インドのお祭り コルゾックグストール

ナマステ!西遊インディアです。

以前、デリーから陸路で行くレーの時に途中で立ち寄ったコルゾック僧院。

標高4,500mに位置するこの僧院でも、年に一度お祭りが開催されます。

グストールとは・・・

「グ」とは9や19、29の「9」の付く日を表し、「ストール」とは「トルマ=麦粉やツァンパ、バターなどで作った立体的なお供え物」のことです。「9の付く日にトルマを壊すお祭り」となり、コルゾック僧院では毎年チベット暦の7月29日にあたる日に合わせてこのお祭りが開かれます。

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2日間にわたって行われるグストール祭のハイライトは2日目

(初日はディックとよばれる予行練習が行われます)

 

まずは動物達のお清めの儀からスタート

飼われている動物を開放し、新しい人生を与えてやる儀式。

ここで解放された動物は寿命を全うでき、食べられることはないそうです。

 

続いてタンカのご開帳

 

チャムが始まる前にはハトゥクと呼ばれる道化が会場整備に一役買います。

祭りをひらくには、昔も今も莫大な費用がいります。スポンサーだけでは賄えないので、寄付やお布施を集める役割も担います。

 

13黒帽の舞やチティパティの舞など、他のお祭りと共通しているチャムもありますが、午後には皆まとめて登場します。

 

会場の中央に置かれた悪の象徴“ベレ”(悪いことをすべて吸収してくれます)は、チャムの最後、大黒天により八つ裂きにされていきます。

最後はこんな姿に。

これは、トルマと一緒に焼かれるそうです。

 

チャムが終わるとハシャンの登場です。

ハシャンは日本では七福神の布袋和尚にあたるそうです。もともと中国唐の時代の禅僧であり仏教寺院に多額の金銭的な貢献をしたという伝説的な人物です。

お祭りでは人々にお布施や喜捨の大切なころを教える役目をしているそうです。ハシャンは子供を大変かわいがった人として知られ、後にハトクという子供のお面をつけた子供の僧が必ず従います。

 

先日ご紹介したツェチュとの違いがこちら

「トルマ」の破壊です。

グストールでは、最後にトルマを一定方向に向かって破壊する儀式もつきものなのですが、壊す方向はお祭り終了後に占いで決められます。

 

これは特に時間が決まっていませんので、本堂内で法要が行われていましたが、私が見学した時は2時間以上待ってようやく決まった方向へと運ばれていきました。村の端の方まで持っていき焼かれるそうです。

夏はラダックのお祭りシーズン。

大事な儀式でもありますが、地元の方たちにとっては年に一度のお楽しみでもあります。この日の為によそ行きの服を身にまとった地元の方たちとの交流もお楽しみください。