モルホン村のユキヒョウ-2

モルホン村で「ユキヒョウがアイベックスを仕留めて川の対岸に座っている」という連絡を受けギルギット付近にいた私たちは急いで北上し、モルホン村を目指しました。

雪道で危ないからゆっくり走行しなくてはいけないし、でも早くいかないとユキヒョウがいなくなるかも、いや、もういないのかも・・・。複雑な心境でモルホン村へと向かいました。

 

到着して最初に見たユキヒョウ。川の対岸にいて距離は近いのに最初は見つけられず、尻尾が動いてようやく見つけることができました。時間は15時を過ぎており、暗くなるまでにユキヒョウが動いてくれるか心配でした。

午前から観察しているモルホン村の人たちによると、アイベックスをハンティングして、食べて、残りを茂みに隠して、川に入って再び岩場に上り、そこにしばらく座っていたが寝てしまい、現在に至ると。村人が携帯で撮影した、川に入るユキヒョウ動画など見せてもらいながら、待ちました。

 

ユキヒョウが動き出しました!村人がワヒ語で「シャウバシ!」と口々に叫びます。「シャウバシ」は英語で言うとVery goodとかWell doneな感じで、伝統の踊り等のシーンで叫ばれています。この時、モルホン村の村人と周辺の村からやってきた人たち30人ほど。

 

ユキヒョウが飛び出してきました。村人が「シャウバシ!シャウバシ!」と喜んでいます。

 

野生のユキヒョウが目の前に。

 

村人たちはユキヒョウが仕留めたアイベックスのところへ行くのを期待していましたが、ユキヒョウは再び座り込んでしまいました。もう、写真撮影の限界の暗さです。見えなくなるまでユキヒョウの最後の姿を追い、その場を後にしました。

 

最後に・・・モルホン村で観察していた場所です(ドローン撮影)。

モルホン村の皆様、ありがとうございました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Morkhun Village, Gojar, Gilgit-Baltistan

Special Thanks to Mr.Sultan Gohar (Khunjerab National Park), Mr. Yousaf Akhtar for Drone Photography.

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モルホン村のユキヒョウ -1

1月初旬、上部フンザのモルホン村で見たユキヒョウです。クンジュラブ国立公園では足跡を随分と見ましたが、ようやくユキヒョウと出会うことができました。

午前10時半ごろ村人が山の斜面を爆走しているアイベックスを見つけ、よく見たらユキヒョウに追いかけられていました。ユキヒョウはアイベックスを仕留めましたが、場所はなんとモルホン村の川の対岸。村から川を挟んで30mほどの距離でした。

 

モルホン村のゴハール氏から連絡を受け駆けつけたのは15時。ユキヒョウは木の枝に隠れるようにまるまっていましたが、夕刻時に動き始めました。

 

村人が言うには、アイベックスを仕留めた後に川に入ったため、毛がふわふわしていないのだと。カラコルムの高峰群に囲まれたモルホン村の日照時間は短く、あっという間に暗くなってしまいました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Morkhun, Gojar, Gilit-Baltistan

Special Thanks : Mr.Sultan Gohar -KNP (Khunjerab National Park)

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ユキヒョウ、山へ帰る

2017年2月下旬、パキスタン北部の村ミズガルで家畜を襲ったユキヒョウが捕らえられました。家畜小屋に入り込みヤギ・ヒツジを殺した上、家畜小屋から出れなくなっていたところを捕獲したとのこと。

 

村人は、ユキヒョウを保護しなくてはならないことは理解するが、行政へ「殺された家畜の補償」をもとめた話し合いがもたれ、捕獲されてから3日目に山へ帰されることになりました。

このユキヒョウはミズガルの村近くで2頭の子どもを連れている姿が目撃されているメスのユキヒョウでした。ユキヒョウは捕獲されたミズガルではなく、クンジュラブ国立公園へ運んできて放すことになりました。

 

ユキヒョウがミズガルで捕獲された話はすぐにニュースになりましたが、ミズガルは中国との国境に近いため、外国人は許可証がないと行けないと言われあきらめていたら、偶然にもクジュラブ国立公園のデーにあるスタッフ小屋にいたところ、このユキヒョウが連れてこられました。

このユキヒョウを放す瞬間を見ようとテレビ局、政府関係者が集まり、車列を組んで移動です。デーから少しいった場所の山の斜面で放すことになりました。

 

檻が開けられても、ユキヒョウはすぐには出てきませんでした。出てこないので、その場にいたパキスタン人が「ローリー、ローリー」と呼びます。「ローリー」は2016年の秋までスストのチェックポストで飼われていたユキヒョウのこと。今はナルタルに行ってしまいましたが、クンジュラブ国立公園の人たちはユキヒョウを見ると「ローリー」と呼ばずにはいられないようです。

ユキヒョウが檻から顔を出して、最初にしたことは、雪を食べたこと。のどが渇ききっていたのでしょう。

 

ひとしきり雪を食べるとようやく前を見ました。

 

そしてあたりを見ます。

 

ゆっくりと檻から出てきました。この瞬間、関係者より拍手が起こりました。

 

自由になったミズガルのユキヒョウ

 

3日間の拘束で毛並みが乱れているし、家畜の血が体についたりして汚れていました。

 

立ち止まっては雪を食べます。

 

ひとしきり雪を食べると茂みの中へ入っていきました。まだこちらのほうを見ています。

 

しばらくすると、ふたたび山を登り始めました。そしてまた座りました。

 

開放されたものですが、野生のユキヒョウが歩いている姿を、私はパキスタンで初めて見ました。

その後、このユキヒョウはじっとしたままでした。私たちも、このユキヒョウが無事にミズガルの2頭の子どものもとに戻れることを願い、その場を後にしました。

翌日、スタッフが最後にユキヒョウがいた付近を見に行きましたがもうその姿はありませんでした。そして開放してから3日後、このユキヒョウが2頭の子どもと一緒にいるのがミズガルで目撃されたと、国立公園のスタッフからメッセージがありました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2017, Khunjerab National Park, Gilgit -Baltistan

Reference : Mr.Sultan Gohar -KNP(Khunjerab National Park), Mr.Falman Razah -KVO ( Khunjerab Villager Organization), Wildlife Department of Pakistan

※記事は2017年4月にupしたhttp://www.saiyu.co.jp/blog/wildlife/を書き直したものです。

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