タグ別アーカイブ: Southern Elephant Seal

ミナミゾウアザラシ、オスの闘い ( バルデス半島・パタゴニア)

ミナミゾウアザラシ プンタデルガダ バルデス半島 Southern Elephant Seal (4)

パタゴニアのバルデス半島では9月になるとミナミゾウアザラシが上陸しコロニーを作ります。そこには1頭のオスとたくさんのメス、そして生まれた子どもたちがいます。

バルデス半島のミナミゾウアザラシについてはこちら

ミナミゾウアザラシ プンタデルガダ バルデス半島 Southern Elephant Seal (6)

海岸のメスと子どもたち。9月は出産シーズンで半日くらいプンタデルガダの海岸にいると赤ちゃんの誕生を見ることができます。

ミナミゾウアザラシ プンタデルガダ バルデス半島 Southern Elephant Seal (3)

死んでしまった赤ちゃん、その肉を食べてくちばしを真っ赤にしているオオフルマカモメSouthern giant petrel。オオフルマカモメはミナミゾウアザラシのコロニー付近をうろうろしています。

ミナミゾウアザラシの赤ちゃんは生まれて2~3週間ほどで母アザラシが面倒をみなくなり、一人立ちします。そしてメスは出産後2週間もすると再び繁殖可能となります。そのため、コロニーでは赤ちゃんが誕生する海岸でメスを追いかけまわすオス、オス同士の争う様子も見ることがあります。

ミナミゾウアザラシ プンタデルガダ バルデス半島 Southern Elephant Seal (1)

海岸でメスにいいよるオス。このメスは子どもがいなかったか、もう子育てを終わったメス。

ミナミゾウアザラシ プンタデルガダ バルデス半島 Southern Elephant Seal (2)

海から近づいてきてコロニーの様子を伺うオス。オス同士の争いが見られるピークは9月下旬から10月です。

オスは生まれてから1~12歳までは「独身オス」として暮らし、13~14歳の時に初めて「ハレム」を持つこととなり、40~70頭のメスの夫となります。9月上旬に海岸に上陸したオスの体重は4トンですが、交尾を繰り返し、10月に海に戻るときの体重は2トン。そしてほとんどのオスは13~14歳でそのまま海で生涯を終えるのだそうです。

時には血を流すこともあるオス同士の闘い。子孫を残し、生涯を終える・・・のですね。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Movie : Morihiko HAYAKAWA 早川守彦

Observation : Sep 2017 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina

Reference : Hector Horacio Casin

※バルデス半島での水中クジラの撮影には特別許可の取得が必要です。

★2018年ツアー情報 パタゴニアの海、バルデス半島を訪れるコースはこちら!

パタゴニア・バルデス半島自然紀行
【特別許可取得】3日間のチャーターボートでミナミセミクジラの海へ

 

バルデス半島のワイルドライフ Península Valdés (パタゴニア)

%e3%83%9e%e3%82%bc%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%9a%e3%83%b3%e3%82%ae%e3%83%b3-magellanic-penguin-1%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

バルデス半島について Península Valdés

バルデス半島はアルゼンチンのチュブト州にある半島で、大西洋に面し、カルロス・アメギノ地峡で南アメリカ大陸本土とつながっています。「パタゴニア」の一部で、特色ある動物相で知られ面積は約3625km²、かなりの部分がユネスコの世界遺産に登録されている自然保護区です。保護区内は個人の所有地ではありますがハンティングや漁は禁止され(海岸から3海里)、エスタンシア(大牧場)の住人を除き保護区内で人が住んでいるのは人口300人のプエルトピラミデスのみです。

半島と大陸をつなぐ地峡の北にはサンマティアス湾が、南にはヌエボ湾がそれぞれあり、この二つが半島の主要な湾。サンマティアス湾は船を出すことが禁止されている完全な保護区域で、ヌエボ湾には大きなプエルトマドリンの港もあり、ホエールウオッチング、漁などの商業活動が行われています。

陸の動物と海の動物の両方を観察できるバルデス半島

季節によって観察される動物たちが異なるバルデス半島。3月下旬、9月下旬にバルデス半島で出合った動物・野鳥たちを紹介いたします。一年中見られる特有の動物として、半島の北にはグアナコが多く、南にはマラ、レアが多く生息しています。

オタリア   Southern sea lion, Patagonian Sea Lionとも呼ばれ、バルデス半島に35000頭生息すると言います。雄の頭が大きく、たてがみがあるので「Lionライオン」の名がついています。1頭の雄が10頭ほどの雌でハレムをつくり、バルデス半島では1~5月にプンタノルテの海岸に大きなコロニーを形成します。

%e3%82%aa%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%80%80south-american-sea-lion-2%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

3月、コロニーを形成するオタリア。たてがみがある大きな体のオスとメスたち。

%e3%82%aa%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%80%80south-american-sea-lion%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

海の中のオタリア、好奇心旺盛で近寄ってきてカメラ触ったりひれをかんだりします。

ミナミゾウアザラシ Southern Elephant Seal  バルデス半島に28,000頭 繁殖期の夏~秋にかけては1頭の雄が40頭もの雌を集めハレムをつくります。9月上旬にプンタデルガダやカレタバルデスの入り口の海岸に上陸し、出産シーズンを迎えます。この時期にはオス同士の争いを見たり、命の誕生を見ることができる季節です。

%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%9f%e3%82%be%e3%82%a6%e3%82%a2%e3%82%b6%e3%83%a9%e3%82%b7-southern-elephant-seal-1%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

上がオス、下がメス

%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%9f%e3%82%be%e3%82%a6%e3%82%a2%e3%82%b6%e3%83%a9%e3%82%b7-southern-elephant-sea%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6l

大きな鼻のオス。オスが見られるのは9~10月。

マゼランペンギン Magellanic Penguin   9月上旬にサンロレンソの海岸などバルデス半島の海岸に上陸し、巣作り・繁殖し4月半ばには海にもどってしまう、マゼランペンギン。9月には卵をあたため、11月には雛の誕生、3月には海へ旅立つペンギンたちを見ることができます。巣への執着が強く、毎年同じ場所へ戻ってきます。

%e3%83%9e%e3%82%bc%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%9a%e3%83%b3%e3%82%ae%e3%83%b3-magellanic-penguin%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

3月下旬、海岸に並んで海に出る準備、マゼランペンギン。

グアナコ Guanaco  なんともかわいらしい動物で、北方のものはリャマの祖先で、アルゼンチンには世界のグアナコの95%が生息しています。バルデス半島での狩猟は禁止されており、この動物を襲う半島にはいないため、たくさん生息しています。ただし、エスタンシア(大牧場)の人たちは、せっかく羊のために用意した水をグアナコが飲みに来るので嫌っているとか・・・。

%e3%82%b0%e3%82%a2%e3%83%8a%e3%82%b3%e3%80%80guanaco%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

マーラ Patagonian cavy アルゼンチンの固有種でテンジクネズミ科の最大種。夫婦は一生一緒にいるそうで、ペアで行動する様子が観察できました。

%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%80%80patagonian-cavy%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

レア Lesser Rhea パタゴニア地方で見られる鳥で、一夫多妻制。1羽の雄に10羽ほどのメスが同じ巣で卵を産み、それを雄が孵化させるそうです。

%e3%83%ac%e3%82%a2-lesser-rhea%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

カンムリシギダチョウ  Elegant Crested-Tinamou  アルゼンチン・パタゴニアの草原や開けた場所に暮らす鳥でその名の通りエレガントな冠羽、首から顔にかけての白いラインが特徴。あちこちで見かけることのできる、バルデス半島の代表的な鳥の一種。

%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%a0%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%82%ae%e3%83%80%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%a6%e3%80%80elegant-crested-tinamou%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

シャチ Orca  バルデス半島では25頭のシャチが判別・名前をつけて観察されており、それが4~5つのグループに分かれて行動しています。800Kmにわたる海岸を縄張りに回遊していますが、そのうちの17頭が3~4月にプンタノルテ付近にやってきます。シャチは1種類ですが、いくつかのタイプにわかれており、ここのシャチは動物を食べる肉食。3~4月にはオタリアの赤ちゃんを狙って海岸にやってくる様子が観察され、10月にはミナミゾウアザラシの赤ちゃんを狙う行動も観察されます。

%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%81%e3%80%80orca%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

プンタノルテの海岸で観察される「オルカ・アタック」。ビーチにいるオタリアの赤ちゃんを、シャチが狙います!

ミナミセミクジラ Southern Right Whale  6~10月ごろバルデス半島の海におよそ1000頭のミナミセミクジラがやってきて、繁殖します。ボートによってくることが多く、ホエールウォッチングでもさまざまな行動を見せてくれるクジラです!

%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%9f%e3%82%bb%e3%83%9f%e3%82%af%e3%82%b8%e3%83%a9-southern-right-whale-1%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

セーリング Sailing と呼ばれるミナミセミクジラ特有の水面行動。尻尾を比較的長い間出しています。

%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%9f%e3%82%bb%e3%83%9f%e3%82%af%e3%82%b8%e3%83%a9-southern-right-whale%e3%80%80%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b9%e5%8d%8a%e5%b3%b6

ボートに興味たっぷりのミナミセミクジラです!

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mar, Apr, Sep, Oct 2016 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina

Reference : Hector Horacio Casin,  Wikipedia(EN) 他

★2018年ツアー情報 パタゴニアの海、バルデス半島を訪れるコースはこちら!

パタゴニア・バルデス半島自然紀行
【特別許可取得】3日間のチャーターボートでミナミセミクジラの海へ