シンドアイベックス Sindh ibex (ヒンゴル国立公園)

シンドアイベックス Sindh Ibex はパキスタン南部の山岳地帯に生息するヤギ属の哺乳類です。その名の通り、シンド州のカーター国立公園 (Kirthar National P ark ) が生息地として有名ですが、バロチスタン州のヒンゴル国立公園 (Hingol National park )にも生息しています。

乾燥したヒンゴル国立公園では水場にやってくるシンドアイベックスSindh Ibexと意外に簡単に出会うことができました。国立公園内にあるヒンドゥ寺院、ヒングラージ・マタ寺院(Hinglaj Mata、ナニ・マンディールNani Mandir とも呼ぶ)を訪問した時のことです。参道を歩いていたら、ものすごく近くで草を食べていました。逃げる様子もありません。

 

雄のシンドアイベックス Sindh Ibexです。パキスタンいには2種のアイベックスがいます。北部山岳地帯にいるヒマラヤアイベックス Himalayan Ibexとこのシンド州、バロチスタン州の山にいるシンドアイベックスSindh Ibexです。シンドアイベックスの雄の角は1mにも達します。

 

シンドアイベックスの雌と子供です。

 

しならく親子アイベックスを観察していて、ふと崖の上を見るとアイベックスの群れが。トロフィーサイズ(トロフィーハンティング許可の出る大きな角の雄)の雄がいっぱいです。シンドアイベックスは比較的大きな群れを作って移動するようです。

パキスタンではアイベックスのトロフィーハンティングが行われています。国立公園では禁止されており、ハンティングはコミュニティーフォレストで規則にのっとって行われています。2019年例ではパキスタンで50頭のヒマラヤアイベックスが、24頭のシンドアイベックスがトロフィーハンティング枠になっています。

この時代にハンティング??と思うのですが、パキスタンのハンティング事情は保護と村の存続にも関わっています。トロフィーハンティングの対象はもう繁殖年齢の終わった年齢の大きな角の個体を対象としており、その収益が村人に還元されることから、村人が違法ハンティングを取り締まるようになりました。このシステムができてから北部地域でもパンジャブでもアイベックスの個体数は増えたと言います。

 

観察していたら若い雄が角を合わせました。

 

戦いの練習のようです。雌をめぐって、本格的に戦う日のために。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Hinglaj Mata/Nani Mandir, Balochistan

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ベラのケイヴシティ・ゴンドラニ石窟 Cave city of Gondrani

バロチスタンにある仏教遺跡・・・と信じられているのが「ベラのケイヴシティ Cave City of Bela」、「ゴンドラニのケイヴシティ Cave city of Gondrani」と呼ばれる石窟群です。ベラの町の郊外、4WDで行くか歩いて川を渡らなければならない場所にあります。

 

この遺跡が何だったのか、何の目的で作られたのか、時代など詳しいことはわかってませんが、この地域が仏教を信じる王国の領地であった8世紀ごろの仏教僧院の跡だろうと考えられています。

 

表の面がテラスになっていて、その奥にさらに部屋があります。

 

近くで見るとこんな感じです。これはアフガニスタンのバーミヤンの谷にある石窟を思い出させます。バーミヤンの谷の石窟遺跡との違いは、バーミヤンでは仏陀や菩薩を描いた壁画、天井装飾などが施された石窟があるのですが、ここでは一切装飾あとがありません。

 

水が流れて作り出した道を歩いていくとやがて石窟の規模が小さくなり、いびつな形になります。長い年月の風化でほとんど残っていない窟も。

 

アフガニスタンの石窟に触れましたが、これがバーミヤンの谷の石窟群、東大仏から西大仏にかけてのパノラマです。1,300mにわたり750以上の窟があります。これらは5世紀には造営が始まり、6~7世紀が最盛期、8~10世紀に終焉を迎えたと考えられています。右側の東大仏のテラスには現在も壁面装飾が残されています。

 

バーミヤンの石窟よりももっとゴンドラニ石窟に似ているのが、同じバーミヤンにあるフォラディ石窟です。

 

石窟付近には人が住み、戦時中には村人が石窟に暮らしたため、火をたいたすすで天井が黒くなっている石窟もありました。

 

それでもゴンドラニ石窟とは違い、フォラディ石窟ではこのようなラテルネンデッケの装飾などが残されています。

ゴンドラニ、ベラのケイヴシティの歴史調査が行われ、かつてパキスタンにあった仏教の歴史に光がさすことを願って。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Cave city of Bela / Gondrani , Balochistan

2003-2012, Bamiyan & Foladi Cave in Afghanistan

 

カテゴリ:■バロチスタン州 > バロチスタン州の遺跡
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動画 バロチスタン泥火山世界 ”BALOCHISTAN MUD VOLCANO EXPLORER”

昨シーズンに3度通ったバロチスタン。ドローン撮影を中心にバロチスタン、ヒンゴル国立公園の泥火山のまとめ映像をアドベンチャー仕立てで作ってみました。

 

 

今年の冬はどんな表情を見せてくれるのでしょうか。

お問い合わせは西遊旅行のパキスタンチームまで。

 

<その他のバロチスタン動画>

バロチスタン原風景- True beauty of Balochistan – Pakistan

 

Videography & Text : Mariko SAWADA

Visit of Balochistan : Nov 2018, Feb & Mar 2019

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ブズィ峠 Buzi Pass – マクランコースタルハイウェイ

マクランコースタルハウェイをオルマラ方面へ走る途中に越えるブズィ峠。マクランコースタルハイウェイのドライブ自体、大変景色が素晴らしいのですが、その中でもこのブズィ峠への登り道は圧巻です。

峠の登り口にある、Princess of Hope という名のついた岩。私には「・・・?」という感じですが、パキスタンの人々は車を止めて写真を撮っています。このPrincess of Hope、本当に有名で、マクランコースタルハイウェイとウタルへの道の分岐点となる通称ゼロポイントにはこのレプリカがモニュメントとして作られています。

他にも「スフィンクス」とか「王宮」とか呼ばれる奇岩群もあります。

壮大な景色の中を進む車両。

峠の上からはアラビア海、海岸から続く巨大な浸食された大地が広がります。

Pakistan Bikers のライダーさん達。このブズィ峠の走行は間違いなく、マクランコースタルハイウェイのハイライトのひとつです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA **写真はドローン撮影を含んでいます

Visit : Feb 2019, Buzi Pass, Makan Coast, Balochistan

カテゴリ:■バロチスタン州 > マクランコースト
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ヒンゴル国立公園・泥火山世界-3

ヒンゴル国立公園のチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcanoの泥の噴出口を上から見たところです。ここはヒンドゥの巡礼地のため多くの人が訪れ、実は泥火山の麓など意外とゴミだらけなのです。そして巡礼者による「お供え物」が泥火山の表面に浮いていることも・・・。

パキスタンの現在のヒンドゥ教徒の数はおよそ800万人(Pakistan Hindu Councilによる)と言われ、その94%ほどがシンド州に暮らしています。バロチスタン州にはヒンドゥ教徒はほとんどいませんが、巡礼シーズンになるとこの チャンドラグプ泥火山 とヒンゴル国立公園内のヒンドゥ寺院は多くの巡礼者で賑わいます。

 

チャンドラグプ泥火山の頂上の泥の噴出口。泥が噴き出す様子は、活発な時は1~2分おきにでも起こりますが、全くないときもあります。

 

この日は少し曇っていましたが、夕日が他の泥火山の方にあたり大変きれいでした。

 

泥火山を登るSaiyahのスタッフとお客様。

 

チャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano の夕日です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Special Thanks :Yoko Kadonaga for photograph of spout on top of the Chandragup Mud Volcano

Visit : Feb 2019,  Chandragup Mud Volcano、Hingol National Park , Makran Coast, Balochistan

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ヒンゴル国立公園・泥火山世界-2

遠くにアラビア海を望む、バロチスタンの海岸部に位置するチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano。ヒンドゥ教の巡礼地でもあり古くから知られている泥火山です。

 

泥火山(でいかざん)とは地下深くの泥が地下水・ガスとともに地表に噴出し堆積したものです。「火山」とついていますが火山活動と必ずしも関係があるわけではありません。

バロチスタンの泥火山は1840年にはその存在が報告されていましたが、調査が行われるようになったのは1945年に起こった地震以降です。その時の地震ではバロチスタンの海岸部に大きな被害があり、また泥火山の活動も活発化したそうです。

バロチスタンの沿岸部はアラビアプレートがユーラシアプレートに沈み込みんでいます。多くの場合、こういう場所では火山活動が活発なのですが、バロチスタンの場合は泥やガスが噴き出す「泥火山地帯」が出現しました。

 

チャンドラグプ泥火山  Mud Volcano 付近には他に2つの泥火山があります。この泥火山は2018年11月にはわずかに活動していましたがその後は休止しています。

 

チャンドラグプ泥火山のすぐそばにある活動の止まっている泥火山。これはドローンによる撮影ですが、泥火山の上からもきれいに見えます。

 

夕日のチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA  *写真はすべてドローン撮影です。

Visit : Nov 2018, Hingol National Park,  Makran Coast, Balochistan

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ヒンゴル国立公園・泥火山世界 -1

ヒンゴル国立公園 Hingol National Park はバロチスタン州南部のアラビア海に面した地域に広がる6,100平方キロメートルにも及ぶ、パキスタン最大の国立公園です。この広大な国立公園は幹線道路も通っているし、村や町もあるファジーな設定ですが、その景観には驚かされます。

 

ヒンドゥー寺院ナニ・マンディールへと通じる国立公園ゲートからヒンゴル川沿いに中に入ると、泥火山が作り出した景観の中に村が点在しています。

 

絶景の中で暮らす人々。泥火山によって作り出された不思議な景色が広がっていました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : March 2019, Hingol National Park, Balochistan

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動画 バロチスタン原風景 – True beauty of Balochistan

True beauty of Balochistan – Pakistan | バロチスタン原風景 – パキスタン


バロチスタンを訪問して作った1本目のバロチスタンのビデオです。

 

私が見たもの・・・マクランコースト、ヒンゴル国立公園、泥火山、モーラチョトーク、そして伝統を守る人々の暮らし。壮大なバロチスタンの自然を背景に家畜とともに暮らす人々の姿はまさに「バロチスタン原風景」。

 

音楽はCoke Studioに出演しバロチスタンについて歌ったAkhtar Chanal 氏のものです。

 

<その他のバロチスタンの動画>

バロチスタン泥火山世界 BALOCHISTAN MUD VOLCANO EXPLORER

 

Videography & Text : Mariko SAWADA

Visit of Balochistan : Nov 2019

Music Courtesy : Coke Studio, Akhtar Chanal

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パスニの砂丘にて(バロチスタン)


パスニの砂丘にて・・・

2月訪れたバロチスタン州のパスニ。町のはずれにある砂丘に行ってみました。もちろんサハラ砂漠やルブアルハーリー砂漠なんかとは比べ物にならない小規模な砂漠ですが、写真の撮りようによってはステキな砂漠に見えます。

 

シムシャール出身のアズィーズさん、砂丘をどんどん登って満面の笑み。初めて見る砂丘です。

 

西遊パキスタン(Indus Caravan)スタッフのアドナーンさん、「モロッコにいるみたいに見えない?」とこちらもうれしくてしょうがいない様子。

 

そして西遊旅行初のバロチスタンツアーに参加してくださった皆様、エスコートしてくださったマクラーニー族、バローチー族の地元警察チームです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 

Visit : Feb 2019 – Pasni, Balochistan

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シマシャコ Grey Francolin (バロチスタン)

バロチスタンのクンドマリール Kund Malirにある宿の庭に暮らすシマシャコ Grey Francolinです。大きな鳴き声がしたので探したら、すぐそばにいました。この宿の庭は完全にこのシマシャコご夫婦のテリトリーになっているようで、人が通ろうが車が入ってこようが億することはありません。

 

シマシャコはインド亜大陸の乾燥した平地に暮らしています。インドでもそうですが、土地開発で住処を奪われている野鳥です。インドのハリヤナ州で早朝にバードウォッチングでシマシャコを観察に行ったことがあるのですが、その時はとてもシャイな印象だったので、駐車場を闊歩している姿にちょっと驚きました。

 

そして、地面にスリスリしています、大変愛らしい光景でした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb2019, Kund Malir, Balochistan

Reference : Birds of Indian Subcontinent, Birds of Pakistan

 

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