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添乗員ツアーレポート  登山・トレッキング

究極のK2展望トレッキング バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ【その2】

  • パキスタン

2020.05.21 update

K2B.C.(5,100m)までは大きく分けると①~➂の3段階となります。

 

①アスコーレ(3,000m)からバルトロ氷河の末端部のパイユ(3,450m)まで<3日間>
酷暑からくる疲労と体調不良に注意しながら歩きます。パイユでは夕食後にポーター達が集まり恒例の宴(歌&踊)が始まります。参加型なので、手拍子を交えて全員で楽しみます。また、連れてきたヤギの解体が行われるのもパイユです。目を背けたくなる様な場面もあるでしょうが(希望者のみ見学可)、レバーの煮込みやお肉の炒めものは絶品です。感謝の念を込めながら頂き、エネルギーを蓄えます。

前方にバルトロ氷河付近に聳える高峰群が顔を出し始める

酷暑の日中はポーターも岩陰で休みます

パイユ(3,450m)のキャンプ地は緑も豊かでとてもリラックスできる

パイユ以降、ポーターは食料を各自で運ぶ、その為に配給がある

ポーター代わりの馬やロバもエネルギーを補充

パイユ(3,450m)にて、現地スタッフ達のパーティーナイト
注)お酒は入っておりません

長い腸の中を洗浄中

栄養たっぷりのヤギのレバー

チキンは今夜のご馳走へ様変わり

②パイユからコンコルディア(4,650m)まで<4日間>
バルトロ氷河の脇や上を歩いて、その四方に聳える名峰群に心が奪われます。K2はコンコルディア到着の約15分前からしか見えません。そのじれったさが溜まらず、期待に胸が高鳴ります。コンコルディアでは、北側にK2とブロードピーク(8,051m)、
東側にガッシャーブルム山群、南側にはバルトロカンリ(7,274m)、スノードーム(7,150m)、チョゴリザ(7,668m)、ミトレ(6,025m)等、360度のパノラマが広がっています。朝に夕に、たっぷりとのんびりと山岳展望をご満喫いただけます。

氷河上から振り返りパイユピーク(6,610m)を望む
※パイユから見上げた写真は下

トランゴ山群を眼前にバルトロ氷河を進む(白い氷河には氷河が削り取った黒い土砂が被っています)
※アップ写真は下

ウルドゥカス(4,050m)のすぐ先からガッシャーブルム山群が顔を出す。左端の山はブロードピーク主峰(8,051m)
※G山群のアップ写真は下

氷河上のキャンプ地(ゴレ)
氷河の上に土砂が被さっているだけでこの下は氷、気温はグッと下がる

ツアーを盛り上げてくれる愉快なポーター達

ポーター達は極寒の地でも工夫を凝らしてシェルターを作る

コンコルディア(4,650m)から望むK2(8,611m)とエンジェルピーク(左 6,805m)

コンコルディア到着日

コンコルディア到着日の翌日、一気に白銀の世界へ

➂コンコルディア~K2B.C.(5,100m)まで<2日間>
ゴッドウィン・オースティン氷河を遡って一気にK2の懐へ近付きます。ブロードピークは真下から見上げる様な角度になり、K2も眼前間近に迫ります。時期によっては登頂隊に出くわすこともあるでしょう。

ゴッドウィン・オースティン氷河の左岸モレーンを進みブロードピークB.C.(4,850m)へ

ブロードピークB.C.(4,850m)から望むK2(8,611m)とエンジェルピーク(左 6,805m)

チョゴリザ(左 7,668m)やミトレ(中奥 6,025m)を背後に望むゴッドウィン・オースティン氷河沿いの好展望地ブロードピークB.C.(4,850m)の南側展望

K2(8,611m)の懐にあたるベースキャンプへ

トレッキング中、特に有名な名峰達を一部ご紹介しましょう。

 

▲パイユピーク(6,610m)
巨大なパイプオルガンの管のような垂直の岸壁を周囲に張り巡らす岩峰です。パイユは現地バルティ語で“塩、岩塩”という意味があります。1976年、パキスタン隊により初登頂。

パイユ(3,450m)から望むパイユピーク(6,610m)

▲トランゴタワー群
圧倒なる花崗岩で造られたトランゴタワー群はロッククライマー達にとって憧れの地。トランゴとは、“羊の囲い場”という意味があります。ファスト・トランゴ(5,753m)、グレート・トランゴ(6,286m)、ネームレス・タワー(6,239m)。1977年、アメリカ隊によりグレート・トランゴが初登頂されて以来、多数のクライミングルートが敷かれています。

グレート・トランゴ(右 6,286m)とネームレス・タワー(左 6,239m)

▲ガッシャーブルム山群
ガッシャーブルムとは現地バルティ語で“輝く峰”という意味があります。GⅠ(8,068m)はバルトロ氷河最奥に位置し前衛峰に隠されているため、ヒドゥンピークと呼ばれています。1958年、アメリカ隊により初登頂が成されました。
GⅡ(8,035m)は1956年、オーストリア隊により初登頂が果たされました。B.C.はGⅠと同じところに設けられ、ブロードピーク(8,051m)と並んで、登りやすい8,000m峰として人気を集めています。しかしコンコルディアでは一番美しく輝くのは何といってもGⅣ峰(7,925m)。夕日には紅く染め上がります。

GⅣ峰(7,925m)の西壁の両脇にはひっそりとGⅢ(左 7,952m)とGⅡ(右 8,035m)

右奥にはヒドゥンピークといわれるGⅠ(8,068m)も見える
ウルドゥカス(4,050m)の先が唯一見えるポイント

▲マッシャーブルム(7,821m)
通称K1。パキスタンでは11位、世界では22位の標高を誇ります。1960年、アメリカとパキスタンの合同隊により初登頂。コンコルディア手前のゴレから鋭鋒の北面が綺麗に見えます。

ゴレⅡ(4,380m)から望む朝晴れのマッシャーブルム(7,821m)

▲K2(8,611m)
インドの測量局の測量番号がそのまま山の名前として残った山。中国名はチョゴリ(バルティ語で“大きい山”)です。コンコルディアからは西側に聳えるエンジェル・ピーク(6,805m)とセットで見るとより美しさが際立ちます。
1861年イギリスの陸軍大佐ゴッドウィン・オースティンが西部カラコルムを調査
(ゴッドウィン・オースティン氷河の命名由来)され、その後、1900年頃から登攀の可能性が探られる様になりました。初登頂は、1954年7月31日、イタリア隊。
以来66年を経てもなお、死亡率4分の1を越える難峰です。また8,000m峰で唯一、未だ冬季登攀は達成されていません。

Karakorum No.2。右の稜線(南東稜)が初登ルート兼ノーマルルート

▲ブロードピーク(8,051m)
現地語でファルチェン・カンリ。山頂の幅が広いことから、その名がつけられました。北峰(7,490m)、中央峰(8,011m)、前峰(8,035 m)の先に主峰が続きます。
初登頂は、1957年6月9日、オーストリア隊。パキスタンに鎮座する8,000m峰五座の内、GⅡ(8,035m)同様に、比較的登りやすい山とされています。

ブロードピークB.C.(4,850m)より登頂隊の様子を双眼鏡で望む
左から北峰(7,490m)、中央峰(8,011m)、主峰(8,051m)

上から見ると、氷河(バルトロとゴッドウィン・オースティン)の合流点(コンコルディアのキャンプ4,650m)がよく分かる
注)ツアーでは訪れません

(参考)ブロードピーク主峰と中央峰のコル(鞍部 7,878m)から望む主峰(8,051m)
注)ツアーでは訪れません

世界各地のトレッキングを経てきましたが、これだけの展望が揃うルートはなかなか珍しいです。長期間の高所トレッキングと厳しい条件もありますが、じっくりと計画的にトレーニングをすれば、決して夢ではありません。世界一といっても過言ではない黄金ルート。夢ではない現実の素晴らしい世界へご案内いたします。

 

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