ガヒラート・ゴレーン保護区のマーコール

マーコールの観察で訪れた、チトラルの町から南東にあるガヒラート・ゴレーン保護区 Gahirat (Gehret) Goleen Conservancy。

チトラル付近のマーコールを観察できる保護区・国立公園に比べると谷が狭く、切り立った岩山が印象的な、風光明媚な谷です。トゥーシ・シャシャ保護区と同様、周辺の村の共同体による管理下にあり、年に1頭のトロフィー・ハンティングが認められている保護区です。

 

チトラル川に沿った幹線道路からそれて保護区に入ると、なかなかの悪路。途中、大理石の山を通り、小川を渡っていきます。

 

昨晩の雪が岩肌に残っています。

 

ガヒラート・ゴレン保護区は1998年に設立された95,000ヘクタールの共同体の保護区です。峻険な岩山に囲まれ、限られた斜面にはセイヨウヒイラギ Quercus ilex、ヒマラヤスギ Cidrus deodara、チルゴザマツ Pinus gerardiana が見られます。

 

岩山を背景に、マーコールのメスが現れました。あー、もしこれが角の大きなオスだったら良かったのに・・・と思ってしまう、絵になる景色。

 

メスを求めてオスが現れました。この時期に見られるマーコールのオスは、繁殖可能なメスを探し続けています。

このガヒラート・ゴレーン保護区のマーコールの群れのサイズは、トゥーシ・シャシャ保護区の群れが25~57頭に対し、10~21頭と小さく、この険しい環境によるものではないかとのことでした。

 

若いオスが角を合わせる練習をしています。どの群れでも、オスがメスを追いかけるホットな光景が見られる面白い季節です。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Gahirat (Gehrait) Goleen Conservancy, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife department, WWF Pakistan, TOMO Akiyama