「ザンスカール最深部 断崖に建つ白亜の僧坊 プクタル・ゴンパをゆく」ツアーレポート

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ツアーレポート TOUR REPORT

南アジア(インド・ブータン等)

文・写真:南アジア担当スタッフ
※最新のツアーとは内容が異なる場合があります。
ザンスカール最深部 断崖に建つ白亜の僧坊
プクタル・ゴンパをゆく

海の深さにも負けないほど青い空の下、荒々しく切り立つ絶壁。その崖の中央には洞窟がぽっかりと口を開け、周囲に無数の伽藍がべったりと張りつきます。
少し視線をあげた洞窟のちょうど真上には、まるでこの地を見守るかのように、立派なヒマラヤ杉が根を下ろしています。今もなお車道が整備されず、往復4日のトレッキングという時間と体力をかけてこそ辿り着けるこの僧院。数知れぬ僧院が存在するザンスカールの中でもプクタル・ゴンパは訪れる人の心を強く魅了する圧倒的な存在感を持っています。
厳しい環境下で、今もなお続く信仰のかたち。その神秘的ともいえる魅力に迫ります。

断崖に張りつくように建つプクタル・ゴンパ
断崖に張りつくように建つプクタル・ゴンパ

ザンスカール最奥を目指す ~プクタル・ゴンパへの道~

 ヒマラヤ山中の奥地の谷間に位置するザンスカール地方は、万年雪を抱く高峰に囲まれ、一年の半分は雪で峠が閉ざされます。プクタル・ゴンパはザンスカールの中心地パドゥムより、さらに奥地へ進んだところにあります。地元の人の足ならパドゥムより歩いて1〜2日、私たちのような外国人はパドゥムをジープで出発し、車で行ける最終地点ドルゾンから1泊2日のトレッキングでゴンパを目指します。
 トレッキングのルートは、アップダウンを繰り返しながらツァラプ川沿いに続きます。この道は地元の人々にとって生活道です。道中の村の人々がこの道を歩いてパドゥムまで仕事に行ったり、馬を率いて物資や食料の調達へ行きます。そのため道を歩いていると、何度も地元の人々とすれ違います。彼らと出会うと「ジュレー!(こんにちは)」と挨拶。彼らも、日に焼けた赤いほっぺの顔をくしゃっとさせ、満面の笑みで「ジュレー!」と返してくれます。どことなく私たち日本人と似たその顔つきにほっとし、息を切らして坂を登ってきた疲れも忘れてしまいます。
 ザンスカールの風景も私たちを楽しませてくれます。前方の壮大な雪をかぶったヒマラヤの山々、ツァラプ川対岸の村に広がる田畑、足元に可憐に咲く高山植物。その中でもひときわ目を引くのがブルーポピー。人目を避けるかのように、岩陰にひっそりと咲く姿を見ると、「幻の花」や「ヒマラヤの女王」と呼ばれる理由が分かる気がします。

  • ゴンパ麓の道に続くストゥーパ
    ゴンパ麓の道に続くストゥーパ
  • 岩陰に咲くブルーポピー
    岩陰に咲くブルーポピー
  • ツァラプ川沿いを歩きゴンパを目指す
    ツァラプ川沿いを歩きゴンパを目指す
  • 朝、お祈り前の読経の練習を行う少年僧たち
    朝、お祈り前の読経の練習を行う少年僧たち

プクタル・ゴンパに残る伝説 ~ジャンセム・シェラブザンポと白いねずみ~

 プクタル・ゴンパの持つ神秘性はその容貌だけではありません。言い伝えによれば、この地に伝わる歴史は2500年以上も前にさかのぼります。当時はまだ僧院はなく、小さな洞窟だけがありました。「十六羅漢」と呼ばれるお釈迦様の優れた16人の弟子のうち3人がその洞窟で瞑想し、ここで仏教を広めたと言われています。

 その後もこの洞窟には多くの高僧が訪れました。チベット仏教の開祖パドマサンバヴァ、カギュ派開祖の1人ミラレパ、偉大な翻訳官リンチェンサンポなど、チベット文化圏を訪れたことがあれば一度は耳にしたことのある高僧が名を連ねます。これは伝説にすぎないかもしれませんが、そう言い伝えられるほどに人々がこの僧院に特別な魅力
を感じていることは、確かではないでしょうか。  僧院部分が建立されたのは15世紀初頭と言われます。建立したのはジャンセム・シェラブザンポ。チベット仏教最大宗派ゲルク派の開祖ツォンカパの弟子です。僧院建立にまつわる言い伝えは諸説がありますが、地元の人に聞いた伝説の1つをご紹介します。

「プクタル・ゴンパ建立にまつわる伝説」

シェラブザンポは旅をしながら各地に僧院を作り、チベット仏教の教えを説いていました。共に旅していたのが白いねずみ。彼らはザンスカールまでやってくると、僧院を作りました。しかし白いねずみはいつもあちらこちらへ駆け回り、落ち着かない様子でした。そこでシェラブザンポはその地を離れ、旅を続けました。辿り着いたのが今のプクタルゴンパのある場所。到着するやいなや、白いねずみが近くの茂みに飛び込みました。そして安心したかのようにそこにとどまっていたのです。それを見たシェラブザンポはこの場所こそが神聖な地だと確信し、プクタルゴンパを建てました。その後シェラブザンポは不思議な力を発揮し、洞窟の奥には湧き水が流れ、乾いた洞窟の上にヒマラヤ杉の木が育ち、洞窟自体も大きくなりました。
 この湧き水やヒマラヤ杉は今も残り、神聖なものとして崇められています。そして洞窟内部には彼のストゥーパが安置されています。  ザンスカールの大自然と篤い信仰が息づくプクタル・ゴンパ。古から神聖視されてきたこの場所は、今では地元の人のみならず、私たち訪れる人々の心をも魅了する神秘の力を秘めている。

  • 伝説の洞窟とその上に育つヒマラヤ杉
    伝説の洞窟とその上に育つヒマラヤ杉
  • 法螺貝を吹き、お祈りの時間を告げる
    法螺貝を吹き、お祈りの時間を告げる
  • プクタル・ゴンパのゴンカン(護法堂)
    プクタル・ゴンパのゴンカン(護法堂)
  • プクタル・ゴンパより望む
    プクタル・ゴンパより望む

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