秘境・シルクロード・ブータン・アフリカ・登山 秘境ツアーのパイオニア「西遊旅行」

  • Loading
  • よくある質問
お問い合わせ・パンフレット請求
ホーム > 西遊新聞 > ツアーレポート
西遊旅行のスタッフが、世界の「今」をお伝えします。>> ブログ一覧はこちら
「西域浪漫飛行」中近東&中央アジア担当スタッフブログ
「サラーム・パキスタン」
「行って・見て・感じチャイナ」中国担当スタッフブログ
「西遊山組」山担当スタッフブログ
「AVENTURA -アベントゥーラ」南米担当スタッフブログ
「ナマステインディア大作戦」
「エベレスト終着駅ナマステーションへようこそ」
「THIS IS BHUTAN」ブータン担当スタッフブログ
「African Dream」アフリカ担当スタッフブログ
「秘境の話をしよう」キャラバンデスク スタッフブログ

毎日がアニマル!世界の野生動物日記

ワイルドライフ Wild Life ~世界の野生動物日記~

元添乗員の映画監督による映画紹介

旅と映画

動物スペシャリスト・秋山知伸

ワイルドライフ Wild Life ~世界の野生動物日記~

世界のワイルドフラワー観察日記

世界の花だより ワイルドフラワー観察日記
ツアーレポート
野生動物との共生を目指して
インドの自然保護と‘プロジェクト・タイガー’

西遊旅行 写真:澤田 真理子
ベンガルタイガーはインドに生息し、時にはインドトラとも呼ばれ、アジア大陸に分布するネコ科最大の動物です。20世紀以降、数が減少し続けている現状を打開すべく取り組まれているプロジェクト・タイガーについてご紹介します。
水辺に集うベンガルタイガー
水辺に集うベンガルタイガー

アジア文化における力の象徴

トラは古来より、アジアの文化の中で力や威厳の象徴として親しまれてきました。日本では生息していないのにも関わらず、屏風や絵画、建築のモチーフや飾りとして好まれたことを見てもわかります。特にインドでは、古くから伝統行事や伝承に欠かせない存在として扱われてきました。18世紀頃、各王国のマハラジャ(藩王)は、スポーツの一環として虎狩りを楽しみ、植民地時代には、その毛皮や剥製はヨーロッパ各国への土産物として人気を博しました。

トラの減少と「プロジェクト・タイガー」

トラの人気とともに、野性のトラはその数をどんどん減らしていきました。その対策として1970年代、当時の首相であったインディラ・ガンディーによって立ち上げられた保護政策が「プロジェクト・タイガー」です。「私は、マハラジャから寄贈されたトラ皮の大きな敷物を見る度に悲しくなります。このトラは、ほんの少し前まで森に君臨していた。彼は森の中で猛々しい吼え声を上げているべきであり、決して敷物になるはずではありませんでした。トラは、生きているからこそ美しい」。

インディラ・ガンディーの声を受けて、「トラを殺すと罰金。トラに殺されると同額の見舞金」という人間とトラを同等に扱う法律ができました。法律では更に保護区内の草食動物の狩猟、森林伐採、小石や枯葉の持ち出しをも固く禁止しました。その結果、インド内のベンガルタイガーは1973年の1,827頭から1989年には4,334頭までに増えました。

自然と人間の共存を目指して

しかし、1980年代に増えたトラの頭数も、今世紀に入り一時期に比べ減少しています。インド環境森林大臣は、2008年12月時点で国内のベンガルトラの推定個体数が1,411頭に減少してしまったという衝撃的な事実を発表しました。

その減少の背景には、1990年代から再び盛んになった密猟、森林伐採や土地開発などがあります。密猟の理由のひとつに、トラの保護に重点を置きすぎたためその他の野生動物とのバランスが崩れ、その野生動物が人間の耕作地を荒らし、その結果住民がトラ狩りを行い、現金収入を得るという悪循環に陥る保護区が出てきたことがあげられています。

トラは、年間300頭が密猟されていると言われています。これは1日に約1頭のペースです。この発表を受け、インド政府は、「プロジェクト・タイガー」の実施に対し、5年間で計60億ルピー(約145億円)の予算を割り当てました。森を広げるためには、人間もその土地を離れなくてはいけません。この資金はトラの保護だけでなく、プロジェクトによって保護区内から退去させられる人々の支援にも充てられます。また、同プロジェクトでは緩衝地帯(バッファー・ゾーン)における地域密着型のエコツーリズムの促進も支援しています。

トラを守るためには、自然と人間が共存していく必要があります。特に、沙羅双樹の木が美しく茂るマディヤプラデーシュ州のカーナ国立公園では、森の面積を広げ、動物がより住みやすい環境に、と整備されている一方、住民の移住地には水道や電気、学校や病院などの設備を整え、自然と人間両方の利益を尊重しています。また、保護区のレンジャーは、各トラのテリトリーや癖を勉強し、私たち観光客がより自然に近い野性の姿のトラと出会えるよう日々訓練しています。

トラが歩き、寝転び、獲物を狙う猛々しい様子、まどろむ姿を一度ご覧になれば、なぜ人間がトラに憧れたのかがわかります。トラが雄々しく誇り高い風格をまとい、黄金に輝く体で歩く姿は、他に類を見ないほど美しく輝いています。

トラ柄模様は個体ごとに異なり、擬態効果がある
トラ柄模様は個体ごとに異なり、擬態効果がある(同じ柄を持つトラは一頭もいない)

シカ科最大の「バラシンハ」が目の前を悠々と
シカ科最大の「バラシンハ」が
目の前を悠々と横切って行く

アクスジカのこども
アクスジカのこども

インディアンローラー
インディアンローラー

ガウルの親子
ガウルの親子


関連ツアー
インドサファリ・ベンガルタイガーを求めて

野生のトラ(ベンガルタイガー)が生息するインド中央部・デカン高原の森へ。トラとの遭遇率の高いカーナ国立公園、バンダウガル国立公園に連泊しながら存分にサファリを楽しむ。

>>南アジア方面ツアー一覧