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マダガスカルみどころガイド

ムルンダヴァと
バオバブの並木道

Morondava and the Avenue of the Baobabs

世界的にも珍しいバオバブの群生地として名高いムルンダヴァは、マダガスカル西部のモザンビーク海峡沿いに位置する乾燥したサバンナ気候と豊かな海に恵まれた港町で、西部地方の観光拠点として知られています。郊外の「バオバブの並木道(アレ・デ・バオバブ)」は、マダガスカルを象徴する風景のひとつです。乾季には赤土の道と青空に映えるバオバブのコントラストが美しく、日の出や夕暮れ時にはとくに幻想的な光景が広がります。周辺には、漁村ベタニア村や乾燥林を保護するキリンディ保護区などもあり、バオバブの観賞に加えて在来の動植物や地元の暮らしに触れることができます。

 

ムルンダヴァ/ Morondava

ムルンダヴァはマダガスカル西部、モザンビーク海峡に面した港町で、バオバブ街道の玄関口として知られています。内陸部から車で訪れる際は、町の手前に流れるツィリビヒナ川を艀(はしけ)で渡ってアクセスします。周辺には乾燥した低木林が広がり、内陸部とは異なる風土と文化が息づいています。沿岸部では漁業が盛んで、早朝には伝統的なカヌーで沖へ向かう漁師や、干物を干す女性たちの姿が見られます。

ツィリビヒナ川の船着き場
ムルンダヴァの市場にて

バオバブの並木道/ Avenue of the Baobabs

ムルンダヴァ近郊にあるバオバブの並木道は、乾燥した平原にそびえ立つバオバブの木々が直線状に並ぶ、めずらしい景観が広がる場所です。特に朝焼けや夕暮れ時には、その独特なシルエットが美しく浮かび上がり、写真撮影のスポットとしても知られています。

童話『星の王子さま』にも登場するバオバブの木は、世界に9種が確認されており、そのうち6種がマダガスカルの固有種です。この並木道には「アダンソニア・グランディディエリ」と呼ばれる種が多く見られ、幹の膨らんだ独特の形状と長寿で知られています。周辺には「愛し合うバオバブ」や「聖なるバオバブ」といった名の付けられた木もあり、それぞれに地元の人々によって語り継がれてきた物語があります。

バオバブの並木道
バオバブの並木道に沈む夕日
黄昏に浮かぶバオバブのシルエット
熱帯スイレンとバオバブ(5月)
愛し合うバオバブ
落葉と共に地面に落ちたバオバオバブの花
実は栄養価が高くホロホロとした食感です

ベタニア村/ Betania Village

ムルンダヴァの南部沿岸に位置するベタニア村は、海に生きるヴェズ族の漁村として知られています。ヴェズ族は伝統的な木製の帆かけ船「ピローグ」を巧みに操り、沖合での漁を生業としています。観光地化はほとんど進んでおらず、素朴な海辺の暮らしや伝統的な生活文化に触れることができます。

ピローグに乗って乗ってベタニア村へ
海辺の集落を訪問
歓迎のダンスを披露してくれた村の子供たち

キリンディ保護区/ Kirindy Forest Reserve

キリンディ保護区は、ムルンダヴァの北東約60kmに位置する乾燥林帯の自然保護区で、標高はおよそ50〜100メートル。マダガスカルの気候は東海岸・中央高地・西海岸で大きく異なりますが、西部に位置するこの地域では、乾燥した落葉樹林が広がっています。乾季(5月〜10月)には木々が葉を落とし、雨季(11月〜4月)には一転して緑に包まれるなど、季節ごとの植生の変化も見どころのひとつです。

園内には、ベローシファカを含む8種のキツネザルが生息しており、夜行性のハイイロネズミキツネザルや、マダガスカル島の食物連鎖の頂点に立つ肉食獣のフォッサも観察できる可能性があります。また、絶滅危惧種であるマダガスカルジャイアントジャンピングラットなど、他の地域では出会いにくい動物たちも生息しています。熱帯雨林とは異なる生態系を有するマダガスカル西部の自然を、肌で感じられる貴重な観察地です。

マダガスカル島の捕食者フォッサ
手のひらに乗るほどの大きさのハイイロネズミキツネザル
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