鳥取・八東ふるさとの森でアカショウビンを撮る【その2】

Report by 戸塚学 / 2023年7月13日~7月15日

 

1日目

早朝ホテルの部屋から雷と雨音で目が覚めた。外を見ると視界がないほど雨が降っている。「これ大丈夫かな?」と不安になりながらもうひと眠り。朝食を食べたあと少し早めに鳥取空港へ向かうと2か所で道路が冠水していて通行禁止になっています。なんとか迂回しながら到着することができましたが、到着案内を見ると始発便がまだ到着していない?そして本来なら参加者のみなさまが到着する便が条件付きで羽田を出発したが、鳥取空港周辺の雷雲の影響で引き返すという。その間に岡山経由で来る参加者から電車が動かず、到着しても夜になるのでキャンセルしますと連絡が入る。さて何人が来るかわからないし、どのようにして対応をするべきかと会社と電話で協議をしていると「まもなく到着」とアナウンスがありほっと胸をなでおろします。1名は自家用車で来ているので自力で現場に向かう、もう1名はすでに鳥取駅に向かっていると連絡を受けていたのでキャンセルの1名以外は何とか集合できそうだとわかりました。空港で3名をピックアップしてから駅に向かい1名をピックアップしてふるさとの森を目指します。到着してすぐに雨が強くなったので雨足が弱まるまで管理棟で昼食と雨宿り。そして先行の1名も合流したのでミーティングをしました。雨が少し弱まったので急いで泊るキャビンに荷物を運んでもらいます。本来ならこの後各ポイントの説明をしながら園内を散策する予定でしたが、またしても雨が強まり、前が見えないほどの降りに!!!結局日中の撮影はできなかったので夜の撮影に期待します。最近の天気予報はすごいものでちゃんと予報が当たる!という事で無事楽しんでいただきました。

 

2日目

4時30分に集合してアカショウビンに期待します。しかしさえずりのみで姿は見えません。雨は降っていませんが霧で視界も効きません。ぼ~っとしていても仕方がないのでオオルリポイントへアカショウビンを探しに行きますが、出ません・・・。オオルリも定位置でさえずってくれているのですが、霧が邪魔。とはいえせっかく出ているので撮影をしていただきます。

オオルリ
オオルリ

一旦朝食に戻ります。朝食後は各自でフクロウ類を撮影していただき、私は園内をぶらつきながらアドバイスや質問に答えることで対応をしました。この日はなぜかコノハズクが定位置にとまっておらず、巣箱側の斜面の低い位置にとまってくれて今までにない撮影ができたと思います。そのあとまたしても雨が降り出し撮影は中止になりました。

アオバズク
アオバズク
コノハズク
コノハズク

夜は小雨がぱらつく程度だったので夜の撮影を楽しみました。特にアオバズクは巣箱からヒナが顔を出した姿を撮れたと参加者から興奮した声も聞かれました。

アオバズク
アオバズク
コノハズク
コノハズク

3日目

珍しく乾燥した空気に包まれ肌寒い朝になりました。4時30分やはりアカショウビンがさえずるのですが、近くに来ません・・・残念ながら4時45分にはヒグラシの鳴き声が森にやかましく響き渡るだけでした。せっかくなのでオオルリのポイントへ移動を開始するとさすがに土曜日、車がたくさん止まっています。その割には人が少いになぁと感じながら歩いて行くとオオルリがいません。ただ、さえずりはよく聞かれるのでしばし出るのを待つ事に。5分ほどでオオルリが出てくれて今までで一番いい場所でとまってくれたので今日は霧もないし、高曇りで陽炎も出ていないベストコンディション!でしっかりと撮影をしていただきました。一旦朝食に戻り、朝食後は荷物を集積したあとは時間まで好きな場所で撮影を楽しんでもらう予定でしたが?やけに人が多い?それもカメラマンやウォッチャーぽくない?スタッフに聞くと「今日はふるさとの森祭り!」と告げられる・・・しまった、忘れていた。それで人が多いのか!ふと駐車場を見ると私たちのバスが来ても切り替えしすることができないほどの混雑です。みなさんには少し早いのですが10時に移動を開始してオオルリのポイント待つ事にしました。みなさんすでに機材をパッキングをしているのでオオルリが美声を披露していますが誰もカメラを出しません(笑)10時30分バスが来たので無事に帰路につきました。とにかく大荒れの天気からのスタートでしたが、無事撮影を楽しめたようでほっとしました。

 

コノハズク
コノハズク

 

撮れた鳥

コノハズク・アオバズク・オオルリ

 

見られた鳥・さえすり

キビタキ・ホトトギス・キセキレイ・カケス・オオアカゲラ・ミソサザイ・アオバト・シジュウカラ・トビ・ハシブトガラス・ヒヨドリ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

鳥取・八東ふるさとの森でアカショウビンを撮る【その1】

Report by 戸塚学 / 2023年7月10日~7月12日

 

下見

ツアー前日に現地入りして、今年の繁殖状況と巣の位置を確認しました。残念ながらみなさんが期待をするアカショウビンは渡ってきたものの繁殖は失敗。しかし園内に時々は来ているようで、鳴き声は毎日聞かれるというので「運が良ければ」に期待することに。コノハズク、アオバズクは日中親鳥も姿が見やすい場所で胸をなでおろしました。夜は7時30分ころからエサ運びを行う姿を確認して終了。翌朝車中泊をしていましたが4時30分車の横でアカショウビンが大声で鳴くので目が覚めました!

 

1日目

天気は予報通りの曇り。空港で3名をピックアップして駅で2名をピックアップしてそのまま現地へ。到着早々アオバズクを見てもらいます。すでにみなさん撮影がしたそうですが我慢をしていただきます。まずは自分が宿泊するキャビンに荷物を運び込んでもらう事に。その時です、近くでアカショウビンの鳴き声が聞こえました。参加者の一人から「ウェルカムコールやね」というセンスのいい一言をいただきました。ひと段落したところで機材を準備して集合していただき園内の散策と各ポイントの説明をします。アカショウビンがいつも使っている巣穴や以前コノハズク、オオコノハズクが使っていた巣箱などを見廻り、アカショウビンがよく使う沢などを点検します。あとはアオバズク、コノハズクお好みのフクロウを撮ってもらいます。ある程度気持ちも落ち着いたところで早朝アカショウビンに起こされた場所へ探しに行ってみますがやはり姿は見られません。しかし近くでオオルリがさえずっていたので赤ではなく青い鳥を撮影していただきました。

アオバズク
アオバズク
コノハズク♀
コノハズク♀
オオルリ
オオルリ

夜はライトアップされたフクロウたちを観察して終了。理由は他のBWツアーと被っていて狭い場所での撮影は難しいので私たちは夜中の2時に起きて撮影することにしました。

アオバズク
アオバズク
コノハズク
コノハズク

 

2日目

私のガイドでは異例のスタート時間でみなさん起きられるかなと心配しましたが、全員集合したのでポイントに向かいます。すでに誰もいないので私たちだけの独壇場ではあるのですが、やはり早い時間に比べてエサ運びは頻繫ではないのが残念。やはりスタンダードだなと実感。ちなみにエサやりは5時過ぎまで続いたようでその後は定位置でのご就寝になられたようです。さてアカショウビンですがやはり4時30分に鳴き出し、さえずりながら移動するもその姿は見られませんでした。オオルリのポイントを探しますが、さえずりのポイントが変わっていたようで出るのを待ちます。すると遠くからまたアカショウビンのさえずりが!どうも園の方で声がするのでそちらへ移動しましたが、結局姿を見ることはできませんでした。日中は「昼寝も良し、撮影も良し」のスタイルで自由にしていただきました。夕食後はすぐにコノハズクのポイントでスタンバイして何とか夜のコノハズクを十分に撮影がすることができたので、アオバズクへ移動してしっかりと撮影をしていただきます。朝が早いので22時で終了となりました。

 

3日目

早朝4時30分に到着するとやはりアカショウビンのさえずりがします。しかし昨日ほど近くには来ませんでした。朝食までは時間があるのでオオルリの場所へ移動します。オオルリは定位置にいるのですが・・・杉の葉に身体が隠れてしっかり姿が見られないのが悔しい。近くではミソサザイがさえずっているのに見つけられないのも悔しい。そんな時です。谷の奥からアカショウビンのさえずりが?徐々にこちらに近づいてきます。これは!と耳を澄ませて待っているとすぐ近くで大音量の声が!その時です道路上を黒い影が飛び去ります、アカショウビン!私の叫びにみなさん視線を向けますが、見られたのは参加者の最年少者の中三の少年だけでした。しばらく飛び去った方を凝視しますが動きはありませんでした。

朝食後は荷物をまとめて、バスが迎えに来るまでの間自由に撮影を楽しんでいただき終了となりました。本当は3日間とも雨の天気予報が、みなさんの日ごろの行いが良かったようで天気にも恵まれ撮影も楽しまれたのではないかと思いました。

 

コノハズク♂
コノハズク♂

 

撮れた鳥

コノハズク・アオバズク・オオルリ

 

見られた鳥・さえすり

キビタキ・ホトトギス・キセキレイ・カケス・オオアカゲラ・ミソサザイ・アオバト・シジュウカラ・ヒガラ・ゴジュウカラ・トビ・フクロウ・コゲラ・ハシブトガラス・ヒヨドリ・コサメビタキ・カワラヒワ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

6月20日(火) 4日目

今日も天気はいいです!早めに朝食を食べて相泊港まで移動します。ここからはヒグマウォッチングツアーです。初めに見つけたヒグマは遠くてパス。2回目に見つけたクマは待っていると海岸まで出てくれたので撮影をすることができました。船長が「別のクマを探そう」と岬近くに行くと・・・一目7頭のヒグマです!そのうちの1頭が2頭のこどもを連れていたので9頭のヒグマを見渡すことができました。まずは親子を狙います。昆布の茂った海は光の関係で緑色に染まりとてもきれいなので意識して撮影をしてもらいます。

ヒグマ
ヒグマ
ヒグマの親子
ヒグマの親子

次は兄弟だと思うと船長が言う2頭のクマを狙います。大きな石をひっくり返すと「ごとん!」という音がこちらまで聞こえる近さはライブ感たっぷりです。その後も帰る途中にクマが出てくれるたびに船長が近づいてくれるのですが、午後の船の時間もあるので寄らずに戻ってもらいました。

下船後はすぐ羅臼港へ向けて移動します。途中港近くのコンビニでお弁当を買ってもらいギリギリで乗船ができました。岸近くはさほど波に翻弄されることが無かったのですが、沖に出ると結構なうねりが激しくシャチを狙うのに苦労しました。残念なのはこの日のシャチの群れはあまり船と遊んでくれないのでチャンスが少なかった。それでも初シャチのお客様は喜んでおられました。

シャチ
シャチ

残念なのはうねりが強いので予定より早めに終了となったので道の駅で買い物をしてもらいます。この夜もシマフクロウを狙ったのですが、残念ながら出ませんでした。シマフクロウがメインならば朝まで粘ってもいいのですが、他のスケジュールもあるので仕方がありません。

6月21日(水) 5日目

この日も快晴です!風も弱く絶好なコンディション。早めに並び全員で船の前の部分でスタンバイします。参加者のみなさんはわかっていないようなので、とにかく海からの風景を撮ってね!携帯で動画も撮ってね!と言います。じつはこのコンディションは年に数回しかないくらいなのです。船のガイドさんも「今月はこの風景は初めてです!」と言っています。さてこの日は海鳥たちが比較的多く、ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、フルマカモメが船の近くを飛んで行きます。時折ずんぐりむっくりなウトウも見られました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ
ずんぐりむっくりなウトウ
ずんぐりむっくりなウトウ
フルマカモメ
フルマカモメ

驚いたのはクロアシアホウドリが近くで撮影ができたこととアホウドリの幼鳥も近くで撮影できたのですが、少し遠目に発見したアホウドリの成鳥に寄ってもらいたかったのですが、シャチが遠くで出ているという事で船長はそちらを優先します。仕方がない、私たちのメンバーもやはりシャチは撮りたいはずだから。しかしシャチは日露中間線よりもロシア側で手も足も出せません・・・運が良ければアホウドリの成鳥のところに行くかなと期待したが、たぶん飛んで行ってしまったのか見つけられませんでした。

アホウドリ幼鳥
アホウドリ幼鳥
遠くにいたアホウドリ成鳥
遠くにいたアホウドリ成鳥

港に戻る間も生き物を探します。運よくイシイルカが出てくれたのでみなさん必死に撮影をされていました。下船後はお弁当を買っていただき知床峠でギンザンマシコを狙いますが・・・出ません。そのうち飽きてしまったようで「もう原生花園に移動したい」という要望も出ましたが「14時までがんばろう!」と説得しました。結局時間までにギンザンマシコは出ませんでしたが、ウソ、ビンズイは見ることができました。時間になったので原生花園に移動してノビタキ、ホオアカを撮っていただきホテルに向かいました。夕食はホテルについていないので今回の旅の成果に居酒屋で祝杯をあげました。

ノビタキ♂
ノビタキ♂
ノビタキ♀
ノビタキ♀

6月22日(木) 6日目

朝は朝食の関係で8時に出発します。小清水原生花園でノビタキ、ホオアカの撮影をしていただきながら放牧している馬や乱舞するエゾシロチョウ、動物ではありませんがエゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナスなどのお花を撮影していただきました。網走湖湖畔での野鳥撮影よりも風景を撮りたいというリクエストで空港に送迎するまでしっかりと風景撮影を楽しんでいただき無事解散となりました。5泊6日と長丁場ではありましたが、終わってみればあっという間でした。みなさまお疲れさまでした!

ホオアカ
ホオアカ

撮れた鳥
アホウドリ・クロアシアホウドリ・ハシボソミズナギドリ・フルマカモメ・アオサギ・タンチョウ・カッコウ・アマツバメ・オオジシギ・ミツユビカモメ・オオセグロカモメ・ウミネコ・ケイマフリ・ウトウ・エトピリカ・オジロワシ・ショウドウツバメ・シマセンニュウ・コヨシキリ・ノビタキ・ホオアカ・アオジ・オオジュリン・エゾシカ・キタキツネ・エゾヒグマ・ラッコ・シャチ・イシイルカ

見れた鳥・声を聞けた鳥
ヒドリガモ・マガモ・オナガガモ・キンクロハジロ・スズガモ・クロガモ・シノリガモ・ウミアイサ・カンムリカイツブリ・キジバト・アオバト・シロエリオオハム・カンムリウミスズメ・ウミウ・ヒメウ・ツツドリ・トビ・ハイタカ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒガラ・シジュウカラ・ヒバリ・ウグイス・エゾムシクイ・シマセンニュウ・エゾセンニュウ・コムクドリ・スズメ・ニュウナイスズメ・ハクセキレイ・ビンズイ・カワラヒワ・ベニマシコ・ウソ・ウソ

他の生き物
ヒグマ(撮)・ラッコ(撮)・エゾシカ(撮)キタキツネ(撮)・イシイルカ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

全体的にはこの時期天気があまり良くない根室地域では奇跡的に好天に恵まれた条件となりました。私としてシマフクロウ・ギンザンマシコ・シャチ・ラッコ・ヒグマ・エトピリカの順番で難易度が上がるのですが、逆になってしまい予想外の展開となりました。

6月17日(土) 1日目

飛行機の到着が少し遅くなったのですぐに専用車に乗って霧多布岬を目指します。前日までは1週間毎日霧、霧雨の天気だったのですがみなさんの到着とともに晴れになっていました。移動途中牧場に中にタンチョウがいたので撮影をしていただきました。霧多布に近づくにつれ徐々に霧が濃くなりラッコがいるポイントでは視界がなくなってしまいましたが、霧の中からラッコの赤ちゃんの泣く声がするのでその周辺を探すとようやく発見することができました。しかし霧に包まれているのではっきりと観察することがきず残念でした。宿に向かう途中にタンチョウを探しますが残念ながら見つけることができませんでした。宿の前で夕陽を狙っていると、もの凄い数のヌカカに襲われながらも素晴らしい夕陽を堪能しました。

牧場で観察したタンチョウ
牧場で観察したタンチョウ
風連湖の美しい夕日
風連湖の美しい夕日

6月18日(日) 2日目

天気は最高で予定通り早朝観察&撮影を楽しみます。ハイド(観察小屋)近くでコヨシキリがさえずっているので、ハイドに入り窓を開けるとめっちゃ近い!逃げないのでしっかりと撮影を堪能できました。またオジロワシのペアが近くで飛翔したり、とまってくれたりとサービス満点の早朝となりました。

コヨシキリ
コヨシキリ
オジロワシのペア
オジロワシのペア

落石ネイチャークルーズはやや波は高いが出航という事で海へ出ますが、波よりもうねりがあり鳥たちを探すのも苦労します。そんな中でガイドさんが飛び回るエトピリカを成鳥見つけてくれたので撮影していると・・・着水!ゆっくり近づいてゆくと、なんとエトピリカからこちらに近づいて来るではありませんか!おまけに海上に漂う枝などを巣材として集めていることに集中しているので、こちらはほぼ無視。おかげでみなさんしっかりと撮影をすることができました。光もいいし近いしこんなことはないよと私が一人で興奮して熱くしゃべくっていました。

枝を集めるエトピリカ
枝を集めるエトピリカ
エトピリカ
エトピリカ

近くにいるはずの10数頭を超えるラッコの群れは波が高くて見つけられませんでしたが、若い2頭は何とか撮影ができたと思います。下船後は道の駅でランチをするのですが、根室名物という事で「エスカロップ」をみんなで食べました。

若い2頭のラッコ
若い2頭のラッコ

午後はどうするかをみなさんに聞くと「霧多布のラッコはもういい」という事で、走古丹でキタキツネの子ぎつねとタンチョウの親子を探すことになりました。残念ながら大人のキタキツネはちょくちょく見られるのですが、下見で見つけた巣穴の4頭の子ぎつねには出会う事はできませんでした。タンチョウの親子ははじめ見つけられませんでしたが、さすが熟練のバードウォッチャーでもあるドライバーさんが見つけてくれて何とか撮影をすることもできました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

時間があれば野付半島にも行く予定でしたが明日は野付半島での観察と撮影にしっかり時間をかけることができるので、この日は早めに切り上げて宿の向かいにある温泉を楽しんでいただきました。

6月19日(月) 3日目

予定より1時間遅く出発して、コンビニで朝食を買い込んで野付半島に向かいましたが・・・天気は晴れているのですが、風が強く寒い=小鳥の出現率が下がるのでターゲットをエゾシカに切り替えて群れを見つけては車を停めて撮影を楽しみます。

エゾシカ
エゾシカ
エゾシカ
エゾシカ

10時を過ぎたところで気温も上がり風も弱まったので花と小鳥を歩きながら撮影を進めます。ここで電話が鳴り尾岱沼の外洋クルーズが波が高いために欠航という電話でした。風は弱まったと思ったのですが、どうやら位置的に風が弱くなっていただけで全体的には風は弱まっていなかったようでした。予定を一気に変更してまず、標津の町までランチを食べに行きました。その後は今日から泊まる宿へ電話をして早めにチェックインすることを伝えました。時間はたっぷりあるので下見で見つけたショウドウツバメのコロニーでみなさん撮影を楽しみました。

ショウドウツバメのコロニー
ショウドウツバメのコロニー

羅臼に移動して早めに宿へ入り休憩。そして夕食をとり、18時30分シマフクロウを狙いに行きました。1度でも出れば23時、出なければ0時まで粘ることにして頑張りましたが、結局1度も出ることが無く引き上げると10分後に出たらしい!悔しい。

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

韓国BIG3 ヤイロチョウ・ヤマショウビン・ ワシミミズク撮影&観察【その2】

Report by 戸塚学 / 2023年5月28日~6月2日

 

6月1日 5日目 晴れ時々曇り (Big3 ヤマショウビン)

本当は早くからヤマショウビンのポイントへ行きたかったが、朝食時間と渋滞の関係で9時出発、10時30分着となった。ここは朴さんが下見に来た時ヤマショウビンの繁殖を確認しているので「今度こそは!」と気合を入れると鳴き声が!巣穴近くの電線にとまったので少し遠いが撮影をしてもらう。とりあえずは全員撮影ができた!

ヤマショウビン

2手に分かれてブラインドを張って近くで狙う組と離れた場所から他の鳥も狙う組とで分かれたが、急ごしらえのブラインドがいけなかったようで撤収して、離れた組の場所でブラインドを張りなおし待つ。ここもコウライウグイス、ブッポウソウが飛び回りカッコウが近くの電線にとまる。しかしブッポウソウもコウライウグイスがエサ取りのために飛び回るも撮影が難しい・・・。

コウライウグイス
コウライウグイス
チョウセンチョウゲンボウ
カッコウ飛翔
カッコウ

近くでアカショウビンとセグロカッコウの声もするが姿は確認できなかった。ブラインドを張っている場所が桜並木になっているので毛虫がわんさか。どうやらこれが鳥たちの大事なエサになっているようだ。五百澤氏が「アカハラダカがいる」というので撮りたい人はそちらについて行った。結果は遠いのが撮れたのみとのことだった。

アカハラダカ

さて本命のヤマショウビンは鳴きながら現れるがすぐに飛び去るか、林の中に入ってしまいなかなかチャンスに恵まれない。18時まで粘ったが暗くなってきたので切り上げる。それにしてもどうも「がっつり」と撮れないのが悔しい。

ヤマショウビン飛び去り

 

6月2日 最終日 曇り

最終日はホテルで朝食を食べず、仁川の街の食堂で牛の煮込みスープ(ソルロンタン)を食べる。朝ステーキもグレートだが、やはりこちらの方が韓国らしく身体にやさしい。

今日のラストを締めくくるのは夏羽クロツラヘラサギのいる湿地公園。とてもきれいな場所で夏羽のクロツラヘラサギを近くから撮れちゃうという最強の場所のはずが。現地に着くといつもいる池にいない?よく見るとガマを作業員さんたちが抜いてる・・・。それでいないのか。ハスの葉の上でさえずるオオヨシキリがいたので撮影してもらってからクロツラヘラサギを探しに行くと「いた!」との声。みなさんが撮影しようとすると飛んだ?なんで?かなり距離があるのに・・・。不思議だなぁという思いと嫌な予感を抱えながら降りた池に向かうとダイサギと3羽のクロツラヘラサギを確認。こちらに向かって採餌しながら近づいてくる。ハスの葉から全身が出る場所で待っていると・・・突然飛び立った!3羽と思ったがもう1羽いて4羽だったのだ。私たちが最初撮ろうとして飛んだ2羽のうちで、どうやら警戒心が強い1羽が飛び立ち、それに引きずられて他のクロツラヘラサギたちも飛んでしまったのかもしれない。飛び去った方向を追うがかなり遠かった。そこまで向かって見つけられないと時間の無駄になるので、悔しいが切り上げることにする。それにしても悔しい・・・なんで今回に限って、どいつもこいつも「ちょっとだけよ」と撮らしてくれないんだ!見られているのに撮れないなんて・・・。最後の最後は時間調整用に用意してあるクロツラヘラサギたちのコロニーへ行きます。ここではモンゴルカモメも繁殖しているのでそれらを望遠鏡で見てもらいます。よく見るとヒシクイとマガンもいたので怪我をして戻れなくなっているのかもしれません。

オオヨシキリ

五百澤氏、朴さんと3人で来年どうやってツアーを組みなおすか?を話している時でした。参加者のみなさんの前にあるアシの上にダルマエナガが飛んできたのです。すぐに「目の前、ダルマエナガ!」と声をかけるといつもはすぐに隠れるダルマエナガが結構長く同じ場所で停まっていてくれた。なんとなくだがその下が巣のような気もするが(笑)おかげで最後の最後で「たくさんいるけど手強い韓国Big3」の一つ、ダルマエナガをゲットできてみなさん嬉しそうでした。ちなみに残りはブッポウソウとコウライウグイスです。

ダルマエナガ

その後は関西空港組と成田空港組に分かれて、私は関西空港組で帰宅の途へ。ところが関西空港に到着すると台風の大雨のためバス・電車すべてがストップ!脱出不能なので空港で1泊する羽目に。参加者の方は4時間待ちで、無事タクシーで帰宅できたそうです。成田組も台風の影響で、1時間遅れの到着。途中大きな揺れが2~3回あり、生きた心地がしなかったそうです。今回は本当に台風と梅雨前線で泣かされましたが、次回は天気も味方につけ、もう少し絞り込んだ内容でより充実した写真撮影の旅ができるようにしたいと思います。これを読んでもし韓国に行きたいが辛いモノばかりで食べられないかもと不安に思われる方も多いと思います。実際今回の参加者4名がそうでしたが、コーディネーターの朴さんが日本人並みに辛いのが苦手なので、チョイスする料理はたいして辛くありません。なのでみなさん韓国料理の虜になってしまったようです。たぶん日本のカレーライス中辛が食べられれば大丈夫です。もちろん辛くしたい方はいくらでも辛くできるのでご心配無用です。

 

 

撮れた鳥

カラシラサギ・チュウサギ・ダイサギ・クロツラヘラサギ・ミヤコドリ・ウミネコ・カッコウ・ヤマショウビン・ブッポウソウ・チョウセンチョウゲンボウ・チゴモズ・コウライウグイス・カササギ・ツバメ・オオヨシキリ・ダルマエナガ・ホオジロハクセキレイ・ワシミミズク

 

見られた&声を聞かれた鳥

ヒシクイ・マガン・マガモ・カルガモ・コウライキジ・カワウ・アオサギ・コサギ・アマサギ・ササゴイ・ゴイサギ・バン・オオバン・シロチドリ・ウミネコ・モンゴルカモメ・ヒガシシナアジサシ・ドバト・キジバト・セグロカッコウ・ツツドリ・ホトトギス・アオバズク・ヤツガシラ・カワセミ・アカショウビン・コゲラ・アカゲラ・ヤマゲラ・ヤイロチョウ・サンショウクイ・オナガ・ハシブトガラス・コシアカツバメ・シジュウカラ・ヒヨドリ・チョウセンウグイス・オオムシクイ・メジロ・ジョウビタキ・カラアカハラ・ギンムクドリ・ムクドリ・ホオジロハクセキレイ・スズメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

韓国BIG3 ヤイロチョウ・ヤマショウビン・ ワシミミズク撮影&観察【その1】

Report by 戸塚学 / 2023年5月28日~6月2日

5月28日 1日目 雨

出発前日に先に現地入りしている五百澤氏から「ヤイロチョウが撮れたよ!」と連絡があったので良かったと思いながら成田空港・第三ターミナルに向かいます。今回はいい時間に釜山に到着する飛行機が無かったのでLCCを利用することになりました。少し心配をしましたが、自動チェックイン機の操作も悩むことなく無事完了しました。それにしても手続きがどんどん簡略されて、あっという間に出発ゲートまで来れてしまうのには驚きです。現地に到着すると現地コーディネーターの朴さんと五百澤氏が出迎えてくれ、早速2台の車に分乗してホテルへ向かいますが、その前に食事です。みなさん韓国料理=激辛と信じ込んでいたようですが、朴さんチョイスのメニューに美味しいを連発して、明日への英気を養いました。

 

5月29日 2日目 雨 (Big1 ヤイロチョウ)

朝5時に部屋の窓を開けるとカラアカハラ、ツツドリ、コウライウグイス、チョウセンウグイスの鳴き声が響く。天気は霧雨・・・さてヤイロチョウに出会えるかなと期待して6時に集合して車で移動です。現場では雨の中を探しますが見つからない。他に2か所を廻りますが鳴き声すら聞こえない。一旦食事にホテルへ戻り朝食です。驚いたのは朝からステーキ!朴さんもびっくりして写真を撮っていた(笑)。

朝ステーキ
朝ステーキ

 

朝食後は早朝に廻ったうちの1ヶ所、五百澤氏がヤイロチョウの写真を撮った場所に絞り込み待つ事にしました。鳴き声が聞こえ徐々に近づいて来ると時間差で出てはくれるものの、ほとんどは飛翔通過。枝どまりをしても一瞬で飛んでしまい撮影ができない!11時頃から鳴き声がしなくなったのでコウライウグイスを探すが近くで撮影はできなかった。

昼食後も同じ場所で狙うも急に大雨になったり、小雨になったり、止んだりでブルーになるがこの雨が小雨や止んだ瞬間に鳥たちが出てくれるのでそれを撮影する。ヤイロチョウ以外では一番人気はチゴモズ、次はコウライウグイスだった。他にもホトトギス、サンショウクイ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ヤマゲラ、(アカショウビンは声のみ)を見られたのだがチゴモズ以外は遠くてストレスがたまった。17時、暗くなったので切り上げて終了。この日はサムゲタンで胃袋を満たし明日に期待をします。

チゴモズ
サムゲタン

 

5月30日 3日目 雨のち曇り (急遽追加された世界的珍鳥ヒガシシナアジサシ)

朝はいきなり土砂降り・・・沖縄近くでのんびりしている台風2号の影響で私たちのいる韓国南部近くにある梅雨前線が刺激をされているせいだ!あまりにもひどいので早朝は中断して朝食を食べてからのスタートに切り替えました。今日はホテルを移動するので、9時に荷物を車に詰め込み昨日と同じ場所へ。しかし・・・出ない。声もしない。本当は早朝が終わったらコウライバトのポイントへ移動予定だったのですがヤイロチョウに重点を置くためパスしたというのに・・・。10時頃ようやく私たちの前をヤイロチョウが飛翔していった。一瞬だがその姿で気合が入るも11時のタイムアップで終了となってしまった、残念だ。お昼はSAで各自好きなものを食べていただき、ヒガシシナアジサシのいる干潟へ向かいます。あと少しで到着というところで車の前をアカショウビンとブッポウソウが通過。見たのは私だけ・・・みなさんに見せてあげたかった!

 

干潟ではウミネコの中にヒガシシナアジサシがいないかを探すが見当たりません。遠くに採餌するミヤコドリの群れは確認できたけれど本命がいなくては。とりあえず時間までここに降り立ってくれることを祈って待つ事にする。

ミヤコドリ

急にウミネコの群れが飛び始めたのでそれを双眼鏡で覗くと?おや1羽スレンダーな奴がいる。五百澤氏に伝えると「いた!ヒガシシナアジサシ」と叫ぶもあまりにも遠くに行ってしまって、海上ロスト。その後は結局見つけられなかった。ちなみに繁殖している場所はここから30~40キロ離れているという。そんな中、参加者の一人が波打ち際の白いサギの動きがカラシラサギっぽいんだけど。というので撮影するがあまりに遠くてよくわからない。私が干潟を歩いて行き「カラシラサギだったら両腕でまるを作って合図するね」と伝え歩き出すが・・・遠い。ようやく判別できる場所まで来るとやはりカラシラサギだった!すぐに合図をするとみなさん小走りに集まり何とか撮影ができましたが、驚いたのはむき出しなのに近くで撮影ができたこと。もう一つはきれいな夏羽+目先の色が婚姻色だったこと。日本では見られないので私も興奮してしまった。

時間になったのでこの干潟近くにある食堂で晩御飯を食べたのだが海鮮チヂミとサバの干物の旨い事こと!鳥はイマイチだが、食事はピカイチで・・・やばいがグルメツアーの色が濃くなってきている。

特性海鮮チヂミ

5月31日 4日目 晴れ (Big2 ワシミミズク)

朝食後、再び干潟へ向かうも潮が悪い!満ち潮で干潟がどんどん少なくなってきている。見渡すがヒガシシナアジサシは見当たらないが、カラシラサギが2羽で喧嘩をしているので近くで撮ろうと歩き出すと1羽を完全に追い出してしまった。しかし追い出した1羽がこちらに来るかもと待っていると反対側へ行ってしまう。なんとそこには参加者が一人だけ狙っている!きっといいのが撮れたに違いない!10分もするとこちらに向かってきたので離れていた参加者もこちらへ移動。カラシラサギはその倍の速度でどんどん近づいてくる。おかげで順光のきれいな海バックでみなさんしっかり撮影ができてほっとする。しかし本命のヒガシシナアジサシは現れなかった・・・。

カラシラサギ
カラシラサギ飛翔

一旦近くにある別の場所を探しに行くとこちらにもいなかった。昼食は昨晩と同じ食堂で超おいしいカルグクス(海鮮うどん)を食べて移動。その後は高速道路を使いワシミミズクのポイントへ行くと親鳥は不在でしたが、大きくなったヒナが2羽いました。

ワシミミズク巣立ちびな

ここではカササギ、オナガ、ヒヨドリ、ブッポウソウが飛び回りすべてが繁殖をしていそうな雰囲気を出していた。もしかしてワシミミズクの近くで繁殖することでワシミミズクを用心棒にしているのかもしれない。後ろの田んぼで「ココココ」と声がするのでヒクイナかなと思っていたが、五百澤氏が「ヤツガシラがエサをくわえて飛んで行ったから巣があるかも?探してくる!」と行ってしまった。あとでヤツガシラってどんな鳴き声と聞いたら私たちがヒクイナだと思っていたあの声だったらしい。それにしても雲間から太陽が出ると蒸し暑くこれ以上粘ると熱中症になりそうなので北へ向かって移動を開始。ソウル方向で高速道路が帰宅渋滞にはまったこともホテルまでが長かった。

ツバメ
ブッポウソウ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 【2本目】

Report by 戸塚学 / 2023年4月9日~12日

世界遺産になってからの初めての奄美大島ツアー2本目。
1本目と打って変わり天気は基本晴れ。奄美大島とは思えないほど乾燥した空気でさわやかな気候に戸惑いましたが、最終日は雨上がりの蒸し暑い奄美大島本来の空気を感じられたと思います。1本目に続き2本目も予定をしていた種類を2日目でほぼクリア!残念だったのはナイトツアーでアマミノクロウサギ以外は出現率が低く、リュウキュウコノハズクは見られただけ、アマミヤマシギに至っては出現すらないというのは残念な状況でしたが、それも自然相手のことなので仕方がありませんが、他の固有種の鳥たちはがっつりと撮影ができたようでみなさま笑顔でお帰りいただきました。

 

絶景

1日目

空港へ到着するとすでにほとんどのみなさんが到着されていました。全員そろったのでジャンボタクシーに乗り込み現場へ向かいます。まずは森に入る前に注意事項を伝えて、各ポイントを廻りました。とりあえずはアカヒゲから狙いましょうと話して歩きはじめると私の足元から何か「コツコツ」という音が???下の草むらに目を移すと?オオアカゲラが!慌てて、そして静かに離れ参加者のみなさんに手招きして撮影を楽しんでもらいます。かなり愛想のいいメスでしっかりと撮影をすることができました。アカヒゲポイントに行く前に思わぬうれしいハプニングでした。

 

さてアカヒゲポイントへ到着するもさえずりは聞こえて来ません。静かにさえずりが始まるまで待つこと10分、さえずりが始まりました。声のする方へ移動しながらじっと目を凝らしながら待ちます。手前の低木の葉の奥に小さな黒い塊を見つけたので双眼鏡で覗くとアカヒゲのオスです。みなさんを集めて場所の説明をするのですが、だいたい1ヶ所に1人しか見えるすき間が無いので苦労します。あちこち探して、撮影できるすき間を探してなんとか全員確認はできたようでほっとします。あとはさえずった後に移動するので同じように探して撮影をしてもらいました。

 

アカヒゲ

 

次は問題のオオトラツグミです。ポイントに到着した時に「ぼ~っと」周囲を見てください。じっと1点を凝視しても見つかりません。動いたらオオトラツグミですから撮影してくださいと伝えました。何度も出てくれるのですがこれがやはり手強い。それでもとりあえず全員撮れたとのことでほっとします。ルリカケスは目視となんとなく枝被りしつつも撮影はできたようなので明日以降に持ち越しという事で終了しました。

 

オオトラツグミ

 

2日目

5時にホテルを出発して薄暗い森を進み絶景ポイントで朝陽を待ちます。その後はここでお弁当を食べて出発です。まずは人でごった返す前にオオトラツグミを狙います。近くにルリカケスがやって来るのでなんだろうと見ていると木の洞に入った?その後落ち葉をくわえて入った?2羽で入った?どうやら巣を造っているようです。あまりこちらを気にはしていないようなのでこちらも刺激をしないようにオオトラツグミを待ちます。やはり5回ほど出るも近くに来ない。あと1回来たらポイントを移動しましょうと言った後、来た!どんどん近づきこちらの前に!いやぁ~ついてるわ。

 

大満足でアカヒゲポイントへ移動します。こちらも昨日同様アカヒゲが良く出てくれます。昨日の「ちょっとだけよ」ストレスも完全に吹き飛んだようです。そして水場の近くでルリカケスを待ちますがなかなか下に降りてくれません。そのうちチャンスがあるから後回しにしましょうと歩き出すとまたしても私の足元で「コツコツ」黒い頭が上下しています。オーストンオオアカゲラです。今日は昨日よりも長時間移動をしながらしっかりと近くで撮影を楽しめました!残念なのはオスも近くに飛んできたのに撮影ができなかったこと。二兎ならぬ二鳥を追うもの一鳥も得ずを実感してしまった。この日は夜にナイトツアーがあるので12時に終了して夜まで休憩にします。

 

オーストンオオアカゲラ・♀

 

21時30分ホテルのフロントに集合してナイトツアーのジープを待ちます。少し早い時間に到着したので乗り込み出発です。コースの入り口でナイトツアーの注意事項や説明を聞いてジープが走り出すとすぐにヒメハブを発見!

 

ヒメハブ

 

その後は道路が乾燥しているせいかカエルが見つかりません。イシカワガエルに出会えるか少し心配になります。そんな心配をよそに次々とアマミノクロウサギが出てくれますが、あまりじっとしてくれず撮影に苦労します。

 

アマミノクロウサギ・仔ウサギ

 

そしてリュウキュウコノハズクは鳴いてはいますが、なかなか発見できません。ようやく見つけたのですが、小さいし木の枝のこぶにしか見えないので、説明中に飛ばれてしまい・・・それっきり見つけることはできませんでした。期待しているアマミヤマシギも出ません。一番期待のダートコースもクロウサギは出ますがヤマシギはさっぱり・・・痛い。乾燥&気温が低いことが関係しているのか?それともすれ違った一般観光客の2台の車が来たせいかわからなかった。今回のナイトツアーは生き物の少ない結果となってしまった。

 

3日目

昨夜が遅かったのでこの日はゆっくりと9時に出発します。アマミヤマシギ・リュウキュウコノハズクは夜しか期待できないので諦めるとしても他はすでにいい感じに撮れています。ので、今日は自分の「狙いたいものをがっつり狙う」日にします。私は各ポイントを廻りアドバイスしたり、探す手伝いをしつつポイントを移動する作戦です。これのいいところは少人数とはいえ6人でぞろぞろ歩いたり、待ったりするよりもより少人数の方が撮影チャンスが高くなるのです。お昼を挟んで約9時間たっぷり時間を取ったことでしっかりと撮影できたとみなさん満足顔でした!

 

4日目

夜にしっかり降った雨がまだ少し残っているようでしたが、現場手前では止んでしまいました。しかしちょっと気になるのは標高が高いので「霧」が気になります。予想通り標高が上がると車のヘッドライトに霧が反射してほとんど前が見えません。ノロノロ運転で進んでゆくとドライバーさんが「ハブよ!」と車を停めて道路わきを逃げて行くハブを見ることができましたが・・・。ちょっぴり心配になります。ようやく到着です。まずは荷物を降ろして雨がしのげる庇の下で待機しますがキリが濃すぎるし夜明け前で暗い。霧のせいで視界は悪いし、何よりもハブを見ちまったのでうかつに森を歩けません。6時を過ぎるとだいぶ明るくなったのでお弁当を食べます。そして6時30分移動開始です。絶景ポイントは景色も足場周辺も視界があるのでここで1時間待機。ようやく視界が開けてきたので昨日同様各自好きなポイントで撮影をしてもらいます。

 

9時を過ぎると一気に霧がはれてきました。絶景ポイントではルリカケスが群れで飛びまわったり、リュウキュウサンショウクイ、カラスバトも確認できました。

 

ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス
ルリカケス

リュウキュウサンショウクイ

カラスバト

 

残念ながらサシバの渡りはピークを過ぎてしまったようで1羽だけ確認ができました。他にもリュウキュウメジロ・アマミシジュウカラ・アマミヤマガラも出てくれ撮影もできました。森の中では二ホンミツバチの分蜂を一部の参加者と見ることもできました。そしてオオアカゲラはなぜか私が遭遇するのはメスばかり!

 

リュウキュウメジロ

 

時間になったので空港に向かいます。しっかり撮れてハイテンションで明るい車内となるはずが、みなさん疲れて眠りこけたまま空港到着してしまいました(笑)そしてそれぞれ帰路に付かれました。ご参加していただいたみなさまお疲れまでした!

 


撮影できた鳥・生き物
アマミコゲラ・オーストンオオアカゲラ・リュウキュウサンショウクイ・アマミヒヨドリ・アカヒゲ・シロハラ・アトリ・オオトラツグミ・アマミヤマガラ・アマミシジュウカラ・リュウキュウメジロ・ズアカアオバト・ルリカケス・アマミノクロウサギ・ヒメハブ・シリケンイモリ・二ホンミツバチ
見られた鳥・生き物
リュウキュウツミ・リュウキュウキジバト・リュウキュウツバメ・ツバメ・ダイサギ・リュウキュウハシブトガラス・アカハラ・アマミトゲネズミ・クマネズミ(外)

 

声が聞かれた
アオバズク・カラスバト・リュウキュウコノハズク

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奄美大島・固有種を狙う撮影三昧の4日間 【1本目】

Report by 戸塚学 / 2023年4月5日~8日

世界遺産になってからの初めての奄美大島ツアー。2年連続で新型コロナの影響もあり中止になっていたため、ある意味手探りな部分もありました。予定していた場所が現地ガイドと一緒でないと立ち入り禁止等の新ルールに戸惑いましたが、メインにしていた場所にもオオトラツグミが定着してくれたことで2日目にしてすべての撮影予定種を撮影でき、あいにくな天気であったもののナイトツアーもジープを利用することでスムーズな撮影ができました。またマングース・ノネコの駆除が上手く行っているようで過去最高の生き物との遭遇と撮影を楽しめました。

ルリカケス

1日目

天気予報では曇り時々雨がなんとか晴れています。
みなさん飛行機の到着時間の関係で予定時間よりも早く奄美空港に到着していたようで集合時間前に集まられていたので、ジャンボタクシーの到着とともにポイントへ移動します。ここでは今回一番難しく苦労するであろうオオトラツグミがあっけらかんと到着早々に撮影することができました。引き続きアカヒゲポイントへ移動するとこれまたすぐ近く!最短では1.5mのところまで来ることも!!!近すぎても撮影には向かないのでアカヒゲが移動して枝や木の倒木に上がったところをがっつり撮影することができました。早々に手強い2種を撮影できたことで余裕ができるのですが、一番たくさんいて撮りやすいはずのルリカケスがなかなか撮影させてくれません。以前水浴びをする鉄板のポイントも今年は下見時を含めちっとも水浴びをしてくれずちょっと困りますが、まだ時間はたっぷりあるので明日以降に期待だ!

オオトラツグミ

2日目

天気予報よりも少しマシな小雨&曇り。5時出発だったので到着してもまだ暗く明るくなるまで待機をしてある程度視界がとれるようになってからお弁当を食べるが・・・そのボリュームにびっくり!おむすび2つくらいかなと思ったが夕食用と勘違いするボリューム!ただしおいしいから許すしかない(笑)
薄暗い中、森の中を歩いてアマミヤマシギを探します。しかし・・・いません。そうなればオオトラツグミを狙うしかありません。約3時間待って5回ほど出現してくれたので移動します。そしてアカヒゲポイントへ行くとこれまた大サービスで撮影をさせてくれました。

アカヒゲ

さて残るはルリカケス。下見の時によく出ていた場所で待つと終了時間前に出てくれてこれまた大サービスで撮影させてくれます。12時で切り上げなので「名残惜しいですが」と参加者のみなさんを駐車場に促し歩き出すと、ルリカケスが飛び去った森に何かが?飛んで来て木の幹にとまった?オーストンオオアカゲラだ!静かにそれでいて小走りに近づき撮影をします。メスでしたがしっかりと撮影できちょうど飛び去ると12時ジャスト!タクシーに乗り込むと雨が降り出す。みなさんもってるわ!夜はナイトツアーがあるのでお弁当を買ってホテルで時間まで休憩です。

ルリカケス
オーストンオオアカゲラ

21時45分ホテルのロビーにナイトツアーのスタッフがお迎えに来たのでジープに乗って出発です。ポイントは時間予約制なのでゲートインまで準備をします。いざ入るとすぐに水路にヒメハブ!すごい擬態で絶対自分では見つけられない。他にもアマミハナサキガエルが道路上を飛び跳ねます。5分も進むといきなりアマミノクロウサギが出現!その後も結構な出現率ですが子供が多い。初めは数を数えていたがあまりにも出るのでもうやめた!フロントガラスを倒し、幌を外しているのでどのポジションからも撮影できるのがこのツアーの一番のいいところだろう。満月は雲に隠れているが時々明るくなる。そのためか森の奥からオオトラツグミの美声が響き渡ります。寝ている姿を探すも姿は見当たりませんでした。私たちが一番期待するアマミヤマシギは気づくと飛ばれることが多くちょっぴりストレスがたまりだしていたが、出現率が上がれば確もが上がるので撮影がスムーズにできるようになりみなさん余裕が出てきます。

アマミノクロウサギ
アマミヤマシギ

残るはリュウキュウコノハズクですが、とにかく小さく木のちょっとしたこぶに見えるので、説明してもなかなか見つけられず「あそこ、ほらあそこ」と説明をしているとも1羽が飛んで来て求愛給餌した!給餌した個体はすぐに飛び去り、エサをもらった個体も食べ終わると飛び去ったため私も撮影ができなかったがこんなシーンを見られただけでもラッキーだ。その後電線にとまった姿は近くで撮影できた。電線を伝わり歩くアマミケナガネズミも撮影できたし、道路わきを飛び跳ねるアマミトゲネズミも見られたし想像以上の出来だったと思います。ホテルに戻ると1時を過ぎていましたがこれで文句を言う参加者はいないだろう(笑)

リュウキュウコノハズク
アマミケナガネズミ

3日目

昨夜が遅かったので今日はのんびりスタート。みなさんに「朝食バイキング期待してね」と伝えてあったがアイスクリームの位置を教えることを忘れたのが失点だ。9時スタートで出発するも外は雨と霧。風も強く外に出る気になれない。前2日でほぼ予定している鳥の撮影もできているし昨夜の疲れもあるので管理棟の休憩室で13時30分までのんびりしていただき、雨・霧が収まった来たので森に入り撮影をします。17時まででしたが少し寒いし暗いのでジャンボタクシーの到着を待って早々に帰路につきました。

朝の風景

4日目

天気は晴れ!朝食のお弁当は「減らして」とお願いしてあったのでちょうどいいかちょっと多めな感じ。今日は予定していた場所ではないので、ジャンボタクシーは送迎のみ。なので荷物をまとめ置きしておき私は荷物番をしながら待機。みなさんすでに勝手知ったる森の中なので自由に散策と撮影を楽しんでもらいます。荷物を置いた場所の近くがとても見晴らしがいい場所なのでここでルリカケスとサシバが飛翔する姿を狙ってもらいます。
終了時間が近づいてきたのでジャンボタクシーにこちらへ迎えに来てもらおうと駐車場に行くがなかなか来ない。私も着ていた雨具の上下をザックにしまおうとみなさんのもとに戻ると、オオアカゲラのメスが近くで採餌していた!最後の最後まで引き当てるとはさすがです。12時になったので駐車場に行くとジャンボタクシーが待っていました。ドライバーさんに車を回していただきピックアップ。空港へ向かいます。ここでお別れですが、帰宅するのは1名だけであとは全員後泊するとのことで、やはりここまで来たのだからなぁと納得して終了となりました。

サシバ
リュウキュウサンショウクイ

 


撮影できた鳥・生き物
サシバ・アマミヤマシギ・リュウキュウコノハズク・アマミコゲラ・オーストンオオアカゲラ・リュウキュウサンショウクイ・アマミヒヨドリ・アカヒゲ・シロハラ・オオトラツグミ・アマミヤマガラ・アマミシジュウカラ・リュウキュウメジロ・ルリカケス・アマミノクロウサギ・アマミケナガネズミ・ヒメハブ・アマミハナサキガエル

 

見られた鳥・生き物
リュウキュウツミ・リュウキュウキジバト・ズアカアオバト・リュウキュウツバメ・ツバメ・ダイサギ・リュウキュウハシブトガラス・アマミトゲネズミ・クマネズミ(外)・イシカワガエル・シリケンイモリ

 

声が聞かれた
アオバズク・カラスバト

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員