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オナガマーモット Long-tailed Marmot (デオサイ高原、パキスタン)

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (12)

夏のデオサイ高原で観察したオナガマーモット Long-tailed Marmot 。デオサイ高原はパキスタンの北部、インドとの国境付近にある平均標高4,100mの高原地帯で、1993年に国立公園に指定されました。

この数年、デオサイ高原を訪れるパキスタン人国内旅行客の数は一気に増加、国立公園当局(DNP)は道でない場所に車を走らせたり、ゴミをばらまくマナーの悪い観光客に困っていました。昨年は西遊旅行のパキスタン支店サイヤでデオサイ・クリーンナップキャラバンという清掃活動をしましたが、今年は国立公園当局が率先してゴミ拾いをしていました。スタッフによると、前はシーズンの最初と最後、中間くらいにしていた清掃活動を、ほぼ「毎日」しなくてはならない、それほどのゴミが出されると・・・。デオサイ高原は10月半ばには閉鎖され、11月~5月は雪に覆われます。「パキスタン人観光客の多い7~8月さえ乗り切ればもとの静寂なデオサイ高原がもどってくる」とスタッフの一人が言っていました。

観光客が多いのはキャンプ地などがうるさくて大変ですが、夏のデオサイ高原は花が咲き大変美しい季節を迎えます。そして、短い夏を謳歌する動物たち・・・

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (1)

デオサイ高原でキャンプすると必ず出会うのがこのマーモット。デオサイ高原のマーモットは中央アジア・パミール高原で見られるマーモットと同じ、オナガマーモット Long-tailed Marmot / Golden Mamot です。

「キィキィ」というアラームコールを発し巣穴付近からたって様子をうかがっている光景をよく目にします。もちろん、近づきすぎた人間にもアラームコールを発しますが、彼らはマーモットを狙うキツネや猛禽類などを常に警戒しています。

このオナガマーモット、標高3,200m-5,000mほどの高地の草原や岩のある場所に巣穴を掘ってコロニーをつくり、大家族からなる集団で暮らしています。一夫一婦で大変社会性の高い動物だそうです。

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すぐに逃げられるように穴のそばに立っています。この巣穴は冬は冬眠に使われます。

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道路のすぐそばにあったコロニーで少しゆっくり観察しました。するとマーモットも警戒心を解き子どもたちが出てきます。

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お母さんマーモットと子どもが出てきました。マーモットの子どもは生まれてから6週間ほどを巣穴で暮らした後、外へ出てきます。

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いやあ、かわいい。

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甘えているのでしょうか。

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もう1匹出てきました!

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オナガマーモットは普通、一度に4匹の子供を生みますが、最初の夏を乗り切れるのはその半分、さらに最初の冬眠で命を落とす子供も多いのだそうです。観察していると他の子供も走り回っており、このメスの子かはわかりませんが、このコロニーには複数頭の子どもがいました。

オナガマーモット デオサイ高原 Golden Marmot Long-tailed Marmot Deosai PlateauJPG (11)

デオサイ高原は10月になると雪が降り始めます。前に10月の第一週に訪れたときはマーモットたちはまだ活動していました。11月までには冬眠に入るのでしょうか、この子達が冬を越せますように!

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2017, Deosai National Park, Pakistan

Reference : Saiyah, DNP( Deosai National Park), Wikipedia( EN)

★デオサイ高原でのキャンプ、野生動物観察の手配を西遊旅行、西遊旅行のパキスタン支店SAIYAH(サイヤ)にて承ります。ヒマラヤヒグマなど、観察&撮影シーズンは7月半ば~10月前半です。

 

パキスタン デオサイ高原のワイルドライフ

パキスタンのオコジョ (1)

パキスタンのデオサイ高原はパキスタン北西部、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈の間にある高原です。

広さは3,000平方キロメートル、平均標高は4100m。決して広大とは言えない高原ですが、急激に個体数を失ったヒマラヤヒグマの保護のため1993年に国立公園に指定されました。

デオサイ高原 (2)

11月~5月は雪に閉ざされ、「天空の湿地帯」とも呼べる豊かな植生が残されています。現在はDNP=Dosai National Parkが運営・管理し、WWFやUS-AIDの支援行われています。よくよく考えるとこれだけの大自然、無数の小川が走り、野生動物を育む湿地帯が残っていることは大変貴重であり重要なことなのです。

さて、10月初旬、標高4,000mの高原でキャンプ、寒さに耐え出会った、デオサイ高原のワイルドライフをご紹介します。

デオサイを一番有名にしているのが、ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bearの存在です。

Himalayan Brown Bear ヒマラヤヒグマ (2)

ヒマラヤヒグマ Himalaya Brown Bear はヒグマの亜種でヒマラヤ山脈とその周辺に暮らすヒグマ。もともと、ネパール、チベット、北インド、北パキスタンに広く生息しましたが、トロフィー・ハンティングや毛皮・薬の材料目的として狩猟され、また生息地域を失い激減しました。ブータンではすでに絶滅したと考えられ、インドのヒマーチャール・プラデーシュ州の国立公園に35頭ほど、パキスタンに150~200頭ほどが生息するのみとなりました。標高4,000mを越える高原を歩き、近づいて撮影した1枚です。

★ヒマラヤヒグマのサイティングはこちら

デオサイ キャンプ (3)

デオサイ高原の湖や川原には渡り鳥が来ていました。

デオサイ キャンプ (4)

オオズグロカモメ Pallas’s Gullです。ロシア南部~中央アジアで繁殖し、冬はアラビア半島からインドの沿岸へと渡ってくるカモメ。その渡りの途中でこのデオサイ高原にいるのでしょうか。

オオズグロカモメ

オオズグロカモメ Pallas’s Gullは繁殖期の個体は頭が黒いですが、そうでない個体と若い固体は頭は白です。目のふちの白と黒の模様が特徴的です。

ヒマラヤマーモット

ヒマラヤ・マーモット Himalayan Marmot はデオサイ高原で簡単に出会うことができる動物です。キャンプ場の近くにも巣穴があり、親子のマーモットを観察できました。もうすぐ冬眠の季節です。

パキスタンのオコジョ (2)

たまらなくかわいいオコジョ Stoat

ヤマイタチとも呼ばれるオコジョ、顔が丸っこく、さらに耳も丸いのです。季節ごとに毛の色が変わり、夏は背中側は茶色、お腹側は白、冬は全身真っ白で尻尾の先が黒くなります。この写真の子はもう冬バージョンです。

デオサイ高原に滞在中、キツネも観察することができました。秋のデオサイ高原は本当に寒く、キャンプの朝はテント内でもマイナス5度まで気温が下がりました。

最後に、ワイルドライフではありませんが、デオサイ高原の星空です。標高4,000mの星空、秋晴れの夜空ならでは景色。

デオサイ高原 (5)

降るような、星空でした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Oct 2015, Deosai National Park, Pakistan

Reference : Mr.Ghulman Raza – Deosai National Park, Wikipedia( JP & EN), Helm Field Guide “Birds of the Indian Subcontinent”