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ヤクシマノギラン(屋久島芒蘭:Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam)

海外ツアーの再開に向けて準備を進める中、国内ツアーの造成にも励んでいます。
私も春の花の観察を楽しむツアーをいくつか造成し、発表させていただきました。最後にツアーもご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

 

本日はヤクシマノギラン(屋久島芒蘭:Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam)をご紹介します。

 

ヤクシマノギラン(屋久島芒蘭:Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam)

 

被子植物 単子葉類
学名:Metanarthecium luteoviride Maxim. var. nutans Masam
科名:キンコウカ科(Nartheciaceae)
属名:ノギラン属(Metanarthecium)

 

ヤクシマノギラン(屋久島芒蘭)は、北海道から九州にかけて分布するノギラン(芒蘭)の屋久島固有変種で、鹿児島県絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
標高1,400mから森林限界を越えた登山道の脇や日当たりの良い岩場の割れ目などに自生します。私も黒味岳直下の岩場に張り付くように咲くヤクシマノギランを見つけましたが、手の届かない上の方に咲いていたので、目一杯カメラをズームし撮影しました。

 

以前はユリ科に含められていましたが、近年のAPG植物分類体系ではヤマノイモ目に置かれ、あまり聞き慣れないキンコウカ科(日本にはキンコウカ、ノギラン、ソクシンランなど)に分類されています。

 

草丈は10cmほど。屋久島以外に自生するノギランは草丈30cmほどに成長しますが、屋久島は日照時間が短く、雨風も強い厳しい環境であるため矮小化しています。
根出葉は倒披針形で10cm前後、少し光沢が見られ、手の届かない場所に咲いていたため確認はできませんでしたが、葉にさほど厚みはないように感じます。

 

花期は6~8月。花柄は長く総状花序となり、花茎の先端に淡い黄緑色で長さ6~8mm程度の花を咲かせます。
ある資料にノギランと同一とする考えもある中、花柄が短くて花序が穂状でなく総状になることでヤクシマノギランと分けるとありました。

 

今回は花のピークを過ぎてしまっていましたが、いつの日かキレイに咲くヤクシマノギランを観察してみたいものです。その際は手の届く場所に咲いていることを願います。

 

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