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インドみどころガイド

スピティ谷

Spiti Valley

無数の仏像と壁画で堂内が埋め尽くされたタボ・ゴンパ。崖の上に築かれた、まるで訪れる人を拒んでいるかのようなダンカル・ゴンパ。悠々と流れるスピティ川の流れと、広大なインド亜大陸で一番といっても過言ではない雄大な景色。スピティ谷に一歩足を踏み入れた旅行者は、誰もがその美しさと雄大さに心奪われてしまうことでしょう。

タボ・ゴンパ/ Tabo Choskor Gompa

996年にリンチェンサンポによって築かれた壮大なゴンパ。「ヒマラヤのアジャンタ」と形容されるそのタボ僧院を中心としてタボの街が広がっています。西チベット・グゲ王国から当時の仏教の中心地であったカシミールに派遣されたリンチェンサンポは、グゲ王国に帰国する時に絵師や工芸師など、多くの技術者を連れて帰りました。リンチェンサンポの指揮の下、その彼らによって建てられたゴンパ。入口を入ると目の前に土の固まりが飛び込んできますが、一歩お堂の中に入ってみると、そこには当時の最先端であったカシミール様式の仏教芸術が、素晴らしい保存状態で残されています。特に惹きつけらるのは大日堂のご本尊、四方向に向かって静かな微笑をたたえる大日如来と、そのご本尊を取り巻くように造られた数多くの尊格の像は必見です。

ダライ・ラマ14世は1996年にこの僧院を訪れ、カーラチャクラ大灌頂を行いました。その後、ダライ・ラマ14世はご自身のダライ・ラマとしての最後の瞬間を、この僧院のこのお堂で迎えたいとおっしゃられたといわれています。幹線道路沿いの山の斜面に造られた小さな洞窟寺院フー・ゴンパからは、タボの街を一望することが出来ます。

タボ・ゴンパ
タボの街並み

ダンカル・ゴンパ/ Dhankar Gompa

切り立った崖の上に建つこのゴンパは、圧倒的な迫力で訪れる人々を迎えてくれます。12世紀に建てられたゲルク派のこのゴンパでは、旧堂の2つのお堂の見学が可能。ゴンパの屋上からは、悠々と流れるスピティ川とその周囲の渓谷の景色を眺めることが出来ます。

断崖に建つダンカル・ゴンパ
ダンカル・ゴンパからの眺望
ゴンパの内部

ラルーン村/ Lhalung Village

ダンカル・ゴンパからさらに奥へ。車で走ること約1時間でスピティ谷の奥にある小さな村・ラルーンの集落に到着します。この村の一番上には、やはりリンチェンサンポによって創建されたとされるラルーン・ゴンパが建っています。タボ僧院の大日堂を凝縮したようなこの小さな僧院。内部に祀られた所狭しと並ぶ夥しい数の仏像には驚かされます。

ラルーン村
ゴンパには夥しい数の仏像が祀られている

ピン渓谷/ Pin Valley

スピティ川に架かる橋を渡り南へと向かうと、インドの国立公園に指定されているピン渓谷に出ます。穏やかな景色が広がるこのピン渓谷にはクンリ・ゴンパという僧院が建っています。渓谷内にある僧院は全てニンマ派に属しており、その全ての僧院を統括するのがこのクンリ・ゴンパ。5年ほど前に再建された新堂と、その脇にある小さな旧堂から成る僧院です。グル・リンポチェによって建てられたといわれているこの僧院。旧堂内に残る小さいながらも素晴らしい保存状態の壁画を見なければ、スピティ谷に来た意味は無いと言っても過言ではないでしょう。

ピン渓谷で見られる独特の地形
クンリ・ゴンパ旧堂
旧堂内部

カザ/ Kaza

スピティ谷の中心地であるカザの街は、街の中心を流れる川によって旧市街と新市街に分けられています。このカザの周辺にも、壮大なゴンパや穏やかな風が流れる集落など数多くのみどころがあります。

カザの旧市街

キ・ゴンパ/ Ki Gompa

スピティ谷で最大・最古の僧院です。カザからスピティ川沿いを走り西へと向かい、北へ入ると目の前にこの僧院の雄姿が見えてきます。 荒涼とした岩山と青い空を背景に聳えるこの僧院。本堂を一番上に、周囲に多くの僧房を従えるその姿はまさに圧巻です。

断崖上に築かれたキ・ゴンパ
キ・ゴンパの遠望
ゴンパとスピティ谷の美しい景観

キッバル村・ゲテ村/ Kibber Village & Gette Village

キ・ゴンパから先へ山道をどんどん入っていくと、「世界で一番標高の高い村」と呼ばれているキッバル村やゲテ村に到着します。ゲテ村の手前からしばらく歩くと標高差300m以上はあろうかという絶壁に出ます。タルチョはためくこの場所は、キ・ゴンパを真上から眺められるポイント。美しいスピティ川や荒れ果てた岩肌、頂上に残る雪などの光景を望むことが出来る絶景ポイントでもあります。

キッバル村
ゲテ村付近にて

カザ ~ キーロン/ Kaza & Keylong

カザ~キーロン間は約190km。クンザン・ラという4,551mの峠越えのルートです。道路状況はあまり良くありませんが、この世の物とは思えない程の美しい景色が広がっています。クンザン・ラを越え、チョッタ・ダーラという小さな集落を越えると周囲には徐々に緑が増えていきます。乾いたスピティ谷を過ぎ、緑が美しいラホール谷へと入って行きます。

クンザン・ラ
峠に立ち並ぶチョルテンと風にたなびく色とりどりのタルチョ。この道を走る車は必ずこの峠のチョルテンで立ち止まり、旅の安全を願い、祈りを捧げて行きます。ここを通ったら地元の方と一緒に「キ・キ・ソ・ソ・ラーギャロー」と叫んでお祈りしましょう。

峠を越えてキーロンへ
クンザン・ラ(4,551m)

キーロン/ Keylong

深い緑に包まれたキーロンはラホール谷の中心地。夏の間だけ通ることが出来るマナリ~レーロードの、レーまでの最後の大きな街です。

キーロンの街並(4,551m)
ラホール谷

シャシュル・ゴンパ/ Shashur Gompa

ブータンの国教でもあるドゥク派に属する僧院。毎年、ヘミス僧院のヘッドラマであるドゥクチェン・リンポチェはこの僧院に来て瞑想をしているそうです。小さなお堂ですが、キーロン西側の山の斜面に建っており、ここから緑深いキーロン周辺の景色を望むことが出来ます。

シャシュル・ゴンパ
ラホール谷の中ほど

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