カテゴリー別アーカイブ: ■海の生き物

ザトウクジラのバブルネットフィーディング in アラスカ

久しぶりにアラスカのバブルネットフィーディングのツアーへ。温暖化で海の様子がすっかり変わってしまい、クジラの採餌海域を追いかけるのが本当に難しくなってきた今日この頃。アラスカも同じで、以前バブルネットフィーディングがさかんに行われていた海域はひっそりとし釣り人もおらず、別の場所へ移動していました。

ジュノーを出航して3日目、ようやく小さなニシンを銜えて巣へと向かう海鳥を見つけ、その海域が近いことを感じました。そして4日目・5日目は「クジラ祭り」、場所をあててくれ、こちらからは接近しすぎない良い距離感でバブルネットフィーディングを観察させてくれた船長に感謝です。

アラスカの山並みを背景に複数のブローがあがりました。この数のブローを見ると、バブルネットフィーディングの期待があがります。朝9時30分ごろ、クジラが集まっているように見えました。

そしてバブルネットフィーディング!船上でシャッター音が響き渡ります。

バブルネット・フィーディング Bubble net feeding
数頭から数十頭の群れで、魚の群れを円を描くようにまわりながら泡を吐き出して一ヶ所に追い込みます。鰭を使いながら魚を取り囲み、魚群の下からは一匹のザトウクジラが大きな声を発し、パニックになった魚を上へと追い込みます。追いこみをする群れの上では別のザトウクジラが泡を出して旋回し、バブルネットを作り、魚の群れをこの中に閉じ込め、最後には全てのザトウクジラが大きな口をあけて海面へと飛び出し、一気に捕食します。

船の上から泡が上がってくるのが見えました、船の下でザトウクジラが泡をだしてバブルネットを作ってます!!この時は、本当に至近距離に上がってくるのではないかと興奮して待ちましたが、意外と遠い場所でバブルネットフィーディングがありました。魚の動きだけでなく潮の流れもあるので距離はわからないものですね。

Photography by Seiji TACHI

魚が上がってきました!

Photography by Kiyoshi AOKI

バブルネットフィーディングは本当に突然上がってきます。周りの鳥の動きも見ながらどのあたりから起こりそうかあたりをキョロキョロして待ちます。この写真は本当に上がってきたばかりの写真で海面に小さなニシンと思われる魚がいます。

Photography by Seiji TACHI

魚もザトウクジラも必死。

Photography by Seiji TACHI

Photography by Morihiko HAYAKAWA

この日の午前中、午後ともにクジラのリーダーが良いのか、なかなかうまく統制がとれてバブルネットフィーディングが行われていました。毎回うまくいくのではなく、「え、いまの失敗?」みたいなことも何度もあります。そして、それが続くと参加クジラは嫌になるのか、群れを離れて行ったりしました。この時は同じ海域に2つのバブルネットフィーディングのを行うグループがあり、このグループ間を行き来しているクジラもいました。

▽▽船長がドローンで撮影をしてくれた動画から切り出した写真です。

Drone footage by Jonathan

船のそばでバブルネットフィーディング!左下の水面の動きは子供クジラです。母クジラがバブルネットフィーディングに参加中は、子クジラは近くでテイルスラップ(尾鰭びれバンバン)したりペックスラップ(胸鰭バンバン)して遊んでいます。この子クジラの場所も、バブルネットフィーディングの場所を探すバロメーターです。

Drone footage by Jonathan

これはとても至近距離でおこったバブルネットフィーディング。ドローンでとった動画から切り出した写真です。

クジラも近いと透けて見えますが、アラスカ・インサイドパッセージの海の透明度は良くありません。

Drone footage by Jonathan

バブルネットフィーディングが終わるとしばらくわちゃわちゃしていますが、ゆっくりとみんなで泳ぎ始めます。

Drone footage by Jonathan

魚をもとめて移動してきます。ブローに虹が🌈

Drone footage by Jonathan

そして合図があるのでしょう、一斉に潜り始めます。水中でのバブルネットフィーディングの始まりです。

Drone footage by Jonathan

空撮で見る、バブルネットフィーディング、バブル(泡)と魚とザトウクジラがが浮上してきます。

Drone footage by Jonathan

半分上がってきて、右上に円を描いているバブルネットが見えます。ザトウクジラが口を開けています。

Drone footage by Jonathan

口が閉まっていく状態のザトウクジラたち。

Drone footage by Jonathan

そして再び、魚を求めて移動です。何回も何回も繰り返し、時々新しいクジラが参加に来て、時々離団していって・・・。それにしてもかなりの重労働です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Photography by Seiji TACHI, Kiyoshi AOKI, Morihiko HAYAKAWA

Drone footage by Jonathan

Observation: July 2023, Inside Passage – Alaska

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白いシャチ(北海道・知床)

2023年5月、根室海峡に「白いシャチ」が2年ぶりに姿を現しました ♪♪

西遊旅行の羅臼支店「知床サライ」から届いた「白いシャチ」の動画です。

White orca / killer whale at Shiretoko, Hokkaiado 白いシャチ

白と黒のコントラストある配色がシャチの特徴ですが、このシャチは全身が白いため、アイパッチやサドルパッチもよく見ないとわかりません。

2019年に根室海峡で2頭がそれぞれ別々に初観測されて以降、2021年には2頭の白いシャチが揃って泳いでいることでも話題になりました。そして2年ぶりに今年(2023年)、羅臼港沖に1頭の白いシャチが姿を見せてくれました。

ニュースサイトによると「成熟したオス」「体長は目測で7メートル近く」「年齢は少なくとも50歳近く」「日本で最初に確認された白いシャチと同じ個体である可能性が高い」とのことです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230513/7000057514.html
https://www.youtube.com/watch?v=Z2ht8nJkrqk

遺伝子の異常でメラニンを作れないアルビノ(Albinism)なのか、変異による白変種(Leucism)なのかはわかっていないそうです。アルビノの特徴の赤い目が見られず、体色もグレーがかっているので、白変種のように見えます。

13頭のシャチの群れ。白という色は自然界では目立ちやすい色なので、生存競争のうえでは不利と言われていますが、この個体はしっかりと成長できています。

珍しい「白いシャチ」の出現でどの船も大賑わい。

ブロウ(潮吹き)。

背びれの先端が左に折れて曲がっています。
見る角度によってはこの部分に影ができて黒い模様のように見えることもあります。

体の左側面の背びれの下に擦り傷。

雪をまとった海別岳(うなべつだけ)をバッグに白いシャチが悠々と泳いでいます。また来年も知床に帰ってきてくれるのを楽しみにしています。

 

Photo & Video : Shohei MORITA( 知床サライ) Text : Wataru YAMOTO

Observation  : May 2023, 知床-根室海峡、北海道

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ハシナガイルカ Spinner Dolphin (トリンコマリー、スリランカ)

スリランカの東海岸、トリンコマリーのハシナガイルカ Spinner Dolphinです。トリンコマリーやニラヴェリ海岸の漁師たちにとって、ハシナガイルカは「カツオ」「マグロ」がやってきた「しるし」。

トリンコマリーの海のハシナガイルカの動画です。

Spinner dolphin Trincomalee ハシナガイルカ

トリンコマリー~ニラヴェリの海は、岸から20Kmほど沖に出ると透明度が上がります。ハシナガイルカはトリンコマリー湾の栄養がでてくる入り口付近(ハーバーマウス)で捕食していることが多いのですが、ここは透明度が良くなく、漁船も多いため海に入れません。イルカが沖に移動するのを待つか、沖にいる群れを探すのが水中で観察するチャンスです。

映像や写真で表現できないのですが、300頭くらいの群れかな?と思って静かに海に入ると、1000頭?!?!くらいのイルカが通過していくことがありました。3頭~30頭ほどの小グループが延々と通過していき、時折こちらの様子を見に来てくれました。船の近くで動かずに浮いているだけの、夢のような時間です。

動画の最後に、ゴミの布切れを尾鰭につけて泳ぎ、それが外れるとすぐに取りに行って大事そうに胸鰭につけておよぐイルカが映っています。「遊ぶ」行動をするイルカの愛らしい光景。ゴミは本当に困ったものですが。

そして英名Spinner Dolphinたるゆえん、回転ジャンプ。子供のいるグループでは頻繁にジャンプを目撃します。しかも短時間に何回も、何回も。船首で遊ぶのも大好きです。船のエンジンを切って浮かんでいると、まるで「船動かして」と催促を受けているように感じることもあります。水の中での遭遇はとてもシャイで注意しなくてはいけませんが、船と遊ぶのは大好きで本当に愛らしい姿を見せてくれます。

2023年シーズンのトリンコマリー、ハシナガイルカの他、ハンドウイルカ Bottlenose dolphin、コビレゴンドウ Short-finned pilot whale、ハナゴンドウ Risso’s dolphin が時々姿を現しました。大型鯨類はニタリクジラ Bryde’s whale、観察例は少ないですがシロナガスクジラ Blue Whale。あとはマッコウクジラ Sperm Whale がいつやってくるのか・・・。

世界的な気候変動で海の中も大きく変わってるようです・・・。

 

Image & text  : Mariko SAWADA

Observation :  April 2023, Trincomalee, Sri Lanka

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ミナミセミクジラの親子と水面行動(バルデス半島)

ミナミセミクジラは生まれた海へ戻る性質があります。オスは決まった回遊パターンを持ち、メスはおよそ3年に一度、生まれた海へ戻り出産・子育てをします。バルデス半島へは6月~12月の間にミナミセミクジラがやってきて、9月下旬になるとオスは南極海へと旅立ち、メスと子供も12月半ばには旅立っていきます。

9月のヌエボ湾で観察した母子クジラの海面行動。赤ちゃんを遊ばせる母クジラの姿、あまりにも愛おしいものです。

クジラの子供が甘えてる!ミナミセミクジラの親子の時間

こちらは、母クジラが深い場所へ採餌に行っている間、海面で遊んでいるところです。ブリーチしたり、ヒレをバタバタさせたり・・・。母クジラの浮上に合わせて泳いでいきます。

ミナミセミクジラの子供の水面行動

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdes Peninsla, Argentina

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ミナミセミクジラへのカモメの攻撃(バルデス半島)

バルデス半島のミナミセミクジラを観察している時、とても気になることがあります。それは「カモメによる赤ちゃんへの攻撃」。赤ちゃんクジラは呼吸のために頻繁に海面にいるのでそのターゲットとなり、赤ちゃんが浮上するとすぐに背中に降りて、まさに背中の肉を食いちぎっていくのです。母クジラが一生懸命それを阻止しようと頭を持ち上げています。

ミナミセミクジラへのカモメの攻撃

資料によると、最初にこういった行動が観察されたのは1970年代。カモメがミナミセミクジラの背中をついばんでいる様子が観察されました。当時、背中にカモメに襲われたキズを持っている母子クジラは2%だったのが、2011年の調査では99%、ほぼすべての母子クジラがキズを負っていたのです。

赤ちゃんクジラの背中をつうばむカモメ。

傷だらけの赤ちゃんの背中。

頭をあげてカモメを追い払おうとする母クジラ。

クジラの親子は呼吸だけでなく、赤ちゃんの遊びや育児で海面で過ごす時間が長く、それがターゲットになっています。野生動物間のこととはいえ、とても胸が痛い事象です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdes Peninsla, Argentina

資料はdailymail.co.ukの “Seagulls are eating baby whales ALIVE: Birds attack calves when they come to the surface to breathe”を参考にしています。

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ミナミセミクジラの採餌、スキムフィーディング

2022年9月のバルデス半島・ヌエボ湾には、1,480頭のミナミセミクジラが繁殖・子育てのために集まりました。6~10月にバルデス半島にやってくるミナミセミクジラは繁殖や哺育中心の生活をしていますが、もちろん摂餌もします。南半球の夏に高緯度海域で索餌中心の生活を送るような規模ではありませんが、ここではカイアシ類をこしとる、スキムフィーディング Skim Feedingが見られます。

Skim feeding Southern Right Whale

この日の水中の撮影はボートからGo Pro入れただけなので、撮影している間はどんなのが映っているか見れません。水から上げてチェックしたとき、口を開けたミナミセミクジラが映っていて、肉眼では見れてないけど、それはそれはうれしいものでした。

岸の近くの浅い場所で表層のカイアシ類 ( Copepod ) を摂餌しているミナミセミクジラ。このフィーディング・グラウンドには20頭近くが集まっていました。

ヒゲがしっかり見えます。

Photography by Chizuko Murata

めっちゃ真正面。もうクジラか何か、わからないですね。

水深100m以上の採餌海域ではお母さまクジラが尻尾をあげて深く戻り、子クジラがそのあいだブリーチングしたり、尻尾バタバタさせて待っています。

尻尾を大きくあげて潜航するミナミセミクジラのお母さま。

母クジラの海中採餌中に、何十回もブリーチを見せてくれた子クジラ。母クジラが戻ってくると水面行動をやめ、母クジラに寄り添うように泳ぎます。

気が付くともう港に戻らないと行けない時間に。宿に戻ってからの写真整理も大変です。

 

Image : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdez Peninsula, Patagonia, Argentina

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ジャーマンチャネル、マンタの捕食タイム(パラオ)

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (2)

パラオのジャーマンチャネルのマンタ捕食タイムを狙ってエントリー。クリーニングされるマンタに始まり、グルクンの群れ、それを追う捕食魚、マンタの乱舞と忙しいダイビングとなりました。

「ジャーマンチャネル」はパラオがドイツの植民地だった時代(1899年~1914年)に作られた人工水路。ボート上から見てもまっすぐに伸びる水路が見え、今ではマンタ(オニイトマキエイ)の通り道になっています。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (1)

クリーニングステーションのマンタ。小さな魚に寄生虫をとってもい気持ちよさそうです。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (7)

マンタの捕食シーンを見るには一定の条件が必要で、プラクトンが集まらなければなりません。プランクトンが集まると、グルクンの群れが現れました。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (4)

そしてマンタも。プランクトンが多いとぐっと透明度が下がりますが、テンションはあがります。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (5)

グルクンの群れとマンタ。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (11)

捕食タイムの始まりです。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (12)

マンタも素敵ですが、グルクンの群れも圧巻。上に、下にと集団で移動する光景に目が回りました。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (13)

マンタとグルクンの群れ。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (9)

マンタとグルクンが入り乱れます。

ロウニンアジ パラオ ジャーマンチャネル (2)

ロウニンアジも登場。

トラフザメ ジャーマンチャネル パラオ (1)

この子は誰?

トラフザメ ジャーマンチャネル パラオ (2)

トラフザメです!英名はZebra Sharkで、ゼブラ(シマウマ)というよりレオパード・・・と思っていたら、ゼブラは幼魚の模様に由来するんですね。トラフザメは水温が高くなって最近見ることが少なくなったと聞いていましたが、泳いでる姿を見れてラッキー、これはボーナスです。

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2022, German channel, Palau – Special thanks to Day dream

ラパスの海でジンベエザメと泳ぐ ~Swim with Whale shark !

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (11)

メキシコ、バハ・カルフォルニア・スル 州のラパスの海のジンベエスイムのレポートです。訪れたのは12月、この時は湾内に数個体しかいないと聞き少し心配しましたが、無事にジンベイザメと出会うことができました。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (12)

着陸前のフライトから見たラパスの町と湾

バハ・カルフォルニア・スル州の州都、ラパス。近年、リゾートとアクテビティのハブとして発展している町です。この町に面した湾内にジンベエザメが集まります。多い時は10個体以上が集まるといいます。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (6)

朝9時のジンベエザメ海域への入域を待っている船

このジンベエザメが集まる海域は保護区になっており、(訪れた2021年12月の規則では)入域は朝に行われる登録の順番で、9時に14隻、12時に14隻が海域に入ることができます。そしてこの日の私たちの船は13番目の滑り込みでした。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (7)

9時になるといっせいに船が動き出します、でもゆっくりのスピードです。見つけたら「マイ・ジンベエ」を主張して船に近づけ、5人づつ海に入ります。絶対にさわらないように距離を置き、観察。30分ほど一緒に泳ぐと、他のボートにジンベエザメを譲ります。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (8)

ジンベエザメを観察

このラパスの湾に集まるジンベエザメは子供とのことで大きさは3~7mくらいが一般的です。今回、観察した個体は5mほどでしょうか。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (1)

プランクトンを食べに集まる海域なので透明度はあまりよくないのですが、湾内で波・風がないと水面にジンベエザメが映りとってもキレイ!

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (3)

口を開けてこちらにやっていたので、距離をあけるように移動。そばで通過するときには尾びれの動きに注意しなくてはなりません。ジンベエザメに触れることは厳禁です。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (5)

お食事中。

ラパス ジンベエザメ ジンベエスイム バハ・カルフォルニア・スル La Paz Baja Califprnia Sur Swim with wghale shark (10)

ボートにも近づいてきてくれて、十分に観察することができました。日が差しているとボート上からの観察でも十分です♪

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2021, La Paz, Baja California Sur, Mexico

ラパスでカリフォルニアアシカと泳ぐ ~ Dive with California Sea Lion !

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (13)

アシカと泳げる海 – メキシコ、バハ・カリフォルニア・スルのラパスから訪れたロス・イスロテス Los Islotesの紹介です。

以前はバハ・カリフォリニア半島全体を「バハ・カリフォルニア」と呼んでいましたが、昨今は南北に分け、北緯28度線から南を「バハ・カリフォリニア・スル Baja California Sur」と呼びます。州都はラパスで、ロス・カボス(カボ・サン・ルーカス)やびサン・ホセ・デル・カボなど、観光やリゾートの拠点がめじろ押しの地域です。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (14)

その州都ラパス La Pazからボートで1時間20分ほど海に出たところにあるのがロス・イスロテス Los Islotes。「コルテス海 Sea of Cortez」 とも呼ばれるカリフォルニア湾にある「岩、岩礁」です。

カリフォルニア湾はバハ・カリフォルニア半島と北米大陸の間にある細長い湾で、幅100~250キロ、長さ1100キロをほぼ南北に伸びています。世界の海生哺乳類の4割が観察されることから2005年に「カリフォルニア湾の島々と自然保護区」として世界遺産に登録された海です。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (15)

カリフォルニアアシカのいる岩礁を見ると、シュノーケリングをしている人たちの姿が。この岩礁はカリフォルニアアシカの繁殖地となっていて、5~8月の繁殖期に生まれた赤ちゃんたちが10~11月になるとシュノーケラーやダイバーに興味を示し、遊んでくれるのです。ちなみに大人アシカは遊んではくれません。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (1)

海に入って、ガイドの案内でアシカがよく遊びに来るポイントへ行くと、さっそく私たちのところへ降りてきてくれました!

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (7)

めっちゃ近づいてくれます!

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (8)

このあと、カメラにかぶりつきました。もう、これは、かなり可愛い。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (2)

ガイドのチャベロさんの泡リングをくぐりながら降りています。そして最後にはチューです!

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (5)

「もっと泡リング出して」と要求しているかのように、ガイドさんの手をかむ子供アシカ。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (6)

元気な子供アシカは、ダイバーの手、フィン、オクトパス、Go Proなどなんでもかじりたがります。一番遊びたい時期なのでしょう。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (9)

2本目のダイブは砂地でアシカがよく遊びに来るポイントへ。アシカがパシフィック・クレオール・フィッシュ Pacific Creole Fishを蹴散らしています。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (11)

砂地でじゃれるアシカ。カリフォルニアアシカは、日本の水族館にいる一般的なアシカで、普通に「アシカ」というとこの種を指します。近縁種に「ガラパゴスアシカ」と絶滅した「ニホンアシカ」がいます。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (10)

とてもよく遊ぶアシカの子供たち。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (13)

そして砂地に横たわってカメラを見つめてくれました。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (16)

ロス・イスロテスからラパスへの帰路、アメリカグンカンドリ Magnificent Figatebirdの繁殖地に立ち寄ってもらいました。アメリカグンカンドリはメキシコからガラパゴス諸島、カリブ・中米にかけて分布する鳥です。

バハ・カリフォルニア ラパス カリフォルニアアシカ La paz Baja California Sea Lion Dive with Sea Lion カリフォルニアアシカと泳ぐ アシカダイビング (18)

のどを赤く膨らませるオスや巣材の枝の奪い合いなどの求愛行動が観察されました。そのほか、ミサゴ Osprey、カツオドリ Brown booby、アオツラカツオドリ Masked boobyなどが観察できました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2021, Los Islotes, La Paz, Baja California Sur, Mexico

小笠原・鯨類との出会いを求めて(2)

水中ミナミハンドウイルカ (4)

小笠原・鯨類ツアーも後半になりました。風の影響で父島の南東側へは行くことができず、ほぼ毎日父島の島影から出ない西側海域でマッコウジラ、イルカを探しました。

小笠原 マッコウクジラ (1)

マッコウクジラは比較的ばらばらにいる感じで、深海域を往復していました。浮上してきて10分ほど休憩するとすぐに深海へ。

小笠原 オナガミズナギドリ (1)

クジラを待っている間に、船に近づいてきたオナガミズナギドリです、可愛い~♪♪

オナガミズナギドリ  Wedge-tailed shearwaterは、全長42センチ、翼開長101センチの海鳥。暗色型と淡色型があり、小笠原で観察されるのは淡色型です。日本では小笠原諸島でしか繁殖が確認されていません。

小笠原 ハンドウイルカ (1)

そしてこの日のハイライトは外洋に暮らすハンドウイルカ、大きいです!

小笠原 ハンドウイルカ (2)

船の先頭を行くハンドウイルカ。

ハンドウイルカ Bottlenose Dolphinは、ずんぐり体型で太めのクチバシ、全長3mほどでミナミハンドウイルカよりやや大きめの種です。今回の旅では4日目の午前中に出会い、しばらくの間船と一緒に遊んでくれました。ハンドウイルカは知能が高いことで知られ、2019年の京都大学の研究によれば、お互いの動きのタイミングを調整することで協力しあい、問題を解決できることが明らかになっています。笠井船長も、今年初めて出会ったというハンドウイルカ、小笠原では稀にしか出会わないイルカです。

小笠原 ハシナガイルカ

そして、ハートロック前の海域にはハシナガイルカがいました。水に入ってみると・・・

水中ハシナガイルカ(5)

水面に見えている何倍もの数が水中にいました!

水中ハシナガイルカ(4)

ハシナガイルカ Spinner Dolphinは、細長いクチバシを持つほっそり体型のイルカです。全長2mほどで、とても素早く泳ぐため一緒に泳ぐのは大変です。スピンジャンプを見せてくれることもあり、私たちが出会ったときにはお腹がピンクの子もいました。一説には興奮しているためともいわれています。

小笠原 BBQ

鯨類ツアーの最後の小笠原の夜は恒例のBBQ。小笠原のメカジキのカマとテールに牛タン、カルビ、サーロインです。

BBQ 小笠原

サーロインを程よく焼いてカットして・・・、とその時、サプライズ訪問が!

Fruit-bat02

BBQのテーブルの上のアレカヤシに、オガサワラオオコウモリが来ました!アレカヤシの実を食べていたようで、本当にびっくり、みんな食事を中断して観察です。

水中ミナミハンドウイルカ (1)

おがさわら丸出航の日は、南島のまわりでミナミハンドウイルカと泳ぐことができました。船の通信で、「寝ていて相手をしてくれないミナミハンドウが3頭います」と。

水中ミナミハンドウイルカ (2)

南島の東北の海底は白砂が広がり本当にきれいで、9月の透明度の高い海で見るイルカは最高です。

ミナミハンドウイルカ Indian Ocean Bottlenose Dolphinは、背中の体色が濃い灰色でお腹には小さな斑点があります。全長2.5m、小笠原を代表する「一緒に泳いで遊んでくれることがある」イルカ。

水中ミナミハンドウイルカ (5)

それにしても立派なコバンザメを従えていました。2頭のミナミハンドウイルカが2匹づつ、コバンザメをつけていました。

水中ミナミハンドウイルカ (4)

目を閉じて泳いでいます。片目が開いているのかはわかりませんが、半分寝てるのは間違いありません。脳の半分だけが眠っている状態で「半球睡眠」という睡眠方法です。

半分寝ながら、ドルフィンスィムにつきあうミナミハンドウイルカ・・・、寝ているところ、本当にすいません。

 

3

おがさわら丸からの夕陽。二見港出航時は雨だったので、甲板では思いがけない夕陽を見ることができました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2021, 父島、小笠原諸島

Special Thanks :  FISHEYE 笠井船長&ビーストマスターⅢ号、スタッフのみなさま