ツアーのポイント

ポイント沖縄本島を一周するジオツアー第5弾

本州に比べて小さな沖縄本島ですが、小さいゆえもあり、ジオ多様性が際立っています。本島北部は本州からの地質帯(四万十帯・秩父帯)ともつながっており、大陸寄りほど古い地層・岩石が分布するという共通点があります。沖縄本島では北部と南部で大きく地形が異なり、南部には琉球石灰岩など沖縄でしか見られない地層・岩石が分布しています。そんな沖縄本島を地球科学の専門家や、専門ガイドとともに一周し、沖縄本島の成り立ちを紐解くジオツアーです。

ポイント城(グスク)をブラタモリ出演の専門家・尾方隆幸さんより地球科学の観点から解説

歴史的な観点から見ることの多い城(グスク)を、ブラタモリにも出演された琉球大学准教授・尾方隆幸さんのご案内のもと、地球科学の観点から見学します。

ポイント地形と人々の関わりにも迫る

水の豊富な場所は地質構造や地形に関係しており、沖縄の水の多い場所では畑が広がり、泡盛作りなども盛んです。また地形を生かした城(グスク)の築城や集落形成などの土地利用にもよく現れています。こうした地形と人との関わりにも迫っていきます。

首里城の守礼門
琉球石灰岩に囲まれた集落

PROFILE 同行ガイド 尾方 隆幸さんからのメッセージ

沖縄には毎年たくさんのツーリストが訪れますが、そのジオ多様性(地球科学の観点からみた多様性)に注目してくださる方は、残念ながらごくわずかです。世界文化遺産エリアや首里城公園の歴史、世界自然遺産エリアや海洋博公園の生物、さらに戦跡めぐりやマリンアクティビティなど、お馴染みのコンテンツとはちょっと違った旅を提案できればと思っています。私たちのツアーで、皆さんによく知られた沖縄も実はジオ多様性に支えられている・・・ということに気づいていただけることを期待しています。

尾方 隆幸(おがた たかゆき)
琉球大学准教授、地球科学者。筑波大学大学院博士課程修了。博士(理学)。地形の分布や堆積物の構造を調査・解析し、地球表層の自然環境を理解する地形学が専門。NHK「ブラタモリ」の沖縄編・奄美編や、NHK「グレートネイチャー」の南西諸島編などに出演。毎年数回は海外に出かけ、アジアやヨーロッパの各地でフィールドワークを行っている。

COLUMN 琉球列島と沖縄本島の成り立ち

琉球列島の骨格は、かつて大陸の辺縁部にあったことがわかっています。新生代古第三紀が終わる約2300万年前まで、大陸東側の海溝に海洋プレートが沈み込む時に、海溝に溜まっていた泥や砂が海洋プレートで運ばれた遠洋性の堆積物と一緒に大陸側に押しつけられて付加体ができ、やがて隆起して大陸の一部となりました。その後、大陸から引き裂かれて島弧ができはじめ、大陸との間に現れた沖縄トラフが拡大して、現在の琉球列島の原型が形成されました。さらに第四紀氷河時代に入ると、氷期と間氷期の気候変動による海面低下と上昇が繰り返され、島を取り巻く環境が刻々と変わりながら、現在の地形になりました。
沖縄本島の地形は、北部と南部とに大きく2つに分かれます。北部は主に付加体からなり、本州でも見られる石灰岩やチャートを含む秩父帯と、泥岩主体の四万十帯が、仏像構造線で切られています。四万十帯では、特に約4000万年に推積した砂泥互層が褶曲を受けた嘉陽層の露頭が有名です。南部は500万年ほど前からの新しい地層・岩石からなり、泥が主体の島尻層群が土台になって、その上に部分的に石灰岩が主体の琉球層群が堆積しています。この北部と南部の違いを考えることも、琉球列島のでき方を紐解く鍵となっています。

辺戸岬
本部の円錐カルスト

COLUMN 沖縄で見られる様々な地層・岩石や地形

■嘉陽層の褶曲

名護市天仁屋周辺の海岸には嘉陽層が露出しています。嘉陽層は、約4000万年前に海溝付近の深海に堆積したタービダイトと呼ばれる砂岩と泥岩からなる地層がプレートの沈み込みの際に付加体となり、その後陸化したものです。ここでは様々な地質構造が見られ、プレートの沈み込みによって圧力を受けたため、特に褶曲の構造が発達しています。ここの地質構造を観察することで、沖縄本島のみならず、日本列島を含む付加体でできた島弧の成り立ちを考えることができるため、極めて重要な露頭です。

■大石林山

大石林山は「やんばる国立公園」内の特別地区内にあるカルスト地形です。約2億5千万年前の生物が石灰岩となり、それが付加体として陸化し、さらに物理的・化学的な風化と侵食を受けて現在の地形になりました。ここでは特にピナクル(石灰岩が溶食されて鋭く尖った岩塔)が特徴的で、中国・雲南省の世界自然遺産「石林」のミニチュア的な地形が見られます。ツアーではガイドの案内のもと、カルスト地形の成り立ちや生息・生育する動植物の観察などを通し、やんばるの大自然を深く知ることができます。

■知念層の露頭

沖縄本島中南部には知念層と呼ばれる地層が分布し、本島南部に分布する泥岩主体の島尻層群と石灰岩主体の琉球層群の間に挟まれています。島尻層群の時代は大陸から運ばれた泥が厚く堆積していきましたが、その後の琉球層群の時代は、沖縄トラフの拡大によって泥が来なくなり、サンゴ礁の広がる海に変わりました。この間に海洋の環境が大きく変化したことがわかりますが、知念層はその間に堆積した地層であるため、環境変化をより詳細に紐解く鍵として注目されています。その露頭を観察し、当時の環境の変化に思いを馳せます。

嘉陽層の褶曲
大石林山

出発日と料金

2024年 
出発日~帰着日
日数 旅行代金 催行状況
02月11日(日) ~
02月15日(木)藤本悠花(東京本社)同行
5日間 218,000円
03月02日(土) ~
03月06日(水)
5日間 218,000円
発着地 現地発着(那覇空港集合・解散) 最少催行人員 6名(11名様限定)・添乗員同行
一人部屋追加代金 25,000円
  • 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
  • 当ツアーは出発前の最終旅行説明会を開催いたしません。ご質問等はお気軽に担当までお問い合わせください。
  • 現地集合解散となります。現地までの交通機関はご自身でお手配ください。
    [東京・大阪からの参考フライト](航空券手配をご希望の方はご相談ください。)
    ■東京方面
    【往路】JAL905 羽田8:05-那覇11:00
    【復路】ANA472 那覇16:40 - 羽田19:10

    ■大阪方面
    【往路】JAL2081 伊丹8:05-那覇11:05
    【復路】ANA 770 那覇17:00-伊丹18:55

ツアー日程表

           
地名 時刻 スケジュール
1 那覇空港
那覇市
糸満市
南城市
那覇市
11:30集合



18:00着
11:30 那覇空港集合。専用バスにて沖縄県立博物館・美術館へ。琉球列島の形成過程や地質について、学芸員から解説を受けます。その後、ガンガラーの谷にて、サンゴ礁由来の石灰岩地帯に広がる亜熱帯の森や、古代人の痕跡が残る洞窟等をガイドと共に見学します。途中、沖縄本島の最南端の喜屋武岬で海岸段丘を見学します。
那覇市泊|食事:朝× 昼× 夜○
2 那覇市
うるま市
今帰仁村
本部町
08:00発


17:30着
終日、ブラタモリにご出演の琉球大学准教授・尾方隆幸さんにご案内いただき、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を巡ります。琉球石灰岩の石垣が特徴的な首里城公園を訪れた後、泥岩(新第三系の島尻層群)と石灰岩(第四系の琉球層群)との境界に立ち、うまく地形を利用している勝連城跡へ。その後、今帰仁城跡を見学し、各城(グスク)を地球科学的な観点からご案内いただきます。
本部町:マハイナウェルネスリゾートオキナワ泊
食事:朝○ 昼× 夜○
3 本部町
名護市
国頭村
08:30発

17:00着
終日、専門ガイドのご案内のもと北部の地形を観察します。朝、専用バスにて海洋博公園へ。県指定の天然記念物大石原のアンモナイト化石等周辺を散策します。その後、亜熱帯から熱帯の高温多湿な気候条件の地域で見られる、国内唯一の本部の円錐カルスト地形を見学。その後、約4000万年前に海底で形成された砂泥互層・嘉陽層の褶曲を見学し、生痕化石も探します。
国頭村:アダ・ガーデンホテル沖縄泊
食事:朝○ 昼× 夜○
4 国頭村
北中城村
08:00発
18:00着
国頭村の海岸にて福徳岡ノ場から漂着した軽石を見学します。その後、沖縄本島最北端・辺戸岬にて、隣接する時代の異なる石灰岩を見ながら岬周辺の地形の成り立ちを学びます。さらに古生代に海中で形成された石灰岩が、地殻変動によって地表に現れてできた大石林山をガイドと共に散策します。途中、沖縄石の文化博物館にて沖縄の石文化について見学します。
北中城村:くらしの発酵ライフスタイルリゾート泊
食事:朝○ 昼× 夜○
5 北中城村
うるま市
中城村
豊見城市
那覇空港
08:00発



15:30着
朝、専門ガイドとともに、伊計島へ。島尻層群と琉球層群の間に挟まれ、堆積環境の変化をひも解く鍵とされる知念層の露頭を見学します。その後、中城村にて泊地区の琉球石灰岩に囲まれた昔ながらの集落や、中城村護佐丸歴史資料図書館に使用されている外壁や館内に残された昔の石壁を見学し、石灰岩と人々の暮らしとの関係について説明を受けます。瀬長島ウミカジテラス源泉足湯にて、沖縄で数少ない地下1000mの島尻層群から採取した茶色く濁り塩分を含む温泉をお楽しみください。その後、那覇空港へ。着後、解散。
食事:朝○ 昼× 夜×
  • 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
  • 食事回数:朝4/昼0/夜4

ご案内とご注意

気候・服装 2月、3月は最高気温が20℃前後と合服で過ごせますが、朝晩は冷え込みますので、重ね着ができるように上着をお持ちください。
利用予定ホテル

日程及び下記のホテルリストをご覧ください。
■那覇市:東横イン那覇旭橋駅前、東横イン那覇国際通り美栄橋駅

食事について 昼食は含まれておりません。現地の食堂などで召し上がっていただきます。実費をお支払いください。また日程によっては、事前にコンビニエンスストアまたは商店へご案内いたしますので、各自ご購入ください。特に1日目は、昼食を召し上がってからご参加ください。
移動・荷物について マイクロバスを利用します。荷物を積むスペースは限られますので、大きなスーツケースでのご参加はご遠慮ください。
足湯について 瀬長島ウミカジテラス源泉足湯は、状況によってはお湯が出ておらず、足湯を利用できないことがございます。
旅行条件について 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。

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