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流氷の上のオオワシ Steller’s Sea Eagle (羅臼、知床半島)

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (5)

羅臼、知床半島の流氷クルーズで観察したオオワシ Steller’s Sea Eagle。白い翼、白い尾、黄色い大きなくちばしと足を持つ、本当にカッコイイ猛禽です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (1)

羽を広げると220~250センチもある大きな鷲で体重は5~9キロ、メスのほうが大型です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (7)

オホーツク海沿岸、カムチャッカ半島沿岸で繁殖し冬になるとその一部が千島列島の南部や北海道にやっています。世界に3,200ペアほどが生息すると考えられ、北海道にはそのうちの2,000羽ほどが冬を越しに来ていると考えられています。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (6)

オオワシですが、英名はSteller’s Sea Eagle。Stellerはドイツの博物学者ゲオルク・ステラー Georg Wilhelm Stellerにちなんでつけられた名前です。

ゲオルク・ステラーはドイツ出身ですがロシア帝国の博物学者で、ヴィトウス・ベーリングの遠征隊に随行し、カムチャッカ半島やアリューシャン列島を探査。1741年にベーリングが現コマンダル諸島のベーリング島で病死した後、島から残った隊員たちの脱出を成功させ、この地に暮らすステラーカイギュウ等の海の動物や海鳥の存在を世界に知らせました。

そして・・・その結果、オオワシと同じ「ステラー」の名を持つ「ステラーカイギュウ」は、1868年、「発見」からわずか27年で乱獲によりこの世から姿を消すこととなってしまいました。メガネウも1852年に絶滅しています。

ステラーカイギュウ Steller's Sea cow

コマンダルスキー諸島ベーリング島の私設ギャラリーに展示されているステラーカイギュウの骨格。

話を元に戻しオオワシですが、冬を北海道で過ごし3月の第一週ごろには北へ移動します。オオワシはもともと長距離の移動はせず、流氷や千島列島の島づたいに北海道へやってきて、3月に繁殖地へ戻ります。この季節は求愛の季節。4~5月には1~3つの卵を生みます。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (2)

羅臼の町を背景に、オオワシたちの姿。間もなく、北へ旅立ちます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : February 2018, Rausu, Siretoko Peninsula, Hokkaido

Special Thanks : ゴジラ岩観光 山谷船長とクルーの皆様

Reference:International Working Group for the Steller’s Eagle Conservation
“O-Washi-net”

絶景!羅臼・ 夜明けの流氷クルーズ(羅臼、知床半島)

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (2)

2月28日の羅臼の流氷クルーズのレポートです。朝4時45分には港へ来るようにと指示を受けていたので、鷲の宿で4時30分までシマフクロウを観察してからまっすぐ港へ。空には星が輝き雲一つありません。透き通った冬の知床の空気。「今日はかなりキレイかも」と期待いっぱいで港へ向かいました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (11)

出航した船から見た羅臼の町と知床半島の山の景色。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (9)

国後島が赤く染まっています。船長がアナウンスで「今日はとても流氷が近いよー」と。本当にすぐ、流氷の影が見えてきました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (10)

流氷の向こうに国後島。かなり染まっています。船長が「もうすぐ太陽が出るからねー」と。みんな甲板で待ちます。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (3)

日の出です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (5)

朝日を浴びた流氷の上のオオワシ。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (12)

船の回りにはオオワシ、オジロワシたちが集まっています(カラスたちも!)。それにしても今日は本当にキレイです。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (6)

甲板では無数のシャッター音が響きます。この日は日本人だけでなく、外国からのバードフォトグラファーの方々もずいぶんいらっしゃいました。早朝の夜明けクルーズはシマフクロウの観察のこともあり「キツイなー」と思うのですが、この景色にすべてが報われます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : February 2018, Rausu, Siretoko Peninsula, Hokkaido

Special Thanks : ゴジラ岩観光 山谷船長とクルーの皆様

冬の道東、羅臼。流氷クルーズとオオワシ

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (9)

北海道、羅臼町の流氷クルーズ。2017年のシーズンは2月半ばに流氷がやってきました。3月5日の流氷クルーズの様子です。前日の風でだいぶ氷が知床半島の岬の方へ移動していました。

この日は西遊旅行の「冬の道東を撮る」のツアーのチャーター船があり、OHWASHI号にて海へ。船長の川端さんが、流氷はだいぶ移動しちゃったとけど行って見るか、1時間も走らせると流氷出てくるんじゃないか・・・、と。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (1)

夜明け前の国後島をバックにオオワシが氷の上にいました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (2)

夜明けです。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (8)

日の出の国後島、氷、オオワシ。羅臼の朝は本当にきれいです。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (10)

薄氷の浮かぶ海の表面が朝日で輝いてガラスのよう。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (3)

知床の山を背景に、オオワシ。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (5)

海へと飛んでくるオオワシ。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (4)

魚を狙うオオワシ。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (11)

羅臼沖に残された氷にはオオワシが乗っています。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (12)

船から投げられる魚をとったオオワシがいなくなると、空いた場所にすぐ別のオオワシがやってきます。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (13)

残った氷は貴重なようで、オオワシたちは場所の奪いあいです。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (14)

氷の上で魚を食べています。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (16)

流氷が見えてきました!オオワシも乗っています!

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (18)

ここからあとは、流氷がぎっしり。国後島まで続いているのでしょうか。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (17)

流氷の上のオオワシ。このとき、船長に連絡が入り、風と波がきつくなってきたので帰ってくるように、と。ここで引き返すことになりました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Drift Ice Cruise (15)

朝の羅臼の海。オオワシ、カモメたちが舞う、素敵な時間でした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : March 2017, Rausu, Siretoko Peninsula, Hokkaido

Reference :  OHWASHI号船長川端さんとクルーの皆様