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添乗員ツアーレポート  南アジア

ヨガの聖地 リシケシ ヨガ体験

  • インド

2013.08.01 update

ガンジス河のほとりにてガンジス河のほとりにて

混沌と静謐が混在する街 リシケシ

 リシケシは、1960年代にビートルズがこの地を訪れヨガの修行をしたことでも知られています。彼らは、ガンジス川のほとりにある小高い森の中にあるアシュラムに滞在し、1日5時間以上の瞑想をしながら多くの曲を生みました。食事が合わなかったリンゴ夫妻は2週間で、ポールは3週間で、ジョンとジョージは1ヶ月半でこの地を後にしたと言われています(諸説有)。
この町には、ガンジスの川辺に沿って多くのヒンドゥー寺院が点在しており、街中ではインド中からやってきたたくさんの巡礼者やサドゥーの姿が目立ちます。また、アシュラム(ヨガ道場)の数も多く、古くからヨガの修行者が集まる聖地となっています。神々の山・ヒマラヤの麓に位置し、上流にあたるこの地を流れるガンジスは下流と違い青く美しいことが特徴です。人々はこの美しいガンジスの水を求め、インド中から集まり、沐浴を行うのです。
また、清らかなガンジスの流れを中心に周囲を山に囲まれたこの地形は、何か大きな力が働く〝気の集まる所〟とされるのがアシュラムが多い所以とも言われています。確かに、低い標高ながらも、どこか清くすがすがしい空気がリシケシの町には流れています。
巡礼者がインド中から集まる街中の賑わいと朝日に照らされるガンジスのほとりに漂う夜明けの静寂。それは、インドらしい混沌とインドらしい神聖さを同時に持つ不思議な町といえるでしょう。

リシケシの街並み。聖なる動物である牛は街のいたるところで堂々と過ごしている。
リシケシの街並み。聖なる動物である牛は街のいたるところで堂々と過ごしている。
ガンジスのほとりで夕方のプージャに使う花を売る女性。
ガンジスのほとりで夕方のプージャに使う花を売る女性。

密林の学問 ヨガ

 日本では近年、ある種のヨガブームといえるかもしれません。様々な種類のヨガが気軽に始められるようになり、美容法や健康法の一つとして身近に感じられるようになりました。
インドで生まれたヨガの歴史は、紀元前3000年前、インダス文明の時代にまで遡ります。ウパニシャッド聖典の中に初めて「ヨーグ」という言葉が現われますが、それ以前のインダス文明の刻印にあるシヴァ神の座っている姿はヨガのポーズ(アーサナ)の一つである蓮華座と言われています。
ヨガとは、「ヨーグ」=「繋ぐ」という意味からきています。何と何を繋ぐかと言いますと、ブラフマン(宇宙の絶対的な真理)とアトマン(自我)を繋ぐものという意味です。ヨガは、宇宙の絶対的な真理を理解・体現しようとする方法として生まれた「哲学」、つまり「解脱への道」というのがヨガの本来の姿になります。
それが、時の流れのなかで密教的要素がかなり削除され、簡略化され世界に広まっていきました。そして、哲学を失い、形式的なものとなり、体操化したものが現代のヨガと言えるでしょう。しかし、いずれの時代・場所においても、ヨガが「自分を磨くための方法」ということには変わりありません。
難しげなヨガのお話ですが、リシケシという不思議な町で、インド人の生活、思想にふれ、ゆっくりと呼吸をし、その空気を感じていただくこと。これが、どんな難しい哲学の話をするより、一番だと感じています。

 

全室ガンジスビューのYOGA NIKETANのゲストハウスの客室。
全室ガンジスビューのYOGA NIKETANのゲストハウスの客室。
ヨガのプログラムが行われる道場。精神を集中させるレッスン中は撮影が禁止となっている。先生が前方に座り、分かり易い英語と共にお手本を見せながら進められる。ヨガマットがアシュラムで借りられる。
ヨガのプログラムが行われる道場。精神を集中させるレッスン中は撮影が禁止となっている。先生が前方に座り、分かり易い英語と共にお手本を見せながら進められる。ヨガマットがアシュラムで借りられる。

ヨガを知るためのキーワード

ヨガ Yoga
ヨガとは、インド古典六派哲学のひとつ。この世の全て、真理を理解・体現する方法として生まれた古代インド発祥の修行法です。ヨガは、何に重点を置くかによって“知識の追究”や“瞑想”、“真言唱和” など6~7種に分類されます。現在、一般的に知られている“ポーズをとる”ヨガはその中の「ハタヨガ」というものに属します。ハタヨガは訓練のヨガとも呼ばれ、悟りを拓く、瞑想をするために必要な「健全で調和をとれた肉体と精神を作る」ためのヨガです。このハタヨガは、ヨガの中で最も取り組み易いもので、8つのステップ(八階梯)を進むと自然と悟りの境地に辿り着くと考えます。その中の3番目のステップが皆さんご存知のポーズをとる行為“アーサナ”(日本語では座法と訳す)となります。
アーサナ Asana
アーサナ(ポーズ)は基本的に12のメインのポーズで構成されています。これらのヨガのポーズには前後、左右、ねじる方向、伸ばすと縮める、緊張と弛緩、バランスなど人間の全ての身体の筋肉、腱、靭帯、骨、内臓、リンパ、内分泌、ホルモンなどが鍛えられるようにできています。ヨガのポーズとストレッチなどのエクササイズの大きな違いは、ヨガは“動くこと” ではなく“静止すること” であるという点です。1つのポーズの状態で静止し、ゆっくりと自分の体に語りかけることが重要となります。そのために、必要なのは“呼吸”です。呼吸をコントロールするということは、身体のエネルギーをコントロールするということです。アーサナは必ず「吸って、吐いて」という呼吸と連動させることで、初めて意味をなすのです。ツアー中のレッスンでも「インヘール(吸って)、エクセール(吐いて)」という先生の合図に合わせてポーズを行っていきます。
アシュラム Ashram
アシュラムとは「精神的な修行をする場」という意味。ヨガを「人生そのもの」と捉えるインドでは、瞑想やアーサナを練習することだけではなく、朝起きてから眠るまで、寝ている間でさえも学びの場と考えます。アシュラムに滞在することはこのヨガの教えに基づいた生活を送ることです。

ヨガニケタン ヨガニケタン

アシュラムでの1日 YOGA NIKETAN

※全てのプログラムは自由参加です。
AM PM
AM 4:30 モーニングノック
部屋に電話がないアシュラムでは、モーニングノックが目覚ましがわり。まだ暗いうちに1日が始まります。AM 5:30 朝の瞑想(1時間)
ゲストハウスから道場エリアにある瞑想ホールへ。真っ暗な部屋で蓮華座を組み、ただただ精神を研ぎ澄ませます。誰にも邪魔されない静寂の時間です。AM 6:30 ヨガレッスン(1時間)
瞑想後のすがすがしい気持 ちで朝のレッスンが始まり ます。静かで気持ちのいい道場で、呼吸を意識しながら全身を少しづつ動かしていきます。
※レッスンは、前に座る先生の動 きに合せて一緒にポーズを取り ます。先生は分かり易い英語で話しますが、見よう見まねで問題なし。時折、先生が傍まで来てポーズを直してくれます。

AM8:00 朝食
レッスン後、鐘が鳴るとご飯の合い図。給仕のおじちゃんが順番に食事を盛ってくれます。食後は自分で食器を洗うのも、アシュラムのお約束。

その後自由行動。

 

PM 0:00 昼食

その後、自由行動

PM 3:00 ヨガ講義
(※不定期の開催です。)

PM 4:00 チャイタイム
インドならでは、ミルクたっぷりのチャイでホッと一息。ほかの滞在者の方との交流も楽しみのひとつです。

PM 4:45 ヨガレッスン(1時間)
朝とは違う先生が教えてくれます。

PM 6:15 夕の瞑想(1時間)
こちらも朝とは違う先生がマントラを唱えます。

PM 8:00 夕食
食後は朝と同じように食器を洗って、1日が終了です。守衛さんにおやすみを言ってお部屋に戻ります。
※道場エリアとゲストハウスの入口にはそれぞれ守衛さんによってしっかり管理されており、セキュリティも安心です。

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