月別アーカイブ: 2017年10月

ミナミコアリクイ Southern tamandua (パンタナール、ブラジル)

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (10)

南パンタナールのミナミコアリクイSouthern tamanduaです。黒いベストを来たような模様がかわいらしいミナミコアリクイ。南米大陸の北部・東部に幅広く分布し、4亜種いるとされています。今回観察したのはブラジルのパンタナール地方の種、Tamandua tetradactyla straminea 。ミナミコアリクイの体の色や模様には地域差があるのだそうです。

カンポグランデから宿泊先のロッジへ移動中、暗闇の中に現れたミナミコアリクイ。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (1)

車のライトに照らされるミナミコアリクイ。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (3)

道路を歩いているので、草がなく前肢のツメもしっかり見えました。ツメを保護するように前肢の外側で歩いています。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (5)

このファゼンダ(農場)を改築したエコロッジに2泊したのですが、2泊目の早朝、ふたたびミナミコアリクイがロッジの前に現れました。オオアリクイが地上性なのに対してミナミコアリクイは地上でも木の上でも活動します。尾は長く、太くて、尾の先には毛がなく木の枝などに巻きつけることが出来きます。樹上性なので観察は難しいのかと思っていましたが、あまり木のないファゼンダ(農場)の敷地を徘徊していました。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (6)

正面からやってきます。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (7)

前肢の大きなツメが見えました。このツメは大きく堅く、アリのを巣を壊すのに使います。

コアリクイ Southern Tamadua パンタナール (11)

朝6時30分、ファゼンダ(農場)の敷地を横断し、森の中へと消えていきました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017, Suburb of Aquidauana, Brazil

Reference :  Mr.Ric, Mr.Joe, 世界動物大図鑑、Wikipedia( JP)

★西遊旅行のパンタナールへの旅。2018年のツアー発表しました!

ブラジル・パンタナールにジャガーを求めて
南北パンタナールに計9泊滞在 大湿原に生きる野生動物の観察・撮影に特化した企画

動画 水辺のオオアリクイ Giant anteater (パンタナール、ブラジル) 

9月の南パンタナール、アキダワナ付近の放牧地で観察したオオアリクイ。水辺にやってきたオオアリクイのしぐさがかわいらしく、動画にしました。

オオアリクイが水辺へ。水を飲んでいます。大きな前肢と小さな後肢でゆっくり歩き、ツメを保護するためにこぶしを使って歩いています。

オオアリクイ、水の中へ。

オオアリクイ、体を掻き始めました。観察する私たちも息を飲み、シャッター音が響きます。大きなツメもバッチシ見えました。

そして、オオアリクイは水辺を後にしました。至福のひとときでした。

Photo, Video & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017, Suburb of Aquidauana, Brazil

Reference :  Mr.Ric, Wikipedia( JP,EN)

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水辺のオオアリクイ Giant anteater (パンタナール、ブラジル) 

オオアリクイ Giant Anteater (10)

ブラジル、南パンタナールのオオアリクイの観察です。オオアリクイは水分のほとんどは食物からとるそうですが、水辺にやってきました。

「草原のオオアリクイ」はこちら

オオアリクイ Giant Anteater (4)

オオアリクイを観察していたら、急にトコトコと早歩きを始めました。ガイド氏が「水場へ行く」と察し、水辺の影で待ちました。そしてシナリオ通り、やっててくれました。

オオアリクイ Giant Anteater (2)

水に口をつけます。リフレクションもあり、美しい光景です。

オオアリクイ Giant Anteater (3)

オオアリクイの舌は細長く60センチ以上にもなります。この舌には細かなトゲとベタベタした唾液に覆われていてアリなどの小さな獲物がひっつくようになっているそうです。舌がでてこないかしっかり観察していましたが、私は見ることができませんでした、残念。

オオアリクイ Giant Anteater (6)

そして、オオアリクイは全身、水の中へ。9月の日中の気温は35度にもなります。さすがにオオアリクイも暑いのでしょう。観察したのは朝の9時ごろでしたが、30度は超えていました。

オオアリクイ Giant Anteater (5)

気持ち良さそうにじっとしています。

オオアリクイ Giant Anteater (7)

後ろ足で体を掻いています・・・!!

オオアリクイ Giant Anteater (9)

水浴びを楽しんで水辺をあとにするオオアリクイ。観察していた私たちにとっても至福の時間でした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017, Suburb of Aquidauana, Brazil

Reference :  Mr.Ric, Mr.Joe, 世界動物大図鑑、Wikipedia( JP)

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草原のオオアリクイ Giant anteater (パンタナール、ブラジル) 

Giant Anteater オオアリクイ (4)

パンタナールで「出会いたい動物」の上位にいる動物、オオアリクイ Giant anteater。
体長1メートルを超え、長い尾をあわせると2メートルにもなる大きな動物です。「本当に出会えるの?」と不安もありましたが、ガイド氏は「まず、出会える」と。

オオアリクイはセラードの草原や開けた森林に生息します。牧畜のために木が切られた南パンタナールの放牧地でオオアリクイと出会うことができました。
南パンタナールのファゼンダ(大農場)の中には、畜産だけでなく「エコツーリズム」や「ロッジ経営」をするファゼンダがあります。

アキダワナのファゼンダで出会ったオオアリクイの様子です。

9月、乾季の最後、乾燥しきって日中の気温は35度。早朝から野鳥観察をし、7時からオオアリクイを探して歩き始めました。
夜行性かと思っていましたが、日中にも活動しているとのこと。宿泊していたファゼンダから歩き始めて、隣の敷地にはいって間もなく、ガイド氏が茂みの中に入ってオオアリクイを確認。
オオアリクイの進む方向へ先回りして木の影で待ちました。

Giant Anteater オオアリクイ (10)

やってきました、オオアリクイです!

Giant Anteater オオアリクイ (5)

後ろに映っている白い動物は放牧されている牛たち(インド原産のコブウシでした)。オオアリクイは放牧地をゆうゆうと徘徊しています。

Giant Anteater オオアリクイ (1)

こっちを向いてくれました。喉から肩にかけて白く縁取られた黒い斑紋があります。

Giant Anteater オオアリクイ (7)

大きな前足。歩く時は爪を保護するため、前肢の甲を地面に付けて歩きます。

Giant Anteater オオアリクイ (8)

アリやシロアリを食べ、アリの巣を探して歩き回っています。
舌を高速で出し入れしてアリやシロアリを食べますが、1つの巣のアリを食べつくすのではなく複数の巣を徘徊します。このことは行動圏内のアリを食べ尽くさないようにしていると考えられるそうで、自然の摂理に感動です。

Giant Anteater オオアリクイ (2)

オオアリクイ、近くまで来てくれたのでじっくり観察することができました!

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017, Suburb of Aquidauana, Brazil

Reference :  Mr.Ric, Wikipedia( JP,EN)

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夏のヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear(デオサイ高原、パキスタン)

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (6)

パキスタン北部にあるデオサイ高原はヒマラヤヒグマの生息地として知られています。ヒマラヤヒグマについてはこちら(2015年10月の観察記録)

ただし、デオサイ高原に行けば見れるというものではなく、レンジャーと一緒に歩いてヒマラヤヒグマの暮らすエリアに行かなくてはなりません。また、長年ハンティングの対象であったこともあり非常に臆病ですぐに逃げていきますので、ある程度距離をおいての観察となります。

夏はデオサイ高原のベストシーズンですが、観光客が多すぎてヒマラヤヒグマたちは谷のより奥にいるため観察にはずいぶんと歩かなくてはなりません。

デオサイ高原国立公園スタッフの間で「シャイターン」と呼ばれるグループの地域へ行って見ました。「シャイターン」は「サタン=悪魔」の意味ですが、このグループを「悪魔」と呼んでいるのではなく「いたずらっこ」のような意味なのだそうです。

標高4,000mほどのキャンプから少し高度をあげ無数の小川が流れる谷へ。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (1)

同行レンジャー氏が、「Bear!」と。三脚を立ててせいいっぱいのズームで見ると熊が2頭、親子です。お母さん熊がたって何かを見ています。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (2)

お母さん熊が見ていた方向にいたのは雄のヒマラヤヒグマです。親子グマはこの雄を避けて小川沿いの草の中を私たちのほうへ歩いてきました。ラッキーなことに私たちは風下におり、クマに気づかれずにヒマラヤヒグマの観察としては比較的近い位置まで来ることができました。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (3)

あ、小熊に見つかってしまいました。見られてしまいました。なんてかわいいのでしょう。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (4)

お母さん熊が立ち上がってこちらを見ています。お母さん熊にも見られてしまいました。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (5)

ふたたび小熊がこちらを見ています・・・

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (8)

ついに2頭で私たちを見ています。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (7)

もう、ばっちし目が合いました。夢のようなアングルです。この後、2頭は歩いて離れていきました。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (11)

少し離れたところに現れた親子熊。このあと、2頭は草原でいろいろ見つけながら移動していきます。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (12)

しばらくすると、親子が岩の上に乗って別の方向を見ていました。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (13)

なんと、別のメスの熊が現れその通過待ちでした。もう1頭のメスは完全にスルーでした。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (14)

その後の親子は・・・小熊がお花畑で少し寝たり、遊んだり。

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear デオサイ高原 Deosai National Park (15)

そして丘を越えて見えない場所へと行ってしまいました。大変美しい光景でした。

デオサイ国立公園(DNP)のスタッフによると2017年の個体数調査では、ヒマラヤヒグマの個体数は80頭を越えた、とのことです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2017, Deosai National Park, Pakistan

Reference : Mr.Ghulman Raza – Deosai National Park, Mr.Zahoor Salmi

オナガマーモット Long-tailed Marmot (デオサイ高原、パキスタン)

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (12)

夏のデオサイ高原で観察したオナガマーモット Long-tailed Marmot 。デオサイ高原はパキスタンの北部、インドとの国境付近にある平均標高4,100mの高原地帯で、1993年に国立公園に指定されました。

この数年、デオサイ高原を訪れるパキスタン人国内旅行客の数は一気に増加、国立公園当局(DNP)は道でない場所に車を走らせたり、ゴミをばらまくマナーの悪い観光客に困っていました。国立公園当局も率先してゴミ拾いをしていましたが、スタッフによると、前はシーズンは最初と最後、中間くらいにしていた清掃活動を、ほぼ「毎日」しなくてはならない、それほどのゴミが出されると嘆いていました。デオサイ高原は10月半ばには閉鎖され、11月~5月は雪に覆われます。「パキスタン人観光客の多い7~8月さえ乗り切ればもとの静寂なデオサイ高原がもどってくる」と。

観光客が多いことはキャンプ地がうるさくて大変ですが、夏のデオサイ高原は花が咲き大変美しい季節を迎えます。そして、短い夏を謳歌する動物たち・・・

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (1)

デオサイ高原でキャンプすると必ず出会うのがこのマーモット。デオサイ高原のマーモットは中央アジア・パミール高原で見られるマーモットと同じ、オナガマーモット Long-tailed Marmot / Golden Marmot です。

「キィキィ」というアラームコールを発し巣穴付近から立ち上がって様子をうかがっている光景を目にします。もちろん、近づきすぎた人間にもアラームコールを発しますが、彼らはマーモットを狙うキツネや猛禽類などを常に警戒しています。

このオナガマーモット、標高3,200m-5,000mほどの高地の草原や岩のある場所に巣穴を掘ってコロニーをつくり、大家族からなる集団で暮らしています。一夫一婦で大変社会性の高い動物だそうです。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (13)

すぐに逃げられるように穴のそばに立っています。この巣穴は冬は冬眠に使われます。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (3)

道路のすぐそばにあったコロニーで少しゆっくり観察しました。するとマーモットも警戒心を解き子どもたちが出てきます。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (4)

お母さんマーモットと子どもが出てきました。マーモットの子どもは生まれてから6週間ほどを巣穴で暮らした後、外へ出てきます。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (7)

いやあ、かわいい。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (9)

甘えているのでしょうか。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (5)

もう1匹出てきました!

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (10)

オナガマーモットは一度に4匹ほどの子供を生みますが、最初の夏を乗り切れるのはその半分、さらに最初の冬眠で命を落とす子供も多いのだそうです。このコロニーには複数頭の子どもがいました。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (11)

デオサイ高原は10月になると雪が降り始めます。前に10月の第一週に訪れたときはマーモットたちはまだ活動していました。11月までには冬眠に入るのでしょうか、この子達が冬を越せますように!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2017, Deosai National Park, Pakistan

Special Thanks : The late Mr.Zahoor Salmi, Deosai National Park