秘境カラーシャの⾕ 「カラーシャ族はどこから来た︖」

2020

パキスタンは多⺠族国家。“多⺠族”のなかでも異⾊な存在のカラーシャ族。“パキスタン・イスラム共 和国“において、このパキスタンだけに暮らす、イスラムはなく独⾃の神を信仰する⺠族なのです。

 

1970年代にはイスラムへの改宗が推奨され⺠族の存亡が危ぶまれましたが、その後の政府によるカラーシャ族の保護もあり、過去20年ほどの間にカラーシャ族の⼈⼝は⼤幅に増加。カラーシャとしてのアイデンティティーを強く持ち、イスラムへの改宗が⾮常に少なくなったことと、⺟親たちがカラーシャの⼈⼝を増やすために7〜8⼈の⼦供を⽣むことが理由にあげられます。古いガイドブックや案内書では⼈⼝3000⼈と記載されていますが、ここ数年訪れている間、3つの⾕(ボンボレット、ランブール、ビリール)をあわせて4000⼈はいるのではないか、と聞かされます。

 

「カラーシャ族はどこから来た︖」

これには3つの説があります。ひとつは、その⽩い肌・⻘い瞳ゆえに、紀元前4世紀のアレキサンダー⼤王の軍隊の末裔であるという説。アレキサンダー⼤王の軍隊がこの付近を通過したと⾔う事以外、何の⽴証もありませんがギリシャからの観光客も多く、NGOもこの⾕で活動しています。
もうひとつ はカラーシャの伝説・叙事詩に現れる“Tsiyam”という南アジアの⼟地からアフガニスタンへ移動してきたというもの。
そしてもうひとつは通説で、彼らの祖先が紀元前2世紀ごろア フガニスタンから現在のチトラールを中⼼とする地⽅に移動し、10世紀頃にはチトラール含む地域を中⼼に勢⼒を広め、12〜14世紀には有⼒な王を持ち栄えました。が、その後周辺でのイスラムへの改宗が進み現在の3つの⾕だけに残されるようになったといわれています。

 

現在のカラーシャ族はハイバル・パフトゥーンホア州 Khyber-Paskhtunhwa チトラール県のアフガニスタン国境の⾕、ボンボレット、ランブール、ビリールの3 つの⾕に暮らしています。

 

⾔語的にはインド・ヨーロッパ諸語のインド・イラン語派、ダルド語系カラーシャ語を話すグループ。かつては国境をはさんだアフガニスタン側にも同じカラーシャ族が暮らす「カフィリスタン」がありましたが、1896年にイスラムへの改宗が徹底され「ヌリスタン【光の国、イスラムの光の国】」へと変わったことから、パキスタンのカラーシャ族だけが唯⼀の存在となったのです。
神秘に満ちた伝説、⻘い⽬、あまりに美しい⼥性の⺠族⾐装姿。

きっと虜になるはずです。

 

Photo & Text :  Mariko SAWADA

※このブログの記事は2011年2月に西遊旅行のブログサイト「サラーム・パキスタン」に投稿したものをリメイクしたものです。写真は2006年から2014年の間の訪問時に撮影したものです。

カテゴリ:■ハイバル・パフトゥーンハー州 > カラーシャの谷
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フーシェ谷から見る、K1マッシャーブルム

フーシェ谷から見る、K1マッシャーブルム(7,821 m)です。フーシェ谷の付近からも見ることができますが、少し奥、ブルンブルマのキャンプまで行ってみました。

 

6月、緑の美しいフーシェ村。「カラコルム」へのもうひとつのゲートウェイとなる村です。

 

標高4,050m、ブルンブルマのキャンプです。雪が多い年でした。

 

フーシェ谷からブルンブルマに向かう途中に見た「ユキヒョウの罠」。ユキヒョウは保護しなくてはならないのですが・・・。これは古いものだそうで、フーシェ谷ではユキヒョウの目撃情報がたくさんあります。村人からは「冬に来い、俺が見せてやる」と言われるのです。

 

マッシャーブルムの雄姿。

 

美しい氷壁が連なります。

 

ブルンブルマのキャンプから、夕日のマッシャーブルム。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Jun 2010, Brumbruma Camp, Hushe Valley, Gilgit -Baltistan

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > フーシェ谷 > K1マッシャーブルム
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フーシェ側からゴンドゴロ・ラ、現れたK2

ずいぶん前の記録ですが、雪が多かった年の6月にフーシェ側からゴンドゴロ・ラへ登りました。フーシェ側の急斜面を雪が舞い散る中ひたすら登り続け、さらには「きっと上がっても景色は見えないのだろう」と、期待しないよう自分に言い聞かせていました。

上がったゴンドゴロ・ラの上、やはり雲の中でした。明るくなると下山時の雪崩が心配されるため、あまりゆっくりもできません。そして間もなく・・・

アリキャンプ側を見に行くスタッフの前方の雲が切れ、K2が現れました。

ゴンドゴロ・ラから見るK2。本当にわずかな時間、「宇宙」を感じる景色でした。

登山中にカメラの設定も狂っていて色のおかしな写真になってしまいましたが、この数分の景色にすべてが報われました。

ゴンドゴロ・ラから見たアリキャンプサイド。

こちらはフーシェ側の下りです。このあとは一気に下山してフスパンのキャンプを目指しました。キャンプではコックさんが「天ぷら」を用意してくれていました。疲れた体にはヘビーでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Jun 2010, Gondogolo-la, Hushe Valley, Gilgit -Baltistan

 

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > ナンガパルバット > フーシェ谷 > K2
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モルホン村のユキヒョウ-2

モルホン村で「ユキヒョウがアイベックスを仕留めて川の対岸に座っている」という連絡を受けギルギット付近にいた私たちは急いで北上し、モルホン村を目指しました。

雪道で危ないからゆっくり走行しなくてはいけないし、でも早くいかないとユキヒョウがいなくなるかも、いや、もういないのかも・・・。複雑な心境でモルホン村へと向かいました。

 

到着して最初に見たユキヒョウ。川の対岸にいて距離は近いのに最初は見つけられず、尻尾が動いてようやく見つけることができました。時間は15時を過ぎており、暗くなるまでにユキヒョウが動いてくれるか心配でした。

午前から観察しているモルホン村の人たちによると、アイベックスをハンティングして、食べて、残りを茂みに隠して、川に入って再び岩場に上り、そこにしばらく座っていたが寝てしまい、現在に至ると。村人が携帯で撮影した、川に入るユキヒョウ動画など見せてもらいながら、待ちました。

 

ユキヒョウが動き出しました!村人がワヒ語で「シャウバシ!」と口々に叫びます。「シャウバシ」は英語で言うとVery goodとかWell doneな感じで、伝統の踊り等のシーンで叫ばれています。この時、モルホン村の村人と周辺の村からやってきた人たち30人ほど。

 

ユキヒョウが飛び出してきました。村人が「シャウバシ!シャウバシ!」と喜んでいます。

 

野生のユキヒョウが目の前に。

 

村人たちはユキヒョウが仕留めたアイベックスのところへ行くのを期待していましたが、ユキヒョウは再び座り込んでしまいました。もう、写真撮影の限界の暗さです。見えなくなるまでユキヒョウの最後の姿を追い、その場を後にしました。

 

最後に・・・モルホン村で観察していた場所です(ドローン撮影)。

モルホン村の皆様、ありがとうございました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Morkhun Village, Gojar, Gilgit-Baltistan

Special Thanks to Mr.Sultan Gohar (Khunjerab National Park), Mr. Yousaf Akhtar for Drone Photography.

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > モルホン村 > ユキヒョウ > # パキスタンの野生動物
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モルホン村のユキヒョウ -1

1月初旬、上部フンザのモルホン村で見たユキヒョウです。クンジュラブ国立公園では足跡を随分と見ましたが、ようやくユキヒョウと出会うことができました。

午前10時半ごろ村人が山の斜面を爆走しているアイベックスを見つけ、よく見たらユキヒョウに追いかけられていました。ユキヒョウはアイベックスを仕留めましたが、場所はなんとモルホン村の川の対岸。村から川を挟んで30mほどの距離でした。

 

モルホン村のゴハール氏から連絡を受け駆けつけたのは15時。ユキヒョウは木の枝に隠れるようにまるまっていましたが、夕刻時に動き始めました。

 

村人が言うには、アイベックスを仕留めた後に川に入ったため、毛がふわふわしていないのだと。カラコルムの高峰群に囲まれたモルホン村の日照時間は短く、あっという間に暗くなってしまいました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Morkhun, Gojar, Gilit-Baltistan

Special Thanks : Mr.Sultan Gohar -KNP (Khunjerab National Park)

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > モルホン村 > ユキヒョウ > # パキスタンの野生動物
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動画 バロチスタン泥火山世界 ”BALOCHISTAN MUD VOLCANO EXPLORER”

昨シーズンに3度通ったバロチスタン。ドローン撮影を中心にバロチスタン、ヒンゴル国立公園の泥火山のまとめ映像をアドベンチャー仕立てで作ってみました。

 

 

今年の冬はどんな表情を見せてくれるのでしょうか。

お問い合わせは西遊旅行のパキスタンチームまで。

 

<その他のバロチスタン動画>

バロチスタン原風景- True beauty of Balochistan – Pakistan

Pakistan Bikers – Balochistan バイクツーリング・バロチスタン

 

Videography & Text : Mariko SAWADA

Visit of Balochistan : Nov 2018, Feb & Mar 2019 with SAYAH Team

カテゴリ:# バロチスタン州の動画 > ■バロチスタン州 > ヒンゴル国立公園 > マクランコースト > 泥火山 Mud Volcano
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秋のヒマラヤヒグマ(デオサイ高原)

デオサイを一番有名にしているのが、ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bearの存在です。

ヒマラヤヒグマ Himalaya Brown Bear はヒグマの亜種でヒマラヤ山脈とその周辺に暮らすヒグマ。もともと、ネパール、チベット、北インド、北パキスタンに広く生息しましたが、トロフィー・ハンティングや毛皮・薬の材料目的として狩猟され、また生息地域を失い激減しました。ブータンではすでに絶滅したと考えられ、インド北部とパキスタン北部に数百頭が生息するのみとなりました。

10月、デオサイ国立公園のスタッフとともにヒマラヤヒグマを探しました。この季節は観光客も減るためヒマラヤヒグマが比較的道路近くまで現れることがあるといいます。それでも双眼鏡で「小さな点」のようなヒグマを見つけてから随分と歩きました。

 

もうだいぶ日が陰ってきました。標高4,000mを越える高原を急ぎ足で歩くのは大変でした。ようやく撮影できる距離まで近づけました。

 

ヒマラヤヒグマの後ろ姿です。国立公園のスタッフによると若いオスとのこと、冬眠前でまるまると太っていました。

 

ヒマラヤヒグマは11~12月に冬眠に入ります。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Oct 2015, Deosai National Park, Gilgit-Baltistan

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > デオサイ高原 > ヒマラヤヒグマ > # パキスタンの野生動物
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ユキヒョウ、山へ帰る

2017年2月下旬、パキスタン北部の村ミズガルで家畜を襲ったユキヒョウが捕らえられました。家畜小屋に入り込みヤギ・ヒツジを殺した上、家畜小屋から出れなくなっていたところを捕獲したとのこと。

 

村人は、ユキヒョウを保護しなくてはならないことは理解するが、行政へ「殺された家畜の補償」をもとめた話し合いがもたれ、捕獲されてから3日目に山へ帰されることになりました。

このユキヒョウはミズガルの村近くで2頭の子どもを連れている姿が目撃されているメスのユキヒョウでした。ユキヒョウは捕獲されたミズガルではなく、クンジュラブ国立公園へ運んできて放すことになりました。

 

ユキヒョウがミズガルで捕獲された話はすぐにニュースになりましたが、ミズガルは中国との国境に近いため、外国人は許可証がないと行けないと言われあきらめていたら、偶然にもクジュラブ国立公園のデーにあるスタッフ小屋にいたところ、このユキヒョウが連れてこられました。

このユキヒョウを放す瞬間を見ようとテレビ局、政府関係者が集まり、車列を組んで移動です。デーから少しいった場所の山の斜面で放すことになりました。

 

檻が開けられても、ユキヒョウはすぐには出てきませんでした。出てこないので、その場にいたパキスタン人が「ローリー、ローリー」と呼びます。「ローリー」は2016年の秋までスストのチェックポストで飼われていたユキヒョウのこと。今はナルタルに行ってしまいましたが、クンジュラブ国立公園の人たちはユキヒョウを見ると「ローリー」と呼ばずにはいられないようです。

ユキヒョウが檻から顔を出して、最初にしたことは、雪を食べたこと。のどが渇ききっていたのでしょう。

 

ひとしきり雪を食べるとようやく前を見ました。

 

そしてあたりを見ます。

 

ゆっくりと檻から出てきました。この瞬間、関係者より拍手が起こりました。

 

自由になったミズガルのユキヒョウ

 

3日間の拘束で毛並みが乱れているし、家畜の血が体についたりして汚れていました。

 

立ち止まっては雪を食べます。

 

ひとしきり雪を食べると茂みの中へ入っていきました。まだこちらのほうを見ています。

 

しばらくすると、ふたたび山を登り始めました。そしてまた座りました。

 

開放されたものですが、野生のユキヒョウが歩いている姿を、私はパキスタンで初めて見ました。

その後、このユキヒョウはじっとしたままでした。私たちも、このユキヒョウが無事にミズガルの2頭の子どものもとに戻れることを願い、その場を後にしました。

翌日、スタッフが最後にユキヒョウがいた付近を見に行きましたがもうその姿はありませんでした。そして開放してから3日後、このユキヒョウが2頭の子どもと一緒にいるのがミズガルで目撃されたと、国立公園のスタッフからメッセージがありました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2017, Khunjerab National Park, Gilgit -Baltistan

Reference : Mr.Sultan Gohar -KNP(Khunjerab National Park), Mr.Falman Razah -KVO ( Khunjerab Villager Organization), Wildlife Department of Pakistan

※記事は2017年4月にupしたhttp://www.saiyu.co.jp/blog/wildlife/を書き直したものです。

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > クンジュラブ国立公園 > ユキヒョウ
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ブズィ峠 Buzi Pass – マクランコースタルハイウェイ

マクランコースタルハウェイをオルマラ方面へ走る途中に越えるブズィ峠。マクランコースタルハイウェイのドライブ自体、大変景色が素晴らしいのですが、その中でもこのブズィ峠への登り道は圧巻です。

峠の登り口にある、Princess of Hope という名のついた岩。私には「・・・?」という感じですが、パキスタンの人々は車を止めて写真を撮っています。このPrincess of Hope、本当に有名で、マクランコースタルハイウェイとウタルへの道の分岐点となる通称ゼロポイントにはこのレプリカがモニュメントとして作られています。

他にも「スフィンクス」とか「王宮」とか呼ばれる奇岩群もあります。

壮大な景色の中を進む車両。

峠の上からはアラビア海、海岸から続く巨大な浸食された大地が広がります。

Pakistan Bikers のライダーさん達。このブズィ峠の走行は間違いなく、マクランコースタルハイウェイのハイライトのひとつです。

Photo & Text : Mariko SAWADA **写真はドローン撮影を含んでいます

Visit : Feb 2019, Buzi Pass, Makan Coast, Balochistan

カテゴリ:■バロチスタン州 > マクランコースト > # バイクツーリング in パキスタン
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夜明けのマクランコースタルハイウェイ

早朝パスニを出発し、クンドマリール方面に向けて走り始めたときにマクランコースタルハイウェイで迎えた日の出。

あまりにも美しいので、みんなで止まってシャッターを切りました。この日はブズィ峠を越えて、ベラ石窟遺跡を経てフズダールまでの長距離移動。ハードな一日の幕開けです。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Pasni, Makran Coastal Highway, Balochistan

カテゴリ:■バロチスタン州 > マクランコースト > # バイクツーリング in パキスタン
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