パキスタン鉄道 Pakistan Railways お勧め区間はペシャワールからアトック!インダス川の鉄橋を渡る

パキスタンの鉄道は歴史と昔ながらの雰囲気を楽しむことができる鉄道のひとつ。各駅はイギリス植民地時代からの建物とそのシステムを踏襲し、今も大切に使われています。これまでペシャワールからイスラマバード、イスラマバードからカラチまでの区間を乗車した経験がありますが、一番好きなペシャワールからアトックまでの区間をご紹介します。

 

蒸気機関車が展示されているラワルピンディの鉄道駅

↓↓↓パキスタン鉄道・ペシャワールからラワルピンディ!

 

 

パキスタン鉄道はパキスタン国営の鉄道運営会社で、イギリス植民地(イギリス領インド帝国)時代の1861年に北西部州鉄道として設立されました。最初に作られた区間は港町カラチからコトリ(ハイデラバード)の160Km区間でした。

パキスタン鉄道の本社はラホールにあります。どうしてラホール?と思われるかもしれませんが、イギリス領インド帝国時代のラホールは大変重要な町で、鉄道網もここから西へペシャワール、東へアムリトサル(1862年に開通した最も古い路線のひとつ)、南のムルタン、カラチへのジャンクションでした。

 

ラホール駅の構内

さて、鉄道乗車の話です。

朝11時発の列車に乗るべく、30分前にペシャワール・カントンメント駅へ行きチケットを購入。ペシャワール・カントンメント駅は1898年に作られ、ペシャワールからカラチへの路線だけでなく、アフガニスタン国境・カイバル鉄道の起点にもなっていました(現在は廃線)。3つのプラットホーム、7つのトラックがある駅です。

 

ペシャワール・カントンメント駅、プラットホームへの入り口
ペシャワール駅にも蒸気機関車の展示があります。パキスタンで現在稼働できる蒸気機関車は2台でラホールに保管されています。

インドの鉄道と違って混んでいないのがパキスタン鉄道の利点。最近はバスの発達で鉄道を使う人が減ったのですが、逆に混んでいないので観光客はゆったりと乗車・撮影を楽しむことができます。

出発の時、夏休みを一緒に過ごした親せきを見送りに来た子供が泣いていました。祖父母に慰められながら子供が涙で見送る光景に、ほろっともらい泣きです。

 

ペシャワール・カントンメント駅のプラットホーム
涙で親族を見送る少年
出発時間です、ゆっくりと電車が動き始めました。線路には羊の群れが。

出発して数分でハシュナガリの市場を通過します。かつては線路にバザールの屋台がならび、1日3回通過する列車にあわせて「屋台撤収」と「店開き」がある大変おもしろい場所でした。事故をきっかけに線路上での屋台が禁止になりましたが、それでも線路ギリギリの場所まで店が迫っています。

 

線路に店が迫る、ハシュナガリの市場
ハシュナガリの踏切
ハシュナガリで列車の通過を待つ

その後、ペシャワールの史跡バラヒッサールを通過します。630年、「玄奘三蔵」が通過したときの記録にその存在が記録されているという説もある古い要塞です。ムガール帝国時代には「グランド・トランクロード」の要衝の要塞であり、1747年にはアフガニスタンの王朝がペシャワールを征服し、この要塞が「冬の首都」として使われました。その後、シク教徒対アフガンの戦争、イギリス領インド帝国時代に利用され、現在はパキスタン軍が利用しています。

 

ペシャワールの町を出た列車は、村や畑の中を走り時々駅に停車します。車内では外国人と記念撮影したい子供たちがやってきたり、改札の車掌さんが来たりとどんどん時間がたっていきます。

 

外国人観光客に話しかけに来る子供たち
切符の確認に来る車掌さん
ペシャワールからアトックの親戚の家まで遊びに行く子供たち

インダス川とカブール川が合流する地点付近はいくつもの古い小さなトンネルを通ります。そして間もなく、インダス川の鉄橋を通ります。

 

イギリス植民時代の古いトンネル(運転席より撮影)

インダス川は全長3180Kmにもなる大河で、そのうち中国内が2%、インド内が5%、93%がパキスタン内を流れ、まさに国を南北縦断する生命線の川です。

 

アトック:カブール川とインダス川の合流地点。奥の水色の川がインダス川で、手前の濁った川がカブール川
1883年に完成した、インダスにかかるアトック橋

アトック・フォートはアトック・フルドに位置する歴史的に重要な要塞。インダス川沿いの岸辺に堂々とそびえ立ち、歴史上のさまざまな帝国と紛争の証として存在しています。ムガール帝国の皇帝アクバルの命により、1581年から1583年にかけて建設されました。王の道「グランド・トランクロード」上に位置し、インダス川の戦略的な通行路を保護した要塞です。1キロメートル以上に及ぶ城壁・堡塁(ほうるい)は、この時代の特徴を色濃く残しています。独立後はパキスタン軍の管理下で牢獄があり、1999年にはナワズシャリフが、2023年にはイムランハーンが収容され、重要な政治犯を収容する場所として知られています。

 

アトック・フォート

全長425mのアトック橋はパキスタンのインダス川に架かる、歴史的にも重要な象徴的な橋で、パンジャブ州とKPK州を結んでいます。1979年に建設された新しい道路橋と区別するために、「旧アトック橋」と呼ばれることがあります。1883年5月24日に正式に開通、その後40年以上の使用を経て再設計され、1929年再建されました。橋は独自の二重構造設計を採用しており、上層部は現在も鉄道がとおっていますが下層部は道路用に計画されたものの使われていません(歩いて渡ることができます)。

 

アトック橋の西の端、いよいよインダスを渡ります(運転席より撮影)
インダス川にかかるアトック橋を行く(運転席より撮影)
アトック橋の下の自動車道は使われてませんが、歩いて渡ることができます。

橋を渡った場所にあるアトック・ホルドの鉄道駅は通過してしまいますが、この駅は内装も植民時代の風情を残している小さな可愛らしい駅です。時間があったら是非立ち寄ってみてください。

 

アトック・ホルド駅
アトック・ホルド駅の駅長室

そしてそこから間もなくで鉄道はアトック駅に到着です。

 

アトック駅で家族を見送る人々

ペシャワールからアトックまでの区間をご紹介しましたが、ラワルピンディ駅、ラホール駅、バハワルプール駅など各地の駅も魅力的です。一般車両にはエアコンなどないため、気温の涼しい時期の鉄道の旅がお勧めです。

 

Image & Text: Mariko SAWADA

 

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インダス印章に描かれた生き物、モヘンジョダロ

インダス印章 、このデザインを好きな方はきいと多いことでしょう。私たちの会社Indus Caravan(西遊旅行パキスタン店)のロゴも、このインダス印象を参考にして作ったのです。

インダス印章は、インダス文明の時代に作られた印章で、正方形で凍石(ソープストーン、 Steatite)製のものが多く、片面2~5センチ、メインモチーフに一角獣や牛などの生き物とインダス文字が刻まれています。

 

代表的なモチーフはこのコブ牛。「インダス牛」とよく呼んでいますが、神々しく描かれています。

この印章を押した封泥の跡も見つかってることから、この用途は「はんこ」であったようです。メソポタミア、アラビア半島の遺跡から出土した印章からこのインダス印章のモチーフや文字が見つかりました。このことはインダス文明の都市とメソポタミア、湾岸の都市との間の交易を示し、考古学ファンのロマンをかきたてました。

さて、私は動物が大好きです。モヘンジョダロ博物館の展示品から見つけた「インダス印章に現れた生き物たち」を集めてみました。

 

実在しない生き物も描かれます。一角獣(ユニコーン)は人気のモチーフだったようです。一角獣の前にあるのは香炉でしょうか。

 

印章にはインダス文字が2~5個描かれることが多く、この文字は解読されていない謎の文字です。

 

これは一角獣、牛、ガゼルまたはアイベックスと思われる動物の頭を持つ生き物。ドキドキしますね!

 

この鎧に覆われた体、サイです。パキスタンには現在サイはいませんが(絶滅)、大昔は生息してたそうです。

インド亜大陸全体でもサイ(インドサイ Indian rhinoceros)が生息しているのはインド北東部のカジランガ国立公園とネパール・タライ平原のチトワン国立公園くらいです。隣国のブータン、バングラディシュからも絶滅してしまいました。

 

インドサイの印章。

 

ゾウの印象です。アジアゾウ Asian Elephant はパキスタンでは絶滅してしまいましたが、昔は西アジアまで分布していたそうです。

 

これは、きっとトラですね。ベンガルトラ Bengal Tiger は現在のパキスタンにはいませんが、かつてはインダス渓谷に沿って生息していたそうです。

 

これも、きっとトラですね。

 

印章以外に、土器に描かれてるアイベックスも見つけました。立派な角のシンドアイベックス思われます。

モヘンジョダロ博物館、このインダス印章のコーナーは本当に素敵です ♪

 

Photo & text : Mariko SAWADA

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モヘンジョダロ Mohenjodaro (2)

2022年の夏に起こった洪水被害の後のモヘンジョダロ遺跡。その最盛期は紀元前2500年~1800年の間で最大4万人の人が暮らしたと想像される都市遺跡ですが、何らかの理由で衰退しました。インダスの流れが変わった、異民族の侵入など、いろんな説がありますが、2022年の洪水でもこの都市は被害を受けました。

 

Photography by Yuka Fujimot, Oct 2022

洪水被害を受けた場所の復旧作業が行われていました。

 

修復用の煉瓦を運ぶロバ車。紀元前2000年前のインダス文明の都市では既に規格化された焼煉瓦が使用されていました。インダス文明の都市ではメソポタミア文明や黄河文明と比べて速い時代に焼き煉瓦が導入されていました。現在もモヘンジョダロ周辺の農村で焼き煉瓦を作っている作業を見かけます。インダス文明時代と同じ焼き煉瓦造りが続いています。

 

レンガで作られた分厚い壁の家屋と家屋の間の通り(DKエリア)。

 

市街地だったとされるDKエリアには「貴族の家」だったと想像される建物があります。この煙突のように見えるのは「井戸」で家の2階から水を汲むことができたと言います。

 

城塞区と呼ばれるSDエリアの下水システム。

 

この下水にはカバーもしてあったそうです。

 

モヘンジョダロを代表するSDエリアの光景です。「沐浴地」と考えらるプール、そこからの排水システム。都市遺跡の上にガンダーラ時代の仏塔が載っている、非常にゴージャスな、ロマンたっぷりの光景です。

 

この沐浴地のプールの壁を防水加工していたというビチューメン(歴青)。モヘンジョダロ博物館に展示されてます。

 

さて、最近のマイブームは夕陽のモヘンジョダロ。

 

夕陽の都市遺跡。今年は水害の影響で、遺跡の向こうに、水浸しの畑が光って見えました。

 

Photo & text : Mariko Sawada

Visit : Nov 2022, Mohenjodaro, Sindh

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(動画)パキスタン鉄道、ペシャワールからラワルピンディへ!

パキスタン鉄道のペシャワールからラワルピンディの風景をまとめた動画です。

 

以前に「インダス川越え」鉄橋のハイライトのみのブログをあげましたが、今回はペシャワールの町から道中のトンネル、風景を含めラワルピンディという都市に到着するまでをまとめた2分43秒の動画です。

パキスタンの鉄道は大英帝国の植民地インド帝国時代に植民地経営の一環として建設され、アフガニスタンとの国境トルハムからカラチまで7,791キロに及ぶ線路が敷かれました。独立後から今日まで、植民地時代の建築物・運行システムを保持しており、とてもレトロで古き良き時代の鉄道の旅を味わえる「パキスタン鉄道」です。

 

パキスタン鉄道・ペシャワールからラワルピンディ Railway journey, Peshawal to Rawal Pindi

 

Videography : Mariko SAWADA

Ride : Feb 2020, Pakistan railway between Peshawar(Khyber Pakhtunkhwa) to Rohri (Sindh)

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パキスタン鉄道でインダス川を渡る!

パキスタン鉄道・インダス川を渡る Pakitan Railway Crossing the Indus, Attock

 

パキスタンの鉄道はインドと比べると発達はしていませんが、逆に言うとイギリスが植民地時代に作った鉄道のシステム、駅の建物などがよく残されています。

 

特にアトック付近では、この鉄道がインダス川を渡るのです!

イギリス領インド帝国時代の鉄橋、駅だけでなく、車窓からはムガール帝国時代の要塞アトック城も望む、ヘリテージ・トリップです!

 

Video & text : Mariko SAWADA

(Video is from a trip in  Feb 2020)

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ペシャワール博物館 Peshawar Museum

ガンダーラに関する収蔵品では断トツのペシャワール博物館。展示品のほとんどがガンダーラ美術に関するもので仏伝図のパネルや装飾の数々を見ていると時間がたりなくなる博物館です。

 

他の博物館と同じく、イギリス領インド帝国時代にさかのぼる博物館で1907年にヴィクトリア女王を記念する「ヴィクトリアホール」として建てられました。

 

ペシャワール博物館のメインホールです。このメインホールと入り口から入って左側のギャラリーにガンダーラの作品が展示されています。

 

スワートを中心とする遺跡から出土した、僧院やストゥーパの基壇や壁を飾ったであろう彫刻を施した片岩のパネルが展示されています。仏陀の前世の物語(ジャータカ物語)と仏陀の一生です。あまりにもたくさんの展示があり、同じシーンでも作風が異なるのでぜひ、博物館でゆっくりご覧になってください。

 

「誕生」のパネルです。中心にいるのがマーヤー夫人で右手を挙げて木につかまり、その右わき腹から太子が上半身を出しています。インドラ神がそれを受け止め、その後ろでブラフマン神が祝福しています。

 

「仏陀の一生」のパネルは白い象が夢に現れる托胎霊夢から始まり、出家、苦行、降魔成道、梵天勧請、初転法輪、舎衛城の奇跡、入滅、そして火葬と八舎利分配まで続きます。

 

仏陀の前世の物語(ジャータカ物語)の中でもガンダーラで大変人気があったのが燃燈仏授記(ディーパンカラ本生)です。

 

”燃燈仏が町にやってくると聞いた敬虔な青年メーガ(前世の釈尊)は、敬意を表そうとして散華(花をまき散らして仏に供養すること)のために花を買おうとしますが、国王が花を買い占めていたので買うことができません。そこに通りかかった乙女から蓮華の花を5本買いました。燃燈仏が現れたのでメーガは花を投げかけたところ、その花は地上に落ちず、仏の頭の上にとまりました。その奇跡に打たれたメーガはぬかるみで仏の御足が汚れないように自分の長い髪を投げ出します。燃燈仏はメーガを祝福し「お前は未来に悟りを開いて仏陀になるであろう」と予言しました。”

 

パネル下左寄りに髪の毛を投げ出す青年、メーガの姿があります。

 

そしてこの博物館の重要な展示物のひとつが「仏陀苦行像、断食する菩薩像(Fasting Siddhartha)」です。ラホールのものに比べると失われた部分が多いのですが、浮き上がる血管や助骨は大変リアリスティックです。

 

太子樹下観耕像(初めての瞑想)。

 

太子が木の下で畑仕事を見ていると、鍬で掘り返した土から虫がでてきて、それを小鳥が食べて、その鳥を大きな鷲が食べてしまいます。命のはかなさを感じ、後に出家・成道に至るきっかけとなった出来事です。

台座には春初めての観耕式の図が彫刻されています。見えにくいですが台座の右側には2頭立てで畑を耕す牛が描かれています。

 

そしてペシャワール博物館と言えば、シャージ・キ・デリー出土のカニシカ王の舎利容器。

 

クシャン朝時代のガンダーラの冬の都はプルシャプラ、現在のペシャワールです。ここで唯一発見された遺跡がシャージ・キ・デリーで、カニシカ大塔として知られています。この遺跡から舎利容器が見つかり、カロシュティ文字で「カニシカ王の元年にカニシカ寺に奉献された」と記されており、伝説のストゥーパが実在したことを裏付ける発見となった舎利容器です。

 

で、これはホンモノか?ネット情報に載っている写真とはかけ離れるものなので、レプリカですね。

 

ペシャワール博物館は2階建てです。2階はカイバル・パクトゥンクワ州 Khyber Pakhtunkhwa の民族の展示です。特にカラーシャ族の木像ガンダウ(死んだ男性の記憶、どんな貢献、功績があったかを偲ぶために作られる像)は立派なものはカラーシャの谷でも見られなくなっていますので貴重な収蔵品です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

(Photos are from a trip in Feb2020)

Location : Peshawar Museum, Peshawar, Khyber Pakhtunkhwa

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(ドローン動画)タキシラのシルカップ都市遺跡

タキシラの都市遺跡シルカップの空撮です。
方格設計( Grid plan)という、道を碁盤の目状に配置した都市プランで、空撮によりその全貌を見ることができました!

 

シルカップ遺跡についてはこちら

 

空撮 タキシラ・シルカップ Drone footage Sirkap, Taxila

 

 

Video & text : Mariko SAWADA

(Video is from a trip in Feb 2020)

Location : Sirkap, Taxila, Punjab

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(ドローン動画)ダルマラージカ仏塔、タキシラ

ドローン撮影も含む、ダルマラージカー・ストゥーパの動画です。

紀元前3世紀、マウリヤ朝のアショーカ王がガンダーラ地方で作ったストゥーパ(仏塔)が2基のうちのひとつ。空から見ると円形基壇の巨大ストゥーパとそれを囲む祠堂の様子がよくわかります。

 

>ダルマラージカの遺跡についてはこちら

 

空撮 タキシラ・ダルマラージカ仏塔 Drone footage Dharmarajika Stupa, Taxila

Video & text : Mariko SAWADA

(Video is from a trip in Feb 2020)

Location : Dharmarajika, Taxila, Punjab

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ラホール博物館 Lahore Museum

始まりは1865年という歴史を持つラホール博物館。1894年に現在の位置で開館し、その建物自体の建築も展示方法も間違いなくパキスタン一の博物館です。

 

この博物館が建築されたのはイギリス領インド帝国時代。ヴィクトリア朝のゴシック・リヴァイヴァル建築とインドの伝統的建築の要素を持つ「インド・サラセン様式」の建物で、ラホール出身の建築家ガンガ・ラムによる作品です。

「インド・サラセン様式」の体表的な建物と言えばインドのムンバイにあるチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧ヴィクトリア駅)がありますが、パキスタン国内の古い町でも同様の建物をみることができます。

 

イギリス領インド帝国時代の1875 – 1893年には「ジャングルブック」で知られる作家ラドヤード・キップリングの父がラホール博物館の館長を務め、その後のキップリングの作品「少年キム」には当時のラホールが描かれています。

 

ラホール博物館のエントランスです。スワート渓谷の木彫ドアの展示から始まります。

この博物館はパキスタンの歴史ごとにギャラリーが設けられ、インダス文明(閉鎖中のこともあります)、ガンダーラ美術、ムガル帝国時代、英国領インド時代など多岐にわたる展示があるのが特徴です。

 

この博物館が、いやパキスタンが世界に誇る名宝がこれ、「菩薩苦行像」「 断食するシッダールタ像」「Fasting Siddhartha」。シクリ(カイバル・パクトゥンクワ州)の伽藍跡から出土した2~3世紀ごろの作品です。

 

”シッダールタは出家後、各地を遍歴して道を求めたが、最後には山林にこもって6年間の苦行を行った。彼の身はやせ衰えてしまったが、どうしても悟りを開くことができなかった”(引用:「ガンダーラの美神と仏たち」樋口隆康著)

 

落ち窪んだ眼、血管や助骨まですけて見える体。厳しい修行をやりぬいた神々しいまでの精神力を表現し、この苦行像はガンダーラ美術の神髄とも言われています。

「仏陀苦行像」はラホール博物館以外ではペシャワール博物館にも展示があります。

 

「仏陀苦行像」のそばに展示されている、同じシクリの遺跡から出土した石造のストゥーパ。

 

これはハーリーティー、鬼子母神の彫像です。これもシクリ出土のもの。

 

人の子をさらう人食い鬼だったハーリーティー。釈迦により子供を奪われて苦しむ親の気持ちを知り、我が子も他人の子も愛すようになり「子供の守護神」となりました。また、ハーリーティーは500人とも1,000人とも言う多産だったため「安産の守護神」ともされ、「多産」のシンボルでもある柘榴(ざくろ)の花を髪につけています。

 

このハーリーティー、ギリシャの女神のようですよね、ギリシャの運命の女神テュケーなのです。ギリシャの神々がガンダーラの仏教美術に現れた東西文明の融合を見る作品です。

 

そしてこちらはインドギャラリー。ツアーで訪問すると、ガンダーラギャラリーでほぼ時間を使い(忙しい時は「仏陀苦行像」を中心)、他のギャラリーはあまりゆっくり見る時間がないのですが、ムガル帝国時代のミニアチュール等、みどころいっぱいの博物館です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

(Photos are from a trip in Oct 2019 – Feb 2020)

Location : Lahore Museum, Lahore, Punjab

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タキシラ博物館 Taxila Museum

タキシラ一帯の遺跡からの出土品が展示されているのがタキシラ博物館 Taxila Museum。パキスタンがイギリス領インド帝国の時代に建てられ、1928年に開館した大変古い博物館です。

 

館内には遺跡から運ばれてきた化粧漆喰(ストゥッコ)によるガンダーラ仏、奉献ストゥーパの台座、かつてはストゥーパの基壇を飾っていたであろう片岩に彫刻された仏伝図などが展示されています。

 

これはモーラモラドゥにある奉献ストゥーパのレプリカです。この7層の傘蓋を持つ小型ストゥーパ、実物は遺跡の僧院区の僧房に残されています。

 

これはインドのサンチー仏塔の頂部にあるものと非常に似ています。四角い「平頭」があり、その上に「傘蓋」。その周りを木柵を石に置き換えた「欄楯」が囲んでいます。

 

展示品のストゥーパの一部には装飾を飾った石が見られます。

 

奉献ストゥーパの台座です。仏陀像、各パネルの間にはギリシャ様式の柱、そして台座を支えるアトラス神の姿が。

 

東西文化の融合を象徴する展示品もたくさんあります。これは花綱模様。波状に展開する花綱を若い青年がかかえているモティーフで、ギリシャ・ローマを起源としますがガンダーラでも大いに流行りました。

 

花綱の上がったところをキューピッドが背負い、下がった所には葡萄の房やリボンが装飾されています。

 

そしてこれは仏陀像のわきに立つ、明らかに異国の人。ジョウリアン遺跡を飾っていた見事なストゥッコ像で、解説には「おそらく奉献者とその妻」と。帽子の形からサカ族でしょうか。

 

そしてもっと異国情緒あふれるこのボデイ、ガンダーラに現れたギリシャの愛の女神アフロディーテーです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

(Photos are from a trip in Feb2020)

Location :  Taxila Museum, Taxila, Punjab

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参考図書:パキスタンのガンダーラ遺跡と博物館を訪問する方にお勧めの一冊!「ガンダーラ美術の見方」監修:奈良康明監修、著:山田樹人著、写真:高倉一太(里文出版)、「ガンダーラの美神と仏たち、その源流と本質」著:樋口隆康(NHKブックス)

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