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マダガスカルみどころガイド

アンダシベと東部熱帯雨林

Andasibe and the Eastern Rainforests

首都アンタナナリボの東約140kmに位置するアンダシベ周辺は、マダガスカルの東部熱帯雨林帯を代表する自然豊かな地域です。標高900〜1,200メートルの高地に広がるこのエリアは、年間を通じて比較的湿潤な気候にあり、雨季(12〜3月)には降水量が多く、乾季(5〜10月)でも朝晩はひんやりとした空気に包まれます。

この地域には、世界最大の体長を誇るキツネザル「インドリ」をはじめとする多様な固有種が生息しており、マダガスカルの生物多様性を象徴する場所として広く知られています。中でもペリネ自然保護区やマンタディア国立公園といった重要な保護エリアでは、熱帯雨林の希少な動植物をじっくりと観察することができます。また、アンダシベからさらに東へ進んだ運河沿いに位置するパルマリウム保護区では、手つかずの湿地帯や林地に暮らすアイアイをはじめとする希少動物との出会いも期待できます。

 

アンダシベ/ Andasibe

アンダシベは、首都アンタナナリボから車で約3〜4時間の距離に位置し、東部熱帯雨林地帯への玄関口として知られています。標高はおよそ1,000メートルで、年間を通じて温暖かつ湿潤な気候が特徴です。 町の中心部は小規模ながらも観光拠点として整備されており、宿泊施設やレストラン、ローカル市場などが点在しています。インドリをはじめとするキツネザル観察の拠点として人気が高く、早朝や夕方には森からインドリの特徴的な鳴き声が聞こえることもあります。 また、アンダシベ周辺ではナイトサファリも楽しむことができ、夜行性のカメレオンやカエル類、昆虫などを間近に観察することができます。

アンダシベののどかな農村風景

周辺の森を探索
マダガスカルサンコウチョウ
グッドマンネズミキツネザル
ショートホーンカメレオン(Calumma brevicorne)

ペリネ自然保護区(アナラマツアトラ特別保護区)/ Perinet Special Reserve (Analamazaotra )

ペリネ自然保護区は、アンダシベの町に隣接する代表的な保護区。正式名称は「アナラマツアトラ特別保護区」ですが、フランス植民地時代に「ペリネ」と呼ばれ、その名が現在も通称として残っています。面積は約810ヘクタールで、北に隣接するマンタディア国立公園と併せて「アンダシベ・マンタディア国立公園」と総称されることもあります。 この森林地帯はインドリの生息地として世界的に知られており、他にも10種のキツネザル、マダガスカルヤマアラシ、国内最大種のカメレオン、ヘビなど39種の爬虫類、36種のカエル、数多くの鳥類が生息しており、植物相も豊かで、多種多様なランも見られます。

【インドリ】

インドリは現存するキツネザルの仲間では最大種で、体長60〜70cm、体重は6〜10kgほどで、黒と白の毛に覆われ、尾は退化しほとんどがないのが特徴です。一夫一婦型で家族単位の群れをなし、樹上で生活しています。保護区内には60以上のグループが生息しており、その大きな鳴き声は2~3km先まで届くともいわれ、縄張りを巡る争いを避ける役割を果たしています。森林減少により個体数は減少しており、現在は絶滅危惧種として保護対象となっています。

ペリネ自然保護区
キツネザル最大のインドリ

レミュールアイランド/ Lemur Island

アンダシベ近郊に位置するレミュールアイランドは、整備された小規模な保護エリアで、数種のキツネザルが保護・飼育されています。もともとは怪我を負った個体や孤児となったキツネザルのリハビリテーションを目的に設けられた施設で、現在では観察や写真撮影の場としても広く親しまれています。敷地内のキツネザルは人に慣れており、 完全な野生環境ではないものの、その姿を間近で見ることができる貴重な体験の場となっています。

川を渡ってレミュールアイランドへ
対岸にカンムリシファカを発見
チャイロキツネザルたちがお出迎え
クロシロエリマキキツネザルを間近で撮影
川で獲れたザリガニを売る女性

マンタディア国立公園/ Mantadia National Park

アンダシベの町から北へ約10kmの距離に位置するマンタディア国立公園は、1991年に設立された比較的新しい国立公園です。園内には手つかずの原生林が広がり、標高差と豊富な降雨により、多様な動植物が生息する貴重な生態系が形成されています。 インドリ、カンムリシファカ、アカハラキツネザルなどのキツネザルをはじめ、カメレオン、カエル、鳥類、昆虫、そしてランやシダ類など、数多くの固有種を観察することができます。ペリネ自然保護区と比べると地形の起伏が大きく、マダガスカルの原始的な自然環境を実感できる場所です。

アカビタイチャイロキツネザル
パーソンカメレオン
キリンクビナガオトシブミ

パルマリウム保護区/ Palmarium Reserve

パルマリウム保護区は、マダガスカル東部のパンガラナ運河沿いに位置する民間の自然保護区で、アンダシベから車とボートを乗り継いで半日ほどでアクセスできます。手つかずの湿地帯や低地林に囲まれたこの保護区では、10種以上のキツネザルが比較的高い確率で見られるほか、とりわけ夜行性で人目に付きにくいアイアイを観察できるチャンスがあることで知られています。園内には宿泊施設も併設されており、朝夕の観察を楽しむことができます。

アイアイ
カンムリキツネザル
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