タキシラ博物館 Taxila Museum

タキシラ一帯の遺跡からの出土品が展示されているのがタキシラ博物館 Taxila Museum。パキスタンがイギリス領インド帝国の時代に建てられ、1928年に開館した大変古い博物館です。

 

館内には遺跡から運ばれてきた化粧漆喰(ストゥッコ)によるガンダーラ仏、奉献ストゥーパの台座、かつてはストゥーパの基壇を飾っていたであろう片岩に彫刻された仏伝図などが展示されています。

 

これはモーラモラドゥにある奉献ストゥーパのレプリカです。この7層の傘蓋を持つ小型ストゥーパ、実物は遺跡の僧院区の僧房に残されています。

 

これはインドのサンチー仏塔の頂部にあるものと非常に似ています。四角い「平頭」があり、その上に「傘蓋」。その周りを木柵を石に置き換えた「欄楯」が囲んでいます。

 

展示品のストゥーパの一部には装飾を飾った石が見られます。

 

奉献ストゥーパの台座です。仏陀像、各パネルの間にはギリシャ様式の柱、そして台座を支えるアトラス神の姿が。

 

東西文化の融合を象徴する展示品もたくさんあります。これは花綱模様。波状に展開する花綱を若い青年がかかえているモティーフで、ギリシャ・ローマを起源としますがガンダーラでも大いに流行りました。

 

花綱の上がったところをキューピッドが背負い、下がった所には葡萄の房やリボンが装飾されています。

 

そしてこれは仏陀像のわきに立つ、明らかに異国の人。ジョウリアン遺跡を飾っていた見事なストゥッコ像で、解説には「おそらく奉献者とその妻」と。帽子の形からサカ族でしょうか。

 

そしてもっと異国情緒あふれるこのボデイ、ガンダーラに現れたギリシャの愛の女神アフロディーテーです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

(Photos are from a trip in Feb2020)

Location :  Taxila Museum, Taxila, Punjab

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参考図書:パキスタンのガンダーラ遺跡と博物館を訪問する方にお勧めの一冊!「ガンダーラ美術の見方」監修:奈良康明監修、著:山田樹人著、写真:高倉一太(里文出版)、「ガンダーラの美神と仏たち、その源流と本質」著:樋口隆康(NHKブックス)