イスラマバードからスカルドゥへの国内線フライトレポート

イスラマバードからスカルドゥへの国内線は晴れれば素晴らしい山岳風景を望むことで知られています。特に世界第9峰ナンガパルバット(8,126m)は、そのピークを目の前に望むことができることがあるのです(往路は右側(F)、復路は左側(A)の座席)。

 

>PK451便から見たナンガパルバット展望フライトの動画(この動画は記事を書いた時のフライトのものではありません)

 

 

一般的にはナンガパルバット側をお勧めしていますが、反対側の景色もなかなかのものです。

 

先日搭乗したPK451便の座席A側(ナンガパルバット側でない方)と座席F側(ナンガパルバット側)のレポートです。

同じ路線を飛ぶエアーブルーも同様の景色が見られますが、パキスタン航空もエアーブルーも、その時の天候・キャプテンの指示により、ナンガパルバットとの距離やルートなど、景色は毎回異なります。予めご理解の上、記事をお読みください。

 

<イスラマバード10時出発予定のフライトの実際のタイミングをレポートしています>

10:10イスラマバード空港を離陸
10:12旋回して進路を北へ
10:14 (A側)イスラマバード空港上空を通過

 

(A側)イスラマバード空港上空を通過

10:19-20 (A側)左手にタルベラダム、インダス川が見えます。夏季はインダスの川の色が氷河の溶けた水で濁っています。

 

(A側)左手にタルベラダム

10:20( A側)ヒンドゥークシュ最高峰ティリチミール(7,708m)が見え始めます。ヒンドゥークシュ高峰群の連なりの一番西にある高い山なのでわかりやすいです。その後しばらくティリチミールが見え続けます。アフガニスタン側のヒンドゥークシュ最高峰ノシャック(7,492m)はちょうどティリチミールの後ろ側にあたり見えないようです。

 

( A側)ヒンドゥークシュ最高峰ティリチミール(7,708m)

10:36( F側)ナンガパルバットの頂上8,126mが目の前です。ナンガパルバット自体はもう少し前から見えています。この日はナンガパルバットのピークに近い航路を飛びました。

 

(F側)ナンガパルバットの頂上8,126mが近づいてきました

10:37 (F側)ナンガパルバットのピークが本当に目の前。

 

(F側)ナンガパルバットの頂上8,126mが目の前
ナンガパルバットのピークが携帯でもバッチリ撮れる距離です♪

10:38 (A側)フンザの谷、ラカポシ(7,788m)が少し遠くに見えます。

 

(A側)ラカポシ(7,788m)

10:43 (A側) カラコルムの峻険な山々、ビアフォ氷河沿いのバインターブロックBaintha Brakk(7,285m)、オグレOgreⅡ、ラトック山群 (Latok Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)と思われる山が見えます。

 

(A側) カラコルムの峻険な山々

10:44 (A側)世界第2の高峰 K2(8,611m)とブロードピーク(8,051m)が見え始めます

このころには降下に関する機内アナウンスが入ります。飛行機が高度を下げると、手前の山でK2などの高峰群が見えなくなっていくので大変あせります。

 

(A側)世界第2の高峰 K2(8,611m)とブロードピーク(8,051m)

10:45 (A側) K2とブロードピーク、半分ぐらいしか見えなくなりました
10:46 (A側)降下開始。手前の山はシガール渓谷の山々、B12ピークの姿。
10:46 (A側)スカルドゥ渓谷が目の前に広がりました。F側はサトパラ湖が見えるはずです。
10:47( A側)インダス河畔の砂漠に作られたスカルドゥの空港の滑走路が見えました。

 

インダス河畔のスカルドゥ空港

10:50 スカルドゥの谷を旋回して最終着陸体制に。
10:52 ランディング。機体をおり、ターミナルへのバスに乗る前、ほとんどの観光客が記念撮影をする、山に囲まれたスカルドゥ空港。

 

スカルドゥ空港に到着

以前はイスラマバードから1日1便しかなかったスカルドゥへの路線は、夏季シーズンはラホール、カラチからも飛び国内線だけで1日6便以上飛ぶ日もあります。さらにドバイからの国際線も始まりスカルドゥは観光地・山岳リゾートとして急成長をしています。そして晴れた日のこのフライトも間違いなく「観光ハイライト」のひとつです。

 

よく「ナンガパルバット側」と「K2側」とどちらがいいかと聞かれますが、誰にでも見える(わかる)のは「ナンガパルバット側」です。A側の席から見える山は予習していないとわかりにくいのですが、パキスタンのトレッキング・登山のリピーターの方にとってはA側の景色は、フライト中ずっと山を探して楽しむことができるしょう。

 

そしてもうひとつよく質問があるのが、パキスタン航空とエアーブルーとどちらの方がスムーズに運行していますか?というもの。正直こればかりは本当に運です。

 

Image & Text: Mariko SAWADA

Flight Date: 27 April 2025

※記事は実際の搭乗時の時間と撮影した写真を利用しています。この路線のフライトは出発時間も様々で、天候・その時のルートにより山の見え方など異なります。予めご理解ください。

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春のスカルドゥへ

国内線でスカルドゥに到着すると、その風景に驚き、ほぼすべての観光客が写真を撮ります。航空機はインダス川の河畔の雪をいだいた高峰群に囲まれた砂漠の空港に着陸します。

 

標高2,230mの砂漠にあるスカルドゥの空港。昨年「国際空港」に昇格しました。最近はスカルドゥ線の運航率が良くなり、夏にはイスラマバードだけでなくカラチやラホールからも飛ぶようになりました。が、フライトキャンセルの場合カラチからは陸路ではこれません。外国人観光客はやはりイスラマバードからの便を選ぶのが安全です。

イスラマバード~スカルドゥフライトの映像、ナンガパルバットが目の前に!

 

空港から20分ほどでスカルドゥの町に到着です。バルティ族が暮らし、スカルドゥはバルティ語で2つの高い場所の間にある土地を意味します。かつてはチベットの一部であり、カシミールへの交易の中心地もありました。後にイスラム化し、1947年の印パ分離独立の後、帰属をめぐって3回の戦争を経てパキスタンに。

 

到着した3月23日はパキスタンデー Pakistan Dayでした。1940年3月22日、全インドムスリム連盟の大会でジンナーがパキスタンの建国提案し、翌23日に建国を満場一致で決議した日です。独立記念日と同じく、重要なパキスタンの記念日。

学校でイベントがあったのでしょう、子供たちが国旗を手にして道を歩いています。

 

スカルドゥのバザールです。豆、穀物を売る商店。

 

スカルドゥの郊外にあるコワルド村 Kowardo village から買い出しに来ていた村人。顔つきが少しチベットっぽいですね、フンザ地方やパンジャブ地方とは異なります。

バルティの男性は強いことで知られ、夏にはK2ベースキャンプのトレッキングや登山で活躍しています。

 

バザールにはパンジャーブ地方の「ソルトレンジ  塩の山脈」で採掘されているピンクソルトの岩塩もありました。家畜になめさせたり、小さなブロックは「ナムキンチャイ(塩味のチャイ)」を飲むときに利用されます。

ソルトレンジ-ヒマラヤ岩塩ついて

 

スカルドゥの野菜市場、パンジャブ地方からの野菜や果物も届きます。

 

この日、スカルドゥの杏はほぼ満開を迎えていました。

 

スカルドゥ渓谷のフサイナバード村  Hussain Abad village から見たインダス川。この時期のインダス川は氷河のとけた水が混じらず、きれいな青色をしています。

インダス川はインドのラダックから流れてきます。延長3,180Kmの大河インダスは、その93%はパキスタン内を流れています。北部山岳地帯を出てからパキスタンを縦断するようにアラビア海へと注ぎます。

 

スカルドゥからギルギットへ向かう道から振り返ったスカルドゥ渓谷。幅10Km、長さ40Kmもあるこの大きな渓谷は、320万年前から完新世の間にインダス川とシガール川の氷河が広げたものだといいます。

 

カラコルムハイウェイとスカルドゥを結ぶ、「スカルドゥロード Skardu Road」へ入る前に最後の景色を撮影。スカルドゥの谷は、春は杏の花に、夏は緑に、秋は黄金のポプラに包まれる、大変美しい場所なのです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Skardu, Gilgiti-Baltistan

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