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添乗員ツアーレポート  中近東・中央アジア

K2大展望 バルトロ氷河トレッキング

  • パキスタン

2012.07.01 update

皆様は世界第2の高峰「K2峰」を目の前でご覧になった事はあるでしょうか?
未だ、ご覧になった事のない方、またパキスタンという国のトレッキングに興味のある方々に「K2峰を見るなら、これだ!」と西遊旅行が自信を持っておすすめするツアーをご紹介いたします。私も2012年の夏に同行させていただいた「K2大展望バルトロ氷河トレッキング」です。

コンコルディアからの風景 世界第2位峰のK2(左:8,611m)とブロードピーク(右:8,047m)
コンコルディアからの風景 世界第2位峰のK2(左:8,611m)とブロードピーク(右:8,047m)

トルコ語が語源のカラコルムとは「黒い礫」を意味し、元来は北のヤルカンド川と南のシャイヨーク川を分ける山脈中の峠(現在のカラコルム峠)に付けられた名称です。そして1938年以降、単なる1つの峠名が氷雪で覆われた大山脈全体を指す名称となったのです。

カラコルム山脈は東西50㎞、南北150㎞というスケールで、中央アジアとインド亜大陸を分ける大障壁を形成し、5つの大氷河、世界第2の高峰K2など8,000m峰4座、7,500m以上の高峰約20座という単位の山々が集中する山脈です。その中心にK2峰直下から流れ落ちるゴッドウィーン・オースチン氷河。その氷河から派生する長さ62㎞(カラコルム第3位の規模)の「バルトロ氷河」の上を最奥部コンコルディアを目指して歩くと、世界第2の高峰K2峰が眼前に姿を現すのです。

そんなスケールの大きな15日間のトレッキングの見所を、順を追ってご紹介いたします。

 

ラトック山群とビアフォー氷河
ラトック山群とビアフォー氷河

トレッキング1日目
アスコーレ~ジョラ

トレッキング初日はブラルドゥ川に沿って歩く中、前方にジョラ山群を仰ぎ見ることができます。幾度となく吊橋を渡ると、その度に大きく迫って来る山々は6,000m級の無名峰。そんな中、風に乗ってほのかに香る野バラの花。周りの雪山と相まって、初日から信じられない景観を楽しんでいただけます。

午後からは、ラトック山群とビアフォー氷河を一度に望むことができます。昼食で一息ついた直後であることも相まって、その驚きは圧巻の一言です。

トレッキング初日の注目点はもうひとつ。スタート地点から見えているバコル・ダス峰(5,810m)です。この日のテント場ジョラに到着した時との「姿の違い」を是非ご覧いただきたいです。

トレッキング2日目
ジョラ~スカム・ツォク

2日目は半日行動です。午前中はツアーの荷物を運んでくれるポーター&馬隊とのすれ違いの風景を楽しみながら、のんびり歩いていきます。

徐々にテント場スカム・ツォクに近づくと、前方にリリゴ峰(6,251m)をはじめとする鋭鋒群が姿を現します。そのテント場からは、翌日向かうパイユの頭上に聳えるパイユ山群も見ること事ができます。午後、ゆっくり休息を取った後には、これらの鋭鋒群の夕景をお楽しみください。

 

トレッキング3日目
スカム・ツォク~パイユ

朝、鋭鋒群の合間に昇る朝日を堪能した後、序盤のハイライトとも言えるパイユのテント場を目指します。この日はアップダウンが続きますが、2日目と同様に半日行動です。

前日からのリリゴ峰も徐々に近づき、さらに歩くと前方にトランゴ山群やカテドラルも姿を現し始めます。お昼に到着するテント場で、これらの景観をのんびりと堪能することができます。

トランゴ&カテドラルの夕焼けも絶景です。腰を据えて撮影を楽しんでいただけます。撮影好きの方、このツアーでは三脚は必須アイテムです。

トレッキング4日目
パイユ滞在

この日はパイユに滞在し、高度順応ハイキングを楽しみます。

ハイキングとは言えなかなかの急勾配ですが、その分目にする景観は圧巻。眼前にパイユ・ピーク(6,610m)、眼下には明日から歩き始めるバルトロ氷河の舌端部を見ながらのハイキングです。天候が良ければ、最初の8000m峰ブロードピーク(8,047m)も目にすることができますので、ここでの高度順応ハイキングは是非とも楽しんでいただきたいところです。

午後からは休息となりますが、ポーターさん達の過ごし方にも注目していただきたいと思います。陽気に歌を歌う面々、明日以降の自分たちの食事であるチャパティを作る面々。それらを見学し、ポーターさん達とふれあうのもパキスタントレックの醍醐味です。

トレッキング5日目
パイユ~コボルツェ

いよいよこの日からバルトロ氷河の上に登ります。

氷河トレッキングとは言え、モレーンで覆われているためアイゼン等は不要で、安心して歩いていただけます。

バルトロ氷河の左岸を進むと景観も素晴しくトランゴ・タワー(6,545m)の姿を見る事ができます。

さらに、バルトロ氷河トレッキングのもう1つの見所である「高山植物との出会い」も楽しむことができます。もちろん時期によって咲き具合は異なりますが、ヤナギランやキンバイ、多種多様なキク科の花々が色とりどりに咲き、心を和ませてくれます。

 

トレッキング6日目
コボルツェ~ウルドゥカス

この日は半日行動。モレーンから顔を出したバルトロ氷河の上を横断すること2回。ワクワクしながら、氷河トレッキングを実感できる1日です(アイゼンは不要です)。

振り返るとパイユ山群、ウリ・ビアフォ山群が見え、トレイルの脇にはたくさんの高山植物を見ることができ、半日とは言え、非常に内容の濃いトレッキングを楽しめます。さらにはテント場が近づくとブロードピーク(8,047m)が再び姿を現します。

この日のテント場ウルドゥカスは私のお勧めの場所です。夕、朝と全く印象の違ったトランゴ山群、カテドラルなどの景観を楽しめ、テント場の周辺には高山植物の花が咲き誇りフラワーハイキングにも最適。花好きな方々にもお勧めするのは、ここウルドゥカスがあるからです。

 

トレッキング7日目
ウルドゥカス~ゴレⅡ

この日はカラコルム山脈のメイン級の山々が広がる1日です。朝はトランゴ山群やカテドラルの朝焼けを楽しめ、スタート直後にはブロードピーク(8,047m)、ガッシャーブルム山群が見え、Ⅰ峰(8,016m)、Ⅱ峰(8,035m)の8,000m峰を3峰をも視界に捉える事ができる景観は感動の一言です。昼食場所ゴレⅠにて、マッシャーブルム峰(7,821m)の迫力を堪能しながら過ごす時間は思い出深いものとなるはずです。

テント場ゴレⅡでは午前中は遠望だったガッシャーブルム山群が目の前に聳え、素晴しい夕景を味わうことができます。いよいよカラコルム山脈の核心部に近付いてきたという実感が湧いてくる事でしょう。

野バラ香る中、6,000m級の無名峰を仰ぎつつ進む
野バラ香る中、6,000m級の無名峰を仰ぎつつ進む
リリゴ峰(左)と鋭鋒群の夕景
リリゴ峰(左)と鋭鋒群の夕景
カテドラルが前方に現れる
カテドラルが前方に現れる
パイユ・ピーク(6,610m)
パイユ・ピーク(6,610m)
アネモネ(キンポウゲ科)
アネモネ(キンポウゲ科)
ワイドハイミア(キク科)
ワイドハイミア(キク科)
ウルドゥカスからの夕景
ウルドゥカスからの夕景
ガッシャーブルム山群
ガッシャーブルム山群
マッシャーブルム峰
マッシャーブルム峰
夕日に染まるガッシャーブルムⅣ&Ⅱ峰
夕日に染まるガッシャーブルムⅣ&Ⅱ峰

トレッキング8日目
ゴレⅡ~コンコルディア

いよいよ最奥部コンコルディアを目指す1日です。この日も朝からガッシャーブルム山群から昇る朝日を仰ぎ、スタートしてから見え始める怪峰ムスターク・タワー(7,273m)、双耳峰ミトレ(6,010m)の印象的な様、昨日から続くガッシャーブルム山群が一歩一歩と前に進むにつれて迫力が増していき、思わず立ちすくんでしまう程の景観が続きます。 途中、ガッシャーブルム山群とブロードピーク(8,047m)を仰ぎ見ながらのティータイムは至福のひとときです。
コンコルディア到着寸前に、やっと姿を現したK2(8,611m)。圧巻の姿を見た時には「こんなに近くにK2が!?」と、この場に来た者にしか味わうことのできない衝撃が走ります。

そしてもちろんガッシャーブルム山群、ブロードピークも眼前に聳え立ちます。

ここコンコルディアでは3連泊としておりますので、感動に浸るのも良し、撮影に勤しむのも良し、ただ見つめるだけも良し。腰を据えてじっくりとカラコルム山脈の景観を堪能していただけます。

トレッキング9~10日目
コンコルディア滞在

コンコルディア滞在中は、天候の様子を見て周辺のミニハイキングも行います。のんびりとミニハイキングをしながらカラコルム山脈の景観を楽しむのも良いですし、テント場で腰を据えて撮影を楽しむのも良いです。朝、昼、夕、刻一刻と姿を変えるカラコルム山脈の景観を心ゆくまで堪能いただけます。

夜のカラコルム山脈の頭上に広がる星空も感動の一言です。K2峰を目の前に星空観測というのも、ここでしか味わえない贅沢な時間です。

また、陽気なポーターさん達の踊りと歌声が標高4,650mのコンコルディアに響き、カラコルム山脈の景観をバックに最高のステージショーがご覧いただけるのも、パキスタントレックならではの楽しみのひとつです。

朝日に照らされたガッシャーブルム山群
朝日に照らされたガッシャーブルム山群
怪峰ムスターク・タワー
怪峰ムスターク・タワー
ガッシャーブルム山群とブロードピークを前にティータイム
ガッシャーブルム山群とブロードピークを前にティータイム
コンコルディアより眼前にK2を仰ぐ
コンコルディアより眼前にK2を仰ぐ
夕暮れのコンコルディア
夕暮れのコンコルディア

トレッキング11~15日目(下山)

心ゆくまでK2峰をはじめとするバルトロ氷河の最奥部から見るカラコルム山脈の景観を堪能した後は、これまで辿ってきたルートを5日間掛けて引き返します。

同じ道を往復するトレッキングは「楽しみが半減してしまう」という方もいらっしゃるでしょうが、1度見た景観も思い出を振り返りながら、また往路で見られなかった景観が復路では見れるかもしれないとワクワクしながら、完璧に見られた景観でも違った時間帯に通過する事で往路と様相が違った景観となり、必ず満足いただけるトレッキングとなります。高山植物との再会も楽しめます。

ご一緒させていただいた皆様の15日目ゴールした後の笑顔は、一生忘れる事のできない最高の笑顔でした。

コンコルディアの星空
コンコルディアの星空

以上、トレッキング部分の見所を抜粋し、ご紹介させていただきましたが、これだけでは語り尽くす事のできない程のお話がまだまだございます。語り尽くせなかった部分に関しては、後日改めてご紹介させていただきます。毎年人気のパキスタントレッキング。 西遊旅行ではトレッキング・スタッフと添乗員が皆様のために最善のサービスを現場で提供させていただいております。

大きなお荷物に関しましては、弊社からご参加の皆様にプレゼントさせていただいている特製ダッフルバッグに詰めていただき、スタッフ&馬隊がお運びします。現場で準備するテントもスタッフが設営し、ドーム型のテント内も広々としており快適にお過ごしいただけます。また専属のコックが作る食事は毎食変化に富んでおり、ご参加いただいた皆様からも大変ご好評をいただいております。

 

15日間という長期間のバルトロ氷河トレッキングですが、皆様にご安心して歩いていただくように全力でサポートさせていただきます。 今シーズンも、バルトロ氷河トレッキングは6月からスタートします。是非とも今シーズンは「K2大展望バルトロ氷河トレッキング」にチャレンジして見てください。必ずやご満足いただけるトレッキングの旅になることでしょう。その際には是非、お声掛けください。

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