ガンジス源流へ! ヒンドゥー教の聖地、仙境シブリンベースキャンプ訪問①

ナマステ! 西遊インディアの橋本です。

 

みなさまバラナシにはもう訪問されましたでしょうか。母なる大河・ガンジスが悠々と流れるこの街は、ヒンドゥー教の聖地としてたくさんの巡礼者が訪れています。ガートではガンジスで沐浴する方が多く集まり、一年中にぎやかです。

 

ガートで沐浴するヒンドゥー教徒の方々
ガンジス川の朝。昼間の喧騒が嘘に感じるほど、静かです
熱心に沐浴に勤しむ

このガンジス川、遠くで川を眺めるには問題ないのですが、川岸に近寄ったり、ボートの上から川を覗き込んだりしますと、その色に結構ぎょっとします(色は緑色で、…さらに水面には油膜が張っています…)。岸にはたくさんのゴミが打ち寄せられ、聖なる川というのは頭では分かっていても、なかなか川の水に直接触れることは躊躇われます。見たままの通り、ガンジス川は、長年生活排水や産業廃棄物などがそのまま流されたため、汚染が大問題となっています。

 

そんな汚染が深刻なガンジス川ですが、当然ながら上流に行けばいくほど、驚くほど水が綺麗です。

 

・・・前置きが長くなりましたが、今回は、そんなガンジス川の上流を最奥まで突き進んだ場所にあるガンジス源流地点のゴウムクと、そこから氷河を横切った奥にある仙境・シブリンベースキャンプ(タポバン)まで行くトレッキングルートを、実際にトレッキングした際の写真等も多数交え、ご紹介します。
(トレッキング中の写真は、2017年~2019年に撮影したものです)。

 

 

■ガンジス川
その全長は約2525km、流域面積は約173万km²、ガンジス川本流の最上流部はバギラティー川と呼ばれており、ヒマラヤ山脈の南麓ガンゴートリー氷河を水源としています。その後デーブプラヤングという町にてアラクナンダ川とバギラティー川が合流し、ガンジス川となります。ハリドワールにて大平原へと流れ出し、カーンプル、ラクナウ、バラナシなどへと注ぎ、下流域ではチベット高原からアッサム州を流れてきたブラフマプトラ川と合流。さらにメグナ川と合流後バングラデシュへ入り、ベンガル湾へ流れ込みます。まさにインド亜大陸の北部を大縦断する、大河です。

 

古来より人々の生活に寄り添い、篤い信仰の対象となってきたガンジス川。ガンジス流域に住んでいる方々にとってはまさに生活そのものであり、ヒンドゥー教においては、ガンガーと呼ばれ女神として神格化されています。

 

 

■デリーからガンゴートリーへ
まずはガンジス川源流部・ガンガー女神が降下した聖地ガンゴートリー(標高3,048m)の町へ。このガンゴートリーという町が、ゴウムク、シブリンベースキャンプ(タポバン)へのトレッキングの拠点となっています。デリーからだと、全て陸路移動で行く場合は、

 

① デリー⇒リシケシ
② リシケシ⇒ウッタルカシ
③ ウッタルカシ⇒ガンゴートリー

 

という具合に3日間で刻んで移動します(お急ぎの場合は、2日間に移動時間を縮めることも可能ですが、ウッタルカシからガンゴートリーの道は道幅が非常に狭く、またがけ崩れ等も起きやすいので、余裕を持って3日間で組まれると安心です)。

 

リシケシは、ご存知ヨガのふるさと。たくさんのヨガ関連の宿舎や道場があります。時間があれば、早朝や夕方、ヨガ道場での体験レッスンもおすすめです。また夕方、ガンジス川のガートでは、ヒンドゥー教の礼拝儀式プジャ(アールティー)が行われます。バラナシ等に比べると規模は小さいですが、ここでもやはりたくさんのヒンドゥー教徒、観光客が訪れており、かなりの熱気を感じることができます。

 

リシケシからウッタルカシリシケシへの移動は、これまで通り過ぎてきた平野部とはガラリと変わり、出発していきなり山道を走って行きます。リシケシ⇔ウッタルカシ間は標高差が800m程あり、少しづつ標高を上げながらの走行です。

 

ウッタルカシ付近の景色。だいぶ標高も上がり、山々を見下ろせるようになってきました

順調に行けば、3日目のお昼頃にはガンゴートリーに到着します。途中、「ガンガーの母」という意味のガンガ・ナーニという町があり、温泉が沸いていることで有名ですので、順調に到着しそうでしたら立ち寄ってみてください(なかなか良い湯加減です)。

 

奥には寺院がありました。足湯にちょうどよい湯加減

いよいよガンゴートリーに到着!

ガンゴートリー(標高3,048m)は、ヒマラヤの四大聖地のひとつで、ガンガー女神がシヴァ神の髪を伝いこの地に降臨したとされる場所です。狭いエリアのなかに、安宿と、ちょっとしたバザールが広がっており、その奥にはガンゴートリー寺院が建っています。そしてその横にはやがてガンジス川と名前を変える、バギラティー川が流れています。

 

ガンゴートリーの町の入り口
ガンゴートリーのバザールは大変賑わっていました
ガンゴートリー寺院
バギラティ―川
夜のガンゴートリー寺院。たくさんの巡礼者が並び、祈りを捧げていました。

ガンゴートリーでの夕方のプジャを見学しました。静かな町中に大きな鐘の音が響き渡りるなか、儀式の様子を見守る信者の方々の後ろ姿は、印象に残るものでした。

 

次回②に続きます。