ツアーのポイント

ポイント古代の馬門石を訪ね九州から四国、岡山へ

かつて九州西部から畿内まで運ばれ、古代の大王(おおきみ)の棺にも使われた阿蘇溶結凝灰岩の馬門石(まかどいし)の歴史に触れながら、各地の古墳や出土品の展示を見学します。

ポイント各地の古墳群を訪問

九州では、古墳時代初期に造られた古墳が多い八代海と有明海の近郊、装飾古墳が多く残る菊池川流域の他、高速道路の上に広がる塚原古墳群や阿蘇のカルデラに残る中通古墳群を訪問。四国では未盗掘の石室内部が重要な葉佐池古墳、石槨が残る妙見山古墳など、貴重な古墳群を訪問します。

ポイント日本遺産・造山古墳を訪問

全国で第4位の規模を誇り、立ち入りができる古墳としては日本最大の造山古墳を訪問。ヤマト王権に拮抗した吉備の勢力の大きさに触れる他、馬門石の石棺が残る荒(こう)神社も訪問します。

ポイント三ヶ所の温泉地に宿泊

九州では日奈久温泉と玉名温泉、四国では琴平温泉に宿泊。新鮮な食材を使用した料理もお楽しみください。

COLUMN 海を渡った馬門石(まかどいし)の歴史

馬門石は、約9万年前の阿蘇山の噴火により流れ出て堆積した火砕流が冷えて固まったもので、阿蘇溶結凝灰岩と呼ばれます。通常は灰色から黒褐色ですが、馬門石にはピンク色のものが含まれており、「阿蘇ピンク岩」とも呼ばれています。古墳時代、石室の建材として使われ始め、やがて馬門石製の舟形石棺が造られるようになります。阿蘇溶結凝灰岩の石棺は九州のみならず中国、関西の古墳でも見つかり、かつて海路で産地の九州西岸からヤマト王権の領地に運ばれ、大王の棺として使われたことが判明しました。写真の丸山古墳出土の石棺は現在は埋め戻されていますが、観音寺市の古墳から出土したものです。九州西岸から瀬戸内海を経由して難波津まで至る石棺の海洋輸送ルートを握っていたのは、畿内の水運で重要だった大和川の河川交通を把握していた額田部氏と言われています。2005年には、この海洋輸送ルートを実証するため馬門石で7トンの石棺を造り、復元した古代船で宇土市から大阪南港まで一か月かけて運ぶ実験航海が行われました。 なおヤマト王権が馬門石の流通を独占し、海路での流通が盛んになる以前の讃岐では、地元の鷲ノ山産の石材で作られられた石棺が出土しています。ツアーは、八代海からスタートし、九州の八代市、宇土市、四国の松山市、観音寺市、岡山の造山古墳で海を渡った阿蘇溶結凝灰岩の歴史にふれます。また、馬門石製以外の石棺が出土した、丸亀市の快天山古墳も訪ねます。

江田船山古墳出土の凝灰岩の家形石棺
馬門石石切場跡
丸山古墳の横穴式石室で出土した石棺
快天山古墳出土の鷲ノ山産の石材の石棺(発掘時のもの)
蓮華寺に残る舟形石棺の一部

COLUMN 菊池川流域の古墳群

古墳時代初期、多くの古墳は現在よりも内陸部まで水のあった有明海や八代海沿岸に多く造られました。その後、菊池川を遡って古墳築造の技術、文化が伝わり、現在の玉名市、山鹿市には多くの装飾古墳が築造されました。勾配が少ない菊池川では、水運を使った人や物資の往来が盛んであったことが古墳築造の広がった要因の一つと考えられます。また、水を引きやすい平坦な土地のため、稲作が普及し人々が多く暮らす豊かな土地であったため、その土地の有力者の首長墓が多く築造されたと考えられます。ツアーでは温泉でも知られる玉名市に宿泊し、江田船山古墳や大坊古墳など、菊池川流域の古墳群を訪ねます。

菊池川(空撮)
江田船山古墳

COLUMN ツアーで訪れる古墳群

塚原古墳群
塚原古墳群は、1972年の九州自動車道建設の際に発見された熊本県最大の古墳群です。古墳保護のため、高速道路が古墳のすぐ真下を通過しています。現在77基の古墳が復元されていますが、未調査の古墳を含めると塚原古墳群には500基近くの古墳が眠っていると考えられ、膨大な古墳群から出土した出土品は、塚原歴史民俗資料館で見ることができます。

塚原古墳公園(空撮)
長目塚古墳
古墳時代中期の5世紀前半に、阿蘇カルデラ北東部に築造された熊本県最大級の前方後円墳。長目塚古墳を含む中通古墳群は、この時期に阿蘇一帯を治めた阿蘇君一族の墓と比定されています。熊本の内陸部には、中通古墳群が築造された時期から首長墓が造られ始めました。このことは、それまで有明海や八代海沿岸部に多かった首長墓が、内陸にも多く造られるようになったことを物語っています。
長目塚古墳(空撮)
葉佐池古墳
葉佐池古墳は5基の石室をもつ長円墳です。未盗掘の状態で発見された横穴式石室の発掘調査では、約1400年前の葬送儀礼を知ることのできる重要な発見がありました。特に1号石室の人骨に付着していたハエの囲蛹殻(いようかく)は、記紀などに記された「モガリ」と呼ばれる古代の葬送儀礼について知ることができる貴重なものです。ツアーで訪れる松山市考古館では、葉佐池古墳の実物の出土品を見ることができるほか、現地では見ることのできない2号石室の復元模型に入りその大きさを体感することができます。
左:葉佐池古墳2号石室模型 右:発掘された繊維を元に復元された被葬者
妙見山古墳
妙見山古墳は全長55.2mあり、国史跡に指定された古墳時代初期の貴重な前方後円墳です。墳丘は北側がやや大きく造られており、くびれ部の幅が広く、前方部が短い寸胴型。後円部の1号竪穴式石槨は発掘当時のまま保存されており、ガラス越しに見学が可能です。隣接する大西藤山歴史資料館では、現在の所この古墳でしか確認されていない形の「伊予型特殊器台」などの出土品を見ることができます。


伊予型特殊器台

COLUMN ヤマト王権に拮抗した吉備の象徴・造山古墳

全長約350m、後円部径約200m、高さ約24m、前方部幅約215mの造山古墳は、岡山県最大、全国でも第4位の規模を誇る前方後円墳で、立ち入りができる古墳としては日本最大の古墳です。古墳は3段築成で、前方部と後円部の境のくびれ部の両側に造出しが付く構造をしており、現在は左造出だけが残っています。造営当時は日本一の規模で、その存在はヤマト王権と肩を並べる古代吉備の勢力を物語っています。内部構造は未調査のため不明で、宮内庁の陵墓参考地にも指定されておらず、被葬者については解っていません。ただ、現在大阪府に残る陵墓以外では最大の規模の陵墓であることから、日本書紀や古事記からもうかがえる、当時のヤマト王権に拮抗した勢力の首長級の陵墓と考えられています。 破壊された前方部の墳丘部分に建てられた荒(こう)神社には、阿蘇溶結凝灰岩製の石棺の一部が残っていますが、造山古墳以外の古墳に由来するという説もあります。

造山古墳(空撮)
荒神社の造山石棺

出発日と料金

2021年 
出発日~帰着日
日数 旅行代金 催行状況
09月19日(日) ~
09月24日(金)山田宏治(東京本社)同行
6日間 238,000円
10月10日(日) ~
10月15日(金)
6日間 238,000円
11月16日(火) ~
11月21日(日)ご好評につき追加設定
6日間 238,000円
12月07日(火) ~
12月12日(日)ご好評につき追加設定
6日間 238,000円
発着地 現地発着
(熊本空港集合/JR岡山駅解散)
最少催行人員 5名(10名様限定)・添乗員同行
一人部屋追加代金 24,000円
  • 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
  • 当ツアーは出発前の最終旅行説明会を開催いたしません。ご質問等はお気軽に担当までお問い合わせください。
  • [東京・大阪からの参考アクセス] ※航空券手配をご希望の方はご相談ください。
    【東京方面】
    往路(航空機):ANA641 羽田 08:15発 - 熊本 10:00着
    復路(新幹線):のぞみ114号 岡山 15:33発 - 新大阪 16:22着

    【大阪方面】
    往路(航空機):ANA523 伊丹 09:15発 - 熊本 10:25着
    復路(新幹線):のぞみ114号 岡山 15:33発 - 東京 18:54着



ツアー日程表

地名 時刻 スケジュール
1 熊本空港
八代
日奈久温泉
10:45集合

17:00着
10:45に熊本空港に集合。
その後、専用車にて八代へ。着後、出土品が展示されている八代市立博物館「未来の森ミュージアム」を見学します。その後、八代近郊に残る古墳群を見学(大鼠蔵古墳田川内第1号墳大塚古墳高島古墳群)。その後、日奈久温泉へ。着後、情緒あふれる日奈久の街並みを散策します。
日奈久温泉:潮青閣泊|食事:朝× 昼○ 夜○
2 日奈久温泉
宇土
熊本
玉名
08:30発


17:30着
専用車にて、玉名へ。途中宇土にて、舟形石棺が出土した楢崎古墳、畿内まで伝わった馬門石の石切り場を見学。また熊本にて、高速道路の上に広がる塚原古墳群塚原歴史民俗資料館を見学します。玉名着後、多数の装飾古墳が残る菊池川流域の古墳群を見学(大坊古墳江田船山古墳塚坊主古墳永安寺東古墳)。玉名市立歴史博物館「こころピア」も見学します。
玉名:玉名温泉 さつき別荘泊|食事:朝○ 昼○ 夜○
3 玉名
阿蘇
別府
臼杵
08:30発


17:30着
専用車にて、阿蘇へ。着後、阿蘇カルデラ北東部に残る中通古墳群、熊本県最大級の前方後円墳の長目塚古墳を見学。その後、別府へ。着後、実相寺古墳群を見学。その後、臼杵へ。
臼杵:クレドホテル臼杵泊|食事:朝○ 昼○ 夜○
4 臼杵
八幡浜
今治
08:50発

17:30着
フェリーにて、愛媛県の八幡浜へ。その後、専用車にて松山へ。着後、阿蘇溶結凝灰岩製の石棺の一部が残る蓮華寺を訪問。また、松山市考古館、未盗掘の石室内部が重要な葉佐池古墳を見学します。その後、今治へ。
今治:ホテル菊水泊|食事:朝○ 昼○ 夜○
5 今治
観音寺
琴平温泉
08:30発

17:30着
朝、古墳時代初期の3基の墳丘が残る妙見山古墳と竪穴式石槨が保存された大西藤山歴史資料館を見学。その後、観音寺へ。着後、丸山古墳から出土した阿蘇溶結凝灰岩製の石棺の一部が展示されているふるさと学芸館を訪問します。その後、丸亀へ。着後、鷲山産の石材製の石棺が出土した快天山古墳を見学します。その後、琴平温泉へ。
琴平温泉:こんぴら温泉湯元八千代泊
※10/10発コース:こんぴら温泉郷ことね泊
食事:朝○ 昼○ 夜○
6 琴平温泉
岡山
08:30発
15:00着
朝、瀬戸内海を一望する紗弥島千人塚を見学。その後、瀬戸大橋を渡り岡山へ。着後、岡山県最大の前方後円墳の造山古墳、造山古墳陪塚の千足古墳を見学。また造山古墳ビジターセンター岡山県古代吉備文化財センターも訪問します。
その後、JR岡山駅へ。JR岡山駅にて解散。
食事:朝○ 昼○ 夜×
  • 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
  • 食事回数:朝5/昼6/夜5

ご案内とご注意

気候・服装 この時期の日中の気温は10℃から15℃で合服で過ごせますが、天気の悪い日や朝晩の冷え込みに備えて、しっかりと防寒着もご用意ください。また雨具もご用意ください。観光時は歩きなれた運動靴が便利です。
利用予定ホテル 日程をご覧ください。
旅行条件について 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。
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