秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

添乗員ツアーレポート  中国・極東ロシア

茶馬古道をゆく 大理・麗江からシャングリラへ

  • 中国

2025.08.04 update

「もうひとつのシルクロード」茶馬古道

 

中国・雲南省にある「もうひとつのシルクロード」茶馬古道を訪ねて。交易の宿場町が点在し、かつて隊商が歩んだいにしえのルートを、大理から麗江、シャングリラへと辿ります。

Day1~2 東京 → 昆明 →大理

昼過ぎのフライトで東京を出発、夜に昆明へ到着。市内で一泊します。翌朝、2020年にできた中国高速鉄道で大理へと向かいます。列車は揺れも少なく快適でした。

大理駅から大型バスに乗車し、喜州(きしゅう)へ。喜州には、かつて茶馬古道の交易で巨万の富を得た白(ペー)族の商人たちが建てた屋敷跡が点在しています。

白族の屋敷跡が残る喜州

白族の屋敷跡が残る喜州

次に向かったのは、藍染めで知られる周城(しゅうじょう)。この地域では、藍の絞り染めが受け継がれており、訪れた藍染工房では、日本の沖縄本島でも栽培されている「リュウキュウアイ」を原料に藍染をしていました。

絞り染めの作業をする白族の女性たち

絞り染めの作業をする白族の女性たち

その後、大理古城へ。南詔国時代の799年に築かれ、大理国の都として発展。現在も6kmの城壁と復興路を中心に歴史ある街並みが残ります。大理古城隣接のホテルにて2連泊します。

大理古城

大理古城

Day3 大理(諾鄧村)

本日は大理郊外の諾鄧村(だくとうそん)を訪問します。諾鄧村は、南詔国時代(7〜10世紀初頭)の文献にも登場する、歴史ある山間の村です。村の外れには、かつてミャンマー方面へと続いた茶馬古道が通り、今でも馬やロバが交通・運搬手段として使われています。塩の生産を支えた塩井戸跡や、古民家を見学しながら、石段の道を散策しました。
その後、大理古城へ戻ります。

諾鄧村の山門

諾鄧村の山門

諾鄧村で作られているハム

諾鄧村で作られているハム

Day4 大理 → 沙渓古鎮 → 麗江

大理を離れ麗江へ。一路「茶馬古道」を北上します。途中、茶馬古道の古い建築群が現存している沙渓古鎮(さけいこちん)に立ち寄ります。かつてはチベットの漢方薬や馬・毛皮と、雲南のお茶や塩が取引される重要な交易拠点でした。今も古い建物群が当時の姿を伝えています。

沙渓古鎮の広場

沙渓古鎮の広場

昼食後、いざ麗江へ!
麗江は標高約2,400mの高原都市で、納西(ナシ)族を中心に多民族が共に暮らす街。古くから茶馬古道の要衝として栄え、交易と文化の交流地として発展してきました。
麗江古城の旧市街を散策。石畳の小道を歩きながら、街の風情をゆっくり味わいます。プーアール茶の試飲も楽しみました。

麗江古城の旧市街を散策

麗江古城の旧市街を散策

プーアール茶の試飲

プーアール茶の試飲

メインストリートから外れた四方街には、トンパ文字で書かれた壁や石橋などがありました。トンパ文字は、現在も使われている世界で唯一の象形文字で、文字数は、1400以上あると言われています。

世界で唯一の象形文字「トンパ文字」

世界で唯一の象形文字「トンパ文字」

黒龍潭公園から望む玉龍雪山

黒龍潭公園から望む玉龍雪山

Day5 麗江→ 宝山石頭城

本日は宝山石頭城(ほうざんせきとうじょう)を訪ねます。途中、束河古鎮(そっかこちん)に立ち寄りました。麗江の旧市街と同年の1997年に世界遺産に登録された村です。メインストリートにはおしゃれなカフェやお土産やさんが並び賑わっていますが、一本横道にそれると、細い裏道や小さな畑などがあり、素朴な風景に出会えます。

束河古鎮の細い路地

束河古鎮の細い路地

その後バスに乗り、どんどん高度を上げ、山岳地帯のくねくね道を走っていくと、段崖絶壁の岩上に築かれた要塞村、宝山石頭城に到着!村では今も昔ながらの生活を営む人々の様子を窺うことができ、まるで別の時代に迷い込んだような気持ちになります。馬に1泊2日の荷物を預けて、慎重に石の階段を上り下りし、民宿に到着しました。

岩山の斜面に沿って広がる宝山石頭城の要塞村

岩山の斜面に沿って広がる宝山石頭城の要塞村

昔ながらの生活を営む納西族の人々とすれ違う

昔ながらの生活を営む納西族の人々とすれ違う

昔ながらの生活を営む納西族の人々とすれ違う

昔ながらの生活を営む納西族の人々とすれ違う

Day6 宝山石塔城 → シャングリラ

宝山石塔城の上流、虎跳峡(こちょうきょう)へ向かいます。玉龍雪山(5,596m)と哈巴雪山(5,395m)に挟まれた谷を、長江上流の金沙江が削り出して生まれた谷。「虎跳峡」の名前は、昔、虎がこの峡谷をひと跳びで飛び越えたという伝説に由来しています。果たして本当に虎が飛び越えられたのか……そう信じたくなるほどの自然の迫力がありました。

虎跳峡

虎跳峡

再び標高を上げて、一路シャングリラへ!
体を高山に慣らしていただくために、早めにホテル到着しゆっくりと体を休めます。

Day7 シャングリラ → 松賛林寺・独克宗古城 → 昆明

旅もいよいよ終盤です。朝食後、雲南省最大のチベット寺院・松賛林寺へ。松賛林寺は、ラサのポタラ宮を模しているため、「小ポタラ」とも呼ばれています。正面入り口から約200段の階段をゆっくりと深呼吸しながら登ります。メインの3つのお堂をお参りしました。

雲南省最大のチベット寺院・松賛林寺

雲南省最大のチベット寺院・松賛林寺

お香の準備をする僧侶たち

お香の準備をする僧侶たち

お寺の周囲の旧市街を散策、チベット族のお宅を訪問し、バター茶やチベタンブレッド、ヤクのヨーグルト、ツァンパ(こがし麦の粉とバター茶を混ぜてこねたもの)など、チベットの食を体験しました。

チベットの食を体験

チベットの食を体験

その後、シャングリラの独克宗古城(どくこくそうこじょう)へ。古城という名前ですが2014年に火災で焼けてしまい、数年前に再建されたばかりの新しいエリアとなっています。
最後にシャングリラ博物館を訪問後、シャングリラ駅へ。高速鉄道にて昆明へと戻ります。

独克宗古城を散策

独克宗古城を散策

Day8 昆明 → 東京

昆明から早朝の便で東京へ戻ります。

もう一つのシルクロード「茶馬古道」をたどり、伝統的な暮らしや文化、美しい景観にふれました。とくに、この地に暮らす人々のたくましい姿には心を打たれました。悠久の歴史を抱く中国の魅力をまたひとつ知ることができました。

キーワード
PAGE TOP