初日、2日目とあいにくの雨でしたが3日目からは天気にも海況にも恵まれました。とんでもない大当たりはなかった分、予定をしていた生き物たちにも合う事が出来、すべて撮影ができたことは及第点以上だったのではと思います。
1日目 中標津空港~霧多布岬~根室 曇り&濃霧
女満別から使用するジャンボタクシーで中標津空港に向かう途中は晴れていたのですが、だんだん風と雲が広がってきました。中標津空港では先入りをしているご夫婦と合流しました。残りの人たちは飛行機が大幅に遅れての到着となりました。いざ、霧多布を目指しますが、海に向かうに従い霧が濃くなります。・・・まずい、案の定岬は濃い霧に包まれ崖から海を見るのも大変な状況です。この時電話が!落石NCから明日は天候不良で欠航と連絡が入った。最悪を想定しての2本だが、1本でも出てくれれば精神衛生上ありがたい。本来なら海岸線を流しながらタンチョウを探すのですが視界がないのでパス。
宿に30分遅れで到着してすぐに予定をしていた居酒屋で食事です。じつはここ根室でも有名店でとても賑わっていました。もちろん味もボリュームもばっちりです。撮影ができない時は美味しいもので満足します。
2日目 根室 風雨&霧
本来なら同じ宿の予定が初日だけ取れなかったので、歩いて撮影する予定がタクシーで移動です。まずは東梅地区の森の中でクマゲラに期待をしますが霧雨の森の中は暗くて生き物を探すのも一苦労。ミソサザイの大きなさえずりが響き渡るのですが、姿を見つけられません。時々エゾムシクイやセンダイムシクイが囀りますがこちらも見つけてもすばしこくて撮影ができません。時々茂みが「がさり」と動きエゾシカが走り去ると「熊でなくてよかった」と胸をなでおろします。
結局なにも見つけられずトレッキングのみで終了しました。時間がまだあるので春国岱へ向かいますが、なんと木道が通行止め!これで万事休すかと思っていると風連湖の水辺にタンチョウのペアがいたので撮影をしてもらいました。タンチョウよ、ありがとう!

ホテルに戻り各自朝食を食べてもらいましたが、これが予想以上に良くみなさん満足されていた。さて悩ましいのがこの後です。強風と霧では行く場所がないがホテルにいつまでもいられないので、まずは納沙布岬を目指します。やはり海側は霧に包まれていますが、向かう途中にある原生花園には馬が放牧されているのでそこで撮影をしてもらいます。

その間に私は辺りを物色すると、ノビタキ・ベニマシコ・オオジュリン・シマセンニュウがいることがわかり撮影をしてもらいますが・・・遠い。約1時間ほど滞在して納沙布岬に到着。ハイドから観察するもウミウとオオセグロカモメとウミネコのみ。みなさんウミネコとオオセグロカモメの違いを知りたいという事でちょっぴりレクチャー。これよりまぎわらしいカモメ類の解説は無理なので簡単なので助かった(笑)。ヒメウがよくとまっている岩にはヒメウの姿が無くオオセグロカモメが抱卵をしていたので観察と撮影をしてもらいます。

その後は昼食のため「はなまる」へ。根室では有名な回転寿司で、すでに店内はいっぱい。こういう時は混んでいる店は時間調整ができてありがたい。
美味しいお鮨はあまり状況の良くない日には心をほぐしてくれるのでありがたい。次なる場所は明治公園。行き先を告げるとドライバーさんがびっくり!まさか市街地の公園とは思っていなかったようだが、じつはここコンパクトに鳥を楽しめるのだ。とはいえ時間的には野鳥撮影には厳しいが池にはよくカモメ類が水浴びをしているのでそれに期待すると上空をオジロワシが通過。

一瞬だったので見られなかった方ががっかりするがいたしかたなし。池の周辺でノビタキ、ベニマシコが出るも遠い。カモメたちが水浴び後に風上に飛ぶので移動してそれを撮ってもらうが、なぜか全員でスタンバイをするとどこかに行ってしまった・・・イケずや!続いて花咲漁港。ここは冬なら必ず海ガモ狙いで行く場所だが、夏場はなぁ・・・。天気が良ければカモメ類の飛翔を練習がてらに撮ってもらうのだが曇っている。オジロワシが4~5個体いるようで飛翔する姿やペアどまりの姿を撮影来た。他に何かいないかなぁと探していると波打ち際の岩から何かが泳ぎ出した。初めはトドのこどもかと思ってみんなを呼び集めるが、1人足りないので探しに行くとようやく見つかった。いる場所に案内をするとすでに遠くまで泳いて行ってしまっていた。「トドのこども」と説明しているとみなさんから「ラッコだよ!」と言われて?どうやら私が参加者を探しに行っている間に背泳ぎで移動している姿からラッコと判明したようだ。

それにしてもここで出会うのは超久しぶりだった。最後は春国岱のネイチャーセンターへ行き時間調整をして宿へ。この日は西の空が若干色づいていたので軽い期待をしていたが、夕食後にまさかまさかの焼けっぷりに驚いた!残念なのはタンチョウとエゾシカ両方ともこの光の中、絡ませることができない事だった!

3日目 根室~羅臼 晴れ
昨日の荒天がまるで嘘のような天気。風連湖はまるで鏡のように静まり返っています。しかしちょっぴり心配なことも。5時30分集合して撮影に出ました。外気温は暖かい。そして風がないと言事は奴らが襲って来る予感が?まずはコヨシキリの声を頼りに探しますが、結構遠い。続いてオオジュリン・ベニマシコ・シマセンニュウと出るのですが・・・撮影ができない!

その理由は「ヌカカ」の大群に交じった大きめの蚊の猛襲。参加者には彼らが襲って来ることは伝えておいたのですが、その数がハンパない!私が体験した過去最高の数。予定では1時間30分を予定していましたが30分で強制終了。朝食まで部屋待機となりました。朝食後は春国岱を散策予定でしたが、このヌカカ天国では撮影どころではないので一旦道の駅に移動して席決めのじゃんけんですが、ここもあっという間にヌカカに占領されて移動を余儀なくされます。続いてコンビニでも入り口はすでに無数のヌカカに覆われています。
ようやく太平洋側の海岸の草地へ来ると冷たい海風のおかげで彼らの攻撃を受けずに済みました。その後落石のクルーズに参加します。波はありませんが昨日までの荒れ模様でうねりがあります。鳥たちはウトウ・ケイマフリ・ハシボソミズナギドリ・ヒメウ・ウミウ・オオセグロカモメが出ますが、やはりうねりがあり撮影は難しい。

ユルリ・モユルリの間でエトピリカを探しながらラッコやゼニガタアザラシを撮影します。


時折上空をオジロワシも飛びますが、結局エトピリカとの出会いはなかった、残念。

このクルーズのもう一つも目玉がチシマウガラスの夏羽&繁殖羽。岩の一角で営巣をしているのでそれを観察します。頭にはとさか、目の周りが真っ赤でとても美しい。30年前には超レアな鳥がこうして観察できるのは感無量です。


下船後は羅臼に向かって移動です。その前に途中にある伊藤牧場でおいしいソフトクリームを堪能。そして尾岱沼ではショウドウツバメのコロニーと飛翔をちょっぴり撮影。

ゆっくりしたいのだが、夜はシマフクロウの撮影が控えており夕食の時間が早いので致し方がない。サライではまず荷物を部屋に入れ、夕食を食べてすぐ出発。最近は早い時間にシマフクロウが出るのでそれに期待。なんと予定通り20時少し前に鳴き交わした後メスが生簀へ。2尾食べたあと1尾をヒナの元へ運んで行った。オスは少し遅れて現れ、こちらも2尾食べたあと1尾をくわえてヒナの元へ。その後声はするが姿を現さなかったので22時に切り上げて終了となりました。

結局この後、午前2時まで出なかったそうで終了時間はばっちりでした。