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今回は関西で知名度の高い、六甲全山縦走路(略して全縦!)についてご案内いたします。

須磨アルプスの名勝・馬の背①

須磨アルプスの名勝・馬の背

まずは舞台となる六甲山について。三百名山ではあるもののネームバリューには少し欠けるのかもしれません。

とはいえ実際は、日本の登山の歴史を語るうえで欠かすことができない山なのです。

1874年、ガウランド、アトキンソン、サトウの外国人3人のパーティが、ピッケルとナーゲル(靴底に鋲を打った登山靴)を用いて日本初の「近代登山」を六甲山で行ないました。

1924年、藤木九三が中心となり神戸で発足された日本初のロッククライミングを目的とする山岳会(RCC)のゲレンデも六甲山系にあります。

単独行により数々の登攀記録を残した登山家、加藤文太郎もRCCに所属していて、六甲全山縦走路は、体力作りにいそしむ加藤文太郎が始めた登山ルートなのです。

 

 

さて、六甲全山縦走路は海沿いの須磨浦公園から始まります(隣駅の塩屋からのパターンも有)。朝日に輝く大阪湾の海を見下ろしながら、公園内の急登階段を約30分ひたすらに登ります。汗は噴き出てしまいますが、歩き出し(特に初日!)は心拍や筋肉に負担をかけすぎない様、ペースや歩き方で調整します。

鉢伏山手前の展望台(麓からのロープウェーの終着駅)からは、山と海が一体となったこれぞ神戸!という風景、大阪平野、明石海峡大橋、淡路島のパノラマが広がります。

鉢伏山展望台より神戸景を望む

鉢伏山展望台より神戸景を望む

須磨海浜海岸と埋立地(神戸空港など)

須磨海岸と神戸の港湾風景および埋立地(神戸空港など)

景色を堪能した後、すぐ先の鉢伏山(246m)頂上へ。

全山縦走路56kmのなかには、多数の山々が連なり、アップダウンを繰り返しながら越えていきます。振り返ると、今まで登った山が見えるのも縦走の魅力です。

鉢伏山から少し下って少し登ると、旗振山(263m)へ。

江戸時代から明治にかけ米相場価格を旗振り通信で西へ伝えていたことが山名の由来です。

 

備長炭として重宝されるウバメガシが生える林の中を先に進むと鉄拐山(234m)へ。

源義経が、頼朝の名により隊を率い、鵯越で隊を分け70騎とともに辿り着き「鵯越の逆落とし」という名の奇襲を平氏陣営にかけたといわれている山です。

ブナ科ウバメガシの林を歩く

ブナ科ウバメガシの林を歩く

鉄拐山山頂にて

鉄拐山山頂にて

高倉台の集合団地へ下り、348段の階段を登り切った先には栂尾山(274m)。その先に横尾山(312m)。どんどん越えていきます。

背後に淡路島、明石海峡大橋を望みながら348段の階段を登る

背後に淡路島、明石海峡大橋を望みながら348段の階段を登る

栂尾山山頂にて

栂尾山山頂にて

序盤のハイライトともいえる須磨アルプスの名勝・馬の背は、緑の山の尾根に岩がむき出しになっていて、細い尾根道が馬の背の様になっています。

ワクワクした気持ちで越えていきます!

須磨アルプスの名勝・馬の背②

須磨アルプスの名勝・馬の背①

須磨アルプスの名勝・馬の背③

須磨アルプスの名勝・馬の背②

その後、一気に下ると街に降ります。六甲全山縦走路は山々を繋ぐ間の町で迷いやすいので、標識を見失わない様に注意が必要です。またエスケープがしやすく、自動販売機やコンビニもあるので水分補給も容易いことがメリットです。

次に目指すは高取山(327m)。頂上には立派な神社があり、神戸の街を一望できる展望地にもなっています。

地元の民話において、山全体が水没した際に大きな松に絡んだタコを捕獲したことから「タコ取り山」と名付けられたらしく、全く想像ができないお話が面白いですね。

左より鉢伏山、鉄拐山、栂尾山、横尾山を望む

左より越えてきた鉢伏山(246m)、鉄拐山(234m)、栂尾山(274m)、横尾山(312m)を望む

高取山頂の鳥居

高取山頂の鳥居

高取神社

高取神社

高取神社より神戸景を望む

再び街に降り、坂の多い舗装路を進むと神戸電鉄・鵯越駅に到着します。山間部を走る列車がジブリの映画に出てきそうだなといつも感じてしまいます。

神戸電鉄(略して神鉄)

神戸電鉄(略して神鉄)

弊社のツアーでは、ここで1日目を終えること、17.5km(所要7.5時間 昼食含む)の行程。神戸景を満喫して、疲労感もほどよい初日に仕上がっています。

パート②では、一気に終点宝塚までをご案内いたします。

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