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添乗員ツアーレポート  南アジア

花のロータン・パスとダラムサラ 標高3,980m
霧がかるインドヒマラヤの麓に幻の花を求めて

  • インド

2011.07.01 update

岩陰にひっそりと咲く可憐な”青”を探す旅へ足を運んでみませんか…
そこには、まだ貴方の知らないインドが待っています。

霧雨に濡れて透ける"青" ブルーポピー
標高3,000m以上の高地にしか咲かない花「ブルーポピー」

霧雨に濡れて透ける”青” ― ブルーポピーの妖しい魅力

ブルーポピー
インドヒマラヤの麓に咲く幻の花「ブルーポピー」

世界で200種を超えるケシ科の植物。その中でひとつのまとまったグループを形成するメコノプシス(Meconopsis)属の仲間に「ヒマラヤの青いケシ」で知られる種があります。それは、通称「ブルーポピー」と呼ばれ、長く幻の花として人気を誇ってきました。 透き通るような美しい青色の花をつけること、それがヒマラヤや中国奥地の空気も薄い高地に咲くこと、そしてそこへは容易に近づけないことが人気に拍車をかけてきました。標高3,000mを超すこれらの地域は、長い間外国人が近寄りにくい場所であったため、その調査・解明が遅れたことも、神秘性を高めている理由です。このメコノプシス属は、青だけではなく他に赤や黄色、紫などの種がありますが「青」の美しさは別格。 ふれると壊れてしまいそうな繊細さを持つ、可憐で、神秘的な”青”…
インド北部、ヒマラヤの麓に妖しい花を探しに行きませんか。

簡単なハイキングで美しい高山植物に出会える場所 ― ロータン・パス

インド北西部ヒマラヤ山脈西端に位置するヒマーチャル・プラデーシュ州。ここに隠れた花の名所が残っています。
ラダック・レーに通じる道が走る峠、標高約3,980mのロータン・パス付近には様々な高山植物が自生しており、毎年雨季(6月後半~7月後半頃)に入ると、キンポウゲやサクラソウ、アヤメ、ツリフネソウなどの花々で、時期が合えば一面お花畑となるのです。
そこには、ブルーポピーも含まれ標高3,000mを超すあたりから岩影にひっそりと姿を現します。
このツアーでは、ロータン・パス付近まで専用車で上り、花々をゆっくりと観察しながら下っていきます。峠周辺にはきつい勾配はなく、まさにトレッキングなしでブルーポピーに出会える場所となっています。ツアーはもちろん花咲くベストシーズンに限定。峠の周辺でも十分に可憐な高山植物たちをお楽しみいただけます。 運良く晴れた日にロータン・パス最高地点に辿りつければ、迫力ある5,000m級のラホールやスピティ渓谷に連なる山々などを眼前に仰ぐことができます。

  • ロータン・パス
    ロータン・パス付近をハイキング
  • ロータン・パス
    迫力ある山々の景観も魅力
  • ロータン・パス
  • ロータン・パス
    インドヒマラヤに咲く高山植物を堪能
  • ロータン・パス

独特の建築文化を持つヒマラヤ杉の町 ― マナリ

ロータン・パスはインド北東部、クル渓谷に位置する人気の避暑地マナリから車で1時間程の所にあります。そのため、フラワーハイキングの拠点はこのマナリに3連泊。マナリのあるこの地方は、樹木が豊富で雨が多いため、勾配屋根をかけた木造建築文化が根付いており、石造建築が主なインドでは特徴的な地域となっています。それは、ヒマラヤ杉にスレートの瓦屋根をかけ、1階の石積みの厚い壁の上に木造の2階が大きく張り出し、バルコニーが巡らせてあるという格好で、マナリの旧市街(オールド・マナリ)ではこのような伝統的な民家が並ぶ景色を目にすることがでます。このあたりではクル渓谷付近の伝統的な帽子や民族衣装を着た人々に出会えることもあります。 また、同じヒマラヤの息のかかった地方でありながらカシミールのイスラム、ラダックのチベット仏教とは対比的にヒンドゥー教を主とする木造寺院も見どころです。イメージするインドとは違うようでやはりインドのような…不思議な感覚を味わうことができるのもヒマーチャル・プラデーシュ州マナリの魅力のひとつです。

  • マナリ
    伝統的な帽子や民族衣装を着たおじいさん(オールド・マナリにて)
  • マナリ
    古い民家が並ぶ

インドの山奥にあるLittle Lhasa ― ダラムサラ

ダラムサラ
森に抱かれるようにして広がるダラムサラの街

このツアーで、忘れてはならないのがチベット亡命政府の拠点、ダラムサラの訪問です。ヒマラヤ山脈の西縁に連なる標高1,800メートルの丘陸地帯、その山々の森に抱かれるようにダラムサラの街は広がっています。
ダラムサラには、6000人以上のチベット人が生活をし、カンチェン・キション(雪有る幸福の谷)という場所に亡命政権の官庁街があります。チベット文化を守る研究所や大学などの施設もあり、チベット民族の伝統を守る最後の砦といえる地です。今回は、ツアーでも2連泊するこのダラムサラの魅力をご紹介します。

  •  ダラムサラの歩き方 1
    「チベット僧院をめぐる」

    ツアーでは、ナムギャル僧院・セチュリン僧院という二つの僧院を訪れることができます。ナムギャル僧院は、ダライ・ラマ公邸の正面に位置するゲルク派の総本山。ダライ・ラマのお家を目の前に見ることはできないのですが、実はこの寺院からほんの少しだけですがダライ・ラマ宅屋根の一部を見ることができます。僧院内では五体投地をする人々、マニ車を回す人々など、チベットらしい光景を目にすることができます。

  •  ダラムサラの歩き方 2
    「チベットの文化と教育にふれる」

    ダラムサラ観光で欠かせないのが、ノルブリンカ芸術研究所とチベット子供村の訪問です。ノルブリンカでは、チベット仏教の芸術文化の発展・保存と青年たちの経済的自立を目指した養成を行っており、実際にタンカ絵師などの訓練に励む姿を見学できます。またチベット子供村では、乳児から18歳までのチベット難民または2世3世の子供たちが暮らしており、人なつっこく私達の手を握ってくる姿が忘れられない体験となるでしょう。

  • ダラムサラ
    セチュリン僧院
  • ダラムサラ
    タンカの製作風景
  • ダラムサラ
    チベット子供村にて
  •  ダラムサラの歩き方 3
    「宗教と世俗、チベットとインドの混在を味わう」

    それは、ダラムサラの中心地マクロード・ガンジーを歩くことです。そこには、なんとも言えない雑多な空気が漂います。周囲は霧がかる深い森、その中に並ぶ民芸品や土産物を売る店、外国人長期滞在者向けのカフェやゲストハウス、そこにチベット独特の仏塔を持つ寺院が建ち、チベットから持ち込まれた仏具やダライ・ラマの顔写真を売る店が同時に軒を連ね、赤い袈裟をまとった僧侶たちが携帯電話を片手にその通りを歩いている。そんな光景の中を歩く時間はダラムサラならではの、面白さといえるでしょう。

  •  ダラムサラ(と周辺)の歩き方
    「ヒマーチャル文化を感じる」

    チベット仏教の中心地ダラムサラですが、そこはインド、ヒマーチャル・プラデーシュ州の町。「雪山の地」を意味するヒマーチャル特有の文化にも出会えます。ツアーでは、野菜をふんだんに使ったヒマーチャル料理もお楽しみいただけます。ヒマーチャルの人々は、独自の生活習慣を持ち、厳しい寒さを凌げるよう、服装も独特です。男性はウール地の丸い帽子にコートやベスト、女性はサリーではなく毛織りのパトゥを巻きつけ、頭にスカーフを巻いていたりします。ダラムサラからマナリのへの道中では、そんなヒマーチャルの人々を目にするかもしれません。

  • ダラムサラ
    ダラムサラの街角にて
  • ダラムサラ
    マクロード・ガンジー
  • ダラムサラ
    ヒマーチャル料理(一例)

花のロータン・パスとダラムサラ、インドの山奥に幻の花を求める旅は、インドヒマラヤの麓に生きる様々な世界にふれる旅でもありました。 インドではないインドを味わう旅へ、そして岩陰にひっそりと咲く可憐な“青”を探しに、足を運んでみませんか。

関連ツアーのご紹介

花のロータン・パスとダラムサラ

高山植物が咲き乱れるベストシーズン限定企画。幻の花・ブルーポピーを求めてインドの隠れた花の名所、ロータン・パスをハイキング。シク教の聖地アムリトサルも訪問。

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