トロッコ列車でケウラ岩塩坑へ 

「ピンクソルト」「ヒマラヤ岩塩」として出回っている岩塩の採掘がおこなわれている、世界第2の規模を誇る岩塩坑がケウラ岩塩坑 Khewra Salt Mine。

パンジャブ州のソルトレンジ(Salt Range、塩の山脈)のポトハル高原にある岩塩坑で、その発見はアレキサンダー大王の時代にまで遡ります。紀元前326年、アレキサンダー大王のインド遠征の際に軍馬が地面をなめていたことから塩が発見されました。その後、ムガール帝国時代に商業用の採掘が始まり、イギリス領インド帝国時代の1872年にメインのトンネルが開掘され大規模な採掘が始まりました。

ピンクソルト、ヒマラヤ岩塩に関する記事:ソルトレンジ Salt Range- ヒマラヤ岩塩を産出する塩の山脈

ケウラ岩塩坑は内部を見学することができます。1930年、イギリス領インド帝国下で開通したケウラ岩塩坑鉄道 Khewra Sale Mines Railwayの600mm軌間のトロッコ列車が観光客を内部へと運んでくれます。

トロッコ列車に乗って、岩塩坑へ。ケウラ岩塩坑は観光客向けに開放しているセクションと現在も採掘が進められているセクションがあります。

チャンドニーチョウク Chandni Chowkに到着、ここでトロッコ列車を降りて、岩塩坑ガイドの案内で歩き始めます。到着したトロッコ列車からいくつかのグループ分けがされ、パキスタン人のグループにはウルドゥ語で、外国人の我々には英語で説明をしてくれます。

通路の両側にはムガール時代にも遡る採掘の跡が残っています。

昔の採掘場には雨水がたまり、それが飽和ブライン溶液となりホースで外部へ送り工場へと販売されています。

通路を進むと最初に現れるモニュメントがこのカラフルな塩のブロックで作られたモスク。赤い塩は鉄分、ピンクの塩はマグネシウムが多く含まれています。

この「岩塩でできたモスク」はラホールにあるバードシャーヒーモスク Badshahi Mosqueをモチーフにしたもので、50年以上前に作られたものなんだそうです。

さらに大きな広間のような空間に出ました。塩のつらら、塩の鍾乳石。昔の採掘で使われた大砲も展示されていました。そして奥に見えるモニュメントが有名な「岩塩でできたミナーレ・パキスタン Minar-e-Pakistan。

ケウラ岩塩坑の紹介で良く出てくるのがこの岩塩のブロックで作ったミナーレ・パキスタン Mina-e-Pakistanと先ほどのバードシャーヒーモスク Badshahi Mosque。おそらく同じ時期に作られたものでしょう。ミナーレ・パキスタンはラホールにあるモニュメントで、1940年に全インド・ムスリム同盟がラホール決議(後のパキスタン決議)を可決した場所に建てられたものです。イギリス領インドのムスリムに独立した祖国を求める最初の公式声明で、パキスタン誕生に関わるモニュメントなのです。

メイン通路から少し入ったところにあるのが Crystal Palace。

緑・赤・青と変わるライトアップのせいでオリジナルの色と光がみれないのが残念ですが、壁面は塩の結晶で輝いていました。結晶は小さなサイコロ状、柱状などでした。

こちらはシーシマハルSheesh Mahal<鏡の間>と呼ばれる空間。透けたピンクソルトの壁が光り輝いています。

シーシマハルの奥には塩水面がまさに鏡のように塩の壁と結晶を映し出していました。

これでほぼ一周し、帰路のトロッコ列車もちょうど到着。

ケウラ岩塩坑はイスラマバードやラホールからも簡単に日帰りできる場所にあります。インド大陸とユーラシア大陸がぶつかりあった場所という壮大なロケーションに加え、アレキサンダー大王の軍馬が発見した岩塩、ムガール時代から続く採掘場跡と、歴史ロマンを一度に体験できる場所です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : Jan 2022, Khewra Salt Mine, Punjab

カテゴリ:■パンジャブ州 > ソルトレンジ
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ソルトレンジ Salt Range- ヒマラヤ岩塩を産出する塩の山脈

ヒマラヤ岩塩、ピンクソルトとして世界で流通している岩塩の多くがパキスタンの岩塩坑で産出されたものです。なかでも は有名で、観光客が中に入ってその採掘された後を見学したり、ピンク色の岩塩で作られた地下モスクを見学したりできる観光地にもなっています。

今回、パンジャーブウリアルという野生動物を探しにでかけたソルトレンジで、観光地ではない岩塩採掘所を見る機会がありました。

 

ソルトレンジ Salt Range はパキスタンのパンジャーブ州、ヒマラヤ山脈の南端に位置し、ポトハル高原 Pothohar Plateau の南からジェルム川  Jhelum River の北へと広がっています。

ヒマラヤ岩塩はこのソルトレンジにある褶曲衝上帯のエディアカラン期からカンブリア紀初期(6億年~5億4000万年前)に遡る厚い蒸発岩の層から産出されます。カンブリア紀から始新世にかけての堆積岩がより新しい時代の堆積岩の上に押され、浸食されソルトレンジSalt Rangeが現れました。

太古の海の化石がインド大陸とユーラシア大陸の衝突により地表に現れた、何とも壮大でロマンがある岩塩です。

 

ポトハル高原であちこちに見られる岩塩坑。

 

ソルトレンジの岩塩に関してもう一つロマンある話があります。この塩を発見したのはかのアレキサンダー大王の軍隊だという伝説です。紀元前326年、アレキサンダー大王のインド遠征の際に軍馬が地面をなめていたことから塩が発見されました。実際にアレキサンダー大王の軍とインド諸侯軍との対戦「ヒュダスペス河畔の戦い」はジェルム川河畔で、このソルトレンジを通過したことは間違いありません。

 

岩塩坑の入り口付近の地表は塩の結晶で覆われています。

 

トラックが採掘場へ入っていきます。トラックの運転手によると2キロ以上先で採掘がおこなわれおり、それを運び出してくると。

 

こちらは岩塩をのせて出てきたトラックです。相当の重量でしょう、オフロードの道をゆっくりゆっくり進んでいきます。

岩塩の採掘の歴史は、確認されるものは紀元後1200年ごろにはじまり、ムガール帝国時代には岩塩の交易も行われていました。イギリス植民地下の1872年にケウラ岩塩坑のメイントンネルが作られ本格的な採掘が始まりました。

 

岩塩坑のひとつに歩いて中に入ってみました。ソルトレンジの内部です。

 

これは岩塩ミル用に細かく砕いて商品化されたヒマラヤ岩塩。以前は「ミル」のようなおしゃれなものはなく、粉状か岩のブロックのまま販売されていましたが、最近はおしゃれなパッケージで岩塩ミルとセットで販売されたりしています。価格も安く、必ず使うものなので外国人観光客のお土産品としても人気です。

 

こちらは北部フンザでの伝統的なヒマラヤ岩塩の使用方法です。フンザ地方ではチャイに砂糖ではなく塩を入れます。熱いチャイをヒマラヤ岩塩のブロックでぐるぐるかき混ぜます。

 

パンジャーブ地方のソルトレンジからはるばるとカラコルム山脈の村まで運ばれ、今もチャイには欠かせない岩塩。

そういえば、漫画『ラーメン食いてぇ!』(2018年に映画化、キルギスで撮影されました)では、遊牧民の煮込み料理の隠し味としてこの岩塩が登場。作品の本当の舞台は新疆ウイグル自治区ですが、パミールを越えたヒマラヤ岩塩の味を大自然の中で堪能する描写が大変印象的でした。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Visit  : Dec 2020, Potohar, Punjab

Reference : Wikipedia,

カテゴリ:■パンジャブ州 > ソルトレンジ > ◇ パキスタン一般情報
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パキスタンの e-VISA

パキスタンのVISAがオンラインで取得できるようになりました。
パキスタンのe-VISAの申請方法について、2019年10月に来られたお客様からレポートを頂きましたので申請方法と注意点をご紹介いたします。

 

必要なもの:パソコン、パスポート、クレジットカード、顔写真データ、ホテルの予約証明書
料金:8.18$(900円弱、2019年10月現在)
申請先:https://visa.nadra.gov.pk

まずは上記のサイトにパソコンからアクセスします。
※Google ChromeまたはFire fox以外のソフトではページが表示されません。

 

アクセスするとこの画面が出てきます。英語版が出たら「Visit Visa」を、日本語版が出た人は「ビザにアクセス」をクリックします。

 

次に「Tourist Visa」をクリックします。

 

「Apply Now」をクリックします。

 

まずは、アカウントを作る必要があります。
「CREATE A NEW ACCOUNT」をクリックします。

 

空白部分を全て埋め、チェックボックスにチェック。「SAVE AND CONTINUE」をクリックします。※パスワードは8文字以上で大文字、小文字、数字、記号を含む必要があります。

 


このような画面が表示されればOKです。
登録したメールアドレスに下記のようなのようなメールが来ます。

 


Continue Registration」をクリック。

 


メールで受け取った4桁のピンコードを打ち込みます。残りの空白を埋め、アカウントを有効化させます。「VERIFY」をクリック。

 


先ほど登録したメールアドレスとパスワードで再ログインします。

 


チェックを入れ「Accept and Continue」をクリック。

 

タブからJapanを選択します。「START E-VISA APPLICATION」をクリックしe-VISAの申請をスタートしましょう。後は流れに沿って赤い星マークを埋めて申請を進めましょう。

 

必要項目を全て入力した後、書類3点のアップロードが必要です。
1 パスポートコピー
2 顔写真
3 ホテルの予約証明書

(第三国に居住している場合は、その国のビザや就労証明書)

ファイルは350KBのものまでアップロード可能なのでサイズ調整のうえ、書類一点ずつアップロードします。

 

クレジットカードでの支払いまで終えれば申請は完了です。

 


申請から約10日後、上記のVisa承認のメールが届きました。メールのリンクからe-Visaをコピーし、必ず持っていきましょう。
※入国審査、ホテルやフライトのチェックイン時に提出を求められるのでパスポートと一緒に携帯しましょう。陸路で移動しているとチェックポストでも提示を求められます。

 

空港に到着すると、まずはe-Visaのカウンターに並び、上の画像のようにサインとハンコが押されます。その後、入国審査<Foreigner>の列に並びます。ワガ(印パ国境)など陸路の国境でもe-Visaは有効です。

 

パキスタンも個人旅行者がe-Visaを簡単に取得できるようになりました。これまで外国を旅行中の方や、海外在住の日本人はパキスタン査証の取得に苦労されていましたが、これで少しパキスタンが「近い国」になったのでないでしょうか。

 

<追記>2019年12月、西遊旅行のインド支店・西遊インディアのスタッフ(インドはEmployment Visa )がワガ国境よりe-visaで問題なく出入国できました。国境では空港のイミグレよりも質問項目の多い出入国書類の記入が必要です。

 

Text : Mariko SAWADA

※記事は2019年11月28日現在の情報をもとにしています。査証の取得を保証するものではありません。今後、e-VISA申請のサイト・取得条件などが変更されることがあります。必ず、最新の https://visa.nadra.gov.pk の情報をご確認ください。また、ご旅行出発まで日数に余裕をもって申請をなさってください。

※インド内で上記サイトが開かないと聞いています。インド在住・インド旅行中の方はご注意ください。

印パ国境越えとワガのフラッグセレモニーについてはこちら

 

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