パキスタンの e-VISA

パキスタンのVISAがオンラインで取得できるようになりました。
パキスタンのe-VISAの申請方法について、2019年10月に来られたお客様からレポートを頂きましたので申請方法と注意点をご紹介いたします。

 

必要なもの:パソコン、パスポート、クレジットカード、顔写真データ、ホテルの予約証明書
料金:8.18$(900円弱、2019年10月現在)
申請先:https://visa.nadra.gov.pk

まずは上記のサイトにパソコンからアクセスします。
※Google ChromeまたはFire fox以外のソフトではページが表示されません。

 

アクセスするとこの画面が出てきます。英語版が出たら「Visit Visa」を、日本語版が出た人は「ビザにアクセス」をクリックします。

 

次に「Tourist Visa」をクリックします。

 

「Apply Now」をクリックします。

 

まずは、アカウントを作る必要があります。
「CREATE A NEW ACCOUNT」をクリックします。

 

空白部分を全て埋め、チェックボックスにチェック。「SAVE AND CONTINUE」をクリックします。※パスワードは8文字以上で大文字、小文字、数字、記号を含む必要があります。

 


このような画面が表示されればOKです。
登録したメールアドレスに下記のようなのようなメールが来ます。

 


Continue Registration」をクリック。

 


メールで受け取った4桁のピンコードを打ち込みます。残りの空白を埋め、アカウントを有効化させます。「VERIFY」をクリック。

 


先ほど登録したメールアドレスとパスワードで再ログインします。

 


チェックを入れ「Accept and Continue」をクリック。

 

タブからJapanを選択します。「START E-VISA APPLICATION」をクリックしe-VISAの申請をスタートしましょう。後は流れに沿って赤い星マークを埋めて申請を進めましょう。

 

必要項目を全て入力した後、書類3点のアップロードが必要です。
1 パスポートコピー
2 顔写真
3 ホテルの予約証明書

(第三国に居住している場合は、その国のビザや就労証明書)

ファイルは350KBのものまでアップロード可能なのでサイズ調整のうえ、書類一点ずつアップロードします。

 

クレジットカードでの支払いまで終えれば申請は完了です。

 


申請から約10日後、上記のVisa承認のメールが届きました。メールのリンクからe-Visaをコピーし、必ず持っていきましょう。
※入国審査、ホテルやフライトのチェックイン時に提出を求められるのでパスポートと一緒に携帯しましょう。陸路で移動しているとチェックポストでも提示を求められます。

 

空港に到着すると、まずはe-Visaのカウンターに並び、上の画像のようにサインとハンコが押されます。その後、入国審査<Foreigner>の列に並びます。ワガ(印パ国境)など陸路の国境でもe-Visaは有効です。

 

パキスタンも個人旅行者がe-Visaを簡単に取得できるようになりました。これまで外国を旅行中の方や、海外在住の日本人はパキスタン査証の取得に苦労されていましたが、これで少しパキスタンが「近い国」になったのでないでしょうか。

 

<追記>2019年12月、西遊旅行のインド支店・西遊インディアのスタッフ(インドはEmployment Visa )がワガ国境よりe-visaで問題なく出入国できました。国境では空港のイミグレよりも質問項目の多い出入国書類の記入が必要です。

 

Text : Mariko SAWADA

※記事は2019年11月28日現在の情報をもとにしています。査証の取得を保証するものではありません。今後、e-VISA申請のサイト・取得条件などが変更されることがあります。必ず、最新の https://visa.nadra.gov.pk の情報をご確認ください。また、ご旅行出発まで日数に余裕をもって申請をなさってください。

※インド内で上記サイトが開かないと聞いています。インド在住・インド旅行中の方はご注意ください。

印パ国境越えとワガのフラッグセレモニーについてはこちら

 

カテゴリ:◇ パキスタン一般情報
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シンドアイベックス Sindh ibex (ヒンゴル国立公園、バロチスタン)

シンドアイベックス Sindh Ibex はパキスタン南部の山岳地帯に生息するヤギ属の哺乳類です。その名の通り、シンド州のカーター国立公園 (Kirthar National P ark ) が生息地として有名ですが、バロチスタン州のヒンゴル国立公園 (Hingol National park )にも生息しています。

乾燥したヒンゴル国立公園では水場にやってくるシンドアイベックスSindh Ibexと意外に簡単に出会うことができました。国立公園内にあるヒンドゥ寺院、ヒングラージ・マタ寺院(Hinglaj Mata、ナニ・マンディールNani Mandir とも呼ぶ)を訪問した時のことです。参道を歩いていたら、ものすごく近くで草を食べていました。逃げる様子もありません。

 

雄のシンドアイベックス Sindh Ibexです。パキスタンいには2種のアイベックスがいます。北部山岳地帯にいるヒマラヤアイベックス Himalayan Ibexとこのシンド州、バロチスタン州の山にいるシンドアイベックスSindh Ibexです。シンドアイベックスの雄の角は1mにも達します。

 

シンドアイベックスの雌と子供です。

 

しならく親子アイベックスを観察していて、ふと崖の上を見るとアイベックスの群れが。トロフィーサイズ(トロフィーハンティング許可の出る大きな角の雄)の雄がいっぱいです。シンドアイベックスは比較的大きな群れを作って移動するようです。

パキスタンではアイベックスのトロフィーハンティングが行われています。国立公園では禁止されており、ハンティングはコミュニティーフォレストで規則にのっとって行われています。2019年例ではパキスタンで50頭のヒマラヤアイベックスが、24頭のシンドアイベックスがトロフィーハンティング枠になっています。

この時代にハンティング??と思うのですが、パキスタンのハンティング事情は保護と村の存続にも関わっています。トロフィーハンティングの対象はもう繁殖年齢の終わった年齢の大きな角の個体を対象としており、その収益が村人に還元されることから、村人が違法ハンティングを取り締まるようになりました。このシステムができてから北部地域でもパンジャブでもアイベックスの個体数は増えたと言います。

 

観察していたら若い雄が角を合わせました。

 

戦いの練習のようです。雌をめぐって、本格的に戦う日のために。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Hinglaj Mata/Nani Mandir, Balochistan

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カテゴリ:アイベックス > ヒンゴル国立公園 > ■バロチスタン州 > ◇ パキスタンの野生動物
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ベラのケイヴシティ・ゴンドラニ石窟 Cave city of Gondrani

バロチスタンにある仏教遺跡・・・と信じられているのが「ベラのケイヴシティ Cave City of Bela」、「ゴンドラニのケイヴシティ Cave city of Gondrani」と呼ばれる石窟群です。ベラの町の郊外、4WDで行くか歩いて川を渡らなければならない場所にあります。

 

この遺跡が何だったのか、何の目的で作られたのか、時代など詳しいことはわかってませんが、この地域が仏教を信じる王国の領地であった8世紀ごろの仏教僧院の跡だろうと考えられています。

 

表の面がテラスになっていて、その奥にさらに部屋があります。

 

近くで見るとこんな感じです。これはアフガニスタンのバーミヤンの谷にある石窟を思い出させます。バーミヤンの谷の石窟遺跡との違いは、バーミヤンでは仏陀や菩薩を描いた壁画、天井装飾などが施された石窟があるのですが、ここでは一切装飾あとがありません。

 

水が流れて作り出した道を歩いていくとやがて石窟の規模が小さくなり、いびつな形になります。長い年月の風化でほとんど残っていない窟も。

 

アフガニスタンの石窟に触れましたが、これがバーミヤンの谷の石窟群、東大仏から西大仏にかけてのパノラマです。1,300mにわたり750以上の窟があります。これらは5世紀には造営が始まり、6~7世紀が最盛期、8~10世紀に終焉を迎えたと考えられています。右側の東大仏のテラスには現在も壁面装飾が残されています。

 

バーミヤンの石窟よりももっとゴンドラニ石窟に似ているのが、同じバーミヤンにあるフォラディ石窟です。

 

石窟付近には人が住み、戦時中には村人が石窟に暮らしたため、火をたいたすすで天井が黒くなっている石窟もありました。

 

それでもゴンドラニ石窟とは違い、フォラディ石窟ではこのようなラテルネンデッケの装飾などが残されています。

ゴンドラニ、ベラのケイヴシティの歴史調査が行われ、かつてパキスタンにあった仏教の歴史に光がさすことを願って。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Cave city of Bela / Gondrani , Balochistan

2003-2012, Bamiyan & Foladi Cave in Afghanistan

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10月、秋のシムシャール村の風景

10月下旬のシムシャール村の風景です。パミールから家畜たちも戻り、村は厳しい冬を迎える準備です。

 

パミールから戻ったヤクたちが畑に離されていました。大きな雄や一部の雌はパミールに残り冬を越します。食料の少ない冬を乗り切るための伝統です。

 

洗濯日和・・・晴れた日のシムシャール村。

 

シムシャールの谷から見たカールンコー Karun Koh。上部フンザのスストに近い山で標高は資料によって6,977mだったり、7,164mだったり、7,350mだったり。

 

シムシャールの村を出たところにあるのが真っ黒なモロングティ氷河 Molonguti Glacierと背後にそびえるディスタギルサール  Disthagil Sar 7,885m。ここから渓谷添いのオフロードを3時間走るとパスー近くのカラコルムハイウェイへと出ます。

 

カラコルムハイウェイから1歩奥、シムシャール村へ!

 

Photo & Text : 澤田真理子 Mariko SAWADA

Visit : Oct 2014, Shimshal, Gilgit-Baltistan

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秋のシムシャール シムシャール川のつり橋で 秋のクッチ -4

ついにひと夏をパミールで過ごしたヤギ・羊たち、そして村人がシムシャール村に到着です。ほとんどの村人は家畜を運ぶために一時的にパミールへ行きますが、中にはひと夏を家畜の世話、乳製品づくりをした女性たちも。これらの伝統も無くなりつつあります。

 

川の対岸で家畜を待つ人々。シムシャール川のつり橋を渡り、家畜を連れた村人たちが到着です。

 

やってくる、羊・ヤギ、そして村人。

 

つり橋までもうすぐです。

 

家族と家畜の到着を待つ人々。この美しい光景に、夢中でシャッターを切りました。

 

まだ歩けない子羊を抱いてつり橋をわたる村人。

 

橋をわたるとそのまま村の中心へとみんなで歩いていきます。

 

村に集められた、パミールから戻ってきたばかりのヤギ・羊。

 

村に到着すると、預かっていたヤギ・羊を確認し、それぞれの持ち家へと帰っていきます。

この日、シムシャール村で見たクッチKUCHの到着・・・村人が協力し合い築いてきた、美しい伝統の景色でした。

 

Photo & Text : 澤田真理子 Mariko SAWADA

Visit : Oct 2014, Shimshal, Gilgit-Baltistan

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > シムシャール > ◇ パキスタンの家畜、クッチ(移動)
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秋のシムシャール パミールからシムシャール村へ! 秋のクッチ -3

ついにヤクたちと一緒にシムシャール村へ戻る日です。ウッチフルズィーン Wuch Furzeen からパスフルズィーン Past Furzeenにかけては急な上り下り、スライディングエリアも。

 

岩場をゆくヤクたち。

 

下から急斜面を移動しているヤギ・羊たちが見えました。カーブの下りは滑らないか心配な個所です。

 

村へと急ぐ、ヤギ・羊たち。ヤクに比べて歩きが遅いので、村へはヤクたちの翌日に到着する予定です。

 

山の斜面を登るヤクと村人たち。

 

村への途中に見えたヤズガル氷河 Yazgar Glacier 。

 

そしてシムシャールの白い角こと、White Hornと呼ばれるアドベルサール Adver Sar (6,400m)の展望。

 

そしてガーレサール Ghare Sar の下りです。ここを降りるとシムシャール村です。

 

シムシャール川を渡ります。村人が小さなヤクが流されないように守ります。

 

川を渡り、家族の待つシムシャール村へ。

 

村人とヤクたち、シムシャール村への到着です。本当にお疲れさまでした!

 

Photo & Text : 澤田真理子 Mariko SAWADA

Visit : Oct 2014, Shimshal, Gilgit-Baltistan

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秋のシムシャール ヤク・ヤギ・羊が帰ってくる!秋のクッチ -2

アルバパリエン Arbab Parien のキャンプを出発しようとした時、「クッチ Kuch」は既にシュイジェラブを出発したと聞き、アルバパリエンから少しいった見晴らしの良い場所で「クッチ Kuch」がやってくるのを待つことにしました。

待っていると、昨日村へむかって村人と歩いていた赤ちゃんヤクがパミールに残るお母さんヤクのところへ戻ろうと逆走してきました。村人たちが赤ちゃんヤクを捕まえます。メスのヤクは冬の間、村に戻るグループとパミールに残るグループに分かれるのだそうです。この子のお母さんヤクは村には戻らず、冬をパミールで過ごすのですね。

 

シュイジェラブ Shuijerab から最初に到着したのは赤ちゃんヤクと雌の小グループ。峠を越えていきます。

 

続いて羊とヤギのグループが通過していきます。

 

歩きながらお母さん羊にミルクをもらう赤ちゃん。

 

パリエンサール Parien Sar の門をくぐって村を目指すヤク。

 

難所、パリエンベン Parien Benへの下りです。砂煙をあげて下っていくヤクたち。

 

斜面を下っていくヤクたち。ヤクに近いスピードで駆け降りるシムシャールの村人たち。そして私たちも彼らを一生懸命に追いますが、この傾斜はなかなか怖いものです。

 

続いてパリエンベン Parien Ben の川渡り。

 

つり橋を渡るヤギ、羊たち。本日のキャンプ地、ウッチフルズィーン Wuch Furzeen を目指します。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Oct 2014, Shimshal, Gilgit-Baltistan

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秋のシムシャール シムシャール・パミールへ 秋のクッチ -1

シムシャール村の伝統のひとつ、クッチKUCH

クッチとは家畜を連れての大移動のことで、牧草地を求めて夏にシムシャル・パミールに行った家畜たちが一斉に戻ってくるのが”秋のクッチ”。10月、パミールから戻る”秋のクッチ”を出迎えたいと思い、シムシャール村へ向かいました。

 

シムシャール・パミールへの旅の準備

朝、荷物を運ぶヤクたちが集まってきました。シムシャール・パミールへの道は険しく、これまで2度訪問しましたが、その度に疲れてはヤクの背に乗ることを覚え、乗り心地がいいようにカスタマイズしてきました。

何よりも動物が好きな人にとってはヤクと一緒に入れること自体、大変うれしいものです。

 

こちらは「人を乗せられるヤク」。鞍をつけてマットを引いて、カスタマイズされていきます。

 

シムシャール村を出発

シムシャール村を出発すると最初にシムシャール川を渡らなくてはなりません。つり橋を渡れるヤクもいますが、ほとんどは川を歩いて渡ります。

 

シムシャール川を渡るヤク。

 

ガーレサール Ghare sar の登りです。シムシャール川によって削られた雄大な谷の景色が広がります。

 

本日のキャンプ地パスフルズィーン Past Furzeenに到着。荷を運ぶヤクさんもおつかれさまです!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Oct 2014, Shimshal, Gilgit-Baltistan

カテゴリ:シムシャール > ◇ パキスタンの家畜、クッチ(移動)
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セイタカシギ Black-winged Stilt (ソーン渓谷)

ソーン渓谷のウチャリ湖で観察したセイタカシギ Black-winged Stiltです。ウチャリ湖の岸に近い浅瀬でセイタカシギが採餌していました。

セイタカシギはヨーロッパ・アフリカ・南アジアを中心に広く分布する水鳥で、長くて赤い足と背の高さが特徴的な鳥です。飛翔している姿は足が尾羽のように見ます。パキスタンではパンジャブ州北部に夏鳥として訪れ、パンジャブ州南部やシンド州の水辺、バロチスタン州の海岸では一年を通じて観察されます。

 

周りの景色を映しこむ、黒い塩水を湛えたウチャリ湖。

 

周囲は山と村に囲まれています。

 

風がないと湖面が鏡のように景色を映し出します。

 

鏡に映った、美しいセイタカシギの姿。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : end of March 2019, Uchhali Lake, Soon Valley, Punjab

Reference: Birds of Pakistan, Birds of the Indian Subcontinents (Helm Field Guides)

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デオサイ高原のオコジョ

10月、デオサイ高原で見たオコジョです。朝晩の気温は氷点下になるこの季節、オコジョもすっかり冬毛で真っ白。

オコジョはユーラシア大陸北部、北米大陸北部に広く分布しますが、パキスタンでは北部山岳地帯で見られます。

 

誰もいないデオサイ高原のバラパニでキャンプを設営。静かで、冷たい風が吹いていました。オコジョが現れて寒さが吹っ飛びました。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Oct 2015,  Deosai Plateau, Gilgit-Baltistan

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