感じさせます。私・大友が巨木にはまるきっかけになった木でもあります。下から見上げると怪鳥が舞い降りたかのような存在感、迫力がありました。

 

日本一のガジュマル

鹿児島県奄美諸島、沖永良部島にある国頭(くにがみ)小学校の校庭に、新日本名木100選にも選定された樹齢100年以上のガジュマルがあります。1898年(明治31年)の第1回卒業生が植樹したもので、校庭に入るとその大きさにまずはびっくりします。1世紀以上にもわたって沢山の児童を送り出してきた巨木。これからも元気な姿で見守っていってほしいです。

 

▼関連ツアー③ 蒲生の大クス、日本一のガジュマルを訪ねるコースはこちら↓

喜界島、加計呂麻島、与論島にも泊まる薩南諸島縦断
世界遺産登録直前!徳之島のほか加計呂麻島や沖永良部島、加計呂麻島など奄美群島にも訪れます

 

日本最大のサキシマスオウノキ

仲間川の上流にあり、樹高18mにもなります。森の巨人100選にも選ばれ、板根だけでも高さ3.1mと人間の背丈を軽々と上回ります。満潮の際の遊覧船でのみアクセスすることが可能で、環境にみずからを適応させ、たくましく生き抜く木の生命力を、間近で感じてみてください。

 

▼関連ツアー④ 日本最大サキシマスオウノキを訪ねるコースはこちら↓

8島巡る!自然と民俗の八重山諸島大周遊 8日間
日本最西端の与那国島と有人島最南端の波照間島にも滞在します!

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3つのジオパーク探求の旅 山陰海岸&隠岐と”国引きの大地”島根半島のツアーを新たに発表いたしました。ジオパークとは「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいい、太古の昔から現在に至るまでの多様な地質や地形、それらがもたらす多彩な自然を背景にした人々の文化や歴史にふれることができます。今回は、ツアーで訪れる山陰地方の3つのジオパークをご紹介いたします。

 

1.山陰海岸ジオパーク


浦富海岸

 

日本列島が大陸の一部であった時代から日本海が成立し、現在にいたるまで地球の歴史が分布する岩石や地層に残されている山陰海岸ジオパークは、ユネスコ世界ジオパークに指定されています。様々な岩石や地層、多彩な海岸地形、内陸の滝や渓谷など、貴重な景観を見ることができ、それらを生かした特色のある暮らしが営まれています。日本列島が大陸の時代であった頃の花崗岩である「千貫松島」など、特殊な景観をご覧いただけます。

洞門「千貫松島」

 

山陰海岸の地質図

 

 

2.島根半島・宍道湖中海ジオパーク

柱状節理が広がる流門岩(日御崎)

 

約2000万年前に日本海や日本列島が形成される大きな地殻変動が起こり、美しいリアス式海岸の島根半島や国内最大の連結汽水湖の宍道湖・中海が形成されました。約1300年前の古代人も、変化する大地の魅力を出雲国風土記に国引き神話として描きました。その中で、ヤツカミズオミズノミコトという神様が、海の彼方から陸地を引いてきて島根半島ができ、豊かな耕作地の拡大を祝った神話として伝わります。島根半島は天然の巨大な防壁となり、斐伊川水系の土砂を堰き止め、肥沃な平野や入り江、潟湖が形成されていく自然へのイメージや日本海の遠方の国々との交流が盛んな場所として、土地を引く姿に例えたと考えられています。

多古の石柱 宍道湖の夕日

 

 

3.隠岐ユネスコ世界ジオパーク

かぶら杉

ローソク島

 

隠岐ユネスコ世界ジオパークは、島根半島の北40~80kmの日本海に点在する4つの有人島と多数の無人島によって構成されており、今回訪れる島後はこのジオパークに含まれています。日本海と日本列島形成の歴史を記録した岩石をはじめ、環境変動の結果生み出された独自の植生や、隠岐の地史・地理・地質が生み出した自然環境に最適化した文化、日本海の離島という地理によって育まれた歴史などが狭い島の中でコンパクトに見られる、大地と人、人と自然をつなぐジオパークです。

 

 

旅先の候補として選ばれにくい山陰地方ですが、ユニークな海岸地形が生み出した歴史や暮らしは奥深く、特に地質、地層、岩石などがお好きな方はお楽しみいただけると思います。ぜひご参加ください。

 

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九州美景めぐり 4つの瀑布と阿蘇、九重、高千穂 大自然満喫の旅」のツアーでは、心に残る九州の美しい景色や大自然をベストシーズンにお楽しみいただけます。今回は、ツアーで訪れる4つの滝をご紹介いたします。

 

1.鍋ヶ滝(なべがたき)

 

熊本県阿蘇郡小国町にある滝で、小規模ながらも滝を裏側から眺めることができるという珍しい特徴があります。落差は約10mと規模は小さいですが、幅が約20mもあり、カーテンのように幅広く落ちる水が美しい滝です。阿蘇のカルデラを作った約9万年前の巨大噴火でできたとされ、長い年月をかけて今の形になりました。

 

 

2.黄牛(あめうし)の滝

 

大分県竹田市にある落差20mほどの豪快に水しぶきを散らして轟く滝で、かつて龍が住んでいたという伝説が残っています。高さの割に水量が多く、滝つぼのそばまで近づくことができるため、轟音を立てて流れ落ちる圧巻の様子をご覧いただけます。「黄牛」とは、肥後地方(熊本県)に多く見られる飴色をした牛のことです。

 

 

3.原尻(はらじり)の滝

 

日本の滝100選にも選ばれている幅120m、落差20mの滝で、「大分のナイアガラ」とも称されます。田園地帯に突如現れる珍しい光景が特徴的で、9万年前に起きた阿蘇山の大噴火の大火砕流によってもたらされました。下に降りて滝の近くまで行くこともでき、しぶきを感じながら大迫力の光景を堪能できます。

 

 

4.真名井(まない)の滝

 

断崖がそそり立つ峡谷、高千穂峡にある日本の滝百選にも選ばれた名瀑。約17mの高さから水面に落ちる様は高千穂峡を象徴する風景です。天孫降臨の際、この地に水がなかったので、 天村雲命(アメノムラクモノミコト)という神様が水種を移した「天真名井」から湧き出る水が水源の滝と伝えられています。

 

 

夏のベストシーズンを迎える九州の高原地帯。各所で溶岩トンネル探検や熱気球フライトなども楽しみながら、美しく壮大な大自然をご体感ください。

 

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2021年6月初旬に同行した、大峯奥駆道の後編です。

眺めのいい稜線歩き

吉野から前鬼までは既に歩かれている方や、前編の主な山々(山上ヶ岳、八経ヶ岳、
釈迦ヶ岳)には既に登っている方など、様々な想いとともにご参加いただきました。

近鉄・大和上市駅に集合後、タクシーにて国道169号線を約70kmの道のり。
吉野川、伯母谷川沿いに南下し、新伯母峯トンネル(全長約2km弱)をくぐり抜け、
左手(東側)に大台ヶ原がある台高山脈、右手(西側)に和佐又山や山上ヶ岳を
抱く大峯山脈に挟まれながら、北山川沿いに南下し、
川上村から上北山村、下北山村へと入ります。

青が美しい北山川

池原貯水池沿いにある前鬼口から国道169号線を逸れ、前鬼川沿いに林道を北上。
途中、不動七重の滝の展望地にて写真ストップ。日本の滝百選にも選ばれ、
総落差は160m以上ともいわれている。迫力満載です。
近年キャニオニングも盛んになってきたという前鬼川は、上流にダムなどの人工的な
施設がほとんどなく、自然なままの美しい水が流れています。
「前鬼ブルー」という異名もあるほど、緑の様な青の様な色味も印象的でした。

日本の滝百選の「不動七重の滝」 総落差は160m以上。

到着すると早速61代目の五鬼助義之さんがお出迎えです。
お風呂後、自家製味噌の美味しいお味噌汁をはじめ、夕食をたらふくに食べて就寝zzZ

前鬼に唯一残る宿坊・小仲坊

前鬼での夕食。お味噌汁が美味!

前鬼で偶然に出逢った青岸渡寺の修験者

法螺貝を吹く修験者

■トレッキング①(前鬼→持経ノ宿)
29番靡の前鬼山から開始。
宿坊(小仲坊)横から登り始め、五鬼熊、五鬼童の住居跡を経て、
ストレッチや衣服調整を加えながらズンズン進みます。

まもなく853段の階段が開始。
木製の梯子は乾いていて滑ることもなく、順調に標高を稼いでいきます。

標高差650m(前鬼~太古の辻)には853段の階段が続く

一歩一歩、延々と続く階段を登る

多少のザレ場や乗越、鎖場を難なく通過し、太古の辻(1,450m)へ到達。
朝一番から今日一番の核心部、お疲れ様でした!

前鬼から太古ノ辻へ向かう

所要は、3時間弱みていたので、想定通りです。
ここにも33番靡の二ツ石(別名:背比べ石)があり、北と南の奥駆道の境界です。

33番靡の二ツ石(別名:背比べ石)

ここからは、小さなピークを幾つも越えてゆきます。その数なんと9つ!
32番靡・蘇莫岳(1,521m)、石楠花岳(1,472m)、天狗山(1,537m)、27番靡・奥守岳、
26番靡・子守岳(地蔵岳;1,464m)、25番靡・般若岳(希望者はピストンで登頂)、
24番靡・涅槃岳(1,376m)、証誠無漏岳(1,301m;しょじょうむろう)、
阿須迦利岳(1,251m;あすかり)です。

32番靡・蘇莫岳(1,521m)

石楠花岳(1,472m)

27番靡・奥守岳

26番靡・子守岳(地蔵岳;1,464m)

子守岳でランチ

登っては下り、登っては下りを繰り返しますが、振り返れば北奥駆道の名所、
40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)と42番靡・孔雀岳(1,779m)&43番靡・仏生ヶ岳(1,805m)の
特徴的な山容が離れていくことが分かり、進んでいることを実感できます。

振り返れば最奥に北奥駆道の名所、40番靡・釈迦ヶ岳(左:1,800m)と42番靡・孔雀岳(右:1,779m)&43番靡・仏生ヶ岳(右:1,805m)の山容

涅槃岳直下の急登

24番靡・涅槃岳(1,376m)

証誠無漏岳から阿須迦利岳へは、急な鎖場があったものの軽快に通過し、
15時過ぎに22番靡・持経ノ宿に到着。不動堂が建てられています。
快適な山小屋は広々と使うことができました。
水場は林道を400m下ったところにあり、川沿いの蛇口からドボドボと出ています。

22番靡・持経ノ宿の小屋

持経ノ宿にある水場

■トレッキング②(前鬼→持経ノ宿)

おはようサンライズ!
本日は半日行程のため、朝食後、ゆったり目な出発です。
エスケープルートになる池郷林道は昨年の土砂崩れの為に以前通行止めです。
その林道沿いに延びるルートを進みます。

21番靡・平治ノ宿で休憩。ここも立派な避難小屋(無人小屋)です。
水場はルートを外れて悪路を下った箇所にあり、この時期はしっかり出ていました。

21番靡・平治ノ宿

平治ノ宿の内部

その後、転法輪岳(1,282m)、倶利伽羅岳(1,252m)を連続登頂した後、
行仙岳(1,227m)への登り途中にある20番靡・怒田宿跡へ。
そこから階段状の直登をつめれば電波塔の立つ頂上へ。
展望もよく、北側には釈迦ヶ岳(1,800m)も見えました!

19番靡・行仙岳(1,227m)

行仙岳から遠くに釈迦ヶ岳(1,800m)を望む

昼食後、約30分の下りで行仙宿へ到着。

当ツアーで一番の設備が整う行仙宿の山小屋

午後は時間があったので、ティータイム♪

夕食前に往復30分強かかる水場へと水汲みへ。
秋より水量が少なかったものの、無事確保。

夕食をしっかり食べて、明日へのエネルギー充電完了です!

行仙宿の水場(往復30分強)

行仙宿にて

■トレッキング③(持経ノ宿→行仙ノ宿)

本日は、核心部を越えてゆく一日です。
十津川温泉も皆様の身体を癒すべく、待っています。

まずは18番靡・笠捨山(1,352m;別名は仙ヶ岳)へ。
前衛峰もあり約1時間40分かかりましたが、西峰に到達。ここから一気に下り始めます。

18番靡・笠捨山(1,352m;別名は仙ヶ岳)

槍ヶ岳を前方に望む鉄塔地点にて、ヘルメットを装着しストックをザックにしまいます。
ここから約1時間30分が核心部です。
まずは17番靡・槍ヶ岳まで急登(ピークは細い悪路のため踏まず)。
靡の標識のある鞍部を経て、お地蔵さんが安置されている地蔵岳(1,250m)へ。

地蔵岳(1,250m)への登り

地蔵岳(1,250m)山頂

ここから6mほどの長い鎖場の下りが2本続きます。
一人一人慎重に下っていただきましたが、風雨がなかったことも幸いし無事に通過。

地蔵岳からの下り①

地蔵岳からの下り②

地蔵岳からの下り③

地蔵岳からの下り④

地蔵岳からの下り⑤

16番靡・四阿ノ宿でヘルメット解除です。お疲れ様でした!!
その後、続けざまに15番靡・菊ヶ池、14番靡・拝み返し、13番靡・香精山(11122m)、
ずんずん下り12番靡・古屋ノ宿跡へ。

11番靡・如意宝珠岳(736m)を登頂し、蜘蛛ノ口(別名:岩ノ口)を通過し、稚児ノ森へ。
この辺から林道に沿う形のルートになっていきます。

杉林をゆく

11番靡・如意宝珠岳(736m)

玉置神社に近づくと林道沿いに歩く

玉置山(別名:沖見岳(1,077m)に登頂。景色は優れなかったものの、ホッと一息。
下ること約20分で10番靡・玉置神社へ。

玉置山(別名:沖見岳(1,077m)の山頂

玉置神社の社務所

玉置神社の本殿

センリョウ科のフタリシズカ

玉置神社の夫婦杉

観光後、車に揺られる事30分でホテルへ到着。
食事の前後でお風呂にも浸かりアイシングしつつお肌もツルツルに♪泉質最高です。
お食事も美味しく、たっぷりとご堪能いただきました。

■トレッキング④(行仙ノ宿→熊野本宮大社)

朝の雲海が朝日に輝きながら十津川村を美しく包み込んでいます。

雲海に包まれる十津川温泉郷

 

まずは大森山(1,078m)までの急登が続きます。

登頂後は、時にロープも張られた急な坂をズンズン下って、8番靡・岸の宿へ。

その後、痩せ尾根を進み、7番靡・五大尊岳北峰(825m)、南峰を登頂。
遂に木々の間から眼下に熊野川を拝むことができるようになってきました!

7番靡・五大尊岳北峰(825m)

熊野川が見えてきました

本日の行程の中間地点、6番靡・金剛多和へ。多和は垰とも表記されます。

6番靡・金剛多和

5番靡・大黒天神岳(574m)を登頂。最後まで小刻みなアップ&ダウンが続きます。
4番靡・水吹越山を通過すると、いよいよ残すは1番靡・熊野本宮大社のみです。
※3番靡は熊野速玉大社、2番靡は熊野那智大社です。

5番靡・大黒天神岳(574m)

“目を見張る”大きさの名物・めはり弁当

4番靡・吹越山

最後のひと踏ん張り。七越峰(262m)を越え、とうとう熊野川の川岸に辿り着きました!

最後の渡渉「濡れ草鞋の入堂」を目指しましたが、水位と水量を判断させていただき、
控えさせていただき、備崎橋経由で迂回し、大斎原の大鳥居をくぐり、熊野本宮大社へ。

(理想的には…)冷たい水に身と心を清めてから本宮の神域に入る渡渉「濡れ草鞋の入堂」を目指す

備崎大橋経由で迂回する

熊野本宮大社へ参拝

各々秘めたる想いを胸に参拝を終え、バス停前で解散。
長時間が連日にわたるトレッキング、お疲れ様でした!

眼下に大斎原、熊野本宮大社を望む

眺めのいい稜線歩き

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~前編その①より・・・~
大阪支社トレッキング担当の楠です。
つづいて、行者還小屋以降についてご紹介いたします。

コケの緑と森の深さを感じさせる幾重に重なる稜線美

■トレッキング④(行者還小屋→弥山小屋)
本日は半日行程です。
57番靡・一の垰(たわ);多和とも書く)を経て、バイケイソウの群落を進みます。
見上げるとシロヤシオが咲き誇っています。

シロヤシオ(白八汐)、別名ゴヨウツツジ、マツハダ。

有毒性のあるバイケイソウの群落を進む

弁天の森にある56番靡・石休の宿、55番靡・講婆世(こうばせ)の宿へ。
さて、ここから弥山小屋まで、木製ハシゴを含めた登りがひたすらに続きます。

弥山小屋へと続く長い木製の階段を登る

無事弥山小屋へ到着。54番靡・弥山神社と役行者堂を参拝して小屋へ入りました。

小屋は快適そのもので、乾燥室、お部屋の暖房、食堂のお菓子やカップラーメン、
アルコールに綺麗なトイレ。シャワー以外は何でも揃っていました。

弥山小屋の部屋の一例

弥山小屋の清潔な食堂

■トレッキング⑤(弥山小屋→八経ヶ岳→楊子ヶ宿小屋)
午後から回復の見込みがある天気予報に従って、出発予定をズラしました。
余裕のある行程の大切さを身に染みます。

近畿地方最高峰の八経ヶ岳(1,915m)へ向け出発。
雨足はまだ収まってはいませんが、弱くなることを想定しつつ進みます。
鞍部にはオオヤマレンゲの群落があり、7月が開花シーズン(寿命は4-5日程度!)につき
5月は咲いてはいませんでしたが、防鹿柵が設けられ保護されていました。

鞍部から登り返し、無事登頂!
役行者が第3生の骸骨が持っていた利剣を埋めたことから八剣山との別名もあり、
法華経八品を収めたことから51番靡・八経ヶ岳とも呼ばれています。

近畿最高峰・八経ヶ岳(1,915m)の頂

雨足は弱くなりつつも、風は依然強く吹いています。
酸性雨、鹿の食害等により立ち枯れた木々は風を防いでくれるはずもなく、
南西からの風が体に突き当たります。

立ち枯れた木々を縫うように歩く

先へと進み、ルート上からピストンで50番靡・明星ヶ岳(1,894m)を登頂。
その先、49番靡・菊の窟(きくのいわや)を経て、48番靡・禅師の森へ。
この辺りは10-15分間隔で靡が点在しています。

47番靡・五鈷嶺(ごこのみね ; 1,694m)は巻きます。
46番靡・舟の垰(たわ)、45番靡・七面山を経て、44番靡楊子ヶ宿小屋(1,594m)へ。

こちらも貸し切り状態ではあり幸運でしたが、玄関先が水浸し…。
しかしその水も夜には土壌に染み込まれていき安心しました。
枯れやすいとされる水場は今回は勿論問題はなく、徒歩3分の位置に恵まれた水場が!

倒木が多々見られる道中

2階建ての楊子ヶ宿小屋の外観

■トレッキング⑥(楊子ヶ宿小屋→釈迦ヶ岳→前鬼)
さて、前編の最終日です。早出早着を心掛けます。雨は完璧にあがりました!
まずは1時間弱で43番靡・仏生ヶ岳(1,805m)へ。ルート上からピストンで向かいます。
その先、鳥の水でミネラルたっぷりの水で喉を潤し、42番靡・孔雀岳(1,779m)へ。

水場が乏しい区間において有難い鳥の水(水場)

孔雀岳(1,779m)付近の孔雀覗(のぞき)より眼下を覗き込む

この先に、仏の世界観を表した曼荼羅世界の金剛界(吉野~)、胎蔵界(~熊野)の
両部分け(両峯分け)がございます。真言密教の影響で両部思想となっているそうです。
「生-死-再生の過程を体験する修行が峰入り」です。

ヘルメットを着用し、ストックはザックにしまい(両手を空けて)臨みます。
大日経を納めて空になった石鉢を置いたといわれる41番靡・空鉢岳(くうはちだけ)へ。
巨岩・弥勒岩、杖捨ての岩場、馬の瀬を経て、急登を重ねて、ようやく、

お釈迦様がいらっしゃる40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)へ登頂。

空鉢岳を越えたところにある金剛蔵王権現の像と碑伝(ひで)

40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)のお釈迦様

下りを開始。釈迦ヶ岳付近は流石に人気もあり、登山者とすれ違います。
岩壁の穴をくぐる行が行われていたという39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)
まで下ると、前方には赤ヤシオに染まった大日岳が出迎えてくれました!

39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)を望む絶景地

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)

アカヤシオ(赤八汐)、別名アカギツツジ

その後、更に下り本山派修験の灌頂道場38番靡・深仙宿へ。
ここは役行者がお亡くなりになる(又は日本を去る)前の法時の後、
前鬼と後鬼に、大峯山に修行にくる人をお守りせよと告げ、髭を剃り落とした地です。

38番靡・深仙宿

深仙宿にある髭塚

その髭を鬼たちは大事に埋めて塚を作ったとされています。
香精水が岩壁から湧き出ており、この聖水で峰中灌頂(聖水を頭に注ぎ仏菩薩と
結縁したり法脈を継承する儀礼)が行われたといいます。

37番靡・聖天の森を経て、36番靡・五角仙を巻き、35番靡・大日岳(1,568m)を巻き、
太古の辻にある33番靡・二つ石へ。

深仙宿からの登り返し

奥駈道の南北境界点にあたる太古の辻(1,450m)

さて、ここから853段の滑りやすい木製階段を含め、下っていきます。
途中、ガレ場やクサリ場もあり嫌らしいルートも出てきますが、
新緑やコケの緑、アセビ(馬酔木)、シャクナゲに癒されながら、
順調に下ります。標高差約650m。

緊張が続く滑りやすい計853段の階段の下降

前鬼へ続く853段の階段を進む

前鬼に下るルートも楽なルートばかりではない

5月中旬はシャクナゲが咲き誇るシーズン

二つ岩で休憩後、ゆっくりと下り、遂に29番靡・前鬼山へ到着!

太古ノ辻から前鬼に下るルートの中間地点にある二つ岩(別名:両童子岩)

新緑に包まれながら前鬼へ下る

前鬼手前の渡渉

853段の階段。雨が降ればコケと相まって非常に滑る

61代目の五鬼助義之さんが今も大切に守る小仲坊の宿坊をはじめ、
行者堂や母屋を眼前に感動の瞬間です。
夕食前にお風呂に入り、自家製のお味噌から作った美味しいお味噌汁を頂きました。

自家製のお味噌汁が特に美味

29番靡・前鬼山の行者堂にて(昼)

29番靡・前鬼山の行者堂にて(夜)

本当にお疲れ様でした!!

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