花咲くころ

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ジョージア

花咲くころ

 

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監督:ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス
出演:リカ・バブルアニ、マリアム・ボケリアほか
日本公開:2017年

2018.1.31

長く暗い戦争のあと、誰がために花は咲く

1992年春、ジョージアの首都・トビリシ。1991年にソ連から独立を果たしたものの、少数民族問題をめぐる武装紛争が郊外では続いている。14歳の少女エカとナティアは幼なじみで、生活物資の配給を待つ騒がしく長い列の中で、おしゃべりをするのがささやかな楽しみだった。エカの父は刑務所に入っているが、理由ははっきりわからない。ナティアに思いを寄せる青年・ラドは彼女に弾丸1発の入った銃を護身用にと手渡す。希望と不安の間を揺れ動く彼女たちの日常は、しだいに不安の方に傾いていく。

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時代の変わり目は、時に花にたとえられます。キルギスのチューリップ革命、チュニジアのジャスミン革命、そしてジョージアにも2003年にバラ革命と呼ばれる政変がありました。

『花咲くころ』というタイトルの中で、「花」という言葉が示唆するものは何なのか。「花」は何色なのか。それは観客の想像に委ねられています。主人公である2人の少女たちと想像することもできますが、私は時代の流れそのものと感じました。

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この映画で描かれている1992年ジョージアの過渡期におけるもどかしさは、「もうすぐ〜ができる」「まだ〜ができない」という社会的な制約がまだある14歳という主人公たちの年齢によって、より際立った描写になっていると感じました。この映画が製作されたのは2013年ですが、2003年のバラ革命や2008年のロシアとの紛争を経て、約20年前の出来事を振り返る必要があったのでしょう。

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日本も例外ではありませんが、過去に起きた災いや悲劇の原因を根本的に問い直すことは、未来を形作ることにつながっていきます。そして、旅や映画鑑賞を通して様々な物事を目にすることは、過去を見つめ直す重要な手段のひとつです。

本作では、ある場面でのエカのダンスが、観客を揺さぶるひときわ強い力を持っています。誰にも向けられていないようで、強く誰かに訴えかけるような迫力のシーンから、私は赤い色の花を連想しました。

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見る人によって違った花の色を想像させてくれる『花咲くころ』は、2月3日(土)より岩波ホールにてロードショーほか全国順次公開。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

 

コーカサス3ヶ国周遊

広大な自然に流れる民族往来の歴史を、コンパクトな日程で訪ねます。
複雑な歴史を歩んできた3ヶ国の見どころを凝縮。美しい高原の湖セヴァン湖やコーカサス山麓に広がる大自然もお楽しみいただきます。

民族の十字路 大コーカサス紀行

コーカサスを陸路で巡る充実の旅、ジョージア軍用道路を走りコーカサスの高みへ。
18日間コースはスヴァネティ地方も訪問。コーカサス山麓に残る独自の文化と雄大な自然を楽しむ。

Tbilisi

トビリシ

クラ川に面したジョージア(グルジア)の首都。ペルシャ系、トルコ系、モンゴル系と様々な民族の侵略を受けて来た歴史を持ちます。市内を一望できる丘の上にはジョージア正教のメテヒ教会が建ち、旧市街の中にも数多くの教会やシナゴーグが建っています。