繁殖期のカシミールマーコール

繁殖期に観察したカシミールマーコールのレポートです。前に観察に来たときはオス同士が角を会わせて戦い「順位」を決める時期でしたが、今回訪れた時期ははもう「順位」が決まっていて「アツアツ」のマーコールたちの様子が観察できました。

 

カシミールマーコール Kashmir Markhor

マーコール(Markhor)は、中央アジアから南アジアにかけての山岳地帯に生息する、世界最大級の野生のヤギです。その名前はペルシャ語で「蛇を食べる者」を意味しますが、実際には草食動物です。最大の特徴は、オスに見られる立派な螺旋状の角です。初めてこのマーコールの角を見たときは衝撃を受けました。パキスタンには現在3つの亜種が生息するとされ、このヒンドゥークシュ山脈麓に生息するものはカシミールマーコール Kashmir Markhorと呼ばれ、角のフレア(広がり)が大きく、ゆるやかな螺旋を描くのが特徴です。

 

↓↓繁殖期のカシミールマーコールの動画  Kashmir Markhor in rut 

 

動画をご覧いただくと、オスの舌がでたままになっているのが気になりますよね。

この「出たままの舌」にはいくつかの理由があり、その1つは発情期特有の興奮状態によるもの、そしてもう1つはフレーメン反応の一部と考えられます。

フレーメン反応は、上唇をめくり上げることで「ヤコブソン器官」という特殊な嗅覚器官を露出させ、ニオイ(フェロモン)を取り込む動作。また舌を出すことで、メスの尿などに含まれる化学物質をより直接的に感知したり、口の中の空気の流れを調節してヤコブソン器官へニオイを送り込みやすくしたりすると考えられています。こうやってオスは「このメスが発情しているかチェック」を行っているのです。スゴイです。

 

↓↓カシミールマーコールのフレーメン反応動画(10秒)
Flehmen response in a Markhor / マーコールのフレーメン反応

 

興奮しているオスは、メスを追いかけて川原まで降りてくることも。至近距離でマーコールを観察できるチャンスです
望遠レンズをつけていたら、近すぎて入らなくなりました
ホットなオスとメス
岩場でもオスがメスをおいかけています

余談ですが、今回KOWAのスコープに携帯アダプターをつけて撮影したのですが、これはなかなか。みんなで見ることができお勧めです。パキスタン人が大変羨ましがっていました。

 

なお、パキスタンにいるマーコール3亜種のうち、2亜種(カシミールマーコールとアストールマーコール)の観察には成功しましたが、残る1亜種スレイマンマーコール Suleiman Markhorはハードルが高く、観察に行くことすらできていません。一度この名前で画像を検索してみてください、ビックリする角を持つマーコールです!いつかこの夢がかないますように。

 

Image & Text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2025, Chitral, KPK

 

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ヒゲワシ Lammergeier (クンジュラブ国立公園)

クンジュラブ国立公園のヒゲワシです。英名はBearded Vulture で、そのまんま「髭のあるハゲワシ」。

ヒゲワシ(Gypaetus barbatus)は、ラマガイエ(lammergeier)とも呼ばれ、大型の猛禽類で、この種だけでヒゲワシ Gypaetus属を形成しており、最も近縁のエジプトハゲワシ Egyptian vulture(Neophron percnopterus)、ヤシハゲワシPalm-nut vulture(Gypohierax angolensis)とともに、ハゲワシ亜科の小系統を形成しています。猛禽類の中では珍しく尾が菱形をしています。

 

このヒゲワシ、食べているのは死肉で、主に骨と骨髄です。小さい骨はそのまま飲み込んで強力な胃液で消化します。大きな骨は上空から落として飲み込みやすいサイズにします。

ユキヒョウを探していた時、クンジュラブ峠(4,600m付近)でヒゲワシが骨を落としている光景を見ました。遠いのでわかりにくいかもしれませんが、映像を撮ってみました↓↓↓↓

 

ヒゲワシが骨を落として割る Bone crasher!

 

ヒゲワシは全長115cm、羽を広げると3m近くもある大きな鳥です。時々真上を飛翔してくれるとその大きさに圧倒されます。

 

クンジュラブ川の崖に降りてくるヒゲワシ。

 

クンジュラブ川の河原にアイベックスの死骸を見つけてそばの岩にとまっていたヒゲワシ。羽を傷める危険があるため狭い河原には入っていけず、もどかしい思いでこのアイベックスの死骸を見ていたことでしょう。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :Spring 2022, Khunjerab National Park

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モルホン村のワシミミズク Eurasian eagle-owl at Morkhun village

モルホン村のフセインさんの家を訪問。そこで出会ったのが、ワシミミズク Eagle owl。自然と野生動物を大切にするフセインさんとアブルさん、傷ついて動けなくなっているフクロウがいると村人から聞き、保護したのがこの個体です。

 

ワシミミズク Eagle owl, Eurasian eagle-owlと呼ばれるこの大きなフクロウはユーラシア大陸に広く分布するフクロウで、日中は森や岩場で休み、夜間に狩りなどをする夜行性のフクロウです。

標高3,000m近いこの地域に生息するワシミミズクは、亜種 Himalayan eagle-owl 、Bubo bubo hemachalanus でブータンからインド北部、パキスタン北部まで広がるヒマラヤ山脈の高地に生息しています。

 

ワヒ族の民家で。子供とワシミミズクとの微妙な距離。

 

餌は鶏肉をもらっていました。

 

ワシミミズク、保護してくれているアブルさんには懐いているようにさえ見えました。でも、今日はリリースする日です。

 

庭に出てワシミミズクを離します。まっすぐ飛んで、茂みの近くに降り中へ入ってきました。

 

ワシミミズクの暮らすモルホン村の山の斜面はポプラが色づいています。

 

自由になったワシミミズク。元気にもとの縄張りに戻っていきますように。

 

その後は、ブハリ(ストーブ)を囲んでのランチです。ちょうどじゃがいもの収穫の季節。たっぷりのフライドポテトと乳製品から作られるワヒ族の伝統料理、チャウメン(焼きそば)にサラダ。とれたてのジャガイモで作ったフライドポテトに手が止まりません。

 

そして食後はチャイ(ミルクティー)。パキスタン北部では、お砂糖ではなくヒマラヤ岩塩をそのまま入れてかきまぜ、塩味のミルクティー「ナムキンチャイ」を飲みます。

 

はるかパンジャブ地方から運ばれてくる岩塩。「ピンクソルト」や「ヒマラヤ岩塩」の名で市場に出ている岩塩です。

ワシミミズクを見送り、ナムキンチャイでくつろいだモルホン村のひと時でした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Oct 2021, Morkhun village, Gilgit-Baltistan

Special Thanks to Hussain Ali and Abul Khan

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秋の上部フンザ、夕方のモルホン村とガラパン村

10月の半ば、家畜たちが夏の長期の放牧を終え村に戻ってきます。その後は毎日、村のヤギ・羊たちが集められて放牧へ出かけます。上部フンザのガラパン村で、夕方のヤギ・羊の到着を待ちました。

 

この時期の上部フンザはポプラが最も美しい季節です。周囲を高峰に囲まれている谷に位置するため、陽に輝くポプラの黄葉が見られる時間は限られます。

 

山の斜面をヤギ・羊が放牧を終えて下ってきました!

 

↓↓ モルホン村とガラパン村で、一日の放牧を終えて家畜が村へ向かう様子の動画です。ポプラがきれいで、ドローン空撮も含めました!

 

Morkhon & Ghalapan in Autumn|秋の上部フンザの村にて

 

村人たちがヤギ・羊たちが下ってくるのを待ちます。

 

自分の家畜を素早く見つけます。中にはドライアプリコットを持ってきて、自分の羊に与えながら誘導している村人も。

 

自分の家畜がすぐわかるんですね!

 

群れから離すために抱っこされている羊。

 

それぞれの家畜小屋へと戻っていくヤギ・羊たち。15分ほどの出来事でしたが、北部パキスタンの素敵な村の時間でした。

 

Image : Mariko SAWADA

Visit : Oct 2021, Ghalapan village, Upper Hunza, Gilgit-Baltistan

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