月別アーカイブ: 2019年3月

メードヌイ島のチシマシギ Rock Sandpiper(コマンドルスキー諸島、ロシア)

チシマシギ Rock Sandpiper メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (7)

極東ロシアのコマンドルスキー諸島(コマンダー諸島)、メードヌイ島で観察したチシマシギです。島では到着前から無数のフルマカモメ、ミツユビカモメ、そして上陸するとミソサザイが、海岸にはツノメドリ、チシマウガラスが観察されました。

メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (2)

メードヌイ島はコマンダー諸島を構成する2つの島のひとつでその名は「銅」を意味します。上陸したプレオブラジェンスコエの海岸には銅の成分を含む石が見られます。

メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (3)

メードヌイ島にあった一番大きな集落がプレオブラジェンスコエ Preobrazhenskoye。19世紀末に無人だったこの島に、アリューシャン列島から来たアウレト人が暮らし捕鯨やオットセイ漁をしていましたが人口が減り、1960年代後半に村は無人となり、1970年からメードヌイ島に暮らす人はいなくなりました。2001年までは国境警備のポストが置かれていたそうですが、それもなくなり今は完全な「無人の島」。定期的に研究者が訪問する「保護区」となりました。

メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (4)

島に近づくと、フルマカモメ Northern Fulmarの群れが迎えてくれます。

メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (5)

海岸の岩場にはツノメドリが営巣しているのが確認できます。

チシマシギ Rock Sandpiper メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (6)

ゾディアックボートでウェットランディングした海岸にいたチシマシギ Rock Sandpiper。

ミソサザイ Eurasian Wren Pacific Wren メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (1)

海岸そばにいたミソサザイ Eurasian Wren。

ミソサザイ Eurasian Wren Pacific Wren メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (9)

一緒にいた外国のバードウォッチャーはEurasian WrenなのかPacific Wrenなのかと議論していました。

ツノメドリ Horned Puffin メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (11)

そして少し海岸を歩くと見上げたところにツノメドリ Horned Puffin の営巣地が。

ツノメドリ Horned Puffin メイドニー島 コマンダルスキー諸島 プレオブラジェンスコエ Medny Island Commander Islands Preobrazhenskoye (10)

ツノメドリがプレブラジェンスコエの湾をぐるっと回って巣に着陸する様子が観察されました。

 

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : May2017, Sep2018, Preobrazhenskoye, Medny Island, Commander Islands -Russian Far East

Reference : “Birds of East Asia”  Special Thanks to MV Afina, Nik Pavlov

 

メードヌイ島のキタオットセイ Northern fur seal(コマンドルスキー諸島、ロシア)

キタオットセイ Northern fur seal (7) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

コマンドルスキー諸島(コマンダー諸島)のメードヌイ島にあるキタオットセイ南東繁殖地(South-East Rookery)のレポートです。この繁殖地はメードヌイ島の南東にありベーリング海側から太平洋側までの岬でキタオットセイが繁殖しています。

キタオットセイ Northern fur seal (1) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

メードヌイ島のキタオットセイ南東繁殖地の海岸と研究者の施設。海岸から建物へは底が抜けた恐ろしい階段が付いていました。

キタオットセイ Northern fur seal (3) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

海岸のキタオットセイ。キタオットセイはコマンダー諸島(コマンドルスキー諸島)やプリビロフ諸島で繁殖しています。かつては毛皮のために大規模な狩猟が行われそ、さらに漁業との競合で生息数が激減し、1985年から商業目的の狩猟が禁止されています。

キタオットセイ Northern fur seal (9) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

ゾディアックボートで上陸します。キタオットセイたちと人との微妙な距離。

キタオットセイ Northern fur seal (4) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

6~9月は繁殖の季節。海岸には赤ちゃんたちの姿、黒い色をしています。

キタオットセイ Northern fur seal (8) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

遊ぶキタオットセイ。

キタオットセイ Northern fur seal (2) コマンダー諸島 コマンドルスキー諸島 メ-ドヌイ島 Commander Island Medny Island

北にベーリング海、南に太平洋を望む南東繁殖地の海岸でした。

 

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Sep 2018, South-East Rookery of Northern fur seal,  Medny Island, Commander Islands -Russian Far East

Special Thanks to MV Afina, Nik Pavlov

 

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake(ベーリング島、コマンドルスキー諸島)

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(3)

極東ロシア・コマンドルスキー諸島(コマンダー諸島)のベーリング島沖にあるアリーカメン岩礁で観察したアカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwakeです。

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(5)

ミツユビカモメ Black-legged Kittiwakeに混ざって岩礁の岩場で繁殖していました。

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(7)

アカアシミツユビカモメはベーリング海固有種で、アリューシャン列島、コマンダー諸島の島やプリビロフ島などベーリング海に面した限られた島でしか繁殖していません。

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(8)

営巣地のつがい。

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(2)

怒る親鳥。

アカアシミツユビカモメ Red-legged Kittiwake ベーリング島 コマンダー諸島 Bering Island Commander Islands(6)

飛び立つミツユビカモメとアカアシミツユビカモメ。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2018, Bering Island, Commander Islands -Russian Far East

Reference : “Birds of East Asia”  Special Thanks to MV Afina, Nik Pavlov

 

冬の上部フンザ、カイバル村のアイベックス(パキスタン)

アイベックス 冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (5)

パキスタンと中国の国境に近いワヒ族の暮らすカイバル村。この時期はたくさんのヒマラヤアイベックスが村近くに降りてくるとのことで行ってみました。村の畑にもやってくるのだといいます。

カイバル村は人口1100人、150家族が暮らす村ですが、冬のこの季節は寒さを避けるためにカラチなど大都市へ移動している人も多く、冬の人口は300~400人ほど。きれいな水が流れていますが1日の日照時間がとても短い村です。そして野生動物の保護とコントロールされたトロフィーハンティングを、1997年にパキスタンで最初に初めた村なのだそうです。

アイベックス 冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (2)

クンジュラーブ川の対岸にある岩場へ。本当にいました。そしてクンジュラーブ国立公園よりもより近くに。ヒマラヤアイベックスの群れです。

アイベックス 冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (3)

繁殖の季節でオスがメスを追いかけています。12月~1月が繁殖シーズンで6月に子供が生まれます。

冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (14)

観察の距離はこれくらい。

冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (8)

シロガシラジョウビタキ White-winged redstartのつがいです。シロガシラジョウビタキはヒマラヤ・カラコルム・パミール・中央アジアの山で見られる野鳥。パキスタンでは夏は標高4,000~5,000mで繁殖しますが冬は村のある標高まで下りてきます。

冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (10)

白い帽子と翼のホワイトパッチが特徴のシロガシラジョウビタキのオス。およそ18センチと大型です。

冬のカイバル村 北部パキスタン Khyber village winter Northern Pakistan (13)

カイバル村のジュニパーバレーと呼ばれる谷。谷の入口に水力発電所があり、カイバル村は電気が24時間ある上部フンザでは恵まれた村です。宿泊していた村のコミュニティーゲストハウスではほかの上部フンザの村からは考えられないネットスピードの良さでした。冬は村人の多くが町に行ってしまいネットを使う人も少ないからだと思いますが・・・。

Photo& Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2019, Khyber village – GB, Pakistan

Reference : Mr.Irfan – Khyber,  Mr.Sultan Gohar – Khunjerab National Park