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屋久島とともに日本で初めての世界自然遺産に登録された「白神山地」。東北の秋田県北西部と青森県南西部にまたがる約13万haに及ぶ広大な山地帯に、ブナ林の原生林が残されています。
岳岱自然観察教育林のブナの森(秋田・藤里町)

世界遺産・白神山地

日本が世界遺産条約を批准したのは1992年で、翌年の1993年に調査委員が白神山地を訪れ、ペルーでの最終会議を経て、白神山地が世界遺産に登録されました。

苔や地衣類などに覆われたブナの森

白神のシンボル「400年ブナ」

この白神山地のブナの森が世界遺産に登録されたのは、手つかずの8,000年前の原生林が残されていることが大きな理由のひとつです。かつては、この森に青秋林道の建設計画がもちあがったそうですが、市民グループの反対によって道路建設はくい止められました。もし道路が作られていれば白神山地の世界遺産の登録はなく、同じように広大なブナの森が広がる十和田湖・奥入瀬渓流の周辺は、森林を切り開いて道路が作られたため、残念ながら世界遺産としての価値はなくなってしまったそうです。

ブナ林の木道沿いにあるモリアオガエルの池

7月はブナの芽吹きがみられるシーズン

秋田白神山地

秋田県の白神山地は、緩衝地域に位置する二ツ森やその周辺の岳岱自然観察教育林、藤里駒ヶ岳、留山などのブナやミズナラの天然林のほか、峨瓏大滝、銚子の滝など滝や天然の秋田杉が立ち並ぶ太良峡、ミズバショウやニッコウキスゲなどが一面に咲く田苗代湿原など見どころが満載です。

ブナ林で菌類に寄生して栄養を得るショウキラン(鍾馗蘭)

ブナの森のハイキング時のお弁当の一例

 

岳岱自然観察教育林
標高620m、面積約12ha。コースを一周すると1.8km。岳岱自然観察教育林は、ブナを主とする冷温帯落葉広葉樹林の極林に近い林相で、昭和48年度レクレーションの森「岳岱風景林」に指定された後、平成4年4月現在の名前「自然観察教育林」に変更さました。ブナの寿命は300年前後と言われる中、それを遥かに超える老木・白神のシンボル「400年ブナ」と呼ばれる幹周り485cm、樹高26mの巨木は「森の巨人たち百選」にも選定されています。

白神のシンボル「400年ブナ」

森の巨人たち100選認定看板

 

田苗代湿原
面積約19ha。大昔は湖沼だったと言われる湿原。ここでは時期を変えてミズバショウやショウョウバカマ、ニッコウキスゲなど湿原に咲く高山植物を見ることができます。田苗代湿原は藤里駒ヶ岳登山の入口で、ここから頂上まで片道約70分~90分の行程です。湿原内は植物が踏み荒らされないよう木道が整備され歩きやすい散策ルートになっています。昨年はニッコウキスゲの花が例年より開花せず裏年と言われていたので、今年のニッコウキスゲの花シーズンは期待ができます。

ニッコウキスゲの花咲く湿原をハイキング

ニッコウキスゲの花

 

アクセスが便利な青森県側のブナの森が有名ですが、知られざる秋田県側の白神山地周辺の森のハイキングもおすすめです。
白神山地シリーズ②へ続きます!

 

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