カテゴリー別アーカイブ: パキスタンの野鳥 Pakistan

蓮の上のレンカク Pheasant-tailed Jacana (パンジャーブ、パキスタン)

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (2)

パキスタンにもバードウォッチャーやフォトグラファーのグループがいます。そのうちの知り合いから「レンカクが蓮の上で巣を作ってる、行こう」と誘いがあり、訪問してみました。

場所はパキスタンのラホールの南西75キロにあるヘッド・バローキー Head Baloki というナーヴィー川 Navi River の流れる村。この村は川から引いた水路や池がありそこに水鳥たちが集まっていました。

ラーヴィー川はパンジャーブ地方を流れる5つの川の1つ。もともとこのパンジャーブと言う言葉もペルシャ語で ”Panj -ab 5つの水 “をさし、インダス川とその4本の支流が育む豊かな土地を指します。しかし、これらの川も1947年のインド・パキスタンの分離独立により川の水利権をめぐり紛争の原因となりました。ヒマーチャル・プラデーシュに水源を発するこのラーヴィー川も例外ではありません。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (9)

夏羽のレンカク(Pheasant-tailed Jacana) です。尾羽が長くなり、 頭とのど、翼が白く、体の羽毛は黒っぽい茶色です。そして首の後ろが黒い縁取りのある金色になります。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (10)

長い足の指とツメで、体重を分散して蓮の葉の上を歩きます。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (4)

雛をつれたレンカクです。ここに連れてきてくれた友人は「蓮の葉の上で巣をつくってる」といっていましたが、孵化したようです。そしてヒナのしっかりした足。レンカクの雛は、その水の上と言う厳しい環境から、孵化したらすぐに動けるのだそうです。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (6)

レンカクはオスが子育てをする”イクメン鳥”だそうで、これはお父さんなんですね。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (8)

お父さん、近づいてきたインドアカガシラサギに声を発しています。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (11)

こちらは2羽のレンカクが羽を広げています。レンカクは求愛ディスプレイが見られない鳥と聞いていますが、何のディスプレイだったのでしょう・・・

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (12)

早朝のパンジャーブ、蓮の池で見た美しいレンカクたちでした!

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Aug 2017, Head Baloki, Punjab, Pakistan

Reference : Zahoor Salmi(Photographer) – Saiyah, Wikipedia( JP) (EN)

★パキスタンの野鳥・野生動物観察の手配は西遊旅行、西遊旅行のパキスタン支店SAIYAH(サイヤ)にて承ります。イスラマバード郊外のマルガラ、ナティヤガラなどバードウォッチング手配が可能です。

 

 

ハマヒバリ Horned Lark(デオサイ高原、パキスタン)

デオサイ高原 パキスタン (4)

ワイルドフラワーに包まれた、7月中旬のデオサイ高原で出会ったハマヒバリたちのレポートです。デオサイ高原(デオサイ国立公園)はパキスタン北部、ヒマラヤ山脈の端っこにある平均標高4,200mの高原で、無数の小川が走り、高原湿地が広がるまさに「天空の花園」と呼ぶにふさわしい場所です。

> デオサイ高原のワイルドライフついて

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (11)

ハマヒバリ Horned Lark はユーラシア大陸北部や北米で夏に繁殖し、冬は南へと渡り越冬する野鳥ですが、パキスタンの北部では一年を通じて観察することができます。チトラールからデオサイ高原までの北部山岳地帯の標高3,300m – 5,100m付近に暮らしています

デオサイ高原のキャンプ地付近や河原にいたハマヒバリ Horned Lark。

デオサイ高原 パキスタン (1)

デオサイ高原の7月半ばはワイルドフラワーの花盛り。特に湖の周辺や湿地帯は標高に応じてさまざまな花が咲き誇っていました。まさに、「天空の花園」。

デオサイ高原 パキスタン (3)

ハマヒバリの暮らすデオサイ高原の風景。山岳地帯の岩陰や地面のくぼみに巣を作って暮らしています。

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (10)

ハマヒバリのオスです。英名Horned Lark の通り、角のような冠羽が左右にあるのがオスのハマヒバリの特徴です。地域によって顔からのどにかけてが黄色になるハマヒバリもいますが、パキスタンでは白~クリーム色なのだそうです。

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (5)

後ろから見たハマヒバリ。両サイドに飛び出た角が、たまらなくかわいらしいです。

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (6)

ハマヒバリの幼鳥です。親と同じくらいの大きさになっていました。

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (8)

草の実を食べるハマヒバリ

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (2)

幼鳥に食事を運んできて与えるハマヒバリの親鳥

Horned Lark ハマヒバリ デオサイ高原 (1)

キャンプ地付近は食事のおこぼれがあるため、一番観察しやすい場所で、パキスタン人の観光客も一緒にバードウォッチングを楽しんでいました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2016 , Deosai National Park – Pakistan

Reference : Helm Field Guide “Birds of Pakistan”, Wikipedia(EN) (JP)

★デオサイ高原を訪れるツアーをご紹介

天空の花園デオサイ高原とカラコルム最奥の谷フーシェ

ナンガパルバット大展望天空の花園デオサイ高原ハイキング ヒマラヤの高山植物の花が咲き乱れるデオサイ高原に3連泊

★パキスタン、デオサイ高原のワイルドフラワー&ワイルドライフツアーの手配いたします。西遊旅行のパキスタン支店SAIYAHが現地コーディネートいたします。お気軽にお問い合わせください。

★2016年7月15日~22日、デオサイ高原クリーンナップキャラバンを実施しました。北部パキスタンの急激な国内旅行客の増加によりごみ問題が深刻になってきました。デオサイ高原も例外ではなく、「今なら間に合う」とパキスタン人参加者30名、日本人3名でデオサイ高原縦断キャンプで清掃活動を行いました。

デオサイ高原 パキスタン (2)

 

カササギ Eurasian Magpie 10月のフンザ(パキスタン)

%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%82%b5%e3%82%ae%e3%80%80eurasian-magpie-black-billed-magpie-%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6-6

10月のパキスタン北部はポプラが黄金に輝く、絶景ともいえる美しい景色が見られる季節。「桃源郷」とも表現されるフンザでは、村のあちこちにカササギたちがいます。

カササギは英名がEurasian Magpie、Black-billed Magpieと言い、ヨーロッパからアジア、そしてアフリカ大陸の北西部に広く分布、11の亜種が報告されていて、パキスタン北部のカササギは P.p.Bactriana、バクトリアナ。北部パキスタンから中央アジアにかけて生息する亜種です。

%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%80%8010%e6%9c%88%e9%bb%84%e8%91%89-2

快晴のフンザ、フンザの谷の中心カリマバードの奥にそびえる山はウルタル峰。

%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%80%8010%e6%9c%88%e9%bb%84%e8%91%89-3

カリマバードからアルチット村へ向かう途中の景色。10月上旬はまだポプラはあまり色づいていません。

%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%80%8010%e6%9c%88%e9%bb%84%e8%91%89-1

宿泊していたバルチット・インのテラスからのカリマバードの畑と果樹園。テラスには野鳥たちがやってきます。

%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%80%8010%e6%9c%88%e9%bb%84%e8%91%89-4

ポプラの木にいたカササギ。

%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%82%b5%e3%82%ae%e3%80%80eurasian-magpie-black-billed-magpie-%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6-7

カササギは一見「黒と白色」の鳥ですが、羽・尾羽は緑・紫のメタリックな輝きを持ちます。

%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%82%b5%e3%82%ae%e3%80%80eurasian-magpie-black-billed-magpie-%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6-1

飛び立ったカササギ。

%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%82%b5%e3%82%ae%e3%80%80eurasian-magpie-black-billed-magpie-%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6-4

カササギはその知能の高さで、鳥類で一番どころか動物全体の中でも知能が高いことで知られています。カササギは鏡に映っている自分を他者ではなく、自分だと認識できる(鏡像認知)「ミラー・テスト」をパスした唯一の鳥類。ちなみにこの「ミラーテスト」をパスした動物は、チンパンジー、オラウータン、ボノボ、ハンドウイルカ、シャチ、アジアゾウで、これらと並ぶ知能を持つと考えられています。社交性もあり、儀礼的な行動も観察されているそうです。

%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%82%b5%e3%82%ae%e3%80%80eurasian-magpie-black-billed-magpie-%e3%83%91%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%80%80%e3%83%95%e3%83%b3%e3%82%b6-5

羊の餌をわけてもらうカササギ、社交的です。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Oct 2015 , Karimabad. Hunza, Pakistan

Reference : Helm Field Guides “Birds of Indian Subcontinent”, “Birds of Pakistan”,  Wikipedia(EN)

西遊旅行のパキスタンの特集はこちら

キガシラセキレイ Citrine Wagtail(デオサイ高原、パキスタン)

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (3)

夏のパキスタン、デオサイ高原で出会ったキガシラセキレイ Citrine Wagtail。 繁殖羽のオスは黄色い頭と黒い翼のコントラストが美しく、花咲き乱れる高原を飛ぶ姿をあちこちで見かけました。

> デオサイ高原についてはこちら

デオサイ高原 パキスタン バラパニ(5)

パキスタンのキガシラセキレイは夏の繁殖期は北部山岳地帯、ヒマラヤの川沿いや湖沼地帯で過ごし、冬は南のインダス平野部に渡り越冬します。写真はデオサイ高原のバラパニ付近(標高4,000m)。キャンプ地に近い河原でキガシラセキレイたちを観察することができました。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (9)

河原に現れた繁殖羽のキガシラセキレイのオス。頭の毛が濡れています。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (7)

繁殖期のオスは黄色い頭、メスは薄い黄色い色をしていますが、幼鳥や、1年目の若鳥は灰色の体をしています。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (8)

キガシラセキレイの若鳥

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (5)

キガシラセキレイの若鳥、河原の石の間の虫を捕まえていました。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (20)

繁殖羽のオス

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (13)

虫を捕食

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (18)

緑の草原のキガシラセキレイ

デオサイ高原 パキスタン (2)

満月の夜でした。バラパニのキャンプ地の光景です。標高4,000m、透きとおる、冷たい空気の夜。

デオサイ高原 パキスタン (3)

朝、霜が降りていました。7月でも十分な防寒が必要です。

デオサイ高原 パキスタン (4)

霜が降りて、キラキラ光る草原。日が昇って氷が解けるまでの、ほんの短い時間だけの輝きです。

デオサイ高原 パキスタン ナンガパルバット

快晴のデオサイ高原、バラパニから東にハイキングに出かけると、途中の丘からは世界第9位峰のナンガパルバット 8,125mが姿を現しました。大きなヒマラヤの「山塊」の頂上まできれいに見えました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2016 , Deosai National Park – Pakistan

Reference : Helm Field Guide “Birds of Pakistan”, Wikipedia(EN) (JP)

★パキスタン、デオサイ高原のワイルドフラワー&ワイルドライフツアーの手配いたします。西遊旅行のパキスタン支店SAIYAHが現地コーディネートいたします。お気軽にお問い合わせください。

★2016年7月15日~22日、デオサイ高原クリーンナップキャラバンを実施しました。北部パキスタンの急激な国内旅行客の増加によりごみ問題が深刻になってきました。デオサイ高原も例外ではなく、「今なら間に合う」とパキスタン人参加者30名、日本人3名でデオサイ高原縦断キャンプで清掃活動を行いました。

デオサイ高原 パキスタン (2)

パキスタン デオサイ高原のワイルドライフ

パキスタンのオコジョ (1)

パキスタンのデオサイ高原はパキスタン北西部、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈の間にある高原です。

広さは3,000平方キロメートル、平均標高は4100m。決して広大とは言えない高原ですが、急激に個体数を失ったヒマラヤヒグマの保護のため1993年に国立公園に指定されました。

デオサイ高原 (2)

11月~5月は雪に閉ざされ、「天空の湿地帯」とも呼べる豊かな植生が残されています。現在はDNP=Dosai National Parkが運営・管理し、WWFやUS-AIDの支援行われています。よくよく考えるとこれだけの大自然、無数の小川が走り、野生動物を育む湿地帯が残っていることは大変貴重であり重要なことなのです。

さて、10月初旬、標高4,000mの高原でキャンプ、寒さに耐え出会った、デオサイ高原のワイルドライフをご紹介します。

デオサイを一番有名にしているのが、ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bearの存在です。

Himalayan Brown Bear ヒマラヤヒグマ (2)

ヒマラヤヒグマ Himalaya Brown Bear はヒグマの亜種でヒマラヤ山脈とその周辺に暮らすヒグマ。もともと、ネパール、チベット、北インド、北パキスタンに広く生息しましたが、トロフィー・ハンティングや毛皮・薬の材料目的として狩猟され、また生息地域を失い激減しました。ブータンではすでに絶滅したと考えられ、インドのヒマーチャール・プラデーシュ州の国立公園に35頭ほど、パキスタンに150~200頭ほどが生息するのみとなりました。標高4,000mを越える高原を歩き、近づいて撮影した1枚です。

★ヒマラヤヒグマのサイティングはこちら

デオサイ キャンプ (3)

デオサイ高原の湖や川原には渡り鳥が来ていました。

デオサイ キャンプ (4)

オオズグロカモメ Pallas’s Gullです。ロシア南部~中央アジアで繁殖し、冬はアラビア半島からインドの沿岸へと渡ってくるカモメ。その渡りの途中でこのデオサイ高原にいるのでしょうか。

オオズグロカモメ

オオズグロカモメ Pallas’s Gullは繁殖期の個体は頭が黒いですが、そうでない個体と若い固体は頭は白です。目のふちの白と黒の模様が特徴的です。

ヒマラヤマーモット

ヒマラヤ・マーモット Himalayan Marmot はデオサイ高原で簡単に出会うことができる動物です。キャンプ場の近くにも巣穴があり、親子のマーモットを観察できました。もうすぐ冬眠の季節です。

パキスタンのオコジョ (2)

たまらなくかわいいオコジョ Stoat

ヤマイタチとも呼ばれるオコジョ、顔が丸っこく、さらに耳も丸いのです。季節ごとに毛の色が変わり、夏は背中側は茶色、お腹側は白、冬は全身真っ白で尻尾の先が黒くなります。この写真の子はもう冬バージョンです。

デオサイ高原に滞在中、キツネも観察することができました。秋のデオサイ高原は本当に寒く、キャンプの朝はテント内でもマイナス5度まで気温が下がりました。

最後に、ワイルドライフではありませんが、デオサイ高原の星空です。標高4,000mの星空、秋晴れの夜空ならでは景色。

デオサイ高原 (5)

降るような、星空でした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Oct 2015, Deosai National Park, Pakistan

Reference : Mr.Ghulman Raza – Deosai National Park, Wikipedia( JP & EN), Helm Field Guide “Birds of the Indian Subcontinent”