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信州に咲くスプリング・エフェメラルの魅力 ~白馬・鬼無里・戸隠へ

2021年最後のブログ投稿も私がおすすめしたい場所をご紹介します。第4弾は「信州」です。

 

■関連ツアー
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地をめぐる
桜咲く信州 雪の北アルプス大展望

 

■ブログ『世界の花だより』
スプリング・エフェメラル

 

春の咲く花には「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれる花があります。
スプリング・エフェメラルとは、落葉樹林で木々が芽吹く前の春先に花を咲かせ、夏までの間に光合成を行い、木々に葉が生い茂り、林床が暗くなる夏には地上部を枯らして地中で過ごす草花の総称のことを言います。代表的な花はカタクリをはじめ、イチリンソウやニリンソウ、フクジュソウなどがあります。

 

 

日本全国でスプリング・エフェメラルの花々の観察を楽しめる場所はいくつもありますが、そんな中、私自身が真っ先に思い浮かんだのが信州でした。信州と言っても広大なエリアです。その広大な信州の中から春の花の観察を楽しめる場所を選別し、白馬・鬼無里・戸隠を巡るツアーとして「花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地をめぐる」を造成しました。
2021年5月に添乗をさせていただいた際も各所でスプリング・エフェメラルの花々を楽しむことができたため、2022年も引き続きツアーを発表させていただきました。

 

本日は、3つのエリアで訪れたスポットをご紹介します。

 

1.白馬村・姫川源流自然探勝園(姫川源流・親海湿原)
姫川源流自然探勝園は、白馬村の最南端の佐野地区にある姫川源流自然探勝園は、大きく流出入する河川のない隔絶された親海湿原(およみしつげん)姫川源流のエリアに分かれます。
低温・弱酸性・貧養という厳しい環境条件のため亜高山帯から高山にかけて生息する湿原植物が豊富で、学術的にも価値の高い類稀な場所の1つあり、一帯は、貴重な⾃然環境を形成しているとして昭和53年に長野県の自然保護条例に基づき、自然環境保全地域に指定されています。
親海湿原も姫川源流も観察用の木道が設置されているため、起伏もなく、気軽に植物観察を楽しむことができ、清らかな流れの中に咲くミズバショウやリュウキンカ、周囲の土手などにはニリンソウ(キンポウゲ科)、ヤマエンゴサク(ケシ科)、ミヤマキケマン(ケシ科)、エンレイソウ(シュロソウ科)、フクジュソウ(キンポウゲ科)など多種多様なスプリング・エフェメラルの花を観察することができました。

 

その他、白馬村では白馬三山の展望と桜やハナモモの観察が楽しめる大出公園やミズバショウの群落地としても有名な落倉自然園、カタクリの群生地として知られる五竜かたくり苑にもご案内します。

 

2.鬼無里・奥裾花自然園
奥裾花自然園(おくすそばなしぜんえん)は、長野県鬼無里(旧鬼無里村)の裾花川上流域にあるブナ林に囲まれた自然公園。長野県が明治百周年記念事業として、県の代表的な優れた大自然を末永く保護し、自然を探勝し学べるように昭和44 年11月に開園した自然公園です。
新潟県との境に位置し、自然景観地域として保護されている裾花川の源流、日本の温帯林を代表するブナの原生林や、本州有数のミズバショウの大群生地も有します。
奥裾花自然園では湿原の1つである今池湿原へ足を伸ばします。
奥裾花自然園の今池湿原ではミズバショウの観察だけですが、その数は圧巻です。
2021年5月に訪れた際には、残雪が残る遊歩道(ミズバショウの花は雪融けの頃に花開くので仕方ありません)を専門ガイドさんと共にゆっくりと一周しました。
一周数十分で回れるエリアでしたが、可愛らしい小ぶりのミズバショウ、雪に覆われたミズバショウ、清らかな水の流れの中に咲くミズバショウ、群生する見事なミズバショウなど、1つ1つのミズバショウの姿には魅了されっぱなしでした。
気が付くと、1時間以上も今池湿原で滞在していました。

 

この日は、戸隠に到着する前に長野県飯綱町に位置するむれ水芭蕉園にもご案内します。ここはその名のとおりミズバショウも素晴らしかったですが、リュウキンカやニリンソウも群生しており、木道遊歩道を散策しながら、ゆっくりと花々の観察を楽しめます。

 

3.戸隠・戸隠森林植物園
戸隠森林植物園は、昭和39年に長野県で開催された、第15回国土緑化大会及び全国植樹祭を記念し、県民のレクリエ-ションや自然探索、自然や森林に関する知識の普及を図る場として昭和43年8月に開園されました。園内には⽊道が整備されており、湿地帯には約50万株のミズバショウが自生します。
専門ガイドさんと共に森林内をのんびりと歩きながら、ミズバショウやリュウキンカの観察を楽しみました。前日には奥裾花自然園でミズバショウ、むれ水芭蕉園でリュウキンカの群生を楽しみましたが、不思議と「見飽きることのない風景」でした。その他、キクザキイチゲ(キンポウゲ科)やアズマイチゲ(キンポウゲ科)、カタクリ(ユリ科)などのスプリング・エフェメラルの花の観察を楽しむことができました。

 

戸隠森林植物園でもそれなりの数のカタクリの花が観察できたのですが、専門ガイドさんが教えてくれたカタクリの群生地にも訪れ、紫色の絨毯を敷き詰めたように咲くカタクリの群生地の風景は心癒される風景でした。
その場所とは・・・、是非とも西遊旅行のツアーへご参加いただければ幸いです。

 

 

厳選して選んだ3ヶ所の名所でゆっくりとスプリング・エフェメラル(春の妖精)の花の観察を楽しめる日程としておりますので、是非とも来春は信州へ、是非弊社ツアーにて訪れていただければ幸いです。

 

今年一年もブログ『世界の花だより』をご覧いただき、誠にありがとうございました。
弊社も海外ツアーの再開に向けて動いており、いくつかホームページ上で発表しておりますので、是非そちらもご覧ください。
一日でも早く世界各地で花の観察が楽しめる日が訪れることを願い、また、日本各地でも安心して花の観察が楽しめる日が訪れることを願い、2021年最後のブログを締めさせていただきます。

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

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フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)

今回のブログが公開される頃、私は「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」へ同行し、お客様とともに尾瀬に咲く高山植物を楽しんでいる頃です。どんな花が観察できたか、後日報告させていただきますので、お楽しみに。

 

本日は「フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)」をご紹介します。

 

フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)

 

被子植物 双子葉類
学名:Pachysandra terminalis
英名:Japanese spurge
科名:ツゲ科(Buxaceae)
属名:フッキソウ属(Pachysandra)

 

5月に信州へ訪れる前、色々と調べている際に観察できる花の1つとして「フッキソウ(富貴草)」が紹介されていました。その時は「フッキソウ(富貴草)」という花のことは知りませんでした。
実際、信州へ訪れると白馬村の姫川源流自然探勝園では雨水に濡れたフッキソウを、飯綱町では土手下に群生するフッキソウなど、その他鬼無里や戸隠などでも観察することができ、非常に印象深い花の1つとなりました。

 

フッキソウ(富貴草)は、ツゲ科フッキソウ属の常緑小低木で、常緑の葉が生い茂る様子が「繁栄」と表すとされ「富貴草」と名付けられたのが由来とのことです。
日本の北海道から九州に、海外では東アジアに分布し、低地から山地の林内などに自生します。
草丈は20~30㎝の低木で、茎の上部は地面を這い、上部は斜上し立ち上がります。
葉はほんの少し厚みと硬さを感じ、やや光沢のある革質。葉柄を持ち、長さ3~5㎝ほどで倒卵形、先端部にほんの少し鋸歯が確認できます。写真をご覧いただくと多数の葉が輪生しているように見えますが、葉の付き方は互生。ある資料には「葉がらせん状につく」とあり、その表現はぴったりかもしれません。

 

花期3~5月。茎頂に長さ3~5㎝穂状花序をつけ、上部に雄花、基部に雌花を咲かせます。
フッキソウ(富貴草)は、雄花・雌花とも花弁はありません。
雄花には3~4本の白く太めの雄しべが伸び、雄しべの先端がピンク~茶褐色の葯が確認できます。写真で確認できる大半の部分が雄花です。
雌花は、基部につきますが、花柱の先端が2裂しているのが特徴です。下の写真が唯一雌花が映りこんでいた写真です。

 

信州では、ニリンソウやカタクリ、リュウキンカなどの観察がメインとなり、フッキソウは目立たず、少し地味に感じる花でしたが、何度も観察しているうちに見分けもつくようになり、次第に可憐な花に感じ始めた、印象深くも不思議な魅力をもつ花でした。

 

フッキソウ(富貴草)の雌花、どこにあるか判りますか?

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>
 一番のオススメ! 8月23日出発が催行決定!!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物や照葉樹林の植生観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。
※私(大阪支社 高橋)が同行させていただきます。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※のんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。
※6月23日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

 

 

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フクジュソウ(福寿草:Adonis ramosa)

先日、弊社ツアー「屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング(8月23日出発)」の催行が決定しました。屋久島の固有種、固有変種の観察ができ、「ヤクシマ」と名のついた高山植物の観察が楽しみです。まだ残席もありますので、是非ご一緒しませんか?

 

本日は「フクジュソウ(福寿草:Adonis ramosa)」をご紹介します。
フクジュソウ(福寿草)といえば、個人的には三重県の鈴鹿山脈・藤原岳へ雪解けの頃に訪れ、泥だらけになりながら福寿草を求めて登山したこと、泥だらけになってでも登った甲斐があり素晴らしい群生を観察できたことを今でも覚えています。

 

フクジュソウ(福寿草:Adonis ramosa)

 

被子植物 双子葉類
学名:Adonis ramosa
別名:ガンジツソウ(元日草)、エダウチフクジュソウ
科名:キンポウゲ科(Ranunculaceae)
属名:フクジュソウ属(Adonis)

 

フクジュソウ(福寿草)は、キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草。これまでご紹介したカタクリキクザキイチゲなどと同じくスプリング・エフェメラルとして紹介される花の1つです。
春を告げる花の1つであり、元日草朔日草(ツイタチソウ)という別名をもります。また、和名「福寿草」というのが信州を祝う意味もあり、縁起物として古くから栽培されてきました。
ある資料では、江戸時代から続く古典園芸植物と紹介されており、ミチノクフクジュソウとかけ合わせた「福寿海」など、緋色や緑色の花をつけるものなど多数の品種があるそうです。

 

草丈は15~30㎝。やや太めで紫褐色の茎が直立します。フクジュソウの茎は中実(ちゅうじつ)と解説されることがあり、茎の中身が詰まった断面をしており、ミチノクフクジュソウとの見分け方との事ですが・・・実際の観察時には断面を見るためにナイフを入れないようにして下さい。
葉は長めの葉柄を持ち、3~4回羽状複葉で細裂しています。葉裏には若干の毛が確認できるものもありますが、無毛のものもあります。

 

花期は早春の3~4月。花弁は20~30枚と多く、鮮やかな光沢があるのが特徴、資料によっては金属光沢という表現もありました。
直径3~4㎝ほどの小さな花を枝先に1~数個、上向きに咲かせます。
下の写真で若干判るかもしれませんが、花の一番外側に紫緑色の萼片が5~10枚あり、花弁より少し長い印象です(花弁と同じ長さという資料もあり)。

 

フクジュソウは、日当たりの良い時は良く開き、日当たりの悪い時は花を閉じ、また「向日性(こうじつせい)」を持つ花の1つで、花、葉、茎が太陽光の動きに合わせて動きます。
パラボラアンテナのような形状の花は、太陽の熱を効率よく集めることができ、花弁内は外気温より温かくなります。そうすることで花弁に集まった虫へ熱と花粉を与えます(ホットカーペットのような役割)。その結果、虫も体温があがり、受粉活動を活発に行うことができる仕組みです。
ある資料には、蜜腺を持たないフクジュソウが受粉活動を行う虫をおびき寄せるために発達した仕組みであると紹介されていました。

 

以前、「フクジュソウの向日性」について、社内で説明する機会があったのですが、ある社員から「自宅にある福寿草が見るタイミングによって向いている方向が違うことが疑問だった点が解消された」と言ってくれ、説明した甲斐がありました。それにしても、自宅で毎年フクジュソウを観察できるのは羨ましいい限りです。

 

フクジュソウについては、エダウチフクジュソウの事を指しますが、下記のフクジュソウ4種の総称である場合もあります。
違いに関しては、非常に難しく、実際に見分けるのは・・・簡単にご紹介します。

①フクジュソウ(エダウチフクジュソウ):自生地が北海道から九州。茎が中実。
②キタミフクジュソウ:自生地が北海道東部のみ。多毛。茎が中実。花は一株1輪。
③ミチノクフクジュソウ:自生地が東北~九州。茎が中空。萼が花弁の半分程度。
④シコクフクジュソウ:自生地が四国及び九州の一部。全草無毛。茎が中空。

 

今回掲載した2枚の写真は長野県の「姫川源流自然探勝園」にて観察したものです。当日は天気が悪く、花の開きがイマイチでしたが、それでも鮮やかな黄色いフクジュソウ(福寿草)をみつけた際には、雨など気にせず観察を楽しむことができました。

花弁の外側に暗紫色の萼片が確認できます。蟻ではありませんよ。

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>
 一番のオススメ! 8月23日出発が催行決定!!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
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ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※のんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。
※6月23日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

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エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)

先日、福島民報のWEBニュースにて、水辺の妖精”ミズバショウ”が見頃を迎え、5月29日に尾瀬の山開きがされたというニュースが発表されていました。一部残雪が残る中、ミズバショウの見頃は1週間ほど続くそうです。
また、福島県の尾瀬桧枝岐温泉観光協会によると、夏に咲くニッコウキスゲの見頃は7月20日前後になるということでした。
弊社ツアー「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」は、ニッコウキスゲの花咲く季節に合わせて7月17日出発に設定しており、尾瀬桧枝岐温泉観光協会の発表にぴったりの日付です。是非ご検討ください。

 

本日は「エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)」をご紹介します。

 

エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)

 

被子植物 単子葉類
学名:Trillium smallii
科名:シュロソウ科(Melanthiaceae)
属名:エンレイソウ属(Trillium)

 

エンレイソウ(延齢草)は、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草で、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地や林床などの湿った場所に自生します。海外では、サハリン(樺太)、南千島などに分布します。

 

草丈は20~50㎝、やや太めの茎で直立します。葉は茎頂に3枚輪生し、形状は菱状卵形で10~15㎝のやや大きめ、葉の先端が尖り、基部が広めな形状をしています。

花被片が褐紫色のエンレイソウ(延齢草)

花期は4~5月。輪生する3枚の葉の中央から花柄を伸ばし、花柄の頂に花を1つ咲かせます。
エンレイソウ(延齢草)は、花弁(内花被片)はなく、花弁のように見えるのは全て萼(外花被片)です。
萼は1.5~2㎝ほどの長さの長楕円形で緑色または褐紫色。雄しべは6本で、葯は花糸より短く褐色、上の写真をご覧いただくと褐色の葯がよく判ります。また、花柱は花の中央に球形の子房の上で基部から短く3裂しており、上の写真で褐色の花柱がはっきりと判ります。
果実は「球形で黒色」という認識でしたが、エンレイソウの果実は通常は緑とのことです。黒色の果実をつける品種はクロミノエンレイソウと呼ばれるそうです。

 

エンレイソウは大きな葉に小さな花を1輪だけ咲かせるため、特に外花被片(緑)が緑の花だと見落としてしまいがちですが、5月に信州でキレイに咲くエンレイソウを見つけた際には歓声が挙がりました。
次回、飯綱町・むれ水芭蕉園で見つけたシロバナエンレイソウをご紹介します。

 

花被片が緑色のエンレイソウ(延齢草)

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>
 一番のオススメ!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物や照葉樹林の植生観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。
※私(大阪支社 高橋)が同行させていただきます。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
ツアーレポートも作成しましたので、是非ご覧ください。
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※のんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。
※6月23日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

 

残席わずか オススメのツアーです!!
花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く
※高山植物の宝庫・千畳敷カールや乗鞍・畳平でフラワーハイキングと静寂に包まれた奥上高地の徳沢を目指す。高山植物の観察と合わせて絶景も楽しむ5日間。
※7月12日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

 

ご好評につき、追加設定!!
花の北海道フラワーハイキング
※チングルマ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラの観察、また銀泉台のコマクサ平では高山植物の女王『コマクサ』が観察できる季節限定ツアーです。

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ミヤマキケマン(深山黄華鬘:Corydalis pallida var. tenuis)

先日、「清流の国・岐阜から上高地へ 4つの自然探勝ハイキング」を造成しました。
「岐阜の宝もの」と称される3つの景勝地で自然探勝ハイキングを楽しみ、その後、名勝・上高地へ訪れる5日間ツアーです。
8月は天生湿原にシラヒゲソウの花、9月はリンドウが咲き、10月は紅葉シーズンに合わせたツアーです。是非ご検討ください。
また、来週には長野県で伝統工芸品の和紙で御朱印帳作り体験をし、ご自身で作った御朱印帳を持って小菅神社や戸隠神社五社を巡る参拝ツアーを造成しております。こちらも乞うご期待!

 

本日は、白馬村の姫川源流自然探勝園にて観察した「ミヤマキケマン(深山黄華鬘:Corydalis pallida var. tenuis)」をご紹介します。

 

ミヤマキケマン(深山黄華鬘:Corydalis pallida var. tenuis)

 

被子植物 双子葉類
学名:Corydalis pallida var. tenuis
科名:ケシ科(Papaveraceae)
属名:キケマン属(Corydalis)

 

ミヤマキケマン(深山黄華鬘)は、先日ご紹介したヤマエンゴサク(山延胡索)と同じくケシ科キケマン属の多年草で、本州の近畿以北に分布します。
同じ黄色いエンゴサクであるフウロケマン(風露華鬘)の変種と言われており、山地や低地の日当たりの良い場所に自生します。

 

草丈は20~50㎝、茎は赤褐色で太くしっかりしており、茎や葉柄などは無毛です。
葉は、1~2回羽状複葉で深裂し、小葉は広卵形で欠刻(葉の縁にある大きな切れこみ)があります。今回観察した際には、葉の縁の色合いが紫褐色を帯びていました。

 

花期は4~6月。茎頂に長さ2㎝ほど黄色い花を多数、密集して花を咲かせます(総状花序)。
ヤマエンゴサク(山延胡索)と同様、花弁は上下に広がる2枚の外花弁と内側に隠れる2枚の内花弁の計4枚です。
外花弁は、上の花弁の後方に蜜の入った距(きょ:花弁や萼が変化したもの)が伸びており、距の部分も含めて全体的に黄色となります。
ある資料には、外花弁の先端は緑色で、時間の経過とともに褐色を帯びて反り返るとありました。
内花弁は、横向きに半球形に膨れている部分ですが、花の色合いに比べて少し黄緑色に近い色合いのため、判りやすいです。
※下写真は、目一杯アップにしてみましたが、外花弁と内花弁の違いは判りますでしょうか。

 

非常に色鮮やかな花を付け、ヤマエンゴサクに比べて1つの株につける花の数が多かったこともあり、非常に印象に残る花でした。
前回より2回に分けて、エンゴサクの仲間をご紹介しましたが、来春に観察する際には、是非外花弁と内花弁など、花の形状にも注目して観察してみてください。

 

外花弁と内花弁(横向きに半球形に膨れている部分)の違いは判りますか?

 

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※7月12日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

 

ご好評につき、追加設定!!
花の北海道フラワーハイキング
※チングルマ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラの観察、また銀泉台のコマクサ平では高山植物の女王『コマクサ』が観察できる季節限定ツアーです。