秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

自然豊かな島 タスマニア島 ~動物編~

  • オーストラリア

2022.11.08 update

古代の大陸から生き延びた動植物
今から2億年前、地球上には超大陸と呼ばれたパンゲアという大陸ひとつしかありませんでした。1億8000万年前頃にパンゲアは北のローラシア大陸、南のゴンドワナ大陸に分かれ、オーストラリア大陸から分離したタスマニアはこのゴンドワナ大陸の一部でした。そのため、かつてのゴンドワナ大陸にルーツを持つ動植物を、現在のタスマニア島で観察することができるのです。早い時代に大陸から分離したため、タスマニアにしか生息しない固有の動植物も多く見られます。大陸では絶滅した原始的な単孔類や有袋類が独自の進化を続けてきたタスマニア。ツアー中、野生のカモノハシやウォンバット、オーストラリア・オットセイやフェアリーペンギンなど様々な野生動物の観察をお楽しみいただきます。

 

カモノハシ 
カモノハシは世界でもオーストラリア大陸東側と、そしてこのタスマニア島だけに生息し、準絶滅危惧種に指定されている動物です。成獣で大きさは全長約50cm~60cm、重さは大きいもので3kgにもなります。
哺乳類でありながら胎生ではなく卵生であり、水際に穴を掘り作った巣穴の中で、1回に1~3個の卵を産みます。遥か昔、2億数千年前の三畳紀にその祖先が誕生し、気の遠くなるような時間を掛けて、ここままで進化をしてきたカモノハシが見られるのはタスマニア島の開発されていない手つかずの自然が多く残る環境だからこそです。ツアーではファーングレード保護区とマーシー川で野生のカモノハシを探します。

 

カモノハシ

ファーン・グレード保護区

オーストラリアオットセイ 
オーストラリアオットセイは南半球に幅広く生息するミナミオットセイの1種です。タスマニア近海では赤道反流からの暖流と南極から北上する寒流が程好くぶつかるため、そこに発生する豊富な海洋資源が彼らを支えています。また夏に多くのオットセイを目にすることが出来ます。それはタスマニアとメインランドを隔てたバス海峡周辺がこのオーストラリアアザラシの一大繁殖地になっているからです。スタンレーの港からボートクルーズで繁殖地を観察します。

コロニーのオーストラリアオットセイ

ハリモグラ 
オーストラリアにのみ生息する原始的な哺乳類のグループで、爬虫類や鳥類と同じように産卵し、育児嚢で産んだ卵を孵し、母乳で育てます。細長くとがった鼻面をもち、その先端近くにわりに大きな鼻孔があります。嗅覚も鋭く、落ち葉や下生えの中に鼻先を突っ込んで掘り返しながら食物を探します。口は小さく、歯はまったくなく、シロアリやアリを主な食物とします。細長く柔軟な舌でこれらの食物をなめとり、素早く口の中に運びます。クレイドルマウンテン国立公園ではハリモグラに出会うチャンスがあります。

ハリモグラ

ウォンバット 
ウォンバットは、コアラに一番近い動物です。一般的にウォンバットとのみ呼ばれますが、オーストラリアには3種類のウォンバットが生息しています。名前の由来はアボリジニの言葉で「平べったい鼻の動物」という意味から来ています。体長は70~110センチ程で体重は、最大で40キロまで大きくなります。穴を掘るのが得意で丈夫な爪を持っています。夜行性で日中は巣穴で休み、夜間に行動します。視力はあまり良くないですが嗅覚と聴覚は鋭く、動きの遅い動物に思われていますが、走れば30キロ以上のスピードが出ることが知られています。草食性で草や木の根を食べます。クレイドルマウンテン国立公園で見られます。

ヒメウォンバット

タスマニアデビル
かって、ヨーロッパから入植した白人たちが、山中から聞こえてくるデビルの声を「悪魔の声」の様だと言ったことから名付けられたと言われています。タスマニアデビルが唸り声を上げるのは、餌の争奪時や繁殖期などです。以前はオーストラリア全土に暮らしていましたが、オーストラリア本土ではディンゴ(タイリクオオカミの亜種)により駆逐され、ディンゴのいないここタスマニアだけに残ったと言われています。動きが鈍く、他の動物を襲えません。そのため森の中で死んでしまった動物の死骸を食べるので「森の掃除屋」の異名を持ちます。1度に産み落とされる赤ん坊は20~40匹ですが、生き残る赤ん坊は2~3匹。これは、母親の育児嚢の中の乳が4つしかないためで、最初にしがみついた赤ん坊がその乳を独占するため、他の赤ん坊たち全ては育つことができないそうです。産まれてから4ヶ月ほどは袋の中で育ち、200グラムほどに成長した頃に袋から出ます。それからさらに3ヶ月ほど、授乳されながら掘った巣の中で過ごします。そしてそれから3ヶ月ほどしてやっと独り立ち。しかし、タスマニアデビルは独り立ちしてからの1年間を生き延びる事ができるのはほんの僅かです。さらにデビル顔面潰瘍性疾患(DFTD:Devil Facial Tumour Disease)の流行もあり絶滅の危機に瀕しています。ツアーではデビルズアットクレイドルを訪れ、デビルを観察します。

デビルズアットクレイドルのタスマニアデビル

ワラビー
タスマニアの森に住むワラビーは、ベネットワラビーとタスマニアンパディメロンの2種類です。ベネットワラビーは大きいもので全長が1.5m、体重は20kgにもなります。それに対してタスマニアの固有種タスマニアンパディメロンは小さく、特にメスの個体は5kg程度です。生息範囲は広く、スタンレーのナットからレインフォレストなどいたるところで目にすることができます。

タスマニアンパディメロン

フェアリーペンギン
身長40cm。体重1㎏ほどでペンギン全18種の中で、最も小さい種類です。陸上では完全に夜行性で、早朝に海に出かけ、沖合まで餌を求めて泳いでいき、夕方暗くなってから陸上に戻ります。夕方、沖合に集合し「ラフト」と呼ばれる集団をつくり、グループで上陸して巣穴を探して海岸を歩いて行きます。海岸の草地や灌木の中・藪の中・岩の下に巣穴を作ることがほとんどですが、海岸沿いの民家の軒下に巣を作ることもあります。
ヨーロッパの入植以降、数百万羽以上いたペンギンの数は急速の減少していきました。車や人間の持ち込んだ犬や猫が大きな被害の原因となっています。ビシェノの町で観察ができます。

ペンギンツアーの様子
※フラッシュや測光ライトに敏感に反応するので、上陸時の写真撮影は禁止されています。

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コスタリカ自然観察の旅 その3 
マニュエル・アントニオ国立公園とタルコレス川

  • コスタリカ

2022.10.20 update

コルコバード国立公園での野生動物観察を存分に楽しみ、続いての目的地はマニュエル・アントニオ国立公園です。ドラケ湾をモーターボートで出発し、シエルペへと戻ります。シエルペ川の河口に入ってからはマングローブで珍しいセアカリスザルを見つけました。コスタリカとパナマに分布しており、コスタリカに生息する4種類の霊長類の中で最も絶滅が危惧されている種。熱帯雨林やマングローブなどの浸水林に生息しています。

セアカリスザル Central American squirrel Monkey

コンゴウインコが樹上に止まっている姿も観察することができました。赤・青・黄を主体としたグラデーションが非常に美しいインコで、一時は森林破壊でカリブ海側では姿を消してしまいましたが、現在では生息地も個体数も増えてきています。

コンゴウインコ Scarlet Macaw

シエルペ着後、1時間程移動し、ウビタという町で1泊。翌日にマニュエル・アントニオ国立公園を訪れました。

 

マニュエル・アントニオ国立公園 Manuel Antonio National Park

海と森を一度に楽しめる場所として、欧米からの観光客に人気が高い国立公園。公園入口からビーチまでのネイチャートレイルを歩くウォーキングサファリをお楽しみいただけます。ナマケモノの観察率の高さでも知られている他、トレイル脇の木々の枝を渡り歩くノドジロオマキザルやビーチに姿を現すアライグマなどの哺乳類、爬虫類ではツナギトゲオイグアナ、ヘルメットリザード、ブラックリザードなどが観察できます。

マニュエル・アントニオ国立公園の看板

大変人気のある公園のため、観光客の数もすごく多い所です。この日も朝からたくさんの人たちが野生動物を観察していました。入り口からビーチまではジャングルの中の1本の道が続いており、その両側で野生動物を探します。途中、ツナギトゲオイグアナ、ヘルメットリザード、ノドジロオマキザルなどが観察できました。

ツナギトゲオイグアナ Black Iguana

ヘルメットリザード Helmet Lizard

ケーブルの上を歩くノドジロオマキザル

国立公園の奥はビーチになっており、西欧の観光客はここでのんびりと泳いだり、日光浴を楽しんでいます。ビーチに到着した時、かなり近い距離にナマケモノを発見。木の上でじっとして、顔が見えませんでしたが、一瞬雨が降った時に顔を動かし、その瞬間写真を撮ることができました。これはホフマンナマケモノというフタユビナマケモノの仲間です。ナマケモノには大きく2種類あり、ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科に分類されています。フタユビナマケモノ科は前足の指が2本、後足の指が3本で、ミユビナマケモノ科は前も後ろもどちらも3本の指があるのが特徴です。

ホフマンナマケモノ Hoffmann’s two-toed sloth

ビーチ周辺には人のモノを奪おうとするいたずら好きのアライグマの姿も。アライグマはもともとコスタリカの動物ではなく、北米大陸から持ちこまれたものです。

アライグマ Common raccoon

再び、ナマケモノに戻ってみると、突然、動き出しました!背中を掻いて、木の上へと登っていきました。一日のうち15時間~20時間眠っているナマケモノがこんなに動く所を見れたとはとても幸運でした。

動き出したナマケモノ

足や背中を掻いたりしていました。

ビーチからは来た道を戻っていきます。ここでまたまたかなり近い距離で動いているナマケモノを発見。今度は先ほどとは異なるノドチャミユビナマケモノです。ホフマンナマケモノと比べると目の周りがより濃い茶色をしていて、すごく垂れ目な感じに見えます。

ノドチャミユビナマケモノ Brown-throated sloth

次の目的地はカラーラ。ここではタルコレス川でのボートサファリが人気です。カラーラ国立公園は熱帯雨林と熱帯乾燥林の両方の生態系が混ざりあい、昔からの原生林が残っている場所として知られています。その近くを流れるタルコレス川ではたくさんのアメリカワニが観察できる他、水鳥や猛禽類の観察が楽しめます。この日もベニヘラサギやハゲノドトラフサギ、オオアオサギ、アメリカトキコウなどの水鳥、ミサゴやクロノスリ、キバラカラカラなどの猛禽類が比較的近い距離から観察できました。

タレスコス川でのボートサファリの様子

ハゲノドトラフサギ Bare throated Tiger Heron

ミサゴ Ospley

ベニヘラサギ Roseate Spoonbill

キバラカラカラ Yellow headed Caracara

下はこのタルコレス川で最も大きいアメリカワニ。オサマという名前までついている有名人です。

アメリカワニのオサマ American crocodile

短い滞在でも熱帯雨林から雲霧林まで様々な植生を持つ場所を訪れる事ができるコスタリカ。植生が変われば生息する野鳥や動物も変化するため、毎日何か新しい発見がありました。特に930種類も生息する野鳥は色鮮やかな種も多く、普段バードウォッチングをしない方でも十分楽しんでいただけます。

是非、双眼鏡を持って、中米随一の野鳥・野生動物の楽園・コスタリカを訪れてみて下さい。

 

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コスタリカ自然観察の旅 その2 
オサ半島のコルコバード国立公園へ

  • コスタリカ

2022.10.03 update

雲霧林が広がる標高2,500m前後のサンヘラルド・デ・ドタから、太平洋側の町シエルペまでは約4時間の移動。この日から2泊3日かけてオサ半島のコルコバード国立公園を訪れます。朝、サンヘラルド・デ・ドタでケツァールの観察をしていた時の気温は7度。フリースにライトダウン、暖かい帽子を着用していたのに、シエルペでは気温が約30度。一気に気候も夏の様相に変わりました。

 

シエルペ着後、いよいよドラケ湾へ向けて出発。ここからはモーターボートに乗ってシエルペ川を河口へと進みます。いきなり大きなアメリカワニ、電線に止まるクビワカワセミを観察することができました。

アメリカワニ American crocodile

しばらくすると河口から海へと出て、約1時間でドラケ湾のロッジのあるビーチに到着。ここでは桟橋がないので、ビーチにウェットランディング。波があると膝位までは濡れるので、短パンにサンダルが最適です。ビーチを歩いてロッジへ。これまで訪れたサラピキやサンヘラルド・デ・ドタも全く異なる雰囲気。海岸のすぐそばに広がるジャングルの中にコテージが点在するロッジに到着です。

ドラケ湾のビーチに上陸

コルコバード国立公園の訪問は翌日の早朝から。夜明け前にドラケ湾のロッジを出発し、ボートでコルコバード国立公園のシレナステーションへと向かいました。海の状態もまずまず。約1時間程でシレナステーション近郊のビーチへと到着。

ボートでコルコバード国立公園へ

ここでもウェットランディング。引き潮でボートが海岸近くまで行けないため、30m位浅瀬を歩いて上陸することになりました。

コルコバード国立公園のビーチにウェットランディング

コルコバード国立公園 Corcovado National Park
パナマ国境に近いオサ半島に位置するコルコバード国立公園はコスタリカ最後の秘境とも言われます。ボートが唯一の交通手段で海岸から広がるジャングルでのウォーキングサファリが楽しめます。コンゴウインコ、キヌバネドリやマイコドリをはじめカラフルな野鳥も数多く生息。哺乳類ではセアカリスザルをはじめとするコスタリカに生息する4種類のサルが全て生息し、チュウベイバクやキタコアリクイなどが観察できるチャンスもあります。コスタリカで最も野生動物に出会える場所といって過言ではありません。

コルコバード国立公園の看板

ビーチでサンダルから靴に履き替えてウォーキングサファリへ出発。引き潮の間に海岸を歩き、川に出た所からジャングルの中へと入ってレンジャーステーションへ向かうルートをとる事になりました。

海岸沿いの木にとまっていたクロノスリ Common Black Hawk

おなじみとなったクリハシオオハシ Chestnut-mandibled Toucan

途中、バクが良く休んでいるというポイントも訪れてみましたが、昨晩の大雨の影響かバクの姿は見られませんでした。ガイド曰く、寝床が雨で浸水してしまったため、異なる場所で寝ている可能性があるらしいです。コスタリカで生息してるバクはチュウベイバクと呼ばれる種類で、ブラジルなどに生息するアメリカバクとはまた異なります。

 

チュウベイバク Central American Tapir

別名ベアードバクとも言います。アメリカバクと比べると、頭から鼻のあたりにより膨らみがあります。湿地帯や川沿いなど水辺に生息し、単独で行動。夜行性なので日中はほとんど動きません。現在観察できる場所は非常に限られていますが、コルコバード国立公園では早朝の時間帯に寝床へ帰る姿を見かけたり、昼間寝ている様子を観察できたりします。今回は見る事が叶いませんでしたが、これまでの弊社のツアーでは8割位の確立で観察できています。

 

川沿いにでうるとユキコサギやスミレコサギ、上空にはベニヘラサギが飛んでいる姿も観察できました。

スミレコサギ Little Bule Heron

ベニヘラサギ Roseate Spoonbill

いよいよジャングルの中へと入っていきます。しばらく進むとチュウベイクモザルの姿を発見。我々の事を気にする様子もなく、むしゃむしゃと葉っぱを食べていました。コスタリカには4種類のサルの仲間(ノドジロオマキザル、マントホエザル、セアカリスザル、チュウベイクモザル)が生息していますが、このコルコバード国立公園では全ての種類を観察できるチャンスがあります。コスタリカに生息するこのサルたちは新世界ザルというグループに属し、アジアやアフリカにすむ旧世界ザルとは異なる分類がなされています。

チュウベイクモザル Spider Monkey

クビワペッカリーの群れにも遭遇。警戒心が弱く、すごく近くまでやってきました。クビワペッカリーは体から非常に臭いにおいを発しており、これによって外敵から身を守る一方、天敵のジャガーから匂いで後をつけられてしまうという欠点もあるのです。

クビワペッカリー Collared peccary

その他、げっ歯類のアグーチや木の高いところにはホエザルの姿も見る事ができました。

 

ジャングルを抜けシレナレンジャーステーションに到着。ここはレンジャーの基地となっている他、観光客のための宿泊施設やトイレ、売店などがあります。飲み物やお土産もお買い求めいただけます。

シレナレンジャーステーション

レンジャーステーションすぐ近くの川に生息する子供のカイマンを発見。クロコダイルよりも小さいカイマンは川の上流に生息しています。

カイマンの子供

美しいミドリキヌバネドリも観察する事ができました。最初、茶色のメスのみでしたが、そのうちにカラフルなオスも姿を現してくれました。同じ鳥とは思えない様な色の違いには驚かされます。

ミドリキヌバネドリ(メス)Black-throated Trogon

ミドリキヌバネドリ(オス)Black-throated Trogon

最後には海岸ではハナジロハナグマや上空にグンカンドリの姿も観察することができました。

ハナジロハナグマ White-nosed Coati

ボートに乗ってコルコバード国立公園を後にしてドラケ湾へ。途中、雨に降られてしまいましたが、なんとか無事にロッジへと到着。午後はバーでお酒を飲んだり、ロッジの敷地内で野鳥観察などのんびりとお過ごしいただきました。

ロッジの周辺でもコンゴウインコやハチクイモドキなどの野鳥や、いたずら好きなノドジロオマキザルが木の上で遊びまわっていたりする姿を見かける事もしばしば。ドラケ湾とコルコバード国立公園は、コスタリカの他のどこよりも野生動物や野鳥が豊富で、絶対にお勧めの場所。コスタリカを訪れたなら是非、訪れていただきたい場所のひとつです。

ノドジロオマキザル White-faced capuchin

次回は旅の後半、マニュエル・アントニオ国立公園とタルコレス川のボートクルーズをご紹介します。

 

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コスタリカ自然観察の旅 その1
サラピキの熱帯雨林とサンヘラルド・デ・ドタの雲霧林

  • コスタリカ

2022.09.20 update

中米の国々の中でもっとも野鳥や野生動物の観察が楽しめる国といえばコスタリカ。国土の3分の1が国立公園や生物保護区に指定され、環境保護の先進国として自然を大切にしてきた国です。約930種の野鳥が生息しており、この数は世界の約10%にも相当します。小さな国土に変化に富んだ地形を持つことから、短時間の移動で様々な野鳥や野生動物が観察できます。

 

旅の始まりは首都サンホセ。標高約1,100mに位置するサンホセからおよそ100km、車で約2時間程の距離を移動するだけで、カリブ海側に熱帯雨林が広がるサラピキへと到着。ここでの楽しみは様々なカエルの観察です。日本では見られないカラフルなカエルたちを観察することができます。

 

イチゴの様な赤色からその名がついたイチゴヤドクガエル。濃紺の足がジーンズのズボンを履いている様にも見える所からブルージーンズフロッグとも言われます。

イチゴヤドクガエル Strawberry Poison-dart Frog

マダラヤドクガエル Green and black poison frog

真っ赤な目と鮮やかな黄緑色のインパクトが強烈なアカメアマガエルも是非、観察したいカエルのひとつ。

アカメアマガエル Red eyed tree Frog

アマガエルモドキはよく見ると体がガラスの様にうっすらと体内が見える所から、英語ではガラスフロッグと呼ばれています。

アマガエルモドキ Granular Glass Frog

サラピキで是非観察したいのがシロヘラコウモリです。体毛が白く、耳と鼻が黄色をしています。夜行性ですが、昼間はヘリコニアという植物の大きな葉の下に群れで集まっている所を観察できるチャンスがあります。

シロヘラコウモリ Honduran white bat

サラピキでのもうひとつの楽しみは熱帯雨林を流れるサラピキ川でのボートサファリです。標高1,100mのサンホセから2時間程の移動で、熱帯雨林のジャングルクルーズが楽しめるというのも驚きです。約2時間程のボートサファリでグリーンイグアナやホエザル、クリハシオオハシ、アメリカヘビウ、ズアカエボシゲラ、ナマケモノやハナナガサシオコウモリなどが観察できました。

ボートサファリの様子

グリーンイグアナ Green iguana

ズアカエボシゲラ Pale billed Woodpecker

ハナナガサシオコウモリBrazilian Long-Nosed Bat

次の目的地は雲霧林が広がる標高約2,500mのサンヘラルド・デ・ドタ。熱帯雨林のサラピキから車で約5時間。半日の移動でがらりと植生が変わります。サンヘラルド・デ・ドタは世界で最も美しい鳥ともいわれるケツァールの観察場所として知られています。正式名称はカザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)と言い、バードウォッチャーだけでなく、コスタリカを訪れた人であれば絶対に見たい鳥。手塚治虫氏の「火の鳥」のモデルとも言われています。ケツァールの観察チャンスは早朝と夕方。日中はあまり観察できません。リトルアボガドの実を主食としており、エサを食べに来る時間に観察を狙います。

メスのケツァール(カザリキヌバネドリ)Resplendent Quetzal

ケツァールはエサを食べたあと、木の枝に止まり、消化を待つ間しばらくじっとしている時が観察のチャンスです。しかし、かならずしも見やすい場所に止まってくれる訳ではありません。オスのケツァールは長い飾り羽をもち、これを含めると全長は90 – 120㎝にもなります。この長い羽根は雄の特徴。また、頭もトサカの様にふさふさしている点もメスと異なる所です。羽根をひらひらさせながら空を飛ぶ姿は本当に美しく、「火の鳥」を彷彿とさせます。

オスのケツァール(カザリキヌバネドリ)Resplendent Quetzal

早朝、ケツァールの観察を楽しんだ後、一度ホテルに戻って朝食。引き続き、サンヘラルド・デ・ドタでのバードウォッチングを楽しみました。この渓谷を流れるサベグレ川はコスタリカで最も綺麗と言われる川で、川沿いにたくさんの野鳥が生息しています。色鮮やかなハチドリやフウキンチョウは種類も多く、普段バードウォッチングに興味がない方も十分にお楽しみいただけます。

コスタリカハチドリ Magenta throated woodster

コスタリカノドジロフトオハチドリ Scintillant Hummingbird

ホノオフウキンチョウFlamed collared Tanager

午後から訪れたエサ台がある場所では、ギンノドフウキンチョウやホノオフウキンチョウ、ソライロフウキンチョウもやってきました。初めて観察した鳥としてはモリシロハラクロヒタキや、色鮮やかなズアカゴシキドリ、オナガレンジャクモドキが観察できました。

ソライロフウキンチョウ Blue-gray Tanager

ギンノドフウキンチョウ Silver-throatedTanager

ズアカゴシキドリ Red headed Barbet

オナガレンジャクモドキ Longtail silky Flycatcher

ここではハナジロハナグマの姿も。白っぽい鼻先、細い尾の先にはリング状の模様があるのが特徴です。木登りが得意です。この日もパパイヤの木に登ってエサを探していました。

ハナジロハナグマ White-nosed Coati

次は太平洋側へと移動し、コスタリカ最後の秘境と呼ばれるオサ半島のコルコバード国立公園へと向かいます。

 

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旅の楽しみは「お土産」 マダガスカル編

  • マダガスカル

2022.08.26 update

旅行はそれぞれの国の観光が大きな目的ですが、思い出となるお土産を選ぶのも楽しみのひとつです。今回はマダガスカルのお土産をご紹介します。
 

マダガスカルとは?
アフリカ東海岸のインド洋に浮かぶ、日本の約1.6倍の面積を持つ世界第4位の大きさの島です。島に生息する動植物の約8割がマダガスカルのみに生息する固有種といわれており、複数の自然保護区が存在します。その中でもワオキツネザルをはじめとするサルの仲間がマダガスカルを代表する動物です。また、マダガスカル・オーストラリア・アフリカにしかないバオバブ、そのうち6種類がマダガスカルにあり、その並木道はマダガスカルを代表する風景です。

夕暮れのバオバブの並木道。

長いしっぽが特徴のワオキツネザル。

 

 

木彫りの置物
木彫りが盛んなマダガスカル。旅の思い出にぴったりな土産物もあります。

かわいい顔のワオキツネザル。一つ一つ顏が違うのでお気に入りの物を選ぶのも楽しいです。

バオバブ。幹が絡み合った「愛し合うバオバブ」を模ったものが多くあります。

 
サイザル麻製品

原産国はメキシコで、この繊維がよく船で積み出しされていたユカタン半島のサイザル港にちなみサイザル麻と呼ばれます。マダガスカルの南の町、フォートドーファンから西へ約88Kmの所にベレンティ保護区があります。この保護区は1936年サイザル麻の農園主であるフランス人によって作られました。保護区の周りには現在でもサイザル麻畑が広がっています。

サイザル麻畑。葉を水に浸けて繊維を取り出します。

天日で乾かして、海外にも輸出されます。

ランチョンマットは色鮮やかでバリエーションも豊富。

ラフィア椰子製のカバンも人気です。

 

手漉き紙

アンタナナリボから南部の町トゥリアーラまでを結ぶ約1000㎞の国道7号線を通称「サザンクロス街道」と呼びます。その街道に位置するアンバラヴァウ村は伝統的な紙漉きが行われています。

マダガスカルを縦断するサザンクロス街道。

手漉き紙を押し花で飾って美しい、レターセットやカードは贈り物にも喜ばれます。
 
スーパーマーケット
マダガスカルにも大型スーパーがあります。地元の生活を感じることができるスーパーマーケットはお土産物の宝庫です。カカオの産地でもありチョコレートの種類も豊富です。またコーヒーや紅茶、特産のバニラビーンズも必見です。地元のビールもおすすめです。

スーパーマーケットはお土産物の宝庫。

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