カテゴリー別アーカイブ: 極東ロシア Russian Far East

繁殖地のオオワシ (カムチャッカ半島)

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (6)

日本では2月の北海道、風蓮湖・羅臼の風物詩ともいえるオオワシの姿。オオワシは冬を千島列島南部や北海道で過ごし、3月上旬には北上し繁殖地へ向かいます。

オオワシの繁殖地はカムチャッカ半島の沿岸部、オホーツク海の沿岸部、アムール川河口部、サハリン、千島列島などの北東アジアの沿岸です。その中でもカムチャッカ半島が最も大きな繁殖地。6月、カムチャッカ半島の東海岸の河口部でオオワシを見ることができました。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (2)

火山がひしめくカムチャッカ半島。海岸からも美しい山の姿が見られます。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (1)

東海岸、ジュパノバ川の河口にいたオオワシ。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (4)

オオワシは2~3月にかけて求愛行動が見られ、巣は木の枝などを使って木の上や崖の上に作ります。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (3)

直径250センチ、高さ150センチにもなる大きなオオワシの巣。4~5月に1~3個の卵を産みます。8~9月に巣立ちできるのは平均2羽。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (8)

河口の岸壁の上にも巣がありました。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (9)

灯台の上で見張りをしているオオワシ。ガイド氏によると、この季節はまだ緑がないため巣を見ることができるけど、数週間もすると新緑で覆われて巣を見ることはできなくなる、とのことでした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Kamchatka Peninsula – Russian Far East

Reference : Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (9)

千島列島のシラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet です。シラヒゲウミスズメは千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、オホーツク海の北沿岸で繁殖する、非常に限られた場所でのみ観察される海鳥。日本では稀な冬鳥として北海道~本州北部で見られることがあるそうです。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (8)

夏羽の白い飾り羽が大きな特徴で英名の「Whiskered」も「頬ひげがある」という意味。この目、赤いくちばし、息をのむ美しさです。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (4)

繁殖地ではエトロフウミスズメと一緒にいました。エトロフウミスズメ(23-27センチ)に比べるとシラヒゲウミスズメ(17-22センチ)はだいぶ小型です。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (5)

船が近づくと、いっせいに飛び立ちました。夏は繁殖の季節。甲殻類のプランクトンを採餌し、のどの袋に入れて巣へと運びます。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (6)

その飛んでいる様は圧巻。シラヒゲウミスズメの糞が服についたのですが、甲殻類の色、ピンク色でした。

シラヒゲウミスズメは夜に巣にやってくるとのことで暗くなるまで待ちました。そしてウミスズメの大群が・・・

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (2)

シラヒゲウミスズメ、暗かったし船の上からの写真撮影は難しかったですが、圧巻です!

Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Kuril Islands – Russian Far East

Reference : Nik Pavlov – M/V Afina, Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia, 海鳥識別ハンドブック

★2018年ツアー情報 千島列島への船旅。じっくり観察するための少人数チャーターです。

千島列島アドベンチャークルーズ
カムチャッカ半島から千島列島へ 西遊旅行のチャーター船利用で巡る特別企画

 

エトロフウミスズメ Crested Auklet

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (7)

千島列島のエトロフウミスズメ Crested Aukletです。千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、サハリン島北東岸、オホーツク海北岸、チュコトカ半島沿岸の海に生息し、夏にコロニーを形成し繁殖します。日本では冬鳥として北海道~本州北部で見られます。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (9)

23-27センチと大きめでずんぐりむっくりした体型、夏羽では長い冠羽を持ち、英名のCrestedの通り。そして白い目、オレンジ色の太いくちばし。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (8)

集団で浮いていました。夏のくちばしの色は大変鮮やかなオレンジ色です。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (2)

繁殖コロニー付近のエトロフウミスズメ。5月半ばから8月半ばに繁殖地へやってきます。エトロフウミスズメは深く潜ることができ、おもにオキアミ食べ、のどの袋に入れて巣へ運んできます。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (4)

エトロフウミスズメ、正面。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (5)

船が近づくと水面を蹴って走り飛び立っていきます・・・

Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Kuril Islands – Russian Far East

Reference : Nik Pavlov – M/V Afina, Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia, 海鳥識別ハンドブック

★2018年ツアー情報 千島列島への船旅。じっくり観察するための少人数チャーターです。

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ハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemot – ベーリング海・チュクチ海(極東ロシア)

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (9)ベーリング海、チュクチ海沿岸で出会ったハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemotの観察記録です。冬の北日本にもやってくるそうですが、ベーリング海、チュクチ海の沿岸にある断崖は夏になるとハシブトウミガラスの巨大な営巣地となります。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (11)

これはチュクチ海のコリューチン島の断崖です。夏の2~4か月の繁殖期のみ断崖にいて、それ以外の季節は海で暮らします。海で暮らすというのは、海に浮いているか、飛んでいるかということで、ハシブトウミガラスは小魚やエビを捕食し、陸地のもの(虫や木の実)は食べません。夏の繁殖シーズンが終わるとこの断崖は空っぽになり、また翌年同じ個体が戻ってきて営巣します。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (10)

断崖の営巣地です。ハシブトウミガラスとウミガラスがまざっています。この2種は営巣地も飛ぶ時も一緒にいることが多いです。遠目で見分けるのは難しいですが、夏のハシブトウミガラスのくちばしの喉の方に白いラインが入るのが特徴で、体の色もウミガラスよりもより黒っぽいです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (12)

巣をよく見ていたら雛が見えました。この雛の巣立ちは、ここから飛びたつのではなく、まず海に落ちて泳ぐところから始まり、それをオスが面倒を見ます。ダイブして餌の魚を捕って教え、2~3週間で飛べるようになるそうです。メスはオスが海で養育中も巣に残り、この営巣地を去るギリギリまで「ここは私の場所」であることを主張し、次の年にもここへ戻ってきます。断崖の場所争いは熾烈だそうです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (2)

ハシブトウミガラスの足は体の下の方についており、これは泳ぐのに適しているのだそうです。ダイブして魚やエビを捕まえるのに50~60mの深さまで潜りますが、泳ぐのには足を使わず羽で泳ぎます。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (1)

群れを作って飛んでいるハシブトウミガラス、そのうちの何匹かは魚を縦に銜えています。これはハシブトウミガラス、ウミガラスの写真の楽しみのひとつです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (8)

そしてもうひとつの写真の楽しみが断崖から羽と足を広げて降りてくるハシブトウミガラスの格好。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (4)

ハシブトウミガラスは断崖からふわりと海に落ちてきて、海から助走をつけて羽ばたいて飛び立ちます。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (5)

ハシブトウミガラスのこの格好が、愛らしくてたまりません。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , Kolyuchin Island, West coast of Wrangel Island – Russia Far east

Reference :  Samuel Blanc, Helm Field Guides “Birds of East Asia”, A complete guide to Arctic Wildlife (Richard Sale)

セイウチを食べるホッキョクグマ ウランゲリ島(極東ロシア)

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (10)

ロシア北東チュクチ海、ウランゲリ島東部からヘラルド島へ向かう途中の朝7時ごろ、朝ごはん中のシロクマたちと出会いました。初めは7頭くらいかと思っていましたが、周囲には20頭ほどのホッキョクグマが肉の匂いに集まっていました。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (7)

ホッキョクグマたちが食べていたのはセイウチです。2016年のウランゲリ島付近は氷が多く、ホッキョクグマもセイウチも氷があるうちは氷の上で暮らし、溶けてなくなると島へ上陸します。

ホッキョクグマにとって、セイウチのハンティングはリスクが高いのであまり行わないとのこと。なので、今食べているセイウチも狩りより、既に死んでいたか弱っていた個体だろうとのことでした。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (8)

ホッキョクグマは社交的な動物で、ここに集まっているクマは家族というわけではなく、一緒に食べることができます。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (6)

左の黄色っぽいクマは、ホッキョクグマのファイバー状の中空の毛に藻類が入り色がついたもので、一般的に年をとったホッキョクグマほど黄色っぽく、若いクマほどより白いそうです。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (2)

仲良く食べているのかと思っていましたが、あとから来たクマに威嚇しています・・・

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (4)

セイウチを独り占めしたいホッキョクグマ

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (9)

お腹がいっぱいになったクマたちは泳いで別の氷へ移動していきます。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (5)

こちらは次にセイウチに近づこうとしているクマでしょうか。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (1)

周りにはまだまだホッキョクグマたちが待っていました。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , East of Wrangel Island – Russian Far east

Reference :  Katya Ovsyanikova

 

ホッキョクグマの親子 ウランゲリ島(極東ロシア)

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (8)

チュクチ海のウランゲリ島周辺でホッキョクグマの親子と出会いました。

ウランゲリ島 Wrangel Islandはロシアの北東部チュクチ海にある大きな島。東西100キロ、南北80キロありその形は「眠っているホッキョクグマの子供」のようです。

ウランゲリ島は1867年に初めてヨーロッパ人が上陸し「発見」した島で、1900年代初めは「探索」の名目でアメリカとロシアがその領土権を争いましたが1911年にロシアが領土宣言し、1926年には居住地を作りました。一時は島の開発も検討され集落が作られ、アメリカとの緊張が高まると軍事基地が置かれましたが、現在はそのほとんどが廃墟。

1976年に自然保護区となり、1997年に島の周囲12海里が海洋保護区に、2004年にはユネスコの自然世界遺産に登録されました。

2016年8月のウランゲリ島周辺は、氷が多く、ホッキョクグマたちはまだ島には上陸せずほとんどが氷の上で暮らしていました。夜21時、ホッキョクグマの親子を見つけました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (6)

2頭の小熊をつれたホッキョクグマ。お母さんクマが船を気にしながら歩いています。ホッキョクグマの繁殖地であり、「ホッキョクグマ揺籃の地」と言われるウランゲリ島でさえ、そのデン(巣穴)の数は1990年代の調査から4分の一ほどまで減り、減少が心配されています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (4)

小熊も船を見上げています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (9)

氷の向こう側へ行ってしまいました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (2)

再び姿を現し、お母さん熊が様子をうかがっています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (3)

小熊たちも姿を現しました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (12)

氷の上から船が遠ざかるのを見ています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (14)

夜21時30分、暗くなり、霧も出てきました。ホッキョクグマの親子にお別れです。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (15)

霧と氷の中に消えていきました。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , East of Wrangel Island – Russian Far east

ベーリング海のコククジラ Grey Whale

Grey Whale -Bering Sea (13)

この夏の一番幸せなできごとのひとつが、ベーリング海でコククジラGrey Whaleが私たちに見せた行動でした。

コククジラ Grey Whaleは体が灰色で、フジツボやエボシガイなどの寄生生物が体に付着しているのが特徴的なクジラ。大陸の沿岸部の比較的海の浅いエリアを南北に回遊しています。ここで出会ったコククジラたちは、夏はベーリング海の海で捕食し、冬はメキシコのバハ・カリフォルニアまで下り繁殖するグループです。

ウランゲル島への船旅の途中、ベーリング海のイティグラン島、セニャヴィナ海峡付近でゾディアック・ボートに乗りコククジラのグループを探しました。今日はあまり天気が良くなく、ゾディアックを走らせるととても寒い。

いました、コククジラたちです。

Grey Whale -Bering Sea (1)

4頭が浅瀬で捕食中。まだらな体が特徴的。浅い海で、海底の泥や砂に済むカニなどをヒゲで漉しとって捕食します。

Grey Whale -Bering Sea (3)

遊んでいるのか、尾びれをあげて水面をたたいています。コククジラのテイル・スラップ Tail Slup。

Grey Whale -Bering Sea (2)

尾部の背面にある数個のコブ。背びれはありません。

あるゾディアック・ボートが動きをとめました。私たちの乗っていたゾディアックのリーダーが、「まさか」といいながら船を近づけます。そう、コククジラが、観光客に体を触らせているのです。

Grey Whale -Bering Sea (5)

このコククジラのグループは、メキシコのバハ・カリフォルニアで「ホエール・タッチング(くじらにタッチ)」をしたことのあるグループでした。バハ・カルフォルニアでは観光客の乗る小船にコククジラが近づいてきて体を触らせてくれることがあり、「ホエール・タッチング」ができる場所として知られています。

Grey Whale -Bering Sea (10)

ボートに近寄ってきました。ゾディアック・ボートを頭で押して遊んでいます。

Grey Whale -Bering Sea (6)

こっちにもやってきました。

Grey Whale -Bering Sea (7)

目の前で浮上、フジツボだらけです。

Grey Whale -Bering Sea (8)

つかさずタッチ

Grey Whale -Bering Sea (9)

潮を吹いて、私たちのゾディアックのまわりを移動。きちんとすべてのゾディアックに愛想を振りまいていきます。

Grey Whale -Bering Sea (11)

冬にバハ・カリフォルニアで「ホエール・タッチング」を行うコククジラは、夏のベーリング海では「捕鯨対象」です。この地に暮らすチュクチやエスキモーの人々には「割り当て」があり、その数以下の捕鯨が認められており(商業捕鯨は認められていません)、今年もイティグラン島付近ではすでに2頭が捕獲されていました。そのため、この海域ではクジラたちは、船を見ると逃げていきます。

それなのに、ゾディアックボートを見て、バハ・カルフォルニアでのできごとを思い出したのか、近づいてきて遊んでくれたコククジラ。

言葉にならない、感激の瞬間でした。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2015 , Senyavina Strait & Yttygran Island – Bering Sea – Russian Far east

Reference :  Lecture from Katya-Heritage Expedition, Wikipedia (JP,EN)

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ベーリング海峡を越えて ウランゲリ島への冒険クルーズ
ベーリング海を望むチョコトカ半島沿岸から「北極のガラパゴス」と呼ばれるウランゲリ島へ

 

 

 

ウランゲリ島 夏のホッキョクグマ (極東ロシア)

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (4)極東ロシアのウランゲリ島とヘラルド島は世界で最もDEN(ホッキョククマの巣)の密度が高く、世界最大の繁殖地、「ホッキョクグマのゆりかご」と呼ばれている島です。

ここではホッキョクグマたちは海に氷がある間はギリギリまで氷の上にいて、溶けてしまうとウランゲリ島やヘラルド島へ上陸してきます。氷がないとアザラシが捕食しにくいため、陸上にある「食べられるもの」を探して、再び海が氷に覆われるのを待ちます。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (1)

8月下旬のウランゲリ島、赤くそまるツンドラを歩くホッキョクグマ

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (3)

なんとも健康そうなホッキョクグマの兄弟。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (5)

ちょっと威嚇気味か、まるまるしています。太ったホッキョクグマを見ると幸せです。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (6)

こちらは3兄弟?それとも子供大きな親子か。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (9)

人間を見ると、こわいのか海へ入っていきます。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (11)

続いて3兄弟も海へ

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (14)

泳ぐ3兄弟。ホッキョクグマは泳ぐのが大変上手で、もともと「海の生き物」。学名は Ursus maritimus で、文字通り「海熊」。

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (19)

立ち泳ぎ中?

ウランゲル島のホッキョクマ シロクマ (17)

疲れたのか、海から出てくる子、海から私たちの様子を伺っている子も。

ウランゲリ島西部、Dream Headと飛ばれる海岸には30頭を数えるホッキョクマが観察されました。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2015 , Dream Head, Wrangel Island – Russian Far east

 

ウミガラス Common Guillemot (極東ロシア、 ベーリング海)

Guillemot ウミガラス (3)

ベーリング海峡からチュクチ海沿岸で観察したウミガラス Common Guillemot の観察の記録です。

英名はCommon Guilemot またはCommon Murreと呼ばれる海鳥で繁殖期の夏にコロニーをつくります。見た目が非常に似ているBrunnich Guillemot ハシブトウミガラスを一緒にいることが多く、同じ場所で営巣し、一緒に飛ぶこともあります。

Guillemot ウミガラス (6)
Guillemot

ウミガラス Common Guillemot とハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemot が一緒に飛んでいます。

ウミガラスが少しブラウンがかった色でハシブトウミガラスが黒っぽく口元に白い模様があります。

夏の2~4ヶ月の間、海に面した断崖で子育てします。それ以外の期間は海で浮かんでいるか、飛んでいます。エビや小魚とかを捕食し、陸地のもの(虫、木の実など)は食べません。繁殖期が終わるとこの断崖も空っぽになります。

Guillemot ウミガラス (9)

ウミガラスが浮いているのは遊んでいるのでありません。ダイブして魚・エビを捕まえるため。50~60mの深さまでダイブすることができ、泳ぐときは脚は使わず手(羽)を使ってもぐります。

Guillemot ウミガラス (10)

ウミガラスが水面を助走し、飛ぼうとしているところです。ギルモットは崖から直接飛ぶことはなく、まず、海に飛び込んで、そこから助走をつけて飛びます。

ギルモットは絶壁を好み、目の前の海が大きな捕食場です。繁殖期には卵を1個を産みます。その形はヨウナシ型で、絶壁で落ちにくい形、転がるのをふせぐ形なのです。

Guillemot ウミガラス (11)

通常は巣にオスかメスと雛が一緒にいます。断崖のコロニーでは、親鳥が子を光と風からまもっていて、親鳥と断崖の間に雛がいることが多く見ることが難しいです。また、小さな雛は親鳥の足のあいだにもいたりします。20~30日で雛は旅立ちます。まず、海に飛び込んでしばらく飛ぶ練習をします。この間オスが子供が自分で魚を取れ、飛べる様になるまで面倒をみます。

Guillemot ウミガラス (2)

幼鳥の面倒を見る親鳥。それでも、溺れ死んだり、天敵である大型のカモメに襲われたりもします。

Guillemot ウミガラス (12)

海で死んだウミガラスの幼鳥を食べるシロカモメ Glaucous Gull。大型のカモメは天敵です。

オスが幼鳥の子育てをしている間のメスはというと、雛が巣立ったあともコロニーの巣で自分の場所を主張。この場所の確保・生存競争は激しく、コロニーを去るの日までメスは自分の巣を守ります。

Guillemot ウミガラス (8)

そして巣立った雛は4~5年後に元の場所へもどってくるといいます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mid of Aug 2015 , Preobrazheniya Bay, Kolyuchin Island- Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc

 

エトピリカ Tufted Puffin(極東ロシア、チュクチ海)

Tufted Puffin エトピリカ (2)

極東ロシア、ベーリング海沿岸とチュクチ海沿岸で観察したエトピリカ、Tufted Puffin の観察記録です。

エトピリカ、その名前、葉加瀬太郎氏の名曲Etupirkaでご存知の方のほうが多いはず。生息地はオホーツク海からカムチャッカ半島、チュコトカ半島のベーリング海沿岸からウランゲル島にかけてとアリューシャン列島からアラスカにかけての海域。アイヌ語で ”くちばし=etu 美しい=pirka ”という意味を持つこの鳥は北海道の沿岸でも見られましたが現在では、日本での地域絶滅が危ぶまれているのだそうです。

エトピリカ も ツノメドリと同様に冬はその鮮やかさが失われ、くちばしも含めて黒色になります。夏羽と冬羽の変化の大きな鳥です。

美しいエトピリカ、ツノメドリと同様にその大きなくちばしは美しいだけでなく、たくさんの魚を一度にくわえることができるのです。くちばしの縁はギザギザで、捕まえた魚を一匹づつはさみ、さらに次の魚をつかまえていきます。

Tufted Puffin エトピリカ (6)

上手く撮れていませんが、口にたくさんの魚をくわえたエトピリカ。ベーリング海峡を航行中に通過した米ソの国境となるダイオミード諸島のロシア側、ビッグ・ダイオミード島はPuffinやAukletが営巣する断崖のある島。朝、無数の海鳥が空を舞い、シャッターを切った中に、このエトピリカが魚をくわえた写真がありました。

Tufted Puffin エトピリカ (8)

Tufted Puffin エトピリカ (5)チュクチ海のコリューチン島は海鳥の一大営巣地です。ここは上陸して「アイレベル」で観察できる、鳥好きにはたまらない場所。

目の前で、海鳥の子育て、エサを与える姿、縄張り争い、そして争いに負けて死んでいく雛たち・・・厳しい自然に生きる野鳥の姿を観察することができるのです。

それにしてもTufted Puffin エトピリカの美しいこと。

この島の固体は目がグレーでまさに「男前」という言葉が似合う美しさ。

 

Tufted Puffin エトピリカ (9)

断崖では群れをなしている姿はみかけず、ウミガラスなどとまじって魚を狙っていました。

Tufted Puffin エトピリカ (7)

Tufted Puffin エトピリカ (3)

8月ももう終わり、雛も巣立ち、間もなくすこし南の海へと移動していきます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mid of Aug 2015 , Kolyuchin Island、Big Diomede Island- Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc