PROFILE 金子貴一さんプロフィール

1962年、栃木県生まれ。栃木県立宇都宮高校在学中、交換留学生としてアメリカ・アイダホ州に1年間留学。大学時代はエジプトの首都カイロに7年間在住し、1988年、カイロ・アメリカン大学文化人類学科卒。在学中よりテレビ朝日カイロ支局員を経てフリージャーナリスト・西遊旅行添乗員として活躍。中国や中東、仏教などへの造詣も深く、雑誌や新聞などへの執筆も多数行っている。
COLUMN 金子貴一さんからのメッセージ
今回の特別企画が他の隠岐諸島ツアーと違うのは、隠岐諸島に潜む日本の伝統的宗教文化にスポットライトを当てている点です。
旅のクライマックスは、古代アジアの宗教儀式の様子を色濃く残す
「国重要無形民俗文化財・隠岐国分寺蓮華会舞」鑑賞!
まずは、旅のクライマックスとなる、国の重要無形民俗文化財・隠岐国分寺蓮華会舞。この舞は、奈良時代以来の宮廷舞楽の流れをくんでおり、平安のころ隠岐に伝えられたようです。古代の宗教儀式の様子を色濃く残しており、その起源としてインド、中国、朝鮮半島と広くアジア各地の舞踊が考えられます。使用される面や衣装もエキゾチックな雰囲気が漂い国際色豊かです。また、平安中期に起こった延年の舞(仏教寺院での法会の後、僧侶や稚児が行った遊宴の歌舞)の流れもくんでおり、現在にまで引き継がれた極めて珍しい行事です。


隠岐が「国生み神話」に登場するのは
旧石器時代以来、貴重な黒曜石の名産地などとして重要視されたから!
さて、日本最古の歴史書である古事記(712年)の「国生み神話」には、隠岐が淡路島、四国島に続く3番目(日本書紀では5番目)に生まれたと記載されます。隠岐は、旧石器時代の3万年前から石器の材料となる良質な黒曜石の名産地として知られ、隠岐産黒曜石は中国地方を中心として新潟県や四国地方にまで運ばれました。古代日本の黒曜石の名産地は、隠岐を含めて6箇所ほどに過ぎません。隠岐は古代から栄えた重要な場所であったが故に、国生み神話にも取り上げられたと考えられます。
縄文時代に遡る自然信仰の姿を今に伝える神社群を巡る!
隠岐には、日本固有の民族宗教である神道の、縄文時代にも遡ると考えられる自然信仰(山岳信仰や巨木信仰)の姿を現在に伝える神社があります。今回訪れる大山神社には社殿がなく、鳥居をくぐるとご神体である樹齢400年の杉の大木があり、一山全体が御神体として祀られています。その近くにある、隠岐の三大杉としても知られている乳房杉も巨木信仰の対象であり、社殿のない岩倉神社のご神体となっています。御客神社にも社殿がなく、巨岩に注連縄を張りその前に鳥居を建てています。「日本の滝百選・日本名水百選」に選ばれた壇鏡の滝は、屏風を連ねたような岩壁の左右に高さ50mの雄滝と40mの雌滝が流れ落ち、2つの滝の間には壇鏡神社がある、やはり自然信仰を思わせる場所です。


隠岐に4社もある名神大社を巡る!
隠岐には古社が多く、日本最古の全国神社リスト・延喜式神名帳(927年)に載っている式内社は16社あり、強い力を持つ神を祀る神社を指す「名神大社」の格が与えられた神社が4社(伊勢命神社、水若酢神社、宇受賀命神社、由良比女神社で、全て今回の旅で訪れます)も含まれます。延喜式神名帳に載っている全国の神社2861社のうち、名神大社の格を与えられたのは226社(約7.9%)しかなく、現在の島根県では隠岐以外には2社(出雲大社と熊野大社)しかありません。当時の隠岐の重要性がうかがえます。
式内社で隠岐国総社の玉若酢命神社は、古代隠岐国造の子孫を称する億岐家が歴代神主を務め、神社に隣接する江戸時代建立の国重要文化財・億岐家住宅は隠岐を代表する大型民家であり社家としての特徴が残ります。
明治維新の神仏分離令まで神仏習合の寺社だった、焼火山(海抜452m)の中腹にある焼火神社は日本海の船人に海上安全の神と崇められています。
遠流の地で、流刑に処せられた方々に思いを馳せる!
隠岐が遠流の地と定められたのは聖武天皇の御代の724年で、江戸中期になって一般の罪人が流されるようになるまでは天皇や公家、役人などの政治犯が配流されました。流刑に処せられた著名な人物には、鎌倉時代に権力闘争に破れた後鳥羽天皇と後醍醐天皇、そして平安時代の歌人小野篁などがいます。今回の旅では、これら流人の人生にもスポットライトを当て、余り知られていない関連遺跡も訪れます。知夫里島で訪れる松養寺は、後醍醐天皇が1332年に上陸された際、しばらく滞在された寺で、同天皇により松尾山松養寺と改名されたと伝わります。境内には、南北朝最後の後亀山天皇の曽孫である小倉宮教尊法親王の墓も現存します。また、近くには、流人や住職の墓とも言われる平安末期以降の500基以上の五輪塔が残っています。更に、配流中の小野篁が彫ったと伝わる不動明王像を願満寺で拝観します。
隠岐の自然を満喫する!
最後に、隠岐の海も満喫して頂きます!水上と水中の両方から楽しめる、半潜水型展望船「あまんぼう」で行く海中散歩です!水上の名所「三郎岩」などもさることながら、海中展望室からの眺めは最高!日本海有数のダイビングスポットを航行して、ガイドによる説明を聞きながら、豊富な海藻や魚類の美しさに目を見張ります。


今回の旅は、隠岐の名所旧跡と共に、全国的にも珍しい隠岐国分寺蓮華会舞を鑑賞し、神道の起源にも遡る自然信仰の姿を残す神社群などを巡る特別企画です!どうぞ、奮ってご参加ください!
金子 貴一
出発日と料金
2023年 出発日 |
日数 | 旅行代金 | 催行状況 |
---|---|---|---|
04月17日(月) ~ 04月22日(土) |
6日間 | 228,000円 | ![]() |
発着地 | 現地発着(松江集合/七類港解散) | 最少催行人員 | 6名(12名様限定)<添乗員同行> |
---|---|---|---|
一人部屋追加代金 | 16,000円 |
- 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
- 現地集合解散となります。現地までの交通機関はご自身でお手配ください。
<東京、大阪からの参考アクセス>
■東京方面
【往路】JAL283 羽田 14:00発/出雲 15:25着 または、
JAL285 羽田 16:55発/出雲 18:20着 または、
ANA385 羽田 15:30発/米子 16:55着
※出雲空港・米子空港から松江駅までは連絡バスが運行しております。(所要時間は35~45分)
【復路】ANA390 米子 20:55発/羽田 22:15着
※七類港から米子空港まで連絡バスが運行しております。(所要時間は30分)■大阪方面
【往路】阪急高速バス 大阪(阪急三番街)10:30発/JR松江駅 15:07着 または、
阪急高速バス 大阪(阪急三番街)13:30発/JR松江駅 18:07着
【復路】やくも30号 JR松江駅 18:56発/R岡山 21:36着
さくら572号 JR岡山駅 22:00発/R新大阪 22:49着
※七類港から松江駅まで連絡バスが運行しております。(所要時間は40分)
ツアー日程表
地名 | 時刻 | スケジュール | |
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1 | 松江 | 松江駅近くのホテルにて、各自チェックインをお済ませください。 松江:グリーンリッチホテル松江駅前泊 |食事:朝× 昼× 夜× |
|
2 | 松江 |
07:55発 |
松江から路線バスにて七類港へ。その後、フェリーにて隠岐諸島の島前・知夫里島へ向かいます。日本海と牧歌的な景色が広がる赤ハゲ山展望所、日本海の荒波に削られた断崖絶壁・赤壁、また後醍醐天皇ゆかりの寺である松養寺、その周辺では沢山の位が高いとされる方々の五輪塔の墓所も訪ねます。 知夫里島:ホテル知夫の里泊|食事:朝○ 昼○ 夜○ |
3 | 知夫里島 中ノ島 西ノ島 |
09:00発 18:00着 |
朝のフェリーにて中ノ島へ向かいます。到着後、専用車にて歴史的な史跡を巡ります。名神大社のひとつ、宇受賀命神社、また後鳥羽上皇をおまつりする隠岐神社や後鳥羽上皇御火葬塚、後鳥羽上皇や隠岐神社に所縁ある史料が展示されている後鳥羽院資料館、小野篁(小野小町の祖父)が過ごした金光寺、女神がお産をしたと伝説の残る明屋海岸など巡ります。また海中遊覧船「あまんぼう」に乗船。水上と水中の両方の景色をお楽しみいただきます。 夕方のフェリーで西ノ島へ。到着後、送迎車にてホテルへ。 西ノ島:国賀荘泊|食事:朝○ 昼○ 夜○ |
4 | 西ノ島 島後 |
08:30発 18:30着 |
専用車にて西ノ島を巡ります。日本海の船人に海上安全の神と崇められている、焼火山(海抜452m)の中腹にある焼火神社や後醍醐天皇が1年余りを過ごされたとされる黒木御所跡、平安時代に隠岐国の一ノ宮と定められた名神大社の一つ「由良比女神社」をめぐります。 また、隠岐随一の景勝地・国賀海岸では通天橋の景色をお楽しみください。夕方のフェリーで島後へ。到着後、送迎車にてホテルへ。 島後:ホテルMIYABI泊|食事:朝○ 昼○ 夜○ |
5 | 島後 | 09:00発 12:30着 |
専用車にて島後を巡ります。玉若酢命をお祀りする玉若酢命神社、と社家の億岐家住宅、樹齢約2000年の八百杉を見学します。また自然信仰が残る「御客神社」では巨岩がご神体となっています。その後、名瀑、壇鏡の滝(だんぎょうのたき)へもご案内。 後醍醐天皇の行在所とされる隠岐国分寺では平安時代から伝わる国の重要無形民俗文化財、「隠岐国分寺蓮華会舞(れんげえまい)」の奉納を鑑賞します。 島後:ホテルMIYABI泊食事:朝○ 昼○ 夜○ |
6 | 島後 西郷港 七類港 |
08:00発 15:10発 17:35着 |
専用車にて島後を巡ります。隠岐国の一宮に定められた水若酢神社、名神大社のひとつ「伊勢命神社」 小野篁の作といわれる不動明王が残る願満寺、また自然信仰が残る「大山神社」、うっそうとした森の中にたたずむ樹齢800年の古杉、岩倉神社の乳房杉も訪ねます。その後、フェリーにて七類港へ。着後、解散。 食事:朝○ 昼× 夜× |
- 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
- 食事回数:朝5/昼4/夜4
ご案内とご注意
気候・服装 | この時期の隠岐諸島の最高気温は16℃、平均気温は11℃です。朝晩は6℃前後となることもあります。インナーダウンジャケット、フリースなどの防寒着をお持ちください。焼火神社は山道を片道15分ほど登ります。靴は歩きやすいウォーキングシューズが最適です。 | |
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利用予定ホテル | 日程をご覧ください。 | |
食事について | 日程1日目の夕食と、日程6日目の昼食は旅行代金に含まれておりません。各自でお支払いください。 | |
観光について | 社寺の行事・法事等や最新の現地事情などにより、祭事の変更・中止、参拝の制限を含む日程内容の変更や、宿泊地や訪問地の順序が変わったりすることがあります。 | |
隠岐国分寺 蓮華会舞見学について | 2022年12月08日現在、隠岐国分寺蓮華会舞は開催予定ですが、今後の新型コロナ感染症の感染状況によっては、予告なく中止になる場合もあります。また、日程表記載の社寺の参拝・見学は、行事、法事等により、当日ご案内できない場合もあります。予めご了承ください。 | |
旅行条件について | 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。 |
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