沖縄・やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2025年8月31日~9月3日

基本的にはヤンバルクイナがよく出る場所で待機をして撮影を楽しみました。夜間撮影は最後までヤンバルクイナもフクロウ類も出ないという状況にドキドキしましたが、リュウキュウオオコノハズクを皮切りに、ヤンバルクイナが樹上での寝姿が見られた後畑のフェンス上に4羽がいる姿まで見られて逆転満塁ホームランとなりました。

1日目 

今回私がドライバーを兼務するにあたり立体駐車場に車を停めなければならず、出発に少々手こずりました。道中はスムーズに移動をして途中コンビニで翌日の朝食を各自購入していただきました。一旦宿にチェックインと荷物を降ろした後すぐに出発です。予定していた場所に他のカメラマンがいたので少し早いのですが水場で待機すると時間通り同じコースでヤンバルクイナが出てくれました。みなさん初ヤンバルクイナなので大興奮でした。その後日没まで待つとペアでの出現があり超ラッキーでした。

川を渡るヤンバルクイナのペア

夕食後は翌日のナイトツアーの準備体操としてライトを使った撮影時のレクチャーをしました。レクチャー後は宿の周辺をちょっぴり探しますが、生き物との出会いはありませんでした。解散後大浴場から部屋に戻るとやたら何かの鳴き声がするのでライトを照らすとリュウキュウコノハズクです!慌ててみなさんにお知らせしようとするも大浴場での入浴中で私以外は見られませんでした・・・残念!

 

2日目

5時15分、星の煌めく中に出発です。ポイントまで山道で約30分かかるので結構大変です。ポイントに着くと夜も明け、薄明るくなった中で車のスライドドア前とリアハッチを上げた前にシートを張り、車内と車外で静かにヤンバルクイナの出るのを待ちます。だいたい5時50分から6時に出るはずと伝えるとほぼ指定した時間通りに出てくれました。エサを探し、食べながらゆっくりと歩いてくれます。

採餌するヤンバルクイナ

ここのポイントは比較的人に慣れているので近い時は3m以内で観察と撮影ができるのです。餌付けはしていないので彼らのペースで採餌と探餌を繰り返しながら移動をします。その後も2度出てくれました。この場所じつはノグチゲラもよく出る場所でこの日も出てくれたのですが・・・茂みの中ばかりで、ほんのちょっぴり姿を撮影できた人もいました。ホントウアカヒゲも囀ってはいますが姿を見せてくれないのが悔しい!アカショウビンも飛んで来て近くでさえずっているが姿は見られず、一旦8時に切り上げて宿に戻り、休憩後に宿のトレッキングコースを廻る事にしました。今年は何やら森が静かでセミがやかましくないのがさみしい。森のトンネルに入るとすぐ、リュウキュウメジロとオキナワシジュウカラが出迎えてくれました。そんな中、何やら茶色っぽいヒタキ?心当たりはホントウアカヒゲではないのでリュウキュウキビタキだと決めつけ(笑)みなさんに撮ってもらいました。あとで調べると結果は超ラッキーなリュウキュウキビタキの幼鳥でした!

リュウキュウキビタキ幼鳥

その後も進みながらオキナワキノボリトカゲ、ヤンバルヤマナメクジ、リュウキュウハグロトンボなどを撮りながら進みます。

オキナワキノボリトカゲ
リュウキュウハグロトンボ(オス)

そして出口近くの茂みからホントウアカヒゲのメスが!ゆっくりと近づきながら彼女の後について撮影を繰り返します。おかげでかなりアップ目に開けた場所でみなさん撮影をすることができました。素晴らしい!

ホントウアカヒゲ(メス)

その後はカメラを持ったまま昼食に向かいます。道の駅近くの田んぼにシギやチドリがいるはずですが・・・いない。いれば食事前と食事後で2回撮影を試みる予定だったのですが食事後は中止にしました。お昼はフードコートで各自好きなお店で好きな物を食べていただきました。その後は宿に戻り約2時間の休憩でお昼寝をしてもらいます。

15時15分に夕方の撮影に出発です。ポイントに着いたらすぐ準備してヤンバルクイナを待つと、これまた時間通りに出てくれましたが、その後があまり出てくれません。

走るヤンバルクイナ

そうこうしているとノグチゲラが出ますが、枝が邪魔で撮れない!悔しい。参加者の方から猛禽類は何がいますか?と聞かれたので、基本ミサゴとリュウキュウツミだけどリュウキュウツミはかなり厳しいね。と話していると前方の木の枝に何かがとまりました。ヒヨドリかな?と思ったがシルエットがなんか不自然?双眼鏡で覗くと・・・リュウキュウツミのオス!真赤な目が熱い!みなさんに伝え、撮ってもらいました。これは超ラッキーでした。

リュウキュウツミ(オス)

その後水場でヤンバルクイナを待ちますが結局出ませんでした。夕食を食べてすぐ夜間撮影に出発です。しかし・・・長い夜だった。いつもなら簡単に見つかるヤンバルクイナが0!折り返し地点から結構進んだ場所まで来ても0!私の焦りもピーク!そんななかでオリイオオコウモリが撮りたいというリクエストがあったので集落の公民館の近くで車から降りて探してみると・・・いた!リュウキュウオオコノハズクです!みなさんを呼び集めて「今からライトにリュウキュウオオコノハズクを入れるから、すぐ撮影をして!」伝えライトアップ。暗闇に浮かぶ茶色の塊、みなさん奇跡のリュウキュウオオコノハズクをゲットできました。

リュウキュウオオコノハズク

その後はオリイオオコウモリも撮影することができました。以前はリュウキュウオオコノハズクが繁殖をしていて比較的簡単に見られる場所でしたが営巣木が折れてからは確率が低かったのですがまさか当たるとは!その後はすぐに樹上で眠るヤンバルクイナを発見撮影することができました。

樹上で眠るヤンバルクイナ

すごいのはこれからで約100m進んだ畑のフェンスにヤンバルクイナが眠っています。これも撮ってもらい「よかったね」と話しているとフエンス上で眠っているヤンバルクイナが次々見つかり合計4羽各50~100m間隔に停まっていました。

フェンスで眠るヤンバルクイナ

私も20年以上ヤンバルクイナに関わっていますが、これは初体験でした。場所が場所だけに初めの1羽以外は撮影せず通過しました。予定よりも1時間早い終了でしたがみなさん大満足をされていました。

 

3日目

この日も5時15分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、まだ暗い中さっそく1羽が出現します。しかしすぐにいなくなってしまいました。ポイントでアカヒゲが出てくれることを期待しましたが、声のみ。その後待ちくたびれていると、ヤンバルクイナは音もなく現れ撮影ができました。しかしあろうことかノグチゲラも同時出現でどちらを狙うかで車内はプチパニックでしたが、結局ノグチゲラが2羽で追いかけっこをしている事と逆光側にとまるので撮影には厳しかった。アカヒゲもさえずっているのですが出てくれないのが悔しい。

ノグチゲラ・オス

8時に切り上げ宿に戻り休憩を入れたのち、この日は沢沿いの遊歩道を歩きながらノグチゲラとアカヒゲを探します。以前ここでノグチゲラが30分毎に食べに来ていたハゼノキは周りの木々に隠されただけでなく、今年は裏年で実が成っていません。その後は川に向って歩きますが、河原に着くとアカヒゲのぐぜりとさえずりが。静かに近づくとオスがいました!振り向くと誰もいません、みなさん川を眺めたり写真を撮ってる!!!何とか声をかけて呼び寄せるも時すでに遅し・・・ブッシュの奥に消えて行った後でした。悔しい。その後は来た道を戻りながら探しますが何もいません、せめてリュウキュウヤマガメは見たかったな。一旦食事に向かいますが、その前に昨日の田んぼへ。車を停めてスライドドアを開けた瞬間、レンガ色の鳥が飛び去ります・・・リュウキュウヨシゴイのオスです・・・やられた。田んぼにはセイタカシギ、ウズラシギ、タカブシギ、ヒバリシギが見えますが遠い。一旦食事に向かいあとからリベンジすることに。しかし食後は鳥たちがもっと遠く、セイタカシギ以外は見つからず断念。ゆっくりしている余裕はないのです、翌日の朝食を買って宿に戻りお昼寝タイムをとらなければ。

15時15分に夕方の部へ出発です。ヤンバルクイナは時間通りに出てくれるのですが、今年は地域のお祭りと旧盆が重なっているため人が多く、そのせいかヤンバルクイナも落ち着かないようですが、合計3回の出現でみなさん余裕をぶっこいた撮影をされていました(笑)

本日、夕食後は何もないのでみなさん、ゆっくりと休んでいただきました。

 

4日目 最終日

この日も星の煌めく5時15分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。道路を通過するペアや鳴き交わすヤンバルクイナの声は響き渡るが出ない!ちょっと心配になって来ると出てきました!驚いたのはずっとエサを探し、食べながらゆっくり移動をしてくれる。なんとなんと10分以上姿を出したままだった。毎回行動が変わるのには驚かされるし、この1回の出現でしっかりと撮れたようでよかった!その後はまた何も出ない時間が過ぎて行く・・・。と参加者から出た!という声と「キョッ!」という声と黒っぽい鳥が目の前の樹に飛び込んできた、ノグチゲラだ!どうして一緒に出るのか!!!もう車内はプチパニック。ほとんど方がノグチゲラにシフトすると何とか枝が被らない場所へ移動してくれたことで撮影ができたと興奮をされていましたが、ヤンバルクイナはまだいます。いるからには撮らねばならない。この時も10分以上私たちの視界にいてくれたのでしっかりと撮影ができました。時計を見ると7時30分。8時までやる予定でしたが最終日で荷物のパッキングもあるので15分早く切り上げる事にしました。さて空港近くの三角池で最終決戦のはずが・・・潮が引きすぎていてクロツラヘラサギは不在。しかし反対の水路側にはアカアシシギ、アオアシシギ、キアシシギ、コチドリ、チュウシャクシギがいたので、それらを撮影して空港に向かい解散となりました。ご参加していただいたみなさまお疲れさまでした!

アカアシシギ(オス)

 

今回もヤンバルクイナとの遭遇&撮影ができただけでなく、リュウキュウツミ、ノグチゲラとオオコノハズクのサービスもありとても良かったのではないかと感じました。アカヒゲはメスでしたが、しっかりと撮れたし、リュウキュウキビタキの幼鳥というレアな撮影もできたので120点と言っていいでしょう!残念だったのがリュウキュウコノハズクしたがそれはまたの機会に!

 

 

撮影できた

ミサゴ・リュウキュウツミ・ヤンバルクイナ・コチドリ・アカアシシギ・アオアシシギ・タカブシギ・イソシギ・セイタカシギ・リュウキュウオオコノハズク・ノグチゲラ・リュウキュウツバメ・リュウキュウヒヨドリ・ホントウアカヒゲ・ヤマガラ・オキナワシジュウカラ・リュウキュウメジロ・オキナワキノボリトカゲ・ヤンバルヤマナメクジ・オリイオオコウモリ

 

見られた&声が聞かれた

リュウキュウヨシゴイ・ダイサギ・クロサギ・アオサギ・バン・ヒバリシギ・チュウシャクシギ・カラスバト・リュウキュウキジバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアカショウビン・カワセミ・リュウキュウコゲラ・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウヒヨドリ・イソヒヨドリ・ウグイス・リュウキュウサンコウチョウ・スズメ・リュウキュウハシブトガラス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2024年9月8日~11日

下見中に熱帯低気圧が発生してツアー期間中すべて雨予報でしたが、不思議と撮影時間には雨が止みヤンバルクイナに関しては昼夜を問わずしっかりと撮影ができてみなさまとても満足をされていました。残念なのは天気のせいか、アカヒゲの出現が極めて少なく結局撮影ができませんでした。ノグチゲラも同様でしたが、最終日の朝ヤンバルクイナを待っているポイントで偶然撮影ができたのはラッキーでした。時間調整用のシギ・チドリのポイントは水が無くなり壊滅状態、干潟は悪天候で行く事ができなかったのは残念でしたが全体的にはメインのヤンバルクイナがしっかりと撮れたことで昨年よりは1日増やしたことで大成功だと言っていいでしょう。

<1日目>

13時に無事みなさん集合されたので、専用車で宿へ向かいました。本来なら喜如嘉へシギ・チドリを狙いに行くのですが今年の喜如嘉は耕作放棄地が目立ち、鳥たちがさっぱりなのでパスしました。宿へ荷物を降ろしてすぐにヤンバルクイナのポイントへ向かいます。30分ほど待っていると出てくれました。時間的に違う場所へすぐ移動して待つ事10分、予想通り川をゆっくり渡る姿を撮影することができました。

川を渡るヤンバルクイナ
川を渡るヤンバルクイナ

宿へ戻りすぐに食事を食べていただき、20時からは夜の撮影レクチャーです。昨年はここでヤンバルクイナとリュウキュウコノハズクが撮れたので期待をしましたが、残念ながら撮影はできませんでしたが撮影の方法は習得していただけたようです。

<2日目>

5時30分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、まだ暗い中さっそく1羽が出現します。しかしすぐにいなくなってしまいました。ポイントでアカヒゲが出てくれることを期待しましたが、声のみ。その後待ちくたびれていると、ヤンバルクイナは音もなく現れ撮影ができました。

ヤンバルクイナ
音もなく現れたヤンバルクイナ

雨風が激しいので一旦宿に戻り建物の庇からヤンバルクイナを待ちますが出ないまま11時になったので町に昼食と明日の朝食の買い出しを出かけました。その時参加者から「天気が悪いのでヤンバルクイナ生態展示館クイナの森」へ行きたいとリクエストが出たので食後はそちらでヤンバルクイナの「クー太」君を見に行きましたが、眠っていてこちらに出てくれません。ようやく出てくれても今度はアクリル板の前でまた寝てしまう(笑)手強い!ほかにも資料展示があるのを見て宿に向かい、休憩に入りましたが風雨がまったく収まる気配がないので夕方と夜を中止にいたしました。

 

<3日目>

5時30分に出発。昨日より早い準備を完了。風が強いのでシートは張らずにそのまま静かに待ちます。シートが無いのでちょっと警戒をしないかと不安を感じましたが、3回ポイントでのんびりする姿を撮影することができました。ダメ元で時間まで川沿いのポイントへ移動しますがヤンバルクイナは出ませんでしたが、みなさんトビハゼやコメツキガニやシオマネキを撮って楽しんでおられました。

雨の止み間を活かして宿に併設されている観察路で生き物を探します。昨年はアカヒゲもノグチゲラもよく出てくれたのですが、この日は風が強いせいか出が悪いです。鳥はさっぱりでしたが、オキナワキノボリトカゲ・シリケンイモリ・ヤンバルヤマナメクジ・リュウキュウアオヘビを観察撮影ができました。11時に食事に向かう途中いつもリュウキュウツバメとツバメがとまっている電線にとまっていれば撮影をする予定でしたが、1羽もいません。風が強すぎたせいでしょう。

リュウキュウアオヘビ
リュウキュウアオヘビ
オキナワキノボリトカゲ
オキナワキノボリトカゲ

食事後は近くの田んぼでセイタカシギとタカブシギを撮った後、夜もあるのでお昼寝タイムです。15時45分にヤンバルクイナを探しに行きますが、今日はいつもと違いなかなかポイントへ出てくれません。それでも17時30分近くに2回出てくれ、道路を渡る姿も確認できました。最後は川へ移動します。すぐに出たので期待をするとすぐに草むらに隠れてしまいました。15分過ぎた時でしょうか1名の方が高速連写で何かを撮っています?他の方もカメラを構えています。私の位置からは何も見えないので車の影に隠れてドライバーさんに「出てる?」と聞くと出てないよの答え。よく見るとレンズはかなりの下?後で聞くとカニを撮っていたようです「騙された!爆」

もう一度いつもの場所へ戻るとすぐにヤンバルクイナが出てくれました。みなさんに場所を小声で伝え、狙ってもらいます。ヤンバルクイナは採餌しながら川の中に移動してあちこち歩き廻った後、水浴びをゆっくりとしてくれました!

川を渡るヤンバルクイナ
川を渡るヤンバルクイナ
水浴びをするヤンバルクイナ
水浴びをするヤンバルクイナ

夕食時間もあるのでヤンバルクイナが草むらに入ると同時に宿へ向かいました。夕食後は20時に夜の生き物探しに出発です。走り出してすぐに1羽のヤンバルクイナを見つけたのですが時間が早い事と近すぎたことで逃げられてしまった。その後はさっぱりでちょっと焦りが出ます。それでもオリイオオコウモリのいるポイントへ向かい撮影をしてもらいました。下見ではここにリュウキュウオオコノハズクがいたので期待をしましたが見つかりません、残念!集落内からはリュウキュウアオバズクの鳴き声が聞こえますが集落内なので探しに行くのはやめました。

リュウキュウオオコノハズク
下見では観察できたリュウキュウオオコノハズク

さて再び移動しながら生き物を探すと森の奥からリュウキュウコノハズクの「コホッコホッ」の鳴き声が!鳴きまねをして近くまで来てくれることを期待しましたが来てくれませんでした。さてここからがえらいことになります。もう眠っているヤンバルクイナだらけ!いた!ここにもいた!と6羽までは確認して撮影をしていましたが、その後は角度が悪い、止まり位置が悪いと撮影をせず移動という贅沢すぎる状況です。ペアのとまりも確認できた時だけは撮影に熱が入りました。その後も3羽ほどは見つけたと思いますが全部で10羽以上発見しました。下見の2日は1羽しか見られなかったのに信じられない夜です。

ヤンバルクイナ!いた!
ヤンバルクイナ!いた!
ペアのヤンバルクイナ
ペアのヤンバルクイナ

*ヤンバルクイナの夜間撮影は10分以内で通常5分を目安にストレスを極力かけないようにしています。その後はフクロウ類の発見はないまま終了となり11時過ぎには宿に戻りました。

 

<4日目>

5時30分に出発してルーティーンで鳥たちを待ちます。ヤンバルクイナはなぜか出ません。ポイントの奥からはノグチゲラやアカヒゲの声は聞こえますが姿は見えず。ヤンバルクイナはその後出てくれましたのでほっと一息。1名の方が「カニが撮りたいから行っていいか?」と言われたのでヤンバルクイナも今までしっかり撮れているのでOKを出しました。彼女が出ていて10分もしたでしょうか?参加者の男性が上にカメラを向けています。そのあたりを見ていると黒い鳥が木の幹にとまっています・・・ノグチゲラです!めっちゃ近いのでみなさんに「ノグチゲラだから撮って!」と伝えました。結構長く出ていてくれみなさん撮れたと喜んでいます。最初に狙っていた方が「これノグチゲラだよね?」とモニターに映っている鳥はイソヒヨドリのメス?どうやら2羽出ていて私はイソヒヨドリに気がついていなかったようで、彼は本命ではないものをずって撮ってしまっていたようでした。

ノグチゲラ
ノグチゲラ
イソヒヨドリ
イソヒヨドリ

その後はシギ・チドリを狙う予定が2か所とも激しい雨風で外に出られそうもないのでそのまま空港に向かい終了となりました。

今回は過去最高というか私もびっくりするくらいのヤンバルクイナとの遭遇&撮影ができただけでなく最後はノグチゲラのサービスもありフクロウ類やアカヒゲは残念でしたが120点の内容だったと思います。


撮れた鳥
ヤンバルクイナ・セイタカシギ・タカブシギ・ノグチゲラ・リュウキュウヒヨドリ・リュウキュウメジロ・リュウキュウコゲラ・リュウキュウシジュウカラ・スズメ・イソヒヨドリ・オキナワキノボリトカゲ・シリケンイモリ・リュウキュウアオヘビ・ヤンバルヤマナメクジ
オリイオオコウモリ

見れた鳥・さえずりが聞けた鳥
ミサゴ・カラスバト・ズアカアオバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・リュウキュウアカショウビン・カワセミ・ツバメ・リュウキュウツバメ・リュウキュウサンショウクイ・ホントウアカヒゲ・ウグイス・リュウキュウハシブトガラス・クマネズミ・リュウキュウヤマガメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2024年4月3日~7日

昨年も行ったツアー第2弾です。アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。

 

<1日目>
沖縄本島からスタート。まずは順調な滑り出しです……と言いたいところでしたが、この日に起きた台湾の地震で沖縄地方に津波警報などが出て、沖縄発着の飛行機が大幅に乱れました!ツアー参加のみなさんも遅れに遅れながらも、那覇に着きました。しかし、無事集合し空港を出発したのは20時過ぎ。この日はホテル入りで終わりました。

 

<2日目>
早朝からアカヒゲ狙いです。ノグチゲラの巣作り、越冬した?ササゴイなどを見ながら、無事アカヒゲの♂♀を見ることができました。

ノグチゲラ(撮影:K.I様)
ノグチゲラ(撮影:K.I様)

ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)
ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)

午後は金武町です。シギチは少なく、お目当てのリュウキュウヨシゴイも出なかったものの、アマサギ、シロハラクイナ、ツバメチドリ、そしてシマキンパラなど沖縄らしい鳥たちを見ることができました。

アマサギ(撮影:K.I様)
アマサギ(撮影:K.I様)

シマキンパラ(撮影:K.I様)
シマキンパラ(撮影:K.I様)

この日の夜は、宿のナイトハイクで樹上で寝る2羽のヤンバルクイナを見られた方々もいました。

ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)
ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)

<3日目>
沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、アカヒゲとヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくるヤンバルクイナは見ることができました。

朝食後は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!三角池にちょっと寄り道し、アオアシシギ、コアオアシシギ、リュウキュウツバメなどを見て、空港で昼食を済ませ、奄美大島へ。しかし、ここでも飛行機問題!使用飛行機の到着が遅れ、結局、奄美大島に着いた頃には探鳥時間がなくなり、すぐに宿入りでした。ついていません。

夕食後はナイトウォッチングです。地元ガイドさんの同行の元、林道を走らせます。霧が立ち込め、なかなか苦戦しながらも結果的にはたくさんのアマミヤマシギ、アマミノクロウサギに出会えました。また、イシカワガエルやヒメハブ、アマミトゲネズミなど、たくさんの奄美の生き物にも出会え、とてもいい夜になりました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2023年4月3日~7日

アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。こんな風変わりなツアーは、ガイド簗川の得意分野です(笑)

 

1日目。沖縄本島からスタートです。まずは超有名な三角池へ行きました。お馴染みのクロツラヘラサギの群れに、これまたお馴染みのヘラサギの姿も。

 

クロツラヘラサギ(撮影:河田様)

セイタカシギがパラパラとして、アオアシシギが飛んできます。遠くにいるのはオジロトウネンとヒバリシギ。電線ではシロガシラと亜種リュウキュウハシブトガラスがやかましく鳴いています。

今度は一気に北上して、やんばるへ。とあるポイントで亜種アカヒゲとヤンバルクイナを待ちます。亜種リュウキュウサンショウクイ、亜種リュウキュウメジロなどが鳴いていますが、アカヒゲは姿どころか、声もせず。ヤンバルクイナは声のみ確認して、この日は終わりました。

 

2日目。沖縄とはいえ、やや肌寒い朝です。

早朝に出やすいヤンバルクイナを求めて、日の出時刻前に出発。道路を横切る個体を2羽、そしてリュウキュウイノシシを4頭見ることができました。

朝食後、アカヒゲのポイントへ。アカヒゲを見る前にノグチゲラが目の前の枯れ木に飛んできました!これはラッキー!どうも巣作り中のようで、穴の中から「コンコン、コンコン…」と音がします。影響を与えないように距離をとり、短時間の観察です。

 

ノグチゲラ(撮影:塚本雄次様)

肝心のアカヒゲはいるにはいるものの、なかなか出てきてくれませんでした。しかし、♂♀を見て、しかも♂が水浴びをしたシーンを撮影した方がいました!

 

亜種ホントウアカヒゲ♀(撮影:河田様)

④亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:河田様)

道の駅で昼食をとり、止まっているリュウキュウツバメを撮影していたところ、その光景を見た一般観光客が「何なに?」と言わんばかりに集まり、一般観光客もスマホなどでリュウキュウツバメの撮影をし始めました(笑)

 

リュウキュウツバメ(撮影:河田様)

その後は、シギチなど水辺の鳥を求めて付近の田んぼに行くも、成果は上がらず。それもそのはず、その辺りは以前とは比べ物にならないくらい環境が変わってしまい、シギチが立ち寄る場所ではなくなったようです。午前中、アカヒゲやノグチゲラを見逃した人がいたので、再びそのポイントへ。しかし、なかなかいい成果を得られないまま、この日は時間切れとなりました。

 

3日目。沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、ヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくる個体は数回見ることができました。朝食後は小一時間の勝負!アカヒゲのポイントで、どうにかアカヒゲの♂を見ることができましたし、サンショウクイの亜種リュウキュウサンショウクイをやっとじっくり見ることができました。

亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:塚本香代様)

亜種リュウキュウサンショウクイ(撮影:河田様)

 

さぁ今度は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!空港で昼食を済ませ、奄美大島へ飛び立ちました。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!