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ヤクシマホツツジ(屋久島穂躑躅:Tripetaleia paniculata f. paniculata)

先日、春の花の観察ツアーを3つの発表させていただき、さらに1つ追加で発表させていただきました。おかげさまでそれぞれのツアーをご検討いただけている方から問合せ、さらにはお申し込みもいただき、嬉しい限りです。
まだご覧いただいていない方は、このブログの最後に掲載しておりますので、是非ご覧ください。

 

本日は「ヤクシマホツツジ(屋久島穂躑躅:Tripetaleia paniculata f. paniculata)」をご紹介します。

 

ヤクシマホツツジ(屋久島穂躑躅:Tripetaleia paniculata f. paniculata)

 

被子植物 双子葉類
学名:Tripetaleia paniculata f. paniculata
科名:ツツジ科(Ericaceae)
属名:ホツツジ属(Elliottia)

 

ヤクシマホツツジ(屋久島穂躑躅)は屋久島と名の付く花ですが、屋久島の固有種ではなく、四国、九州にも分布し、屋久島が南限となります。様々な資料を確認しましたが、ヤクシマと名の付く由来などを記載する資料はありませんでした。
比較的標高が高く、日当たりの良い岩場などに自生し、屋久島では標高1,500mを越えるエリアに自生します。私も黒味岳山頂の岩場でのんびりと景観を楽しんでいた際、足を踏み出すには躊躇するような場所に咲いているのを観察することができました。

 

ヤクシマホツツジ(屋久島穂躑躅)は、高さ1~2mになるツツジ科の落葉低木。根元に近い下部から分枝し、上部で生い茂ります。
葉は赤褐色の枝先に輪生状(互生と記載する資料もあり)に4~5枚に付け、4~5cmほどの大きさの葉には光沢は確認できません。

 

花期は7~8月。花は葉の付いた枝先から赤褐色の枝が伸び、総状花序で5~10個の花を付けます。
3枚の花弁に見える花冠は深く3裂し、1cmほどの裂片が外に向けて反り返っている(丸まっている)のが印象的です。写真では少し判りづらいですが、裂片の先端が淡いピンク色であるのが、より花を可憐に見せる印象です。

 

さらに特徴的なのが中央から突き出す雌しべの花柱です。長さは反り返った裂片と同じく1cmほど、写真では全体が白色の花柱ですが、個体によっては根元の部分が淡いピンク色のものもありました。花柱の根元にはクリーム色の子房も確認できます。雄しべは子房の脇から花糸から数本伸びているのが確認できます。

 

ヤクシマの名を付けないホツツジ(穂躑躅)がありますが裂片の先端は尖っておらず、裂片の先端が若干尖っている印象のヤクシマホツツジと区別する資料も多いですが、2つを区別しない見解、図鑑などもあるようです。

 

今回は屋久島の黒味岳の山頂から一歩踏み出すには恐怖を感じる場所に咲いていたので、細かな部分を観察できませんでしたが、次に観察する機会があれば、反り返った裂片の先端部も確認してみたいと思います。

 

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