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スリランカみどころガイド

森林保護区と国立公園

Forest reserve & National park

スリランカの国土は北海道の80%ほどですが、モンスーンの影響を受けるため、島の北・中央・南部で大きく植生が異なり、さまざまな野鳥や動物たちと出会うことができる島です。国内には多くの森林保護区や国立公園が点在し、野生動物や野鳥がのびのびと暮らしている様子を目にすることができます。特に、野鳥は400種以上が生息していて、そのうち30種以上が固有種。世界中の野鳥ファンが多く訪れる国でもあります。森林公園でのハイキング、バードウォッチング、ジープサファリなど、さまざまなシチュエーションで野生動物とふれあうチャンスがあります。

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シンハラジャ森林保護区 / Sinharaja Forest Reserve

スリランカ南部にある、熱帯雨林のジャングル。「シンハ=獅子」、「ラジャ=王」を意味し、スリランカの固有種・シンハラジャの固有種の野鳥が数多く生息する森林保護区です。熱帯雨林のトレイルを歩いて野鳥を探し、森の植生を観察しながらハイキングを楽しむことができます。スリランカでは34種の固有種の野鳥(2019年現在)が確認されていますが、その多くを一度に観察できるのが、このシンハラジャの森。公園内の60%の植物(139種)は固有種で、スリランカ固有種の哺乳類・蝶類のうちの50%以上がここに生息しています。88.64平方kmと小規模ながら、樹木、野鳥、哺乳類、両生類、爬虫類などの固有種が多いことでも有名です。平均35~40mの高さの樹木が鬱蒼と生い茂り、211種確認されている樹木のうち、139種は固有種です。哺乳類は7種、魚類7種、両生類8種など、ジャングルで暮らす動植物の半数以上がスリランカの固有種。スリランカを代表する固有種セイロンサンジャク、2004年に新種として紹介されたセレンディブコノハズク(仮称)、シンハラジャの森のみで観察されるセイロンバンケンなどに出会うことができます。また、1978年にユネスコの生物圏保護区となり、1988年に世界自然遺産にも登録された希少な固有種の宝庫です。

シンハラジャのみで見られるセイロンバンケン
固有種セイロンサンクジャク
鬱蒼とした熱帯雨林に貴重な生物が暮らす
固有種セイロンミドリワカケインコ

ホートンプレインズ国立公園 / Horton Plains National Park

ヌワラエリヤから約30km、スリランカの中央高地(標高1800~2300m)に位置する丘陵地で唯一の国立公園です。マハウェリ、ケラニ、ワラウェの3つの川が流れる多湿なエリアで、公園の西側の丘にはスリランカ最大の雲霧林が広がります。緑豊かな高原地帯に珍しい固有の植物が多く確認されており、2010年にナックルズ森林保護区、ピークウィルダネス保護区と合わせて世界自然遺産に登録されました。特に「ワールズエンド」とよばれる落差1,000mの崖上からの景色はとても有名で、1年を通して多くの人々が訪れます。公園内の雲霧林では、スリランカ固有種のカオムラサキラングール(Purple-faced Langur)や、ダーウィンの進化論にも登場したセイロンサイヅノトカゲ、スリランカオオトカゲ、スリランカサンバー(水鹿)、ロリス、スリランカ固有種を含む野鳥など多くの動植物を観察することができます。

高さ1,000mの絶壁「ワールズエンド」より
固有種 ススイロヒタキ
固有種 カオムラサキラングール
大滝ベイカーズ・フォール
固有種 コモン・レオパード

ウィルパットゥ国立公園 / Wilpattu National Park

ウィルパットゥ国立公園は、敷地面積1316平方kmを誇るスリランカ最大の国立公園。「ウィル」は「自然の水」を意味し、園内には雨水を湛えたくぼ地や池、湖が60ヶ所近く点在します。また、レオパードの棲息数が多いことで知られていますが、正確な数は把握されていません。ナマケグマやスイギュウ、サンバーなど31種の哺乳類が棲息しています。スリランカの西海岸に接しており、海辺の野鳥も観察されます。ウィルパットゥ国立公園のある地域は、1983年から2009年まで続いたスリランカ内戦の影響を受け、長年訪れる人が少ないエリアでした。そのため周辺のホテルの設備、地元のサファリガイド・ドライバーの訓練などが必要な地域ですが、一大サファリ観光地となったヤーラ国立公園に比べて、ゆっくり、静かな森でサファリができる場所でもあります。ウィルパットゥ国立公園内にはスリランカの「建国神話」の伝説に関わる遺跡があり、およそ2500年前のヤクシャ族の女王、クヴェニの王宮といわれています。

水辺にやってきた象
ジャッカル
インドトキコウ

ヤーラ国立公園 / Yala National Park

コロンボ首都圏から約300km、スリランカ南東部のインド洋海岸沿いに位置する国立公園。ヤーラ国立公園は、モンスーンがもたらす淡水と海洋性の湿地からなる豊かな自然体系を作り出しています。1900年に野生動物保護区として設立され、その後1938年にスリランカ最大の国立公園であるウィルパットゥ国立公園とともに、スリランカ初の国立公園のひとつとして認定されました。総面積は979平方km、スリランカ国内で二番目に大きな国立公園です。公園内は5つのブロックに分かれており、一般的に訪問するのはブロック1(ルフナ国立公園)。世界一のレオパードの密集地ともいわれており、公園全体での生息数は把握されていませんが、観光客の訪れるブロック1では、2014年の調査で59頭が確認され、2017年はじめには9頭の子供の誕生が確認されています。インドの国立公園のトラのように、名前を付けてテリトリーを確認するといった研究は行われていませんが、サファリのナチュラリストは大体のテリトリーを把握しています。レオパードの他にも、野鳥が215 種(うち6 種は固有種)、哺乳類は44 種の棲息が確認されています。

エレファント・ロックを望むブタワ・タンク
レオパード
ワカケホンセイインコ

ブンダラ国立公園 / Bundala National Park

スリランカ南端に位置するブンダラ国立公園は、スリランカ初のラムサール条約登録湿地。有刺低木林、砂丘、ラグーンで構成されています。スリランカに行き渡るほとんどの野鳥はブンダラ国立公園に来るといわれており、観察できる野鳥の種類も豊富です。特に、たくさんの野鳥がブンダラ国立公園を訪れる冬季は、バードウォッチングのベストシーズン。公園内では、たくさんの渡り鳥やスリランカ固有種を含む野鳥を目にすることができます。

豊かな湿地に集まる野鳥
スイギュウ

ウダ・ワラウェ国立公園 / Uda Walawe National Park

スリランカ南部に位置するウダ・ワラウェ国立公園。「ウダ・ワラウェ」とはワラウェ村の上部という意味で、1972年に国立公園として指定されました。訪問の拠点になる町は、エンビリピティヤ(Embilipitiya)。公園内には貯水池があり、水鳥やたくさんのセイロンゾウ、野生のスイギュウが暮らすことで知られています。まるでアフリカのサバンナを思わせるような草原を歩くセイロンゾウ、アジアスイギュウの姿は大変美しいものです。ここには「象の孤児院」が設置され、親とはぐれてしまったり、怪我をしたり、助けが必要となった小象が一定の期間保護されて育てられています。また、同時に地元の人々にゾウの生態について理解してもらい、人間とゾウが共存できる社会の実現に向けて取り組んでいる施設でもあります。この施設は、ピンナウェラの孤児院と違い「Transit Home」(野生に戻るまでの通過の施設) とされており、野生へ戻すことが目的です。5~9月にかけては、園内の川沿いでゾウの群れを見ることができ、ヒョウも生息しています。

赤ちゃん象にミルクをあげる様子
オオコノハズク

ミンネリヤ国立公園 / Minneriya National Park

スリランカ中央部、世界遺産シギリヤやポロンナルワなどの遺跡近くにあるミンネリヤ国立公園。この地域は1938年に野生動物保護区となり、1997年に国立公園に指定されました。公園内には、3世紀にマハセン王によって造られた巨大なミンネリヤ貯水池があり、現在では自然の湖のような様相で豊かな草地をつくりだしています。豊かな水源をもつこの場所では多様な生態系が保たれ、特に水鳥などの野鳥が多く飛来します。公園中央部にある湖付近は湿地ですが、公園自体の敷地面積は8,885haと広いためドライゾーンもあります。ドライゾーンには常緑樹林や草原があり、水辺の野鳥だけでなく多くの種類の野鳥が暮らしています。
また、ミンネリヤ国立公園は野生のゾウが見られることでも有名。6月~9月、スリランカ中央部が乾季を迎え各地が乾燥しはじめるころ、スリランカゾウたちが、南東のワスガムワ国立公園から水場を求めてミンネリヤへとやってきます。これは「エレファント・ギャザリング」とよばれ、150~300頭、多いときにはそれ以上のゾウの姿を見ることができます。

セイロンゾウの親子
コウハシショウビン
ウオクイワシ
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